夏休みの入浴 ‐龍三×良子
Written by ◆Lumi/2sUEI


 ベッドのわきには脱ぎ捨てられたワンピースと短パン。
 女物の下着と男物の下着、そして鬘。
 ベッドの上では一人の女と一人の男がお互いを求めて激しく絡み合っている。
 「はぁ、はぁ、はぁ…」
 「良子…もう限界だ」
 「うん…」
 夏休み。
 多くの生徒が帰省しているということで、早速龍三は良子の部屋にやって来ていた。
 「んっ…いくぞ良子!」
 「!!!」
 ドクッビュルッ…ビュクッ…


 この日絶頂を迎えたのは何回目だったか。
 既に両者そんな記憶はどこにも無い。
 脱力した良子は前のめりに倒れた。
 「おおっと!!」
 絶頂の快楽に浸っていた龍三は、慌てて良子の体を受け止めた。
 「ハァ…ハァ…ハァ…」
 「なあ…」
 「うん…」
 「もう何時間経った?」
 「今2時だから…4時間かな」
 「そうか、そんなにやってるか…」
 近年の異常気象でこの日も気温は35度を越えている。
 良子の部屋は冷房が効いてはいるものの、2人は激しい運動をしているために冷房の利きが弱く感じられた。
 暑さのせいでお互いが汗まみれになっていた。
 「もう汗でびしょ濡れだね」
 「汗以外でも濡れてるけどな」
 「バカ…」
 龍三は指で良子の顔を拭った。
 指には大量の汗が着いていた。
 「なあ、風呂に入るか」
 「え?」
 突然龍三はバスルームの方を指差して良子に言った。
 「お前もこんなに汗かいてるし、一度汗流したほうがいいんじゃないか?」
 「うん。じゃあ龍三から入ってきなよ。あたしは後で入るからさ」
 「何言ってるんだよ」
 龍三は垂れ下がってきた良子の前髪を掻き上げて、良子の顔を直視して続けた。
 「せっかくだ。一緒に入ろうぜ」
 「えぇ?」
 「前、いっしょに入るって言ったじゃないか」
 「言ったけど…やっぱり恥ずかしいよ」
 「だめだ。一度言ったことなんだからな。それに俺も、お前と一緒に入りたい」
 ニヤニヤしながら、なおも続ける龍三。
 「でも…」
 「もう決まりだ。さあいくぞ」
 「えっ!? ちょっと!」
 躊躇する良子を抱き上げると龍三はバスルームへと一直線に向かった。


 「暑いから、ぬるめでいいよな」
 龍三は手際よく湯船に水を溜めている。
 出口に近いところで良子は手で胸と股間を隠しながら立っている。
 「どうしたんだよ?」
 「やっぱり恥ずかしいよ…」
 「今さら恥ずかしがる必要ないだろ。お前のカラダ、隅々まで見ちゃってるんだから」
 龍三のからかいに良子は口をつぐむ。
 「こんなもんでいいか」
 湯船に水が溜まったところで龍三が先に入った。そして手招きをして良子を呼ぶ。
 「ほら、入ってこいよ」
 水面をバシャバシャ叩いて良子を急かす。
 その仕草にあきれた良子は溜息をつくと、
 「…ふぅ。わかったわ」
 良子は髪が濡れないよう輪ゴムで束ねてから湯船に入った。
 チャプッ……
 良子は龍三と向かい合うように湯船にすくむ。すると龍三は手招きしてきた。
 「こっちこっち」
 「?」
 「離れて入っちゃ、一緒に入った意味ないだろ?」
 続いて龍三は胸板を指差す。
 何を言わんとしているのかをその手招きと表情から察した良子は立ち上がると龍三に近づいた。
 そして体を反転させゆっくりとすくみ、龍三に凭れ掛かった。
 「そうそう、それでいい」
 「ふぅ…」
 「もっと冷たいほうがよかったか?」
 「これくらいでいいよ。冷たすぎるのは体壊しちゃうしね」
 「…」
 「…」
 「…」
 「……」
 「良子、寝ちゃったのか?」
 「起きてるよ」
 「…そんなに風呂気持いいか?」
 「うん」
 「気持ちいいのはいいけどちゃんと起きててくれよ。やってもらいたいことがあるからな」
 「何を?」
 「背中流してくれないか?」
 「龍三の?」
 「ああ。こんな時くらいしかできないだろ。せっかくだからお前にやってほしいんだ」
 「…流すだけでいいよね」
 「…ああ、流すだけでいいぞ」
 「うん、わかった」
 良子は立ち上がり、掛けてあるスポンジタオルを取るとボディーソープを塗りつけた。
 続いて龍三も良子とは反対の方向を向いて立つと、良子は龍三の背中を流し始めた。
 「龍三の背中って、広いね」
 「そうかな。男の中では平均レベルなんじゃないかな」
 「傷跡がいっぱいあるけどこれ何?」
 「ああこれか。これは男の勲章みたいなもんだ」
 「え?」


