海平と茜の朝 ‐海平×茜
Written by ◆Lumi/2sUEI


 「……」
 「……」
 ベッドの上の二人が眼を開けたのはほぼ同時だった。
 「…おはようございます」
 「おはようございます…」
 お互い初めての同衾。
 茜は艶っぽい表情のまま海平を見つめている。
 「あ、あの…」
 「はい?」
 妙な間が海平の部屋を支配する。
 「あの…昨日は…その…」
 「海平さん…すごかったですね」
 「…」
 海平は昨夜のことを思い出した。
 茜と結ばれた後、何度も茜を求めた。
 海平の求めに応じて茜も海平を受け入れた。
 お互い初めてのセックスに興奮し、熱中した。
 二人とも、眠気に襲われるまで只管セックスに没頭していた。
 「何度も私に襲い掛かって…」
 「襲い…掛かった?」
 「その口でわたしの体隅々まで…」
 「……」
 改めて海平は視線をベッドに向けた。
 枕はなぜか足元に転がっており、ベッドに敷かれたシーツはくちゃくちゃ。
 敷布団はベッドの下に落ちてしまっている。
 「その…すいません、初めてのことで」
 「いいのよ。私も初めてだったから…海平さんに甘えすぎちゃった」
 茜は海平に擦り寄ると、海平の頬を撫でる。
 「海平さんも、かわいかったわよ」
 「そ、そうですか。今度からは、もっとおとなしめにしますね」
 「あらそう? もっと激しくしてもいいのよ」
 「そんなことを言われると、歯止めが利かなくなっちゃいますから」
 二人は抱き合ってお互いの体を撫で回す。
 「海平さん体がべとべとね」
 「茜さんも汗まみれですね」
 「激しい運動をしたせいかしら?」
 「間違いなく原因はそれですね」
 「でも主に動いていたのは海平さんでしょ?」
 茜の指摘に海平は苦笑いを浮かべる。
 「それは…そうですが」
 「海平さん、このままじゃ気分悪いでしょう。シャワー浴びてきたら?」
 「じゃあ茜さんからどうぞ」
 「いえ海平さんからどうぞ。激しく動いたのはあなたなのだから」
 「茜さんも結構汗かいてますよ。さっぱりしたほうがいいです」
 どちらが先に入るのか決められない。海平は冗談交じりで次の言葉を発した。
 「じゃあ一緒に入りましょう」
 「え?」
 海平の言葉に茜も驚いた。実は自分も言おうとしていたことなのだ。
 だが海平に先を越されてしまった。
 「あ、いや冗談です。お先に入らせてもらいますね」
 海平は上半身を起こしベッドから降りようとしたとき、茜の手が海平の腕を掴んだ。
 「茜さん?」
 海平が振り返ると、茜はにこにこしながら海平をみつめていた。
 「…一緒に入りましょう」
 「はい!」
 海平は元気よく返事をし、茜の手を握ると浴室へと向かった。


 タオルを首に掛けた海平が先に入り浴槽の蛇口を捻ってお湯を溜める。
 そして洗面台の前にバスチェアーを用意した。
 女性と風呂に入るなど海平にとっては初めての経験である。
 昨晩から初めてのことが続いて海平は内心わくわくしている。
 「すみませんお待たせしました」
 頭にタオルを巻いた茜が脱衣所から浴室に入ってきた。
 「じゃあ茜さん、そこに座ってください」
 「私が先でいいのですか?」
 「はい、こういうことは女性が先です」
 「じゃあ失礼しますね」
 茜がゆっくりとバスチェアーに腰掛ける。
 海平は風呂桶に湯を入れた。
 「すいません。熱いかどうかみてくれますか」
 茜は風呂桶に指を入れ熱さを確認する。
 「丁度いいですよ」
 「じゃあこの熱さでいきますね」
 海平は湯で満たされた風呂桶を持ち上げる。
 「じゃ失礼します」
 そして茜の体にお湯を掛けた。
 「ん〜、気持ちいいわ」
 海平は蛇口を捻って再度風呂桶に湯を溜め、首に掛けてあったタオルを入れる。
 湯に浸したタオルを引き上げるとそこにボディソープを塗りたくった。
 「じゃあ始めますから」
 海平は茜の肩甲骨にタオルをこすりつけた。
