About −− お話の概要
彼らの住む町には古いもみじの大木がありました。
その木にまつわる言い伝えはそれはもぅ、色々あります。 町に住む者なら、必ず一度は耳にするような噂話。 木の下で告白したら想いが通じた、木に願いを刻んだら叶った、はたまた願いが叶ったけれど代償に大切なものを失った、などなど。 形は色々あれど、このもみじの大木にまつわるお話はこんなものです。 『木の下で真っ赤に染まったもみじの葉に願いを込めると叶う』 嘘か誠か、一時期試す人が後を絶たないことがありました。 ある人は本気で、ある人はひやかしで。 けれど、そのことごとくは叶わなかったそうです。 こうして噂も所詮は噂―――そう思われるようになっていきました。 そして人があまり足を運ばなくなったもみじの大木の根元。 彼はあたりの静けさを好み、足を運ぶようになります。 うまく弾けないギターを片手に……… | ![]() |