Diary
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ああ、日曜日が終わるーー。 来週もがんばってみるかなぁ。 薄闇の世界に広がるのは岩ばかりで草木の生えない荒野。 そこに住まうは恐ろしい形相をした凶暴な鬼達――― それが僕の抱く鬼が島のイメージでした。 実際の鬼が島は、 「へぇ、思ってたのとちょっと違うわね」 クルーザーを桟橋につけて師匠が呟きました。 桟橋にしても石造りで、しっかり管理されているようです。 海岸線沿いには藁葺きの民家が立ち並び、それぞれから複数の気配がします。 荒地と思いきや、緑豊かな畑が一面に広がり、とても↑で思っていたような場所ではなさそう。 運が良いのかどうなのか、人(鬼)通りがないのがちょっと不気味ですけれど。 「八咫烏、神器はどのへんにありそう?」 「そうだな。まぁ、こういうものは大抵、そいつらのボスが握っているんじゃないのか?」 彼が指差す先、夕闇の彼方にうっすらと浮かび上がる、巨大な鬼の頭がありました。 「ひっ」 思わず師匠の後ろに隠れてしまいます。 「こらこらコジロー、良く見なさい。あれは岩よ」 呆れた声で師匠は僕の首の後ろを引っ張り上げて無理矢理それを見せつけました。 確かに。 鬼の頭の形をした、巨大な岩です。 この島自体大きくはないのですが、ここからの距離から見るに高さはゆうに100mは越えているのではないでしょうか? 「じゃ、あの岩に向かって急ぐわよ。闇に乗じて行けば、鬼どもには見つからないでしょう」 なんだか僕達の方が悪者のような気がしてきましたが、ともあれ僕達3人は遠くに見える鬼の岩めがけて駆け出したのでした。 鬼の頭の形をした大岩。 その手前には丸太で区切られたバリケードがあり、そしてその中央には巨大な木製の門が構えています。 歩哨は門の左右に1名づつ。 鬼というだけあって、身長は2m近くあるでしょうか。その表情も鬼らしく、犬歯が剥き出しになっていました。 「さて、どうする?」 「正面突破」 八咫烏さんの問いに、師匠は即答。 「ぇー」 「じゃ、コジロー。何かイイ作戦でもあるの?」 ジロリと睨まれました。 「えぇと、たとえば……そう、たとえばですね」 こんなのはどうだろう? 「師匠が正面突破して暴れながら突入します。注意が師匠に向いているうちに八咫烏さんが裏口から侵入して目的のものを手に入れる、というのは?」 「裏口ってどこよ」 「八咫烏さんは飛べますから、別に裏口じゃなくてもいいと思います」 「そか、よく考えたら飛べるものね」 ふむふむ、と師匠。 「悪くはない作戦だな」 こちらは満足げに八咫烏さん。 「で、コジローの役割は?」 「ここで待機ってのは、ダメですか、ダメですね、はい」 「じゃ、八咫。目的のものを手に入れたらいつもの合図よろしく」 「分かった。あまり無茶はするなよ」 八咫烏さんはそう言うと、元の三本足の烏の姿となって闇夜の中へと飛び去っていく。 「あ」 「どうしたの?」 「八咫烏さん、鳥目なのに飛んで大丈夫ですかね?」 「気合で何とかするでしょ。さ、行くわよ!」 師匠はそう言うと、僕の襟首を掴んで門に向かって駆け出したのでした。 師匠こと一葉 さつきは妖狐なのです。 妖狐はここ日本ではすべからく稲荷の眷属として管理されるのですが、師匠は稲荷ではないそうで。 稲荷にはそれぞれの力量と経験に応じて位があるのですが、師匠の力量は最高位の稲荷神クラスだと八咫烏さんに教えてもらいました。 しかし師匠は神として崇め奉られる地位を選ばず、大妖――九尾の狐としての道を選んだそうです。 