サクラ考


お題:『サクラ大戦』


朝: 「さて、セガの大黒柱の1つ,世間一般では大人気なゲーム『サクラ大戦』です」

幻: 「そう! 何故か皆、エンディングは敢えて語ろうとしない、究極の(??)ギャルゲー!」

朝: 「何で語らないのかな?」

幻: 「そりゃ、アンタ,プレイヤーがせっかく大正時代を楽しんでいるのに『サタン』やら『ミカエル』やらを出しちゃって、果ては全員死亡,特攻の後に皆生き返って無理矢理なハッピーエンドなんて見せられた日にゃ、忘れようと努力するさ」

朝: 「でもそんな最悪なエンディングなのにどうしてここまで人気があるんだろうね?」

幻: 「システムがしっかりしていること,そしてキャラクターに魅力があることが大きな人気の原因だと思う」

朝: 「今やシナリオで売る時代じゃなくて、キャラクタ,使用声優である程度の人気が稼げるみたいね」

幻: 「純粋なゲーム好きとしては悲しい現実だけど、確かにキャラクタは良く出来上がっていた」

朝: 「原画は藤島康介氏だっけ?」

幻: 「うん、繊細な線使いと細部まで細かく描かれたキャラやメカ,そして色使い全てがこのゲームの雰囲気を完全に掌握していると言って良い」

朝: 「てことは、有名漫画家を使えば良いゲームが出来るってこと?」

幻: 「そうでもないだろ。きっとこれに関しては藤島氏は「適役」な雰囲気を持っていたんだよ。例えば●図かずを氏や●×コージ氏がサクラの原画を手がけたら…売れると思うか?」

朝: 「う、ううむ…個人的にはヒジョーに見てみたい気もするけど。でも後者はゲームイラスト描いてたよね」

幻: 「ああ、『摩訶魔可』ね。SFから出てたけど…売れたとは思えないな」

朝: 「似た様なので、売れた売れないで言えば、作画も音楽も色んな部分で各界の有名人を揃えた『G.O.D』は失敗したのは知ってるなぁ」

幻: 「だろ? 全てが有名所を使えば良いものが出来たり売れたりする訳じゃないんだ。時の運,出すべき時期に出した、ってのが一番の要因だと思うよ」

朝: 「出すべき時期って言ったら、FCはエニックスから出た『ジャストブリード』は発売時期が遅かったね」

幻: 「高田祐三氏のキャラデザ手がけるSLGか。もぅ半年,SFが出る前に出しとけば売れたのにな,悪くはなかったしね」

朝: 「そう考えるとSFの『テイルズオブファンタジア』は正解ってこと?」

幻: 「ああ、そういうことだ。あれもキャラデザは藤島氏だったね。もしもあれがSF全盛期でなくてPS全盛期だったら売れなかったな。SFの限界を引き出した逸品だけど、PSの基本性能には敵わないからPS版とすると普通のゲームにしか映らないし」

朝: 「さて、話を元に戻そうよ。サクラはシステムも変わったものを使用していたね」

幻: 「選択肢を制限時間内に選択する「LIPS」システムな。あれのお陰でだらだらプレイしてしまいそうなSLGに臨場感を持たせることが出来た,うまい方法だと思うな」

