不人気投票終了記念! 




着せ替え陣内君

おまけ劇場の方がボリュームあるし…(汗)



 「おい、陣内」
 バコ,彼は深い眠りから蹴り起こされた。
 「ん? な! 何で貴様がここに!」
 窓から差し込む月明かりを背に、不敵な笑いを浮かべる。
 バグロムの居城,その一番奥の陣内の寝室にである。
 漆黒の艶のある長い髪の間から残虐性を帯びた瞳が覗いていた。
 ファトラ=ヴェーナス,ロシュタリアの王位継承者である。
 「よくもこの間(異次元の世界)では十字架に張り付けにしてくれたのぅ」 指の鳴らしながら、寝巻き姿の陣内に詰め寄る。
 「な、な、な,なんだ?! お前は! どうやってここに忍びこんだ?!」 慌てふためく陣内。
 「どうやってだと? ククク…そんなことはどうでもいい,今のわらわは『不人気投票で一位になったお主を不幸にする』っていう免罪状を持っているようなものなのだ!」
 「な、なんだか分からんが勝てそうな気がしない!」 陣内は枕を抱きしめる。
 「ともかく、わらわの復讐を晴らさせてもらうぞ,わらわのもっとも苦痛の時間,お主に味あわせてやる!!」
 「ひ、ひぃぃ〜」



 ロシュタリア城,ファトラは縛り上げた一人の陣内を連れて、彼女の姉の前にいた。
 「さぁ、姉上,わらわの代わりにこいつを」
 ルーンは陣内を一瞥。
 「…やっぱりファトラ,貴方が良いわ。この人、趣味じゃないし
 にっこり、天使の微笑みを浮かべてルーンはファトラの手を取った。
 「「が〜ん」」
 ジタバタしながら着せ替え部屋に引っ張りこまれるファトラと、相手にされず、寂しい陣内の姿があったという。


 「せ、せめて誠にすればよかったぁ〜」 (ファトラ談)





おまけ劇場
 セガサターン・湯川専務のCM第2弾を思い浮かべながら、お読みください。
 **には貴方の思うエルハ製作スタッフの名前を当てはめると、より一層の臨場感が得られることでしょう(爆)。


 何故かスーツ姿で山の頂上にいる**氏。彼の前には子供たち5〜6人がいた。
 …本当かい? 本当にエルハザードは面白くなったのかい?」 疑うように、そして救いを求めるように子供達に尋ねる**氏。
 それに対し、子供達の内の一人が大きく頷きながらこう答えた。
 「はい! エルハザードは異次元になって変わりました!」
 「面白くなりましたよ!」
 「もう、サイコ−です!」

 口々に嬉しそうに語る子供達。**氏は溢れんばかりの笑みでその情景を見つめる。
 と、不意に子供達の目の下に、紫色のクマが生まれる。
 「?」 彼らの目付きが邪悪になったように見えた。
 「「あははははは」」 彼らの微笑みが、いつしか嘲笑に変わる。
 「う〜そ〜だ〜よ!!」 笑いながら、子供の一人が**氏に向かって指さしながら言い放った。
 「異次元の世界エルハザードなんて、つまんね〜よ」
 「みんな,家帰って、『天地無用!』見ようぜ」
 「「かえろうかえろう」」
 「ま、待ってくれぇ,わぁぁ〜〜!!」 一斉に背を向ける子供達を追いかけようとした**氏の足元が崩れる。
 そのまま**氏は奈落の底へと落ちて行った…・・



 …わぁぁ! はっ!」画材の散らかるデスクの上で気が付く**氏。
 キョロキョロと辺りを見回す。どうやら仕事中に眠りこけてしまったらしい。
 「…ま、『天地無用!』ならいいか,同じAIC(パイオニアLDCも)でもあるし♪」 のほほんと呟き、**氏は『天地無用!』第2期シリーズの仕事に手を掛けたのだった。


(負けるな、湯川専務,セガ!)
 開き直るな,**氏!  AIC!


おわり 



あとがき
 元 「異次元の世界エルハザード終了記念。不人気投票において見事一位に輝いた陣内克彦君,不幸な話です。…ファトラの方が不幸か? もしかして」
 菜々美 「駄目よ,こんなんじゃ生ぬるいわ。煮えたぎった油に突き落とすとか、ロシュタリア城下町を引きずり回してさらし者とか、越前裂きとかしなきゃ!」
 元 「おいおい、実の兄だろうがよぉ…」
 菜々美 「兄っていうなぁ〜!!」 泣きながら走り去る菜々美。
 元 「そこまで嫌か,お前…あ、あと、おまけ劇場はCMネタですので、すぐに風化いたします。お早めにお召し上がりください」(笑)

1998.9.20