『英国巡業 起』

著者:元



 「仕事よ!」
 電話を置いた蘭東の言葉に、神楽一同は戦慄する!
 折りしも外は突き刺すような日の光が燦燦と降り注いでいる。
 死ね,そう言っているようなものだ。
 「出張準備,枠は3名!」
 よりにもよって出張ときた,一人一人が彼女と目を合わせないように、視線を下へと落す。
 「依頼主は英国・ヘルシング機関,場所は英国・倫敦なんだけど…」
 「「なぬぅぅぅ!!」」
 一斉に彼女に詰め寄る一同!
 「ロンドンって、外国の、アレか?」
 「ビートルズがいた、あの王家のスキャンダルの有名な?」
 先頭の田波,菊島を押し潰すように第二波。
 「ユリ・ゲラーを先に挙げて欲しいです」
 「エッフェル塔が見たいな」
 桜木と、姫萩だ。
 「それはパリだよ!」
 ご丁寧にも姫萩のボケにツッコむ田波。
 「んじゃ、凱旋門」
 「…」
 「ああ、もぅ! 枠は3人よ! 残りは留守番!!」
 叫ぶ蘭東,そして…
 ガシャ!
 背後で重たい音。
 一同が振りかえる。
 そこには…
 「コレで、決めようぜ!」
 挑戦的に、梅崎が両手に銃を抱えてニタリ,微笑む。
 その銃全てに『マルイ』という謎の札が下がっていた………