朝: 「早く答え過ぎても、遅くても駄目っていうのが本当の意味の選択肢で楽しいよ」

幻: 「そう、いくらエンディングがダメダメのメでもそれ以上に良いところがあれば、正当に評価されるものだ」

朝: 「根に持つねぇ」

幻: 「まぁね、傑作をさらに傑作にしてもらいたいというのがプレイヤーとしての本望じゃないのか?」

朝: 「そういやそうだけどさ」

幻: 「ま、いいや。このゲームの一番の魅力は登場キャラクタにある」

朝: 「有名声優さんをバシバシに使って、ラジオ番組から果てはミュージカルなんてのもやったんだっけ?」

幻: 「うん、だから特にキャラクタについて今日は見ていきたいと思うんだ」

朝: 「そう言う事なら早速。人気の原動力であるキャラクタの考察に移ってみようよ

幻: 「ああ。まずは主人公・大神一郎」

朝: 「真っ直ぐな感じの青年だね〜特徴ないけど」

幻: 「そう、主人公は特徴があってはいけない」

朝: 「どうして?」

幻: 「プレイヤーはそれこそ千差万別だ。ゲームに感情移入できるようにするには己の演じるキャラが己に近い必要がある」

朝: 「てことは、プレイヤーの平均値を取ると…」

幻: 「影が薄く、それでいて存在感はなくてはいけない。刺がなく、オールラウンドな能力を持つ…」

朝: 「こういうキャラになる訳ね,OKOK。で、次の一応ヒロインだけどプレイヤーの選択によってその座からいつでも引き摺り下ろされる…」

幻: 「真宮司さくら。生真面目で感情豊か,袴と刀が良く似合う純日本人女性」

朝: 「ベタなキャラだね〜」

幻: 「ばっかもの! ベタなキャラこそ一番受け入れられやすいのだ。さくらに限ったことじゃない,このゲームはあらゆる意味でベタ,王道なのだよ」

朝: 「ふぅん…でもこのさくらちゃん,大神が浮気していたりすると「あなたを殺して私も死ぬわ!」とか言って刀で切りつけてきそうね」

幻: 「北辰一刀流の免許皆伝されてるらしい。たまったものではないな,次!」

朝: 「お〜っほっほな高笑いが良く似合うお嬢様,神崎すみれさん」

幻: 「大財閥のお嬢様で帝国歌劇(華撃)団創設時からバックアップを続ける財閥の娘でもある。さくらのライバル的存在」

朝: 「ゲーム中にこのキャラに会うと思わず敬遠しちゃうのよね,ど〜もキツイっていうか」

幻: 「キツクても仲良くなると、時々えらく可愛く見える,そこら辺にはまった人も多いかもしれないな」

朝: 「あ〜、そういうのってあるよね〜」

幻: 「んでもって次はマリア=タチバナ。ロシア人と日本人のハーフ。かつてロシアにてブロッコリーだった」

朝: 「グランゾードやなかったっけ?」(グロッサリーです!)

幻: 「そか? ま、いいや、革命活動家だったわけね。冷静沈着で頭脳明晰,大神が来る前まで実質的なリーダーな人ね。多分、ゲーム中の大神がいたとすると色んな意味で唯一背中を任せて安心できる人柄じゃなかろうか?」

朝: 「うっわ〜,敵作りそうな発言ね」

幻: 「だってまともな人だし、何より「大人」なキャラだもん。でも料理はまずはにんじん切ることから始まるのな。お姉さん的キャラですわ。で、次の…」

朝: 「イリス=シャトーブリアン,通称アイリス。フランスは大富豪の一人娘で若干9才! お子様やん!」

幻: 「そしてそして、大神のことをこう言います」

朝: 「お兄ちゃん!」

幻: 「ぐっはぁ〜(吐血)。やってくれるぜ,あかほりさとる! まさにオールラウンド何でもOK,かかってこいや! なゲームだぜ!」

朝: 「…ホント、色んな方面をフォローしてるわね。もっとも私らはそういう趣味はないけどね」

幻: 「ああ、だがそれこそ色んな意味で脱帽だ。なおこのキャラは強いESP能力を持っている」

朝: 「ちゃんと裏の重い現実もゲーム中に出てくるから侮れんわね」

幻: 「さてさて、お次はパチパチ発明眼鏡娘、李紅蘭」

朝: 「なんか良く分からん機械を作る,でも共通項は最後に爆発! な中国娘ね」

幻: 「関西弁しぇべる所も方言マニアを確実にGet!」

朝: 「は、方言マニア??」

幻: 「冗談だよ…多分」

朝: 「多分?!」

幻: 「紅蘭はムードメーカーでもあるから、なんかホッとしますな。特に最初の頃は他のキャラとは違ってこちらに合わせてくれるのでつい喋ってしまう」

朝: 「怪しげな発明品も笑えるしね。典型的なギャグキャラやね。で、最後は…」

幻: 「桐島カンナ。琉球カラテの使い手で怪力の持ち主,大食漢(漢は男と言う意味や!)」

朝: 「すみれとは対極にいる人だね〜,おおざっぱ、良く言えばおおらか。姉貴分で感じだな」

幻: 「彼女とのやり取りは男友達のそれとあまり変わらない。おそらく大神にとって気が楽になるキャラなんじゃなかろうかな?」

朝: 「以上がサクラTのキャラクタです。それぞれ全く別々な特徴を備えたキャラだね」

幻: 「全く。そして,だ!」

朝: 「Uだね。新キャラが2名追加!」

幻: 「イタリアからの使者! ソレッタ=織姫!」

朝: 「コギャル?!」

幻: 「以上!」

朝: 「以上かい!」

幻: 「だって、それ以外ど〜もこ〜もさ〜。ピアノ上手なんだよね」

朝: 「…コギャル嫌いなのかい?? ま、いいや、そしてそして」

幻: 「レニ=ミルヒシュトラーセ,ドイツからの戦闘マッシーン!」

朝: 「大神は初めは男の子とか思ってたらしいけど、明らかに女の子やんけ!」

幻: 「まぁまぁ…キャラ的にはエヴァのレイもしくはナデシコのルリだね。感情乏しくて色素薄くて…ってそのまんまじゃん!」

朝: 「ソレッタにしてもレニにしても、このゲームが作られている頃、世間の話題の対象になった『流行の女性像』だからね」

幻: 「ベタだね〜,そういうベタも悪くはないけどさ」

朝: 「レニは人気あったみたいだよ」

幻: 「そうだね。次第に感情を表して行ってくれるところはレイとか好きになった人は確実に落ちただろうし、多分さ」

朝: 「とまぁ、これが主要メンバー一覧でした」

幻: 「他に3人娘とかギター男とかドジな新人雑務係とかいるけどな。結構そっちの方のファンも多いらしいよ」

朝: 「そうなん??」

幻: 「うん。脇役を十二分に発揮してるからね。私も嫌いじゃない」

朝: 「そういや、アンタはどのキャラが一番好きなの?」

幻: 「決まってるじゃないか」

朝: 「何? 誰?」

幻: 「米田一基」

朝: 「死ねや!!」

幻&朝: 「「お後が宜しい様で…」」

 ………

 ……

 …

朝: 「3出るんだってね」

幻: 「キャラが一変するとかしないとか。良く分からん」

朝: 「激動の大正時代やね〜」