朝: 「キャリーで〜す♪」
幻: 「そ、そのフレーズわ!! FCはディスクシステム『デットゾーン』のキャリーのセリフではないか!!」
朝: 「そぅ、家庭ゲーム機において初めて音声という観念を採用したのがコレじゃないかな?」
幻: 「ロボットであるキャリー,この一言だけの音声だったけど、当時は驚いたものだな」
朝: 「さて今回はゲームにおける『音声』に迫ってみたいと思います」
幻: 「プレイヤーを如何にゲームの世界に引き摺り込むか,それにはやはり感覚に訴えるものが必要だな」
朝: 「シナリオ以外にもBGMしかり、グラフィックしかり、そして音声も今では重要なファクターの一つだね」
幻: 「ふむ、そしてこれ以降、ゲームに使用できる容量が増えて行くに従い音声採用も増えて行ったなぁ」
朝: 「例えばPCM音源を使用したMSXの魔導物語1−2−3」
幻: 「これはよく遊んだ。面白かったね!」
朝: 「一世を風靡した『ぷよぷよ』のモトネタね。3DダンジョンのRPGで主人公の女の子アルル=ナジャが冒険するとゆ〜」
幻: 「ここではサンプリングとかいう方式を用いて呪文詠唱の音声、及び敵キャラの出現に音声を用いていた」
朝: 「中でも呪文効果倍増の魔法・ダイアキュートは面白かったね〜!」
幻: 「そうそう! この魔法を3倍掛けにしてファイアーの魔法を唱えると…」
朝: 「ファファファファファイヤー!!」
幻: 「と、どもりまくり! 笑えた笑えた!」
朝: 「グラフイックの可愛さと、この音声が全てマッチングしていてプレイヤーをホント、世界に引き摺り込んだね」
幻: 「これは特に良い例。ちょっとなぁ、というのではFCのスパルタンX」
朝: 「ステージクリア毎にボスの笑い声が響くんだっけ?」
幻: 「フォッフォッフォッフォッフォ〜」
朝: 「初めは何かと思ったね。無気味さという点では成功してると思うけど」
幻: 「まぁ、確かになぁ」
朝: 「あ、そうそう、音声…という点ではちょっと観点は違うけど、カセットテープを同梱しているソフトもあったね」
幻: 「よりプレイヤーを引きこむ為の策としては手が込んでいるな。例えばFCのアテナ」
朝: 「イメージソングは入ってるし、ゲームで使用した音楽も入ってるし。こういうのがゲーム音楽の先駆け…だったのかな?」
幻: 「そうかもしれないけど…どうかな?」
朝: 「それとそれと、FCディスクシステムでは消えたプリンセス,聖剣サイコカリバーとかもそうだね」
幻: 「前者は漫才入りで笑えたし、後者はこれがないと最後の最後でボスに行き着けないという裏設定だったしな」
朝: 「だからかな、このタイトルは書き換えがなかったんだ!」
幻: 「ちょっと話がズレたな、話を戻そう」
朝: 「そだね。容量が増えて音声使用の時代が到来したのは私はPCエンジンCDロムロムだと思うんだ」
幻: 「直接、音声が拾えるからな。今までのように音源から細工してでなくて」
朝: 「同時にアニメ系のタイトルがここから増えて行ったねぇ」
幻: 「良いのか悪いのか分からない。だがそれ故にPCエンジンCDロムロムは特定ユーザーが増えていたのは確かだな。それと比例する様に個性的なタイトルがこの機種は増えていった」
朝: 「ここから「ときめきメモリアル」「超兄貴」が生まれたんだよね」
幻: 「そぅ、この2つは,特に前者は今では普通だけど、当時はイロモノだったんだ。オープニングの主題歌なんて発想もこれが初めて…だったかもしれない」
朝: 「ここから音声時代が爆発したね。PC−98では18禁でハーレムブレイド,SFCのテイルズ オブ ファンタジア」
幻: 「そしてそしてCD−ROMドライブを搭載したサターン、プレイステーションが主流となって、音声は当たり前のものとなったわけだ」
朝: 「デットゾーンで驚いた当時から比べたら、想像もつかない進歩だね」
幻: 「今ではAVGだったらフルボイスは当たり前! そんな時代だものな」
朝: 「果たしてこれからはどう進歩して行くのかしら?」
幻: 「音声に限らず、きっと想像もしないような、そんな進歩をするんだろうか。日進月歩とはまさにこのことだね」