 「お前が俺にしがみ付いたときの傷だよ。お前爪立てるだろ?」
 「…もしかしてあの時の?」
 「ああ、あの時な」
 「…ごめんなさい」
 「気にするな。言っただろ、勲章だって。多ければ多いほど信頼されてるってことだからな。だから俺に抱きつくときは力いっぱい抱きつけばいいんだよ」
 「…うん」
 「続けてくれるか?」
 「あ、うん」
 
 タオルを背中から臀部を通って太腿に達する。
 「脚も結構荒れてるね」
 「手入れが難しいからな」
 「化粧水とか塗ってる?塗ると結構違ってくるよ」
 「塗ってるときとそうでないときがあるな。今度からは毎回塗るよ」
 「そのほうがいいよ。肌が荒れるとあとで大変だからね」
 「…まるで女の子同士の会話みたいだな」
 「あたしの部屋以外では女の子なんでしょ。さあこっち向いて」
 会話の間に脚を洗い終わった良子は龍三を振り向かせるとタオルを胸板に押し当てた。
 「やっぱり男の人の胸ってたくましいね」
 「やっと男と女らしい話題になったな。まあお前の胸のような柔らかさは無いけど、硬さなら男のほうが上だろうな」
 「…ここにも傷があるね」
 「これは今日の傷だな。手付いたとき思いっきり握り締めただろ?」
 「本当にごめん…」
 「だから、お前につけられる傷ならこっちは歓迎なんだから、気にするなって。これからも遠慮なく付けてくれたっていいんだよ」
 「…うん。ありがとう」
 胸を洗い終えるとシャワーで石鹸を一気に洗い流した。
 「終わったよ」
 「んー? 一箇所洗っていない場所があるぞ」
 「……」
 龍三が指摘しているのはもちろん龍三の分身のことだ。
 「そこは…」
 「ここも洗わないとちゃんと洗ったことにならないぞ」
 「……」
 「大丈夫だって。猛獣じゃないんだから。襲ってくることなんてないよ」
 「…じゃ、じゃあいくよ」
 良子はタオルを恐る恐る龍三の分身に押し当てた。
 「あっ」
 ピクンと龍三の分身が反応した。
 「な、何!?」
 「ああ、すまねえ。ちょっと気持よくってな。大丈夫だ続けてくれ」
 良子はタオルをゆっくりと鈴口から竿部分に動かし、それを繰り返した。
 「あぁ…いいぞ良子…そこ、先っぽのところを念入りにな…」
 「こ、こうでいいの?」
 良子は鈴口の部分をタオルで包み込むと、手で輪を作って扱くように洗い始めた。
 「うっ…! はぁ…いい…」
 ぬるぬるした泡の感触と良子の指の動きが龍三の分身に心地よい刺激を与えていた。
 龍三は段々と前かがみになっていく。
 「そこはもういいから…次はもうちょい下の部分を」
 良子は竿の部分を手で包み込むと同じように扱き始めた。
 「…そこは…強くすると血管切れてしまうからゆっくりな…」
 「うん」
 良子は指示通りゆっくりと手を動かす。
 「くっ…あぁぁ…」
 手を戻すときに指が笠の部分に引っかかるのがたまらなく気持ちいい。
 「ああ…もうやべえ…」
 前かがみになっていた龍三は思わず良子に抱きついた。
 「な、何!?」
 「も、もういい…もういいから…」
 良子はタオルと手を龍三の分身から離した。
 龍三は良子の肩越しに激しく息をしている。
 「はぁ…はぁ…はぁ…(やばかった…)」
 「ね、大丈夫?」
 「あん? ああ大丈夫だ。…お前、体流すの上手だよ」
 「そ、そう?」
 ようやく落ち着きを取り戻した龍三は良子から体を離した。
 良子はシャワーで龍三の体の泡を綺麗に落とした。
 「じゃ、今度は俺の番だな」
 「え?」
 龍三は良子からタオルを奪い取った。
 「やってもらったんだからそのお返しだよ。さあ向こう向け」
 「い、いいよ。あたしは自分でやるから」
 タオルを奪い返そうと手を伸ばしたが、龍三は腕を伸ばしてタオルを離した。
 「遠慮するなよ。きれいにするからさ。さあ向こう向いて」
 龍三は良子の肩を掴むと半ば強引に後ろを向かせた。
 「…じゃ…お願い」
 「了解♪」
 龍三はボディーソープを付け足すと良子の背中を流し始めた。
 ゆっくりとタオルを上げ下げしながら全体を流す。
 「どこか気になるところは無いか?」
 「大丈夫だよ」
 「そうか。じゃ続けるぞ」
 背中を流し終わると龍三はしゃがみこんだ。目の前には良子のお尻がある。
 「きれいだよなあ」
 龍三は尻を持ち上げるようにタオルを押し当てた。そして揉むようにタオルを動かす。
 「小さく締まってて張りがあってさ」
 「そう…ほめられるとなんか嬉しい…」
 「思わずこういうことしたくなっちゃうくらいにな」
 手を止めると良子の尻に頬擦りをした。
 「やんっ…ちょっと…」
 龍三は空いている手で今度は良子の太腿を撫でた。
 「ん〜、つるつるだ」
 「あんっ…くすぐったいよ」
