『クリスマス・ナイツ』

高見ちゃんより愛を込めて

著者:元




 桜木高見,神楽総合警備に勤める若きOL。
 チャーミングポイントは『眼鏡』(らしい) 。
 某雑誌の人気投票ではダントツの一位に入選(希望的予測も含む) 。
 彼女の自己逃避行動である『ふにゅ〜〜』が男性読者の心を擽ると、専らの噂だ。
 しかし彼女,近頃、同僚の男性に気があるようだ。
 そんな彼女のクリスマス・イヴは…



 「印刷所の締め切りが明日なのよぉぉぉ!!」
 「先輩ぃ,絶対間に合いませんよぉぉ!!!」
 「高見,何を甘えた事言っているの!! これまで『間に合わなかった』ことなんてなかったじゃない,黄金の夜明けの織田に妨害された時ですら!!」
 「されてないですぅぅ!」
 狭い部屋にスクリーントーンが舞い、インクが飛び散り、ユンケルの空瓶が転がる。
 女性4人が詰めるマンションの一室は熱気で陽炎が揺らめいていた。
 そう、ここは桜木高見の住む部屋,12/24のクリスマス・イヴは彼女達のような同人(?)作家達には厳しい現実が毎年、まるで万里の長城のように立ちはだかる!!
 12/29,30に行われる大イベント(冬コミ)の為に!!
 「神様、来年こそ足が洗えます様に…田波さんとクリスマスを過ごせます様に…」
 「高見ぃ,さっさと手を動かしなさい!!」
 「うにゅ〜」
 クリスマスを想像することすら許されない彼女であった…合掌。