とは言っても、稲荷の眷属との関係を切ったわけではないみたいで、この辺の事情は昔いろいろあったようですね。 僕が師匠に預けられてまだ数ヶ月ですが、少なくとも彼女は団体行動に馴染めるような性格ではなさそうです。 なによりも、 「かぁっ!」 裂帛の掛け声とともに繰り出された師匠の回し蹴りは、飛び掛ってきた赤鬼に炸裂して3m後ろの壁まで吹き飛ばしました。 そう、なによりもこの人はこうして暴れるのが好きみたいなのです。 正面突破した僕達は、そのまま門をこじ開けて中へ侵入。 ここは鬼の王が住まう宮殿らしく、突然の敵の来襲にも関わらず、警備体制はしっかりしていました。 最近の鬼はどういう経路か分かりませんが、武器が拳銃だったりします。てっきりイボイボのついた金棒とかだと思っていたんですが。 当初は正面からぶつかり合う戦いだったのですが、師匠によって登場と同時に瞬殺されていく鬼達は次第にその動きを変えていきました。 まるでどこかへ誘導するように。 そもそも師匠は『先読み』の能力で格闘しているので、どんなに腕力に自信があろうと勝てるはずがないのです。 『先読み』とは一瞬先の未来を予測する能力。つまり相手がどの軌道でどんな攻撃を仕掛けてくるか知った上での戦いです。 鬼達も馬鹿ではないのでまともにやっては勝てないとうすうす気付いてきたのでしょう。 「がはっ!」 トカレフを握った腕ごと叩き折られた鬼が倒れたところで、僕達は大広間にその身を運んでいたのです。 「ここは」 どういう構造になっているのか、3階程度の高さまで吹き抜けとなった岩の中の広間でした。 天井はなく、満月の明かりが直接差し込んできています。 そして左右の壁には高価と思われる調度品が並び、床には赤い絨毯が一面に敷かれていました。 「さて、ここへ招待していただいて、どこの誰が相手になってくださるのかしらね」 師匠の声が岩の大広間に凛と響きます。 対する答えは、 「あらまぁ、勝手に他人のお宅に上がりこんだと思ったら問答無用で家人に被害を与えている極悪人って、貴女のことでしたか」 のんびりとした声が響きます。 ゆらり、と。 待っていたのでしょう、師匠の前に『彼女』が現れたのでした。 次で終わりかな。 6th July/2008 本日は京都の方へ出張してきました。 しかし暑いね、暑すぎ! スーツの上着がひどいことになります。何かの拷問か?! もう少しからっと晴れれば多少はましなんだろうけどなぁ。 さてさて、愚痴はその辺にして。 コジローくんのお話の続きです。ではでは――― それは人型をしていました。 身長は師匠と同じくらい。体格も同じく華奢な感じです。 その手には紫電を帯びた日本刀が握られており、まるで殺気のない笑みさえ浮かべた表情が人形らしさを増幅させます。 そう、『彼女』は人形です。 いや。魂の定義が違うだけで、付喪神の一種なのかもしれません。 けれど僕には『彼女』から生気を感じ取ることが出来ませんでした。 『彼女』は言います。 「ここの鬼さん達は静かな生活を求めています。お引取り願えませんかね?」 「そういうわけにもいかなくてね。次にここに来るのは108年後の満月の晩だ、その前に返してもらうものを返してもらわないと」 「あー、神器のことですね。そもそもアレは貴方達が鬼さん達に押し付けたとお聞きしましたよ」 「へぇ、そいつは私は知らなかったねぇ」 「押し付けた上、流出されるのを防ぐ為に、108年周期でこの島を異界に転移させるっていう呪いをかけたのも貴方達と聞いてしまいました」 「へぇ、そいつも私は知らなかったねぇ」 「知らないことばかりですね」 「知っても詮無いことだからねぇ」 にらみ合いが続きます。 