 「ん…」
 「いいですか?」
 「いいわ。その調子でお願いします」
 海平は肩甲骨からゆっくりとタオルを降ろしていく。
 「ちょっとどきどきしてます」
 「そうですか?」
 「こうして男の人と一緒にお風呂に入るなんて初めてだから」
 「僕だって初めてですよ。女性とお風呂に入るなんて」
 茜の背中を流しながら海平は応える。
 背中の真ん中を洗いタオルは腰へと下っていく。
 再び風呂桶を手にした海平は、茜の背中の泡を洗い落とした。
 「えーと…」
 「どうしたの?」
 「前も…洗ったほうがいいですよね」
 「そうね。お願いします」
 茜はあっさり答えるとチェアーに座ったまま体を反転させ、海平に体の正面を向けた。
 顔の表情や胸はもちろん、陰部まで海平には見えている。
 「ゴクッ…」
 海平は思わず唾を飲んだ。
 目の前の乳房を海平は昨夜思うがままに堪能したのである。
 昨夜のことを思い出し、海平の陰茎が再び大きくなる。
 「どうしたの?」
 「…あ、いやなんでもないです」
 海平は乳房を凝視しながらそっとタオルをあてた。
 「あっ…あん…」
 タオルを動かすたびに茜の口から吐息が漏れる。
 「茜さん…そんな声出さないでください」
 「だって、気持ちいいんですから」
 海平は茜の乳房を傷つけないように力を抜いている。
 それが茜にとってはちょうどいい。
 だが、海平は我慢してやっているのに、まるで誘っているような茜の声。
 それが耳に入ると海平の興奮度が増す。
 興奮度が増すと、それが最も反映されるのが、陰茎である。
 徐々にではあるが膨らみ始めていた。
 「上手よ…海平さん」
 胸を流す海平を見下ろす。
 茜の視線は、ムクムクと大きくなっていく海平の陰茎を捉えた。
 ”もうあんなに大きくしちゃって…かわいい人ね”
 乳房を洗うと、いよいよ陰部に差し掛かる。
 「立ったほうがいいですね」
 海平の答を待つまでも無く、茜は立ち上がり脚を開いた。
 「昨日も言いましたけど、デリケートなところですから。優しくお願いしますね」
 茜の言うデリケートなところとはもちろんのことである。
 昨夜海平の舌と陰茎が何度も暴れたところだ。
 海平は茜の腰に手を当て体勢を支えながら、茜の陰部にタオルを押し当てた。
 「あんっ…」
 胸を洗っていたときよりもはるかに弱く、タオルを動かす。
 「ああ…」
 「茜さん…いつもそんな声を出しているんですか?」
 「違うわよ。自分じゃこんなふうにならないわ。海平さんが洗ってくれているんですから…それだけで…」
 「そ、そうですか…」
 陰部はそこそこにタオルを太腿に移動させる。
 太腿から脛をタオルで擦る。
 「そのまま向こうを向いてください」
 尻を持ち上げるようにタオルをこすり付ける。
 そして太腿、脛の裏側を洗っていく。
 「今も気持ちいいですか?」
 「はい…海平さん上手ですね」
 「初めてなんですけど、喜んでもらって嬉しいですよ」
 「又今度洗ってくれますか?」
 「はい、もちろんです」
 足の裏、指の間も丁寧に洗うと、海平は風呂桶に湯を入れた。
 「そのまま立っててくださいね。流しますから」
 海平は風呂桶に何度も湯を入れて、茜の肩から流し石鹸を流し落とした。
 「終わりましたよ」
 「ありがとうございます。次は私の番です」
 「え、いいんですか」
 「はい。さあ座って」
 茜に代わって今度は海平がバスチェアーに腰を降ろす。
 茜は海平からタオルを受け取ると、ボディーソープのボトルを手にした。
 「……」
 茜はタオルを床に置くと、掌にボディーソープを取り両手擦り合わせて泡立てる。
 そして両手の泡を海平の背中に塗りたくった。
 ”あれ? タオルじゃなくて体に塗りつけるのか。やり方が違うのかな”
 海平は鏡に映る茜を見た。
 塗り終わった後なのにタオルを手にしていない。
 ”ひょっとして、これでお湯を流して終わりなのかな?”
