初夜 ‐龍三×良子
Written by ◆Lumi/2sUEI


 龍三が正体を明かしたのは一ヶ月ほど前。場所はここ良子の部屋であった。
 「俺は男なんだ。田波リュウなんてのは本当は存在しないんだ」
 龍三の告白に少し戸惑いの表情を見せた良子であったが
 「うん…実はなんとなくだけどわかってた」
 「そうか…」
 「うん…」
 「…で、どうする?」
 「俺はお前のこと気に入ってるし、だから正体を明かした。本当は海平にもシスター茜にもばらしちゃダメだと念を押されてたんだけどな」
 「うん…」
 「でもお前はどうだ? 田波リュウが存在しないんだから俺はお前の気持ちをずっと欺いてたことになる。だから全部お前の気持次第なんだ。普通に付き合ってくれてもいいし、憂さ晴らしに殴ってもいいし。煮るなり焼くなり好きにしてくれってことさ」
 「…」
 「どうする?」
 「…別に何もしないよ。これまでと同じ」
 「ん?」
 龍三の目を見つめて良子は続けた。
 「これまでどおりって事。外見は違ってもリュウの根本的な部分は同じなんだから。それに多少は気付いていたしね」
 「そうか…ありがとう」
 「うん」
 「ところで、本当の名前はなんと言うの? 龍三でいいの?」
 「ああ、それだ。何で知ってる?」
 「泳ぎに行ったとき理事長がそう呼んでたじゃない」
 「あ、そうか」
 「これからもよろしくね。リュウのお兄さん」
 「おいおい…」


 正体をばらした後も龍三と良子はこれまでと変わら無い生活を続けていた。
 一つ変わったことは料の自由時間に龍三がちょくちょく良子の部屋に通うようになったことだ。
 周りからは女の子が女の子の部屋に行く様にしか見えていない。
 女子寮では極当たり前の光景だからこれに注意を払う生徒は誰もいなかった。
 いつもの格好で良子の部屋を訪れ、他愛の無い世間話や料理について、または校内の出来事を喋って時間を潰す。
 話しているうちにお互いの理解がより深まる。何日も通うことによって龍三の心の中に良子に対する一歩進んだ特別な感情が芽生えてくるのは当然のことであった。
 「いらっしゃい」
 いつものようにドアをノックして良子の部屋に入った。
 だが良子は龍三の緊張した表情を見逃さなかった。
 「どうしたの?」
 「あ、あのな…ちょっとそこに座ってくれよ」


 「言いたいことがある」
 「なに?」
 「今すぐお前を抱きたい」
 突然の告白。
 正体を明かした時とは比較にならない緊張感が龍三にはあった。
 良子の顔は一気に赤くなる。
 「え…?」
 「もう一度言う。お前が欲しい」


 「け、決して浮ついた気持で言ってるんじゃないぞ! そのお前と一緒にいる時間が多くなって、お前のことを身近に感じてだな…」
 「…」
 「とにかく、お前ともっと近づきたいんだよ。俺はお前が好きだし、だから…」
 良子の眼を見て至って真剣な表情で龍三は言った。
 しかし良子は、龍三の言葉に顔を真っ赤にしながらうつむいてしまった。
 「…すまなかったな。変なこと言っちまって。今言った事は全部忘れてくれ」
 席を立とうとする龍三の上着のすそを掴んで引き止める。
 「待って」


 「嫌じゃないよ…」
 「え?」
 「だから…あたしもその……」
 良子は裾を掴んだまま再び俯いてしまった。龍三は再びベッドの端に腰掛けた。
 「あたしも…?」
 「リュウになら、いいよ…」
 「後悔しないな?」
 「うん…リュウも後悔しない?」
 「俺が後悔するわけ無いだろ! その、欲しかったのは俺なんだから…」


