『バレンタイン メモリーズ A』
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ガレージで一人の女が眠っている。
チクタクチクタク…
バモスの運転席に備付けられた時計が、軽快な音を立てている。
短針は女性の安らかな寝息をバックに一周、そしてもう一周。
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チクタクチクタク…
今日もガレージで一人の女が眠っている。
「う〜ん、運転手わぁ〜、運転がぁ〜、お仕事ぉぉぉ、ぐぅ」
誰ともない寝言が、薄暗いガレージに響いていた。