ありったけブルース


Part 1  老人の長話 [track.1 異次元の世界エルハザード (5:38)]

 ストレルバウ 「ワシらの住むこのエルハザード,お主らからすれば神秘と混沌の世界と映るかも知れんが、
  当事者であるワシらにとっては、ごく日常の生活なのじゃ。
  それ以前に、お主らの住む世界はワシらから見ればまさに神秘と混沌の世界なのじゃよ。
  まぁ、それはそれとして、今日はワシらの日常と戯言でも聞いてもらおうかの。
  各話それぞれ繋がりがあったりなかったりするが、ワシらの事を良く知ってもらうには良い機会かもしれぬな。
  それと、これは『異次元の世界エルハザード サウンドトラックT』をBGMとして連動しておるから、
  これを聞きながら読むのも良いかものぅ。こんな日もあっても良いかも知れん,そう思わぬか?」


Part 2  ロジックの海へ [track.3 13月の革命 (2:02)]

 誠  「科学,それは嘘をつかない完全なる理論。
  全ての事象は科学によって説明することができるんや
  そう、例えばさっきみたいに菜々美ちゃんが珍しく卵焼きを焦がしたとしてみよう。
  菜々美ちゃんが溶いた卵を焼く時間はおよそ30秒,その30秒の内に菜々美ちゃんに対して
  何らかが起こる確率,う〜ん、スズメバチが飛んでくる可能性もあるし、床から陣内が出てくる可能性も0じゃない。
  それら起こりうる可能性を足しあげて行くと、菜々美ちゃんが卵を焦がす確率が算出される訳や。
  え? どうやって足していくんかって?
  高性能なコンピュ−タ−でもないとアカンなぁ…でも、でもや,ちゃんと分かるんやで,科学でな!」


Part 3  Unseen Love [track.2 ギルダの悩み (3:10)]

 菜々美 「ったく,まこっちゃんたら…
  そもそも、全て計算なんかで分かる訳ないじゃない。
  どうもこっちの世界にきてから理屈っぽくなったような気がするのよねぇ…
  研究のやりすぎかしら? たまには息抜きにどこかに連れて出してあげよっと!
  って、何よ! べ、別に変な意味で一緒に出かけようって言うんじゃないからね。
  そうそう、科学、科学!
  人の行動なんて計算できないわ。
  そんなに自信持ってるんだったら、さっき私が卵焦がした理由を当ててみてよ。
  絶対、まこっちゃんには分からないんだから!!」


Part 4  KIMOTHI [track.13 炎のアクション シェーラ (2:32)]

 シェーラ 「アタイはうじうじしてる奴は嫌いだね!」
 アフラ  「…はぁ? だから何やの?」
 シェーラ 「何でもはっきりと白黒させなきゃな」
 アフラ  「ふぅん」
 シェーラ 「あと、おどおどしてる奴も嫌いだね!」
 アフラ  「あ、誠はんや」
 シェーラ 「え? あうあう,よ、よう! 誠!」(振り返るが誰もいない)
 アフラ  「アンタ,おどおどしてますぇ…」
 シェーラ 「て,てめぇ」
 アフラ  「それに誠はんならさっき菜々美はんに引っ張られて、どこかに出かけましたし」
 シェーラ 「な、何ぃ!」
 アフラ  「アンタ,誠はんが好きなんやろ」
 シェーラ 「な、何言ってやがる! 誰があんな奴…」
 アフラ  「好きなら好きと言いなはれ,うじうじしてるのは嫌いなんやろ」
 シェーラ 「ア、アタイは…大体、菜々美は何だ?! 誠はただの幼なじみじゃねぇのか,
  さっきも誠に気を取られて卵焦がすしよ」
 アフラ  「菜々美はんはどうでもいいどすぇ,大切んはアンタの気持ちおへんか?」
 シェーラ 「…」
 アフラ  「今日は公園辺りを散歩すると、良いこと起こりそうな気がしますなぁ?」
 シェーラ 「…チッ,今日のところはツケといてやるぜ!」(走り去るシェーラ)
 アフラ  「ったく、世話の掛かる女子どす」


Part 5  試練あり [track.6 空中農場 (3:42)]

 藤沢  「山…神秘と冒険が,そして登り追えた時に得られるあの充実と感動の瞬間!
  その瞬間のために、長い長い,苦しい登り坂を登って行く。
  それはまるで長い人生の縮図の如きだ。
  だからこそ、男は山に登る。
  そこにある苦難と試練を求めて!!」