 むにゅっ
 「うっ!」
 明らかにタオルとは違う、やわらかいものが背中に押し当てられた。
 茜はそれを海平の背中に押し付ける。
 「あ、茜さん…」
 茜は海平の胸板に腕を回し、抱きついた。
 そのやわらかいものをぐいぐいと海平の背中に押し付ける。
 海平の背中を、乳房のやわらかい感触と、固くなった乳首の感触が襲う。
 陰茎に血流が一気に集中し始めた。
 「あっ…」
 海平の背中を茜の胸が滑る。
 むにゅっぬるっ
 「どうですか? きもちいいですか?」
 「はい…とってもいいです…」
 胸を滑らせ、押し付けまた滑らせる。
 「こういうの…嫌いですか?」
 「いえ…大好きです」
 「よかった…」
 背中の次は腋。
 茜は海平の真横に来ると腋の下を、胸の谷間で挟みこんで体を上下させる。
 胸を当てたまま背中から回り込み、反対側の腋も胸で洗う。
 「次はここですね」
 茜は海平の胸板を撫でる。
 一旦体を離すと、茜は海平の正面に跪いた。
 そして抱きつく要領で、海平の胸板に乳房を押し付けた。
 「…」
 早速茜は体を上下させる。
 海平の胸板を、特に乳首の辺りを念入りに洗う。
 「あ、茜さん…」
 茜の乳首が海平の乳首に絡む。
 「どうしたの?」
 「あの…そんなにされると…」
 茜は海平は感じていると分かると、さらに強く乳首と乳首を擦り合わせる。
 「どうですか、気分は」
 茜は海平の耳に息を吹きかける。
 「ああっ…」
 「昨夜…私も今の海平さんと同じ気分だったのよ…」
 「そう…ですか…」
 茜の乳首に擦られて、海平の乳首もカチカチになってしまった。
 胸板を洗うと茜は更に前かがみになった。
 茜の視線の先には充血して持ち上がった海平の陰茎。
 まるで照準を向けた大砲のように、先端は茜の顔を向いている。
 「こんなにしちゃって…いけない人…」
 茜は掌にボディーソープをたらすと、海平の陰茎に塗りつけた。
 「綺麗にしましょうね…」
 両手で乳房を支え、ヌルヌルになった陰茎を挟み込んだ。
 「んっ…んっ…」
 茜の乳房が上下するたびに谷間の奥から海平の亀頭が出ては隠れ、出ては隠れる。
 「茜さん…茜さん…」
 海平の吐息が段々おおきなものになっていく。
 陰茎からは海平の鼓動が茜の胸に伝わる。
 そのスピードが一気に上がっているのがわかった。
 「出ちゃいますか?」
 「…」
 「我慢しないで…このままいいですよ」
 茜は上目遣いで海平に呼びかけた。
 そして亀頭が谷間に隠れた瞬間、海平は絶頂に達した。
 「うっ!!」
 どぷっ どぷどぷっ どぷっ
 茜の胸の谷間に勢いよく海平の精液が放出された。
 「すごい勢い…」
 海平の精液は谷間を飛び越え首筋にまで飛んでいる。
 茜は谷間から海平の陰茎を解放した。
 谷間と陰茎の間には、精液と混ざって出来た糸が張っている。
 それは乳房と陰茎の距離が離れるにつれて細くなり、やがて切れた。
 海平はうつむいたまま微動だにしない。
 茜は桶のお湯を海平に浴びせて泡を流し落とした。
 自分の胸に放出された海平の精液も綺麗に流し落とす。


 「終わりましたよ海平さん」
 「茜さん…」
 「海平さん?」
 茜が海平の表情を覗き込んだそのとき、
 「茜さん…茜さんっ!」
 海平は目の前の茜をきつく抱きしめた。
 「海平さん?」
 「お願いです。もう…我慢できません…」
 「そう…いいですよ」
 海平は茜を抱いたまま立ち上がると、茜の両脚を抱え込んだ。
 大きく開かれた股間に己の陰茎の照準を合わせる。
 「こんな格好で…すみません」
 「気にしないで」
 茜の腰を引き付け、陰茎を秘所にあわせる。
 「行きます」
 ぐぐぐっ
 「あっ…ああああ…」
 「くっ…」
 茜の腰を手前に引いて、陰茎を押し込む。
 ぐちゅっぐちゅっ
 海平は猛スピードで腰を降り始めた。
 茜は、振り落とされないように、海平の輿に足を絡めしがみ付く。
 「いいわっ…海平さん…」
 昨夜とは違う、非常に速いテンポで海平の腰が動く。
 「茜さん…茜さん…」
 ずちゅっずちゅっ
 海平が腰を振るたびに、茜の奥から蜜が掻き出される音が浴室に響く。
 一度射精して敏感になった海平の陰茎はあっという間に発射準備が整ってしまった。
 「茜さん…いきます」
 「いいわ。来てっ」
 「くっ!」
 びゅるっびゅっ
 「うううっ…!」
 腰を震わせながら、海平は茜の中で果てた。
 射精が終わると、海平は茜を抱えたまま壁を背にして座り込んだ。
 「茜さん…ありがとうございました」
 「…どういたしまして」
 茜は微笑むと海平に口付けした。


 浴槽―――
 海平が足を入れると浴槽から湯があふれ出した。
 続けて茜が入ると更に溢れる。
 本来は体を洗ったあとすぐ入るつもりだったのだが、事を致した為にすっかりわすれてしまっていたのだ。
 気付いたのは事が終わった後、
 そのとき慌てて海平が蛇口を閉めたのだが、すでに水が溢れてしまっていた。
 「いい湯ですね」
 「そう…ですね」
 海平と茜は浴槽の中では向き合って入っている。
 「ところで海平さん、今日はどうするんですか?」
 「もう仕事は無いんですよね」
 「はい、海平さん頑張って昨日のうちに終わらせてくれましたから」
 「うーん…」
 暫く浴槽に凭れて考えていた海平だが、
 「…続きを」
 「え?」
 「さっきの続きをしたいです…」
 さっきの続き…茜がふと視線を降ろすと、お湯の中で海平の大きくなった陰茎がゆらゆらと揺れている。
 「今日は…ずっと一緒にいてください」
 「…はい」
 海平は茜の手を握って一緒に浴槽から出ると、脱衣所へと歩を進めた。