「で、アンタは鬼どもになんで雇われたのかな?」 「鬼さん達はそんなに強くはないんですの。豆をぶつけられただけで逃げ出してしまうくらいですから」 「今日は節分じゃないがね」 「神器は正直、鬼さん達にとってどうでもいいものですけどね。でも押し付けられたものを今になって返せと言われて「はいどうぞ」っていう訳にもいかないようですわ」 「その為によそ者の力を借りてちゃ、意味ない気もするがね」 「出来る限りの抵抗はしたいそうですわ」 「そう、なら私はアンタを倒して先に進むしかないってことね、若桜 乙音」 「そう、いつもの通りですね、一葉 さつきさん」 互いに微笑むと同時、戦いが開始した。 師匠の肉体が半妖化し、その姿で本気を出していることが分かる。 2人の攻防は僕には早すぎてよく分からない。 その力量はほぼ互角のようだ。何故先読みのできる師匠と互角なのか?? 「それは機械人形もまた、先読みの能力に近似した機能を有しているからだ」 「近似した機能……って、八咫烏さん?!」 いつの間にか僕の隣にいたのは八咫烏さん。人の姿になっている。 「機械人形たる彼女は、対象の筋肉の動き等を観察することで次に何を仕掛けてくるかを計算、予測することが出来る。すなわちそれはあの妖狐が得意とする先読みの能力と同等の性能というわけだ」 「で、でも」 「またいくら先読みしようとも、その未来に対して行動するのは自分自身だ。己の行動速度を上回る動作は取れないし、相手の動きもまた対応できぬほど高速であれば未来予知したところで追いつかぬ」 「なるほど」 要するに予知して理解する間に、その予知の出来事が起こってしまいかねないということだ。 「って、八咫烏さん。目的のモノは見つかったんですか?!」 僕の問いに彼は困った顔でお手上げのポーズ。 「すでに奪われた後だったよ。君の立てた作戦を僕らは知らぬ間に実行していたというところだろうね」 すなわち。 僕達は陽動で、別の者に隠密に動くよう依頼人が指示を出していたということだろう。 「そして奪われた以上、彼らも黙ってはいない。面子にかけて、我々を捕らえるか殺すかするだろう」 気付けば。 大広間の中央を囲むように、続々と鬼達が集まってきていた。 これは、まずい。 突破するにしても、数が多すぎる。師匠がどんなに強くとも、限度がある。 「師匠! まずいです、撤退を」 「くっ!」 うめきをあげて紫電の光を一瞬纏い、師匠が大きく後ろに飛び退いた。 服の胸のところが真一文字に裂けており、危うく2つの双丘が見えるか見えないかの姿になっているじゃないですか。 「師匠!?」 「分かった分かった、あんまり騒ぐな」 呆れた声を挙げて彼女は答える。幾分、殺気が抑えられた気がする。 「ちょっと楽しみすぎたわ、まずいわね」 周囲を見回しながら、師匠は困った顔でそう言った。 「そろそろこの辺りで降参されてはどうでしょう? 私の口利きで命はなんとか助けてもらうようにしますから」 「いらぬ同情だ、ばーか」 師匠はそう言って子供のように舌を出した。 「ではこの状況、どうされるのですか? 私が指示を下せば、鬼さん達は己の命を顧みずに一斉に貴方達に襲い掛かります」 周囲を囲む鬼達の数は100を越えている。 某ユージローは「何人一斉にかかってこようと、一度に戦うのは4人だ」なんて名言があるけれどそんなものは漫画の中の世界。 どうする? 師匠はどうするつもりだろう? 「では戦って死ぬのですか? お供の子を道連れにして…って、あら?」 機械人形はそこまで言って、僕の顔を見つめる。 「貴方、あらら? 似てるけど違う??」 「コジロー」 「は、はい、師匠」 我に返る。 