 「キスしていいか?」
 「うん」
 良子はそっと目を閉じる。龍三は良子の頬に手を当てて支えるとゆっくりと顔を近づけた。
 「良子…」
 お互いの唇が優しく接触する。
 良子の唇にわずかに開いた隙間から龍三はゆっくりと舌を入れた。
 「んっ…うふっ…ん…」
 「はぁ…くちゅくちゅっ…」
 龍三は自身の舌を良子の舌と絡めあう。
 龍三は丹念に良子の唾液を吸い上げ、良子の口内に自身の唾液を注ぎ込む。
 「うん…ぺちゃっ…ちゅるっ」
 「んふうっ…ふあっ…」
 良子も絡みついてきた龍三の舌を受け止め、お互いの気持ちを送り届けるかのように段々激しく舌を絡ませる。
 やがてお互いの口内をじっくり味わってから、龍三は良子から顔を離した。
 「どうだった?」
 「……」
 「大丈夫か?」
 「なんかすごい…気持ちよくて温かくて…」
 ぼーっとした表情で良子が答えた。
 「俺も気持ちよかったぜ。お前の唇柔らかいもんな」
 良子の唇を指で撫でながら龍三も答えた。
 「服、脱がしてもいいか?」
 「…うん」
 龍三は良子の制服に手を伸ばすと、リボンを解く。
 「ちょっと腕を上げてくれ」
 良子に万歳の格好を取らせると器用に上着を脱がす。
 上着の下に存在していたのはブルーのブラジャーだった。
 「……」
 初めて女性が身につけているブラジャーを見て、龍三は固まってしまった。
 女装の際、自分がつけている光景は鏡で何度も見ているのだが、他の女性がつけているところを見るのは本やビデオ以外ではこれが始めてあった。
 一度唾を呑み込んで龍三は口を開く
 「きれいなブラだな」
 「この前街に行ったとき買ったんだけど、似合うかな」
 「もちろんだ! よく似合ってる」
 「…ありがとう」
 続けて龍三は手をスカートへと向かわせた。
 普段着ている制服だけあって、その構造については熟知している龍三は、左側のファスナーを下ろし、スカートを脱がせる。
 黒のストッキングも、爪を立てないように、良子の肌を傷つけないように丁寧に脱がしていった。
 「(かわいいな…)」
 龍三の視線の先には良子のブラとお揃いのブルーのショーツがあった。
 初めて見る女性のそれを龍三は熱い眼差しで見つめる。
 いつの間にか動きが止まり、龍三の視線は良子のショーツ一点に集中していた。その光景を目に焼き付けんとするように。
 「あ、あの…リュウ…?」
 「…え?」
 「そんなに見られると…恥ずかしい」
 良子の問に漸く反応した龍三はあわてて視線を上に戻し、良子と顔をあわせた。
 「ああっ、すまねえ。でも上下お揃いでよく似合ってるじゃん」
 「あ、ありが…とう。…恥ずかしいけど嬉しいよ」
 赤面しながらも嬉しそうな表情を見せる良子に龍三は思わずドキッとする。
 「ちょ、ちょっとまってろよ。俺も脱ぐから」
 ベッドの端で良子をまたせながら龍三は自分で衣服を脱ぎにかかる。
 鬘を取り、トレーナーとジャージを脱ぐ。トランクス一丁になって龍三は再び良子の隣に腰掛けた。
 「お待たせ」
 「…」
 「?」
 良子の視線が下の方向一点に向けられている。
 疑問に思った龍三はその視線を眼で追うと、それはトランクスの下から自己主張していた龍三の分身であった。
 「あっ、これはだな…まあそのこういう状況だからこうなっちまったというか」
 「…うん」
 「まあ男ってのは如何しても抑えきれなくなったらこうなっちゃうわけで…たはは」
 「…」
 「…」


