『英国巡業 結』

著者:元



 「って言う訳で行ってきたわよ」
 数日後、蘭東一行はオフィスに戻ってきた。
 菊島は蘭東の書いた出張報告書を読みつつ、肝心な部分を指摘する。
 「化け猫はどうやって封印したの?」
 そう、報告書はここで終わっていたのだ。
 いや、終わってはいなかったが、どこどこのアップルパイがおいしかったとか、遺伝子食品は危ないらしいです、とか全く関係ないことが、焦点の違う3人分の記述で続いているのだ。
 色んな意味で終わっていると、後に田波が漏らしたという…それはさておき。
 「それはいつも通りに,マタタビで罠を張っておいて御用!ってなもんさ」
 梅崎は椅子に座ってぶっきらぼうにそう告げた。
 「ノラな化け猫でしたからね」
 こちらは桜木。
 と、
 「それと、聞きたいんだが…」
 田波は額に手をやって、震える手で先程蘭東に手渡された箱を振り上げた!
 「何でお土産が『マカダミアン・ナッツ』なんだぁぁ?!?!」
 「おいしいじゃん」
 あっさりとその一言を放つのは、
 ぽりぽり
 隣で頬張る姫萩だ。
 今日も神楽はある意味で平和であった。