交錯した過去〜発覚
 
  「懐かしいな」
  「懐かしいわね」
  「ぐー」
  久しぶりに思い出した、青春のよき思い出兼強制入社させられたあのころ…
  「神楽警備保障の社員がいなくなって、総合警備になるから新入社員募集。それで、あのパソコンを当時社員のまわりの人間の中で一番入社の可能性のある真紀に届けるなんて,凝ったことしてくれたわね」
  「やっぱり、そん時の社員と知り合いだったからな。それに、あたしはこっちの仕事のほうが性にあってると思うよ。あの出来事がなくても多分ここにいたと思うな」
  「でも手口が汚いわよね、社長も。パソコンに盗聴器と盗撮機しかけて、ずっと監視してたなんてね」
  梅崎は、いや、あんたも十分汚いぞ、といいそうになったがやめた。
  ずずず とお茶をすする音がガレージに響く。
  「そういや、なんで紅の流れ星、封印したんだ?今でも名乗ればいいのに…そうすれば紅の流星群復活なんだけどな」
  「もう恥ずかしい過去は触れないでよ、それにあたしはあんたにゆずったんだから!」
  「はいはい。最初からあたしのだったってことね」
  「ぐー」
  姫萩は幸せそうに寝ている。
  「真紀、あんた本当に誰にも言ってないでしょうね」
  それはもちろん蘭東栄子暴走族の総長説である。
  「もちろん、社長にも高見にも田波にも言ってないよ、まだ」
  「言ったらどうなるか、わかってる?」
  「減給40%、だろ」
  「そう」
  これは脅迫という犯罪なのではないか…とか思いながら梅崎は口には出さなかった。
  「そんなことされちゃぁ、食っていけないからな…」

  しかし、蘭東は迂闊だった。
  そこにはもう1人(匹)いたのだ。


  それ以後の任務で、化け猫たちが蘭東をあきらかに避けているのが目撃されたり、まやがあんなに楽しみにしている日課の料理教室がまやの都合でなくなったり、桜木でなく田波が蘭東のお茶をいれてたりしたのは、後日談である。


交錯した過去 完





あとがき

  蘭東さんのファンの方へ…
  すいません… ごめんなさい… もうしません…
  えれくとら、6万ヒットおめでとうございます!!
  これからも楽しいコーナーやSSを期待しています!
  まだまだ若輩者ですが、みなさまのご意見ご感想を糧にしていきたいと思います。
  ので、暇な方または批評家のするどい指摘をお待ちしております。
 
burst(ばーすと)さんへの励ましのおたよりは こちら♪




感想
  burstさん、ありがとぉございます!
  神楽の古株達はこうして知り合ったんですね,今は角が取れて丸くなったのか?(笑)
  ダブルな紅の流れ星…今は解消されているのは化け猫達にとっては幸運としか言いようがありません。
  ともあれ、蘭東…恐るべし!!
  姫萩も何気にのほほんと、なかなか良い味を出しているのが素敵です。
  何はともあれ、これからも宜しゅう!

2000.8.23. 元. 


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