 「なあ、もうちょっとこっちに来いよ」
 「うん」
 良子は体を横にずらし、ゆっくりと体を傾け、龍三に凭れ掛かった。
 龍三は良子の肩に手を回し、体を支えた。
 「いいんだな?」
 「…いいよ」
 「もう後戻りは出来ないからな」
 「うん」
 良子の返事を待って、龍三は良子を正面から抱きしめて、ゆっくりと押さえ込むようにベッドに倒れこんだ。
 『ぺろっ…』
 良子の首筋を龍三の舌が這う。
 「あああ……」
 龍三の舌の温度と首筋にかかる吐息が良子にとっては快感であった。
 舌の動きにも強弱をつけているために、良子が得る感触は十分に心地良いものになっていた。
 ちゅううっ…ぺろっ…つつっ…
 「くふうっ………」
 龍三は時々強く吸い上げ赤い痕跡を残しながらゆっくりと首筋から鎖骨へと降りていく。
 「ちょっと、腕上げてくれ」
 龍三の指示に従って良子は腕を頭のほうに上げた。
 すると龍三は露になった良子の腋に舌を這わせた。
 『ぺろっ』
 「きゃはっ…」
 腋を這う龍三の舌の感触に良子は思わず声を上げた。
 「だっだめだよリュウ…くすぐったいよ」
 手で龍三の頭を押さえ止めさせようとする良子だったが、龍三は舌の動きを止めようとはしない。
 『れろっ…ぺろぺろっ…』
 腋を舐め上げながら鼻で空気を吸い込んだ。
 「(これが良子の匂い…)」
 龍三は良子のフェロモンを味わいながら、手で脇腹をなぞりながら腋の周囲から中心部へと舌を進める。
 「ひくっ…くすぐっ…たい…ああんっ」
 舌先で腋の中心をなぞり、吸い付く。
 「だめだってば…もう…だ…めぇ」
 良子の悲鳴に、龍三は顔を上げると良子と正対する位置に体をずらした。
 「大丈夫か?」
 「うん…こんなところ…予想してなかったから」
 龍三の頬をさすりながら良子は答えた。
 「そうか。じゃ、次は多分お前の予想しているところだからな」
 龍三は良子のブラジャーの肩紐に手をかけゆっくりと下ろした。
 「…もう…知らない…」
 「背中、外すからな」
 背中のホックを解除し、ブラジャーを取り払うと、龍三の目に露になった良子の胸が飛び込んできた。
 「(…ごくんっ)」
 龍三は思わず唾を飲んだ。
 「か、かわいい…」
 それほど大きくないものの、ふくよかな乳房に薄紅色の可愛らしい乳首そして張りのある瑞々しい肌。
 「ちょ…恥ずかしいよ…」
 良子は胸の前で腕を組んで龍三から乳房を隠そうとした。
 しかし龍三は良子の腕を解き組み敷くと顔を乳房に近づけた。
 「もっと見たい…」
 「はぁ…はぁ…はぁ…」
 「ん……!」
 良子の乳首に龍三の吐息がかかる。良子は口を閉じ、歯を食いしばって照れと恥ずかしい気持を抑えようとしていた。
 だが、先に龍三が我慢できずに、良子の右乳首を口に含んだ。
 『ちゅっ』
 「んんっ…!!」
 唇で乳首を摘むように吸い上げる。
 舌先で乳頭をなぞるようにすると徐々に乳首が硬くなってくるのがわかった。
 「(良子…感じてるのか)」
 舌の動きに緩急を付け、手を使って乳房を揉み上げながら乳首を再び口に含む。
 『ちゅうっ…ちゅっ…ちゅ…』
 「ううっ…ん…」
 「ん?」
 舌が乳輪を一周し、口を乳首から離して見ると良子の右乳首ははちきれんくらいにぷくっと硬くしこっていた。
 龍三は左乳房へと唇を移し、右手で左乳房を揉みながら乳首を口に含んだ。
 「あん…くぅっ…」
 いつの間にか良子は両腕で龍三の頭を抱え込んでいた。
 龍三の吸い付きが強くなるにつれて良子の両腕にも力が入る。
 「んぶっ…良子、苦しい…」
 「ご、ごめん…」
 あわてて良子は腕を解く。
 「大丈夫?」
 「ああ、なんとかな…」
 乳房を揉みながら乳首を指の先端で捏ねる。
 龍三の唾液でてかてかしている両乳首ともすでに硬くしこり敏感になっていた。
 「んふっ…」
 「かわいいぜ良子」
 胸を掴みながら舌を乳房から肋骨、そして臍へと移動する。
 か細い腹部に吸い付き、赤い痕を残す。
 じっくりと舌で腹部を愛撫し、龍三は良子の下腹部に達した。
 ショーツの両端に指を差し入れゆっくりと下ろす。
 龍三は体を起こし、良子の脚からショーツを引き抜くと再び良子の下腹部に顔をやった。
 「(こ、これが女の…)」
 初めて見る女性の秘所に龍三はこれまでに無い興奮を感じていた。
 金色の恥毛は秘所から溢れた愛液で濡れ、乳首と同じ薄紅色の割れ目からは今も愛液が溢れている。
 割れ目の上部にあるクリトリスはすでに硬く尖っていた。
 「(はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…)」
 「(!…ん…!)」
 龍三の顔がゆっくりと良子の割れ目に近づく。
 龍三の吐息を割れ目で感じて良子はシーツを掴む手に力を入れる。
 『ぺろっ』
 「!!!!!」
 龍三は舌を伸ばし、良子の割れ目の周囲をなぞった。
 「ああああ……」
 『むちゅっ…ぬちゃっ…』
 周囲を舐めあげ、龍三の舌は良子の割れ目の中に侵入する。
 口全体を良子の秘所に接し、舌を奥深くまで伸ばした。
 『ぺろぺろ…ちゅちゅっ…』
 「はあぅ…リュウ…ぅん!」
 龍三はただひたすら愛液を掻き出し、膣壁をなぞるように舌の動きを加速していく。
 良子は体を捩りながら下腹部に襲い掛かる快感から必死に逃れようとする。
 「(これが、良子の味…)」
 甘美な香りに目を虚ろにさせながら龍三は良子の愛液を吸い取る。
 「ちゅ…ちゅうちゅっ…むちゅっ…」
 「あああ…リュウ、あたし何か…何か変」
 「いいよ…もっと変になってくれ」
 「そんな…うっ…」
 龍三の舌は膣壁から膣口を経て割れ目の周囲にと戻っていく。
 そしてこれまで手をつけていなかったクリトリスに舌を這わせた。
 「はうっ!」
 すでに硬く尖っていたクリトリスに触れると、良子は大きく体を跳ね上げた。
 龍三はクリトリスを口に含み、舌先で弄るように愛撫した。
 「あっリュウ、ダメっ…」
 乳首にしたときと同じようにクリトリスを吸い、舌で転がす。
 すでに硬く、敏感になっているクリトリスへの愛撫は良子を更に高まらせ、我慢の出来ない領域へと導いていった。
 「チロチロ…んくっ…ちゅるっ」
 「はああぁ……もぅ…ダメ」
 龍三は止めとばかりにクリトリスを強く吸い上げた。
 「ううっ…あはあっ…!」
 ビクンッ…ビクビクッ…
 良子の体は、まるで感電したかのように全体が激しく痙攣し、やがてその体はぐったりとしてしまった。