 「ゆでたまごって、綺麗に殻剥くとつるつるの白身が出てくるだろ」
 「え? そうだけどそれが何?」
 「お前のお尻や脚見てると、そんな感じなんだよ。ショーツやストッキング脱ぐとさ、見えてくるのはつるつるの脚とお尻ってことで」
 「…それって褒めてくれてるんだよね」
 「勿論さ。だから俺、お前が服脱ぐの見てるの、結構好きだぜ。思わず食いつきたくなる衝動に駆られることもあるけどな」
 「そ、そう…」
 苦笑しながら良子が言う。
 龍三は再び手を動かし始めた。臀部から太腿、膝へと向かう。
 膝から脛を洗い終わるとシャワーで石鹸を落とした。
 「よし、こっち向いて。次は前だ」
 「ま、前はいいよ。自分やるから」
 「ちゃんと綺麗に洗わないとだめだろ? な?」
 龍三はするりと回り込むと良子の前に立った。そしていつものにやけ顔を浮かべている。
 「……わかった。いいよ」
 龍三は乳房を持ち上げるようにタオルを当て良子の胸を洗っていく。
 「気持ちいいか?」
 「……」
 恥ずかしさと緊張で良子は目を瞑り、質問に答えることが出来る状態ではなかった。
 「よ〜し」
 龍三はスポンジタオルを小刻みに良子の乳首に擦り付けた。
 「やっ、ちょっと…」
 『スリスリ…』
 「ちょっと何を…」
 「勘違いするなよ。俺はあくまで洗ってるだけだからな」
 「そんなこと言ったって…んっ…」
 タオルの動く感触に良子の乳首も反応を見せる。
 龍三が見ている前で、泡を押しのけてぷっくりと膨らんだ。
 「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」
 「感じてる?」
 「バカ…」
 「柔らかくていい反応するよ。お前の胸」
 良子の反応に満足した龍三は、タオルを下ろし良子の股間に押し付ける。
 そしてゆっくりと洗い始めた。
 『コシュコシュッ…』
 「ふあっ…あっ…」
 「ここは女の子の一番大事なところだからなあ。綺麗にしないとな」
 誤って石鹸を膣内に入れないように慎重に手を動かす。
 段々とタオルはクリトリスにのみ集中するようになった。
 『シュルッコシュッコシュッ…』
 「んっ…くっ…」
 龍三は空いている手でシャワーを取ると良子の胸の泡を流し落とした。
 そして良子の乳首に吸い付く。
 「んあっ…」
 龍三はちゅうちゅうと音を立てて良子の乳首を吸う。
 そしてクリトリスを刺激するタオルのスピードを上げた。
 「はぁっ…ダメ…ダメだってば…」
 良子は龍三にしがみ付いて必至に襲い来る刺激から逃れようとする。
 然し龍三は乳首とクリトリスへの愛撫をやめない。
 「んんっ…くはっ…」
 舌で乳首を転がして、タオルは優しく股間を包み込む。
 「ああっ…もうだめっ…」
 我慢できなくなった良子は必死に龍三に抱きついた。
 「あん? どした?」
 「お願い…もう…我慢できないの…」
 虚ろな目で懇願する良子に対し、龍三は
 「それで?」
 「あの…その…欲しいの…」
 良子が欲しがっているものが何か、分かっているのに龍三はあえて問う。
 「何が欲しいんだ? 具体的に言ってくれないとわからないぞ」
 龍三は人差し指で良子のクリトリスをククッと引っ掻いた。
 「くひゃあっ!」
 「さあ言えよ。何がほしい?」
 「龍三の…おち…んちん…」
 「よーし」
 龍三はタオルを離すとシャワーで陰部の泡を洗い落とした。
 そして良子の脚を抱え上げて開かせると、自分の分身を良子の秘所に押し当てた。
 「いくぞ…」
 「…」
 『ぬぬぬぬっ』
 「はぁぅっ!」
 しっぽり濡れそぼった秘所に吸い寄せられるように龍三の分身は侵入していった。
 『パンパンパンパン』
 「あっあっあっあっあっ」
 良子の太腿を抱え上げ龍三は腰を打ちつけた。打ち付けるたびに良子は喘ぎ声を送る。
 「気持いいか?」
 「…うん…」
 「なら、もっと気持ちよくなれよ」
 太腿を抱えていた両手で今度は尻を抱えてさらに激しく打ち付ける。
 『ぶちゅっぬちゅっちゅぶっじゅくっ……』
 「はは…はあ…はあ…はあ…」
 「なあ…お前が綺麗に洗ってくれたからこいつも喜んでるぞ」
 腰の動きが「こいつ」のことを指し示す。
 「…ばか」
 龍三の両脇の下から腕を差し入れて必死にしがみ付く。
 「ああっ! もうだめ! だめっ!」
 『びくんっびくっびくんっ…』
 「くっ!」
 龍三の肩口に良子の爪が食い込み苦痛の表情を浮かべる。
 やがて良子の体全体の力がすーっと抜けていった。
 「俺も…もうイクからな…」
 良子に遅れて龍三も絶頂を迎えた。
 『ドピュッドクッビュルッ…ピュルッピュルッ…』
 「あああ…熱いよ龍三…」
 放出された龍三の滾りを良子はその体内で感じた。


