『銭湯準備OK? 壱』

著者:元



 「綾金健康ランド?」
 「はい、さっき来た新聞屋のおじさんから奪取しましたぁ!」
 嬉しそうに報告する柊の手には、8枚の無料招待チケットが握られていた。
 綾金健康ランド…全国によくありがちな公衆浴場の大きい物である。特徴としてはお年寄りが多い,ということだろうか?
 「ふぅん…仕事が終わったら寄ってみようか? 今日は核爆弾騒ぎがあったり、同人誌即売会とか、ハウンド vs 米海軍を観戦して埃まみれになったし」
 「はい!」
 「ちょうど人数分あるし、みんなも誘ってみよう。ところで…」
 「はい?」
 「新聞屋って言ってたけど、契約は…したのか?」
 「ええ。入江 省三の名前で8年ほど」
 鬼だね、巳晴ちゃん…



 その頃…
 「うまく行ったようだな、アニキ」
 「ああ。無防備な神楽を始末する絶好のチャンスだ」
 「クックック…」
 「フッフッフ…」
 闇の中で2つの影が蠢いていた。