魂は感じているか?


お題:『定義と魂』


幻 :「……………」

朝 :「……………」

幻 :「最近、ゲームやってねぇなぁ」

朝 :「そうねぇ」

幻 :「……………」

朝 :「……………」

幻 :「…さて、レゲーの定義とはなんだろうか?」

朝 :「いっきなり、真面目な話すんのね」

幻 :「古いゲーム,果たしてその一言に尽きるのであろうか?」

朝 :「レトロなゲームというと、単純なモノが多いわよね」

幻 :「まぁ『レトロ』という感覚自体、世代によって異なるんだけどね」

朝 :「そうでもないと思うよ。例えば大正から昭和初期に渡る服装や、生活道具を見て「懐かしいな」と思う感覚はその時代に生きていない者であっても感じるじゃない」

幻 :「なるほど、そう言う見方も出来るな」

朝 :「ファミコンやゲームウォッチ,カセットビジョンなんかは、すべからくレゲーに含まれるんじゃないのかしら?」

幻 :「いや、そうとも限らない。ファミコンのドラゴンクエストT,U,V,WやFFシリーズの初期なんてのは、レゲーという言葉に含まれるレトロな感覚は薄いと思うぞ」

朝 :「ん〜、『古めかしい』と『古臭い』,『古い』の違いみたいなもんかしら?」

幻 :「どうだろうね,そこらへんは人によって異なると思うが。ともあれレゲーは、ゲームとして楽しむべき要素が剥き出しのものが多いように感じるな」

朝 :「??」

幻 :「ファミコンでいうところで例えれば、パックマンやマッピー、ゼビウスなんか。これらにはプレイすること、そのものになんというか…楽しさがあるだろ?」

朝 :「単純なゲームってこと?」

幻 :「そうとも言える。今のゲームはその単純な面白さを土台として成り立ってきているから、このレトロなゲームというのは今では余り見ないと思う。だからこそ、『懐かしい』っていう特別な感覚が湧くのかもしんない」

朝 :「でもさでもさ、そんなレトロなゲームを今のPSとかDCで再現したら、それはレゲーになるのかな?」

幻 :「なるんじゃないかな。PCエンジンでスペースインベーダーが発売されたことがあったけど、その時は当時の「名古屋打ち」とかが出来る古いものそのままの再現モードと、PCエンジンのパワーを以って『今風』なスペースインベーダーのリメイク版の二つを内在していたことがあった。やっぱり古いバージョンのものには懐かしさを感じたよ」

朝 :「ということは、レゲーの定義としては『扱っている機体が古い=レゲー』ではなくて、『ソフトウェアがあらゆるゲームの根底に流れる楽しさの原型になったもの』と言うことかしらね」

幻 :「この場ではそう結論付けたいものだね。ゲーム機の初期に出たこういった古い発想に基づくゲームは今、新しい筐体で広がりを見せているのを知ってるか?」

朝 :「どういうこと?」

幻 :「単純なプログラムと短いソースコードに基づくことが多いこれら『レゲー』は、携帯電話で実行するJAVA環境において暇つぶし用のゲームとしてDLサービスを開始しようとしているんだそうだ」

朝 :「ああ、シューティングゲームとかぷよぷよ風なパズルゲームとかなアレね。確かに暇潰しになるわよね,単純故に終わりがなくて、奥が深いし」

幻 :「携帯電話は本当の意味でのモバイルコンピューティングになりつつあるからな。某国ではアレでクレジットカード決済できる方法とか模索してるしな。ゲーム機というのも数ある可能性の一つだし、何より通過点だと思う」

朝 :「ちょっと話がそれてない?」

幻 :「ともあれ、レゲーと呼ばれるゲームには独特の雰囲気と発想がある。例えるなら着飾ったブサイクではない、粗末な服に身を包んだ美女みたいな感じ?」

朝 :「な〜んだ、私のことじゃない」

幻 :「(無視)過去の発想に基づき、それを知りつつも,決して過去に負けないという気負いを持ったゲームを私はこれからも探し続けたいと思うのです」

朝 :「その割りにはクソゲーやる比率の方が高いじゃないの」

幻 :「クソゲーは前にも述べたことがあるが、新たな発想を目指して、しかし受け入れられず,もしくは巧く表現できずにクソゲーというレッテルを貼られたモノが多いからな」

朝 :「ふ〜ん,でもそういう姿勢だと、『今時』のゲームに付いていけなくなっちゃわない?」

幻 :「PS2にしてもX-BOXにしても、DCにしてもだ。最近はハードウェアの性能は格段に上がったな。それによって表現できる限界も伸びに伸びた。CGサイコー,ボリゴンサイコー,音楽サイコー,その他もろもろ、サイコーっすわ」

朝 :「な〜んか嫌な言い方ね」

幻 :「誉めてるんだよ〜,レーシング系のゲームなんか凄いよねぇ。滑らかでさ,焼けるゴムの匂いもしてきそうだよ。PS出た当初とかもそう思ったよ,PS2ではもっとだね。X-BOXはもっと凄いだろうね、ケケケ…」

朝 :「確かにソフトウェアの発想ではなくハードの性能に重視したゲームは多いわよ。でもさ、それもそれでその時代の香りだと思うのよね。それが顕著なのがFFシリーズじゃない? あれはあれで『人気』があったのは事実」

幻 :「……そうだな。ゲームにも色々あるからな」

朝 :「レゲーにしてもクソゲーにしても、メジャーなゲームにしてもマイナーなそれにしても,そして今の時代を行くゲームにしても、それが良い,悪いな〜んてのは人それぞれ」

幻 :「ふむ。だからこそ、己自身の目を養って欲しい。そして自信を以って欲しい。『必ず面白い』ゲームなんてのは、この世界には決して存在しないし、『つまらなすぎる』ゲームなんてのも存在しないのだから」

朝 :「『面白さ』の基準は自分自身,そのことを忘れずにゲームというものを楽しんでもらいたいわ」

幻&朝 :「「君の魂そのもので感じた通りに、ね」」



ゲーム魂