『ヒイラギ上等兵』

著者:元



 アワーズ(2000.12月号)を参照下さい,時事ネタです。

 「柊上等兵、戻りました」
 重苦しいほどの暗闇の包まれたその部屋で、彼女は呟き闇に向って敬礼した。
 『君が楽屋から持ちかえった盗聴テープの検認が終わった』
 部屋全体から、くぐもった男の声が響く。
 『本日付けで現在の任を解く。現職に復帰しろ、ご苦労だった』
 「いえ、可能であればこのまま続けさせていただきたいと」
 『何だと?』
 「確かに私の持ちかえった盗聴テープを公表すれば、よもや入江が『おは〜』と叫んでいたり、まやが結構おしゃべりだったりして驚くファンも出ることでしょう。しかし、それだけです。我々が役を取って代わるにはまだまだスキャンダルが不足しています!」
 『…柊上等兵』
 「はっ!」
 『お前、我々を裏切る気だろう?』
 「柊(美冬)上等兵,任務続行に戻ります!」
 『ま、待てぃぃぃ!!』