 「あーすっきりした」
 バスルームのドアを開けて龍三が出てきた。
 引き出しからバスタオルを二枚取り出すと一枚を自分の腰に巻いた。
 しばらくして顔を真っ赤にした良子がバスルームから出てきた。
 龍三はバスタオルをもって良子に近づくと、それを広げて良子の体に巻きつけた。
 そして二人はベッドの端に並んで座った。
 「お風呂で…あんなことするなんて」
 「欲しがったのはお前だろ」
 「龍三がそうなるようにしたんじゃない」
 「でも、気持ちよかったんだろ?」
 「あ……」
 「言えよ。どうだった。風呂場でするのは?」
 バスタオルの上から良子の胸を指でつつきながら、龍三は訊いた。
 「……よかった」
 「そうか。じゃ、また風呂場でするか。あそこなら汗かいた後すぐ流せて便利だしな」
 「あ、でも…やっぱり…するなら…ベッドがいい…」
 消え入りそうな声で良子は答えた。
 「そうか。わかった。それならお前を抱きかかえて風呂場へ直行という楽しみもあるしな」
 龍三は良子の肩に手をかけると、自分のほうに抱き寄せた。
 そして良子の頭を優しく撫でた。
 「あ…」
 ふと龍三は良子の横顔を見た。上気した赤い頬に無性にそそられる。
 視線を落とすと、バスタオルに包まれた胸の谷間。
 視線を顔に戻すとトロンとした良子の目。普段じっくり見ることのないアップにした髪形。
 「……」
 龍三は良子の顎を手でクイッと持ち上げた。
 「な、なに?」
 「……」
 そのまま自分のほうに顔を向けると有無を言わさず唇を重ねた。
 「…」
 「…」
 ゆっくり唇を離して龍三は言った。
 「お前の風呂上り見るの初めてだけどさ、色っぽいじゃん」
 「え?」
 龍三は良子の髪に手を伸ばすと、髪をまとめてあった輪ゴムを外した。
 パサッと良子の髪が落ちる。
 「我慢できなくなった」
 良子を押し倒して覆いかぶさると、良子のバスタオルを開いた。
 龍三の目の前には仄かに赤く染まった良子の乳房。
 「今、お風呂入ったばかりなのに」
 「大丈夫、また俺が綺麗に洗ってやるから」
 「そんなことじゃ、あっ…」
 良子の発言を遮るように龍三は乳首に吸い付いた。


 夏休みはまだ1ヶ月もある。
 その間に一体何回2人で入浴することになるのだろうか。