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免許
「ねぇ、ユウ?」
「ん?」
「車の免許って、何歳から取れるんだっけ??」
「18じゃなかったかな?」
「あと一年、かぁ」
「なんだよ、取る気か?」
「当然」
「……そうか」
「何よ、そのちょっとした沈黙は」
「いや、同乗するヤツは大変だろうなと思ってね」
彼の言葉に、未紅はそのまま彼を指差す。
「?」
「YOU」
「ME?!」
額に汗するユウは思い出したようにこう言った。
「あ、そうだよ、免許は20歳からだ」
「嘘つき」
「あー、えー、そうだ、オレが運転するからさ。未紅は助手席乗ってくれよ」
慌てて取り繕うユウの言葉に、未紅は一瞬の沈黙の後、僅かに頬を赤らめる。
「んー、しょうがないなぁ。助手席には私以外乗せないんなら、考えても良いわよ」
「OKOK」
軽く返事をするユウ。
「絶対だからね、約束よ」
「はいはい」
約束の指きり。
もっとも、その約束が果たされることはないのだが。
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