彼女は僕を見つめ、そして周囲を見渡す。 「私と八咫を抜きにしたとして、お前ならこの状況でどうする?」 「いや、どうするって…」 鬼達は機械人形の指示待ちなのか、僕達への殺意を理性で何とか押し留めているようだ。 正直、早く逃げ出したい。 けれど。 「逃げたくても、逃げ切れない」 それは師匠や八咫烏さんがいても同様。ちょっとこの状況を抜け出す方法は思いつけない。 「だが、お前は卯妖だ。逃げのエキスパートだ」 ニヤリと微笑んで師匠。 「お前は『生き残ることだけ』を常に考えろ。いいな?」 「は、はい」 頷くしかない。 「まぁ、仕方ないですね」 機械人形の声が響く。 「投降してくれないとなると、ここで死んでもらうしかないし。じゃ、そういうことで」 あっさりと。 彼女は振り上げた手を下ろす。それを合図として、鬼達が四方八方から飛び掛ってきた! 「あ…」 頭上に輝く満月を背景に、襲い来る鬼達が僕の網膜に焼きつく。 あの満月の位置にいられれば、こんな危険はないのに。 向けられる殺気から身を隠したい。 逃げ出したい。 あの月のように、安全な場所まで!! おもむろに僕は、師匠と八咫烏さんの裾をそれぞれ掴んでいた。 本能から問われる声に、ありのままの気持ちをぶつけて。 鬼達が殺到した先で、お互いがぶつかり合う。 後ろ、さらに後ろと鬼達は押し寄せ、一番前線にいた鬼は仲間達によって踏まれ、重症を負うに至っていた。 「あー、やめやめ! ちょっと止まってーー!!」 乙音の声はしかし、混乱した鬼達に届かない。 乙音はその視覚素子で捉えていた。 卯妖の少年が月と同じ光を発したかと思うと、仲間の2人と一緒に忽然と姿を消したことを。 「まったく面白い能力ですね。卯月くんにも同じ力があるのかしら??」 騒ぎの収まらない鬼達に見切りをつけ、彼女は隣に住む少年を思い出していた。 あっはっはー、終わらなかったよ。 次で最後かな、うん。 ところで今日は七夕ですね。 みなさんは星に何を願いますか? 私は――秘密です。 7th July/2008 7月からのアニメが色々始まりましたね。 何点かチェックしてみましたよー。以外に面白そうなのもあって、侮れぬわ! 夏目友人帳 : にゃんこせんせーい! ワールド・デストラクション : クマーがシブい 薬師寺涼子の怪奇事件簿 : 普通に面白そう 鉄腕バーディ : 手堅い ひだまりスケッチ×365 : いつものノリ フルメタルパニック The Second Raid : ノヴァ博士がおる?? セキレイ : 狙いすぎで、あざとさを感じる まったく知らなかった「夏目友人帳」が一話からしてなかなか好きな展開。 反してヤングガンガンの有力作「セキレイ」は原作以上に中身よりもキャラ重視でちょっと…な感じ。 2〜3話辺りで絞っていきます。こんなに見る時間ないわ。 そんなこんなで。 さて、コジローくんのお話の最終話です。さくっといってみましょうー。 満月の明かりが僕らを照らす。 周囲に鬼達の姿はなく、何故かクルーザーの上にいた。 「あ、あれ?」 ――卯月 浩二郎は条件付きスキル『完全撤退』を習得した―― ぽん、と頭に手を置かれた。 師匠である。嬉しそうに微笑んでいた。 「よくやったわ、コジロー。満月下での条件付きの卯妖能力、しっかり覚えたわね」 「条件付き??」 「そ。まぁ、いい加減取得してもおかしくないはずだったんだけど、アンタは追い込まれないと覚えないからねぇ」 「は、はぁ」 「八咫、さっさと逃げるわよ。島を出てしまえば、あいつらも追っては来ないでしょう」 「そうだな」 八咫烏さんが答えると同時、不意にクルーザーのエンジンがかかります。 