大同人物語
平野耕太氏の『大同人物語』にキャラを当て込んだだけ
夏のこみパで派手に立ち回りして、会場を滅茶苦茶にしてしまった猪名川と大庭(+一匹)はこみパ追放処分と相成ったアルよ。
うやむやの内に息投合した3人は、サークルを結成する事に。それからおよそ三ヶ月後…
「私達は…結局はこみっくパーティからは離れられない。私は結局、自分の居場所をここに決めたんだから」
今は『まだ』静まり返ったその巨大な建造物を見上げて、大庭 詠美は呟く。
東京ビッ●サ×ト,イベント会場近くの喫茶店に、彼らはいた。
「8月の決戦場『夏季こみパ』まであと二か月…」
テーブルに肘を付き、猪名川 由宇はいつもにはない緊張した面持ちで続ける。
苦難,まさにそれを前にしたプロの目つきだ。
「同人誌ができるにはひどい手間がかかる。今から方策を練らねば間に合わへん」
ごくり、誰かが唾を飲む音がやけに大きく聞こえた。詠美は彼女の言葉に小さく頷く。
「そうね、通常なら初結成・初参加のサークルの初の同人誌となれば、印刷だけでも一ヶ月近くかかってしまう」
「それだってど〜か分かりませんぜ!」沈痛な面持ちの二人に、しかし陽気な声で大志が叫んだ。
「『牧村女史』の目の前で、あれだけの騒ぎを起こしたんだ,追放処分だぜ、追放処分」
ニヤリ、笑って彼。
「…俺は何も悪いことしてなかったんだが…」彼の隣でボソリ、千堂 和樹は呟くが敢えて無視された。
「牧村女史がどんな手ェ使ってくるか、わかるもんか。彼女は使える手ェはなんだってヤル」コクリ、大志に詠美は頷く。
「その気になれば印刷所に手をまわして、私達の原稿を紛失させる事ぐらいワケないわね」
「そこまであからさまでなくとも、いざ当日になっても『本が来ない・間に合わない』、そんな『こみパによくある風景』を演出されかねんぜ」
由宇は眉をしかめ、3人を見渡す。
「いや、やるわ,絶対。『あいつ』はやる。『使える手』は全部使ってくる」
「まじか…」信じられない,そう言いたげな和樹に由宇は確信して続けた。
「あいつはオタクや。目的の為に手段を選ばない。同人誌の為なら他人の事など屁とも思っていない!」
「…つらい闘いになりそうだな。でも、南さんは当落抽選も担っているぞ」和樹は彼女を思い出しながら、そう呟いた。一瞬、由宇と詠美は硬直する。
「ま〜そんなに暗くなるではない!」大志が立ち上がり、ニタリ、微笑む。
「そういう裏方は俺に任せておいてくれ。アンタらはいかにして一目見て『買い』な同人誌を作るか、その一点にガンバレば良い」
「しかし大志,何か策でもあるのか?」
「まぁな」和樹,そして詠美、由宇と順番に見つめ、大志は意味ありげに頷いた。
「せいぜいイカスオタクを満足させるネタを描いてくれ。俺は俺の仕事をする。血ヘドを吐いてでも必ずアンタらを東館の壁に送り込んでみせる!」
四人の誓いの杯が交わされる。
さぁ、戦闘開始だ!
燃えすぎっす、アンタら…
あとがき
平野耕太氏の大同人物語と重ねました,っつうか、そのまんま。
それ知らないと分からないネタです。
ちなみに私はこのゲーム,このバットエンディングしか知らねぇ…(笑)
なお、南さんはとても優しいキャラです、こんな凶悪ではありません,多分ね。
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