 「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ…・」
 「良子、大丈夫か」
 胸を大きく上下させながら呼吸を整える良子に龍三は聞いた。
 「はあ…はあ…うん…大丈夫」
 目をトロンとしながら龍三の目を見て答えた。
 「そうか。これで最後だからがんばってくれ」
 「うん…」
 龍三は良子の頬に唇を落とすと両手で良子の両脚を開いた。
 そしてトランクスを取り払い、良子の脚の間に体を入れるといきり立つ分身を良子の秘所に宛がった。
 「オレ…優しくするつもりだけど…もし出来なかったら、…許してくれ」
 「うん…大丈夫だよ、リュウとなら」
 「そうか…じゃいくぞ」
 『くちゅっ…びりびりびりっ!』
 「ひぐうっ…!」
 あまりの衝撃に良子は唇を噛んで耐えた。
 その間に龍三は分身を更に良子の奥深くへと侵入させる。
 「い…痛い…」
 「…ぐうっ…」
 良子の反発を何とか潜り抜け龍三はその分身を良子の体内に収めた。
 「全部入ったぞ…良子」
 良子の顔の両側に手を付き、見下ろす格好で龍三は言った。
 「うん…」
 「痛いか?」
 「まだちょっと…。もう少しこのままでいて」
 「ああ…わかった。よっと」
 腕を崩した龍三はゆっくりと良子の体に覆いかぶさった。
 「ふう…」
 龍三は顔を良子の頭の右側面に移動させ、軽く頬擦りをしながら良子に聞いた。
 「…重いか?」
 「うん…でも気持ちいい重さだね。温かいし」
 良子は龍三の背中に手を回した。そして背中の真ん中で両手を組んだ。
 「オレも…お前の胸が気持ちいい」
 硬くしこった良子の乳首が龍三の胸板に触れている。
 片方の乳首を指で摘みくりくりと弄りながら龍三は言った。
 「そう…よかった」
 安堵する良子の表情を見た龍三は人差し指で結合部を指差した。
 「それに…こっちもな」
 「…もう」