「誰だ?」 八咫烏さんの誰何の声に、運転室から人影が一つ這い出てきました。 「ほぅ、あの状況下で戻ってきたか。相変わらずしぶといというか、運がいいというか」 黒いレザージャケットを羽織った長身の男性が暗闇の中だというのにサングラス越しにそう告げます。 「犬神…オマエが神器を」 八咫烏さんの問いに彼は口元に笑みを浮かべながら頷きました。 その態度は明らかに師匠に対しての挑発です。 けれど。 「で。ちゃんと回収したの?」 「あ、ああ」 「そう、なら良いわ。八咫、さっさと出航よ」 「…分かった」 八咫烏さんはそう答えると、クルーザーの舵を取ります。静かに僕達を乗せた船は桟橋から離れていきました。 「……ふん」 師匠が特に気にすることもなくスルーしたことが、犬神には気に食わなかったようです。 鬼が島が小さくなるころに、彼は師匠を見下した視線を向けながらこう言いました。 「ダシにされても悔しがらぬとは、なんとも大妖狐もプライドがなくなったものだ」 「今回の任務は神器を取り戻すことだからね」 師匠はさらりと彼に言い返します、が。 「もしもアンタが奪取できなかったと、その口でほざこうものなら」 「「?!」」 彼女の口が耳元まで裂けて、舌のようにちろちろと青い炎が揺らめきます。 殺気を多分に含んだ妖気に当てられて、犬神だけでなく思わず僕まで硬直してしまいました。 「それで、神器はどんなモノだった?」 妖気を抑えて、師匠は改めて犬神に問いかけます。 「……なに、俺達には使い勝手のないものだ」 「ふぅん」 触らぬ神にたたりなしの心情なのか、それ以上の詮索はせず2人の会話は終了しました。 この二人、仲は良くないみたいです。 というか、犬神さんの方が一方的に師匠に絡んでいるような気も…。 「ふむ?」 「??」 視線を感じて目を向けると、その犬神さんが僕を見ていました。 「な、なんです?」 「その子は私の非常食なんだから、勝手に食べたら蹴るわよ」 師匠の嬉しくないフォローが飛んできました。 「なるほど、違うか」 「違う?」 「俺の地元で無警戒な兎妖を見たんだが、お前に似ているような気がしてな」 「案外、僕達の種族も外の世界に出るようになったと聞きますから」 「そうか。ならばオマエがこの世界で仲間に会うことがあったら忠告してやるがいい。森よりもこちらの世界の方が捕食者が多いのだと」 「は、はい。ご忠告痛み入ります」 僕は一礼し、上空の月に祈ります。 同じ月を見ている兄上、気をつけてください。 この世界はどこに逃げても、弱肉強食なのは変わりません。 そこまで祈って、はっと思い至ります。 短冊の願いに、兄上の命もと付け加えて置けばよかったなぁと。 ともあれ。 こうしてクルーザーは静かに鬼が島を後にしたのでした。 それではみなさん。 またお会いできるといいなぁ、お会いしたいなぁ。 それまで生きていることを祈っていただけると嬉しいのです。 本日は会社で健康診断でした。 バリウム飲んだよー、胃が重くなります。 むしろバリウムを飲む前の発泡剤がまずくてこちらの方がダメかも……。 血液検査までやったのですが、コレステロールとかが怖いなぁ。 ![]() 四谷界隈にある「太陽の恵みチーズラーメン」を食べました。 スープがトマトなラーメンです。 初め見たときは「うぁ、食えるのか、これ??」な感じでしたが、これがまた結構旨い。 スープスパゲティみたいです。しゃきしゃきした高菜が具に選ばれているのはいいチョイスですね。 最後にご飯をいれると「リゾット」風味になり2度美味しいのです。 こんなラーメンもあるんですね、オススメです。 