『実態は??』

著者:元



 菊島社長を除く全員が、オフィスで円陣を組んでいた。
 「社長って、歳は幾つなんでしょう?」この場に話題の張本人がいないにも関らず、小声で桜木。
 「戸籍上のデータは抹消されているわ,はっきりいって、謎ね」額に皺を寄せて、蘭東は呟いた。
 「でもあの人、古いコト知ってるよな,鯵サンドに出涸らしのコーヒーとかさ」
 「案外、あたしらの中で一番の年長者かもな」田波,梅崎が既成事実に基づく考察を提案,一同は沈黙する。
 「…あの幼児体型,中学生って言ってもおかしくないよな」それを破ったのは姫萩だ。
 彼女は一冊の雑誌を取り出した。
 「この漫画には気功で体型を幼くしたキャラクターが出てくるんだ」彼女はウル×ラJU●Pという雑誌の『天↑天↓』という連載を開いてそのキャラクターを指差す。
 「ってことは社長は中国の『硬気功』や『仙術』をマスターしてるって言うの?」
 「ありえない話じゃないな」蘭東の驚きに梅崎は納得する。社長としての威厳はやっぱりない様だ。
 「じゃ、じゃぁ、社長が本来の姿を現すと…ナイスバディなんですか?!」死語をおくびもなく出して、桜木は想像を始める。
 「…」(田波,想像中)
 「「「「お前は想像するなぁ!!」」」」田波,まとまる前にタコ殴り。
 「ともかく、ここは白黒はっきりさせなきゃね」アイアンナックルを装着しながら、蘭東は立ち上がる。
 ガチャ,オフィスの扉が開き、
 「ただいま〜,ってどしたの?」菊島はただならぬ雰囲気にあとずさる。
 迫る一同。
 「「「正体をあらわせぇぇ!!」」」
 「なになになに,なんなのよ〜!!