オレの技を見ろぉぉ!


お題:『筐体』


朝: 「あみ〜〜〜〜ごぉぉ!!!」

幻: 「…」

朝: 「う〜〜〜〜〜まんぼ!」

幻: 「…何やってる?」

朝: 「サンバ・DE・アミーゴだよ。とうとう家庭で出来る時代が来たんだねぇ」

幻: 「そうだね」

朝: 「これで家にゲーセンがあるようなもんだよ」

幻: 「なにぬかしてんねん!!」

      げしぃぃぃ!!

朝: 「い,痛いぃぃ!! 何すんのよぉぉ!」

幻: 「家にゲーセンが来たようだと? そんな幻想を抜かしてんじゃねぇ、貴様、何年ゲームやってやがる!」

朝: 「な…そんなに怒んなくても…」

幻: 「これが怒らずにいられるか! まるでファミコンを初めて購入したおよそ15年前の日本の標準家庭みたいなこと言いやがって!」

朝: 「だって…ゲーセンと同じじゃん?」

幻: 「違うだろうが、圧倒的に」

朝: 「どこが?」

幻: 「…素で分からんのか?」

朝: 「うん」

幻: 「例えば最近では『北斗の拳』,メジャーなのは『Dance Dance Revolution』、一昔前は『電車でGO!』。もっと昔は『バーチャコップ』」

朝: 「……ああ! 分かった! 『スト2』で20人抜きしているような気分ってことか!」

幻: 「そう、ゲーセンには己のテクニックを披露するという『場の雰囲気/臨場感』とゆ〜のがある,このコインに俺の全てを賭けるぜ! ってな。リセットないし」

朝: 「あるね、それって。特にDDRはパーフェクトにクリアするという以外に自分なりに身振り手振りを付けて本当に踊っている様に見せるっていうのが一部で流行っているし」

幻: 「あれはきっと家で、それこそ昔懐かしのファミリートレーナーもどきを買って血の滲むような苦労をしているんだろう。これからも分かる通り、サンバ〜もDDRも、その家庭用の用途は主に外で練習できないから,じゃないか?」

朝: 「いや、それは…家族みんなで楽しむってところも…」

幻: 「滅多にないね」

朝: 「何故断言?!」

幻: 「例えばマンションだったら、DDRなんぞ家族みんなでされた日にゃ、下の階の人はうるさくて堪ったもんじゃないぞ。きっと怒鳴り込みに来る」(実話)

朝: 「それも一部限定の人じゃん?!」

幻: 「部屋で一人寂しく、ひたすら無表情にバーチャコップをやり続けるのは端から見ると危うい人のようだぞ。ま、部屋じゃなくてゲーセンにもいるがな、無表情に一人で撃ってる奴」

朝: 「また実話出すなぁぁ!!」(いえ、恐かったです)

幻: 「ま、このようにだ…」

朝: 「〆るなぁぁ!!」

幻: 「ゲーセンにはゲーセンの無言のコミュニケーションという良いモノがある。家庭ゲームは所詮家庭ゲームさ」

朝: 「ま〜、それに加えて、やっぱり筐体っていうのは良いモノだね。友達数人とレースゲームやるのは臨場感煽って楽しいし」

幻: 「自らジョッキーになる筐体もあったな。馬に跨って「はいやー」とか叫んで学生時代は競争したものだ」

朝: 「またまたマイナーな筐体を…あれは恥ずかしすぎたみたいでもぅどこにも見ないねぇ」

幻: 「俺的には200点満点なゲームだったのだが…汗かけるし」

朝: 「じゃ、電車でGO!はどうよ?」

幻: 「あ〜、あれね,電車好きにはたまんないだろうねぇ」

朝: 「私は好きだよ」

幻: 「運転手に興味ないから、俺は興味なし。次行こう」

朝: 「…そね。そうそう! バス釣りのアレはどうよ?」

幻: 「川に行って釣れよ…」

朝: 「元も子もないことを…あ、『タイピング・オブ・デット』は?」

幻: 「DCか何かを使っているタイピング能力向上ゲームだな。あれは違和感あるよなぁ、ゲーセンの中にキーボードあるんだもんなぁ。それにあれこそ家でやるもんじゃないん?」

朝: 「『特打』とか結構流行ったから、あの攻め方も私は一つの手段だと思うよ。それにボタンがたくさんついているのが違和感あるんだったら、麻雀もそうじゃないん?」

幻: 「ああ、そうだね。ともあれ、ゲーセンは日々、技術の最先端たるものが集ってくる。あそこは侮れない空間なんだ,ゲームしなくても見ているだけであっても得られるものが多いぞ」

朝: 「部屋に閉じこもってのゲームも悪くはないけど、時には外のゲームも,ね!」