 
 「ごめんね」
 「? 何が」
 「あたしのために気を使わせて」
 両手のロックを解いて龍三の背中をさすりながら良子は言った。
 「ばか。気にするなよ。お前の気持と体が一番大事なんだからな」
 「うん…ありがとう。でね、その…もう大丈夫だから」
 「…そうか」
 「…うん」
 良子は龍三の背に回していた手をベッドに戻した。龍三は手を突いて上半身を起こす。
 「じゃあ動くからな」
 『ぐちゅっぐちゅっぐちゅ』
 「んっ…んっ…んっ」
 「あはっ…んんん…くうっ」
 龍三は腰を前後に振り、良子に打ち付ける。
 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
 「んんっ…ふんっ…ん…」
 龍三はベッドに突いた両手で必死にシーツを掴んで体を支えていた。
 だが徐々に腕に痺れが走ってきた。
 「(やべっ…すごいきつい…)」
 良子に腰を打ち付けつつ、両腕で体を支えるというのはまさに重労働であった。
 「あぁ…はぁん…くうっ…」
 30センチほど下に見える良子の顔は、歯を食いしばり必死の形相で痛みを堪えようとしていた。
 「(まずい…腕がもたねえ…)」
 龍三は痺れが走りつつあった腕を倒すと再び良子に覆いかぶさった。そして良子の背中に手を回し、しがみ付きながらなおも腰を打ちつけた。
 「りょう…こ…」
 「リュ…ウ…」
 一瞬両者の目が合った。
 龍三は顔を下ろし、良子の唇をむさぼった。
 「んふっむふっんっ…」
 「あんっ…ぺちゃっ…くちゅ」
 『にちゃっぬちゅっじゅぷっ』
 部屋には両者の唇をむさぼる音と腰を打ちつける淫靡な音が響き渡る。
 良子も龍三の体に脚を絡めしがみ付いた。
 脚で締め付けられたことによって、両者の密着具合はさらに強くなった。
 「(うっ…もうだめかっ…)」
 良子の襞は、まるで龍三を引きずり込もうとするように纏わりついてくる。
 その刺激による己の限界を悟った龍三は唇を離した。
 「良子…」
 「…なに」
 「頼む…龍三って呼んでくれ」
 「…リュウ…ゾウ」
 「あぁ…ありがとう、良子っ!」
 「あうっ…!」
 龍三は最後の力を振り絞り、自分の思いを良子に届けんとするように激しく腰を打ち付ける。
 「はあ…良子…良子…」
 「龍三…りゅう…ぞうっ…」
 『ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ』
 「あっ…もうダメだ…出るっ!」
 「はああああぁっ…!」
 ドクッ…ビュリュッ……ピュッ…
 龍三の分身が良子の中で激しく跳ね上がり、己の精を大量に放出した。
 良子は龍三にしっかりとしがみ付き、龍三の全てを自身の中に受け止めた。


 「…うこ、良子?」
 ゆっくり目を開けるとそこには心配そうな表情の龍三の顔があった。
 「…リュウ…?」
 「大丈夫か? 声掛けても反応が無いから心配したぞ」
 「ごめん…ちょっと頭がぼーっとしちゃって…」
 「そうか」
 「少し休むか」
 「…うん」
 「じゃあ…こっちへ来いよ」
 龍三は枕を除けて寝転ぶと右腕を真横に差し出した。
 良子は体をずらし龍三の二の腕に頭を乗せた。
 「一度やってみたかったんだよな。これ。腕枕」
 右手で良子の肩を引き寄せる。二人とも大量の汗をかき、体はぐったりとしていた。
 「疲れたな…」
 「うん」
 ふと見ると良子は脚をよじり、痛みを気にする素振りを見せた。
 「痛い?」
 「うん…まだちょっとね」
 良子の金色の恥毛の所々に破瓜の衝撃で飛び散った血の斑点が見える。
 龍三は顔を上に向けたまま良子に言った。
 「すまなかったな…やさしくできなくて」
 「そんなことないよ。リュウはやさしくしてくれたよ」
 「でも、痛かったんだろ。お前すごい形相で耐えてたもんな」
 「想像してたのよりも痛みが走ったから、でも今は和らいできてるよ。それに痛くなるのはごく普通のことらしいから、それでリュウを嫌いになるとかそんなことは絶対に無いよ」
 「そうか…そういってもらえると助かるな」
 顔をゆっくりと良子に向けて龍三は続けた。
 「次からは慣れるまでゆっくりめのテンポにするな」
 「うん…え? 次?」
 「そう。お前がよければいつでもいいさ」
 「も、もう、リュウったら…」
 龍三の『お誘い』に良子は顔を赤くしてシーツで顔を覆ってしまった。
 「たはは…」
 龍三はシーツを剥ぎ取ると赤くなっている良子の顔を抱き寄せ、自身の胸に押し付けた。
 「それともう一つ」
 「…?」
 龍三はクイッと良子の顎を持ち上げ、自分の顔と向かい合わせた。
 「2人でいるときは『龍三』な。みんなの前では『リュウ』じゃなきゃダメだけどな」
 「うん…」
 「よ〜し、じゃ今は二人っきりだからな。言ってみろ」
 良子は龍三の耳元に顔を動かすと囁くように言った。
 「…龍三」
 「よく言えました♪」
 龍三はすばやく顔を動かすと良子に啄むようなキスを落としていった。