『ホワイト メモリーズ B』
著者:元
3/14
いつもきれいな(と、いうか何も載っていない)梅崎の机の上に、一つの綺麗にラッピングされた箱が載っていた。
「栄子ちゃん、真紀ちゃんの机の上のアレ、何?」
「さぁ?」
主がいない事をいいことに菊島と蘭東はそれを覗く。
赤いリボンがかけられた正方形の箱だった。
と、その側面にこんなラベルが張られている。
『爆発物 危険』
「「のわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
後ずさる二人。
オフィスは静まり返る。
カチカチカチカチ…
等間隔な音が響く。
「なになになに?!」
「この小気味良い音も何? もしかして真紀を狙った時限爆弾!?」
ガチャリ
「ういっす!」
オフィスの扉を開けて入ってくるのは、梅崎当人。
「どうしたんだ? 二人とも??」
菊島と蘭東はふるふる震える手で机の上の箱を指差した。
途端、梅崎の顔色が変わる!
「しまった! 竜か!!」
カチ
ボン!!
「「「うわぁぁぁ!!」」」
箱が唐突に爆発!
案外小規模な爆発とともに何かが撒き散らされた。
「? 何?」
「あ、キャンディーだ」
中からオフィスに巻かれたのは包みに入ったたくさんの飴玉。
「クソッ、味な真似してくれるじゃねぇか,竜の奴」
少し嬉しそうに悔しがる梅崎に、問答無用の二人の蹴りが決まったのは言うまでもない。