蘭東さんの使う格闘技は何か?

 メリケンサック(カイザーナックル)を手にはめて、化け猫達にも怯む事なく立ち向かっていく神楽警備保障きっての武闘派、蘭東さん。いったい彼女はどんな格闘技を身につけているのでしょうか?それを考察してみましょう。

  まずは作品中から手がかりになるようなシーンを抜き出します。


  1. 第一巻「地下水道」の回の103ページ1コマ目、化け猫に対して半身の構えをとっている

  2. 第一巻「地下水道」の回の106ページ6コマ目から107ページ1コマ目、化け猫とBMXを武器にして闘っている

  3. 第三巻「蘭東栄子、故郷に帰る」の回の56ページ4コマ目から57ページ1コマ目、暴漢を金的からの投げでしとめている

  4. 第三巻「蘭東栄子、故郷に帰る」の回の57ページ3コマ目、縦拳で突きを放っている

  5. 格闘シーン全てを通じて、蹴りの使用頻度が高い

 以上の手がかりから、蘭東さんの身につけている格闘技がどんなものか考察してみることにしましょう。まず4から横拳を使う「空手」は除外されます。次に5からボクシングと、投げ技、寝技を主体にした格闘技も除外されます。

 と、上記の手がかりからわかるのは、これぐらいしかありません。しかし、これで終わらせる訳にもいかないので、色々と推測(邪推、もしくは妄想)加えて考察を続けていくことにします。まず、戦い慣れているところをみると、かなりの実戦を想定した格闘技ではないかという推測が出来ます。出来ます。出来ます。出来ます。出来ますゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜が、そうなのでしょうか。もちろん実戦を想定した格闘技は、この日本でもかなりの数が存在します。が、それらで身につけた技も実際に使えるようになるには、かなりの場数を踏まないと無理でしょう。

 そこで次のようには考えられないでしょうか。蘭東さんは、昔かなりヤバイ場所や立場にいて、その時身につけた戦い方が今でも出ていると。でないと、いくつもの場数を踏む事はこの日本では無理な事でしょう。では、どのようなヤバイ場所や、立場にいたのでしょうか。

 ここで、彼女の性格を思い出してください。真っ先に思いつくのは、かなり「キツイ」ということではないでしょうか。

 で、この「キツイ」性格と紫に染めている(?)髪の毛から考えられる「ヤバイ」立場は、元ヤンキー以外に考えられません。

 それにもし特攻隊長であれば、2の理由もうまくつきます。多分、バイクテクニックをBMXに応用したのでしょう。それに加え「綾金港大海戦」P130〜P131で実質的には公務員であるハウンドの隊員2名を、なんのためらいもなく海に葬り去っているところを見ると、交機とかなりやりあった猛者だったのでしょう。(第2巻P147、ハウンドとの交渉でかなりキツイ顔をしています。これも、昔やられた記憶があるからでしょうか)

 これで、実戦経験をどこで積んだかという問題はクリアーしました。が、所詮ヤンキーが身につけている格闘技は素人同然です。これだけでは、化け猫と素手で戦えはしません。少なくとも何らかの格闘技を身につけているはずです。と、ここでまた本題に戻った訳ですが、前と違うのは蘭東さんが元ヤンキーであったという確信を得ているところです。ここからはこれも加えて考察を続けます。

さて、元ヤンキーであったと思われる蘭東さん。しかし今ではすっかり更正なさったようです。さて更正の仕方も色々ありますが、その中の一つとして「自衛隊に入隊する」というのがあります。(本当にあるんかいな)これは、規則正しい生活と訓練で精神が鍛え直されるというものです。第3巻13ページ4コマ目、同じく第3巻173ページ2コマ目での台詞のような知識も自衛隊で得たのでしょう。

 で、自衛隊で何をやっていたのか?これは勿論、格闘技に他ならないと推測されます。ここで、自衛隊で習う格闘技に簡単に説明します。まず、みなさんは柔術というものをご存知でしょうか?ニュースステーションや、トゥナイト2でヒクソン対高田が取り上げられていた際に、ヒクソンの身につけている護身術、「グレイシー柔術」に柔術という名がついていたのでご存知の方が多いのではないでしょうか。元来、柔術というものはグレイシー一派が云うように護身術の色合いが濃いものです。当然ながらその技の中には目潰しや金的、鼻の穴に指を入れる、指を極める、折る、などのエゲツナイながら実戦には有効な技が数多く含まれております。しかし、そういった技は時代が近代化を進み、柔術が柔道とスポーツ化されるに従い消えていこうとしていきました。そしてそれを危惧し、そこで柔道が取り入れなかった柔術の当て身技(打撃のことを指す)を集めて一つの体系にしたのが日本拳法(日拳とよく略される)です。(勿論のことながら、投げ技もこの中にはあります)そして、日本拳法をベースにして生まれたのが自衛隊で教える「自衛隊徒手格闘」といわれるものです。で、この自衛隊徒手格闘を蘭東さんが身につけていたと結論づけたいのですが、なにぶん自衛隊内部の事なので詳しい事がわかりません。(自衛隊マニアの方のほうが詳しいのではないでしょうか?)唯一、自分が見た資料は「野戦最終兵器 自衛隊徒手格闘」という名前のビデオだけです。このビデオを見る限りでは拳は縦拳であり、試合の内容は投げ技もあるのですが、どちらかといえば打撃が多いように感じました。この印象は上記の条件に当てはまるのではないでしょうか。

と、まぁ結論は「ヤンキー時代に実戦経験と勝負度胸を積み、後に自衛隊で徒手格闘を学んで今にいたる」となりましたが、皆さんはいかがでしょうか。弟のkyoは截拳道ではないかと云っています。とりあえず、皆さんのご意見をお待ちしております。