Part 6  至福あり [track.11 女難のテーマ アレーレ (2:52)]

 ファトラ 「山…フニフニしてて柔らかいモノ,あの何とも言えない感触を手にしたときの充実と感動の瞬間!」
 アレーレ 「最高ですぅ! ファトラさま〜ん!!」
 ファトラ 「我らはその時の為に、どんな苦難を前にしても必ずオトす!」
 アレーレ 「はい!」
 ファトラ 「それはまるで短くて太い、わらわの人生の縮図の如きだ」
 アレーレ 「まぁ、ファトラさまったら〜ん!」
 ファトラ 「だからこそ我らは美女を求める」
 アレーレ 「いざ、行きましょう!」
 ファトラ 「そこにある快楽と至福の瞬間を求めて!!」


Part 7  苦悩あり [track.12 奇妙なネコ ウーラ (2:11)]

 ルーン 「ああ、ファトラ…どうして貴方はそんな風に育ってしまったの?」
 ウーラ 「るーん,隠レテナイデ、止メタ方ガイイト思ウ」
 ルーン 「…私にはあの娘の情熱を止めることはできないわ」
 ウーラ 「迷惑ナ情熱ハ止メタ方ガ、絶対イイ」
 ルーン 「私も情熱を持ったあんな若い時があったわねぇ…」
 ウーラ 「るーん,年増ナノカ?」
   ゲシィ!!
 ウーラ 「酷イゾ,るーん…」(涙)


Part 8  愛情のエッセンス [track.9 ラヴ・マニア (7:19)]

 菜々美 「料理っていうのはね,腕もあるかも知れないわ。
  でも一番大切なのは、月並みなセリフだと思うけど「心」なの。
  美味しいものを食べたい,こんな味のものが食べたい、そう心に描いて作るの。
  きっと美味しいものができるはずよ。
  一番の調味料はね,
  食べてくれた人の喜ぶ顔を思うの。
  その人が貴方にとって大切な人であるほど、美味しくなるはずよ」


Part 9  風的思考 [track.12 クレタリア地下反応炉 (1:51)]

 アフラ 「知識と経験,似て異なるモンどすな。
  風は、「知識」を司る一面がありますぇ,ウチら風の神官は学者肌が多い様どす。
  だから各地にある風の神殿には必ずと言って良いほど、図書館があります。
  そもそも知識とは決まった事柄に対する答えであって、対策ではないということを、近頃痛いほど思い知らされましたわ。
  頭で分かっていても行動に移すのは難しい,知っていることと実際はえらく違う,そこが経験の重要なところどす。
  今までのウチは知識を得ることばかりやったけど…これからは経験も重視しようと思います。
  あくまで、知識の補助としての,経験どすぇ」


Part 10 熱と炎の中で [track.9 ラヴ・マニア (7:19)]

 シェーラ 「思い立ったら行動!
  ちまちまやってらねぇぜ!
  即実行、即殲滅,全力投球!(??)
  実行力こそがアタイら炎を司るモノの一つだ。
  アフラみたいに知識どうこうとか考えてるやつらの気が知れねぇ
  分からなかったら直接見に行きゃ、いいんだよ!
  当たって砕けろ,不言実行! それがアタイの信条さ」
 アフラ  「よう言いますなぁ,誠はんには言えんクセに」
 シェーラ 「うっせ〜んだよ,てめぇは!!
  とにもかくにも,アタイはいつだって自分に正直に生きて行こうと思ってるぜ!」


Part 11 清純乙女?! [track.7 クァウールの秘密 (2:16)]

 クァウール 「周りとの調和,平穏と安息を与えること…
  それが水の神官としての務めの一つだと思います。
  その為には、私自身がいつも冷静でいなきゃいけないんですけど。
  どうもうまくいきませんね,虫を見ると我を忘れてしまいますし、それに…
  誠様と一緒にいると、ちょっと違うんです,自分が。
  殿方だからかと思ったのですが、パルナスも男の子ですし,どうしてでしょう?
  修行を積んで、立派な大神官になればこんなこともなくなるんでしょうか?
  …でも、誠様と一緒にいるときの不思議な気持ちは、ずっととっておきたいですね。
  あら、お話,ズレてしまいましたわね
  ミ−ズ様も結婚なさって、藤沢様に安息の場所を作られました。
  私もそうなれたないいなぁ、と思います」
 アフラ  「アンタ,調和どころか、いつも周りを混乱に導びいとりますぇ…」
 シェーラ 「それにてめぇ,そうなれたらいいなぁって、誰を相手に想像してやがんだ?!」
 クァウール 「…え…?」(頬を赤くして逃げるクァウール)
 シェーラ 「待ちやがれぇぇ!!」


Part 12 母となる君へ [track.7 クァウールの秘密 (2:16)]

 ミーズ 「子供なんだから、あの娘達は…」
 藤沢  「しかし君にもあったんだろう? あんな頃は」
 ミーズ 「あら、今も気持ちは貴方に恋する乙女のままよ」
 藤沢  「…」(背を向ける藤沢に、笑いを堪えるミーズ)


Part 13 儚い足跡 [track.11 女難のテーマ アレーレ (2:52)]

 イシエル 「過去。
  それは誰でも持っているものだね
  よく、「生まれたての自分」な〜んてのを本とか読むと出てくるんだけど、そんなの赤ちゃんくらいっしょ。
  過去は決して切ることはできない。過去があるから、今の自分がいる。
  でも過去に振り回されちゃいけないっしょ。
  大切なのは前を見ること。後ろを振り返るなんていつだってできることなんだ。
  思い出に耽るのも時には良いけど、私は前を見ていこうと思う。
  それを教えてくれたあの人のためにも。
  私は地の教えに基づいて旅をし、見たことのないものを見て、知って,そしてあの人に伝えようと思う。
  そして…常に新しい自分でありたいな」


Part 14 征服・支配?! [track.8 クレタリアの崩壊 (3:17)]

 陣内 「征服,それは私の為の言葉
  支配,それも私の為の言葉
  このエルハザードは私の支配する運命にある世界なのだ!
  その為には!!
  水原 誠! 我が最大のライバルである奴を倒さねばならない!!
  これまで何度も奴に苦汁を舐めさせられてきたが、今度こそは…
  行くぞ,誠、貴様を…倒す!!!」


Part 15 征服・復興!? [track.5 ギルダの反乱 (4:10)]

 ディーバ 「このエルハザードの征服,それはすなわちバグロム帝国復興なのだが。
  陣内殿はいくら妾がバグロムを増やそうと言っても、何やら清純などうこうと
  良く分からぬ事を言って逃げてしまうのじゃ。
  どうしたら良いのかのぅ…やはり力ずくしかないのかのぅ。
  これほど想うておるのにな」


Part 16 その白く小さな手の中に [track.2 ギルダの悩み (3:10)]

 イフリーナ 「征服って何でしょう?
  御主人様とディーバ様が御二人でお話してたんですけど、良く分からなかったんです。
  でもどうやらバラバラな国を一つにまとめるってことみたいですね。
  そうすると、みんな一緒になれるんですよね。
  今までみたいに、ご飯を沢山食べられるところと、水さえ飲めないところなんて差がなくなるんですよね?
  私よりも歳が下の男の子や女の子が、剣や槍を持って悲しい顔をしなくて済むんですよね?
  私、みんなが笑っている顔が見たいから。
  だから征服に一生懸命な御主人様のために、精一杯頑張りたいと思います!」


Part 17 お祭りしましょ! [track.13 炎のアクション シェーラ (2:32)]

 シェーラ 「屋台は好きか?
  アタイは大好きだな。
  祭りの時のあのソースの焦げる香り
  真夏に食べるかき氷
  インチキくさいクジ屋
  …って祭りが好きなんじゃないかって?
  ははは、確かに祭りも好きだぜ。
  心の奥からブワァっと騒げるんだ,お前も好きだろ。
  お前の周りには、祭りはあるか?」


Part 18 慕情 [track.10 神様がくれた日 (4:43)]

菜々美 「まこっちゃん,思い出すね。
  夏休みの終わりに、毎年のように東雲神社のお祭り行ってたよね。
  浴衣着て、綿菓子買って…
  人込みが凄いから、いつも私の手を取ってくれた。
  嬉しかったよ、普段は手をつないでなんかくれないもの。
  私もお祭り、好きだけど、それはまこっちゃんがいたからかも知れないね?」


Part 19 うたたねを続けて幾千夜 [track.14 神秘のパワー イフリータ (3:25)]

 イフリータ 「寝疲れた…まだ時間は来ないのか?
  いい加減、この状態に飽きたぞ,さっさと誠に会ってエルハザードに飛ばさないと。
  お腹空いたわね,仕方ない、もう一眠りするか…起きてるとエネルギー使うし。
  次に起きるのは…8000の夜が訪れた頃かしら,ふぅ」


おわり