明日は出張、がんばるぞー! 8th July/2008 暑い日が続きます。 私の部屋の温度は40度超えたみたいです。この世の地獄へヨウコソ! 夜になると若干は涼しいのですが、やはり暑いものは暑い。 思わずクーラーをつけてしまっております。 涼しくなった部屋の中で、本日の卯月くんのお話でも書いてみましょうか。 玄関を開けると、むわっとした。 「むわっ」と言うのがそのまま音に出そうな、そんな熱気。 半ドンである土曜日、特に用事のなかった僕はそのまま自宅である猫寝荘へと帰宅した。 時刻は13時30分。ちなみにお昼ご飯は駅前の立ち食いカレーで済ませてきている。 今日の天気はどこか蒸っとした半分の曇り空。けれどお日様は元気良くその日差しを地上へと投げつけている。 およそ半日留守しただけで、密閉した部屋の温度は外気温と比べると5度以上異なる。 玄関の扉を開け放ったまま、僕は覚悟を決めて中へ乗り込む。 駆け足はそのまま6畳部屋に開く窓へと。 ガララ! 開け放つ。 同時にゆったりとしてはいるが、外の風が窓から流れ込み玄関へと吹き抜けていく。 「暑いなぁ」 思わず口に出てしまう。 「クーラー、欲しいなぁ」 お隣の土屋さんの部屋からは元気よく室外機が回る音が聞こえてくる。 口に出して言ってはみるが、そんなブルジョワな物を買うだけの資金がないのは言うまでもない。 「都会はなんでこんなにも暑いんだろう??」 制服のまま、熱された畳に寝転がる。 森にいた頃はこんなに暑さを感じることはなかったのに。 「一面、コンクリートだからね、熱の逃げ場がないんだよー」 不意にそんな答えが聞こえてきた。 「へ?」 左右を見渡せど、声の主は見えず。 「クーラーがなければないなりに、涼む方法はあるんだよ」 再度放たれた声は窓の外。 身を乗り出して見てみれば、その左側。 同じく窓から顔を出したお隣の雪音さんがいる。 「涼む方法?」 「うん」 笑って彼女は言って、 「一緒に試そうか?」 そんな問いに、僕は当然頷いた。 足元には金タライ。 張った水は足に心地良い。 今まで熱と湿気を帯びて窓の外から流れてきた風も、心なしか涼しく感じる。 そして僕らの手には、不自然な水色をしたアイスキャンディー。その名もガリガリくん。 「ふぅ、夏はやっぱりこれだねー」 手にしたガリガリくんを半ばまで一気にかじって頭を抱える雪音さん。 冷たすぎてキタらしい。 猫寝荘の2階。玄関側に面した廊下に各々椅子を出して僕らは並んで座っていた。 金タライの横には蚊取り線香も忘れない。 「夏ですねー」 僕もまたガリガリくんを一口かじってほっと一息。 足元から来る涼に、体に蓄積されている熱が抜けていく気がした。 と、そんなまったりした時だ。 「ただいまー、出張から帰りました♪」 猫寝荘の入り口に現れたのは、乙音さんだ。スーツ姿でパリっとしている。 「おかえりー」 「お疲れ様です」 僕らの声を聞きながら、階段を上ってくる。 「あらあら、涼しそうね」 「ウチもそーくんもクーラーないからね」 暗に「買え」という雪音さんの答えに乙音さんは笑って返す。 「エコって良い言葉よね。まぁ、涼しさを感じるアイテムをお土産に買ってきてあげたから」 言って彼女は雪音さんに手のひらサイズの箱を一つ手渡した。 そのまま「暑いー」と唸りながら部屋へと行ってしまう。 「何です、それ?」 「なんだろう?」 雪音さんは包装紙を乱暴に破り、箱を開ける。 「へぇ」 「なるほど」 中身はガラスで出来た夏の風物詩。けれどあまり都会では見かけなくなったものだった。 「軒先にでも吊るそうか」 「お手伝いします」 僕らは濡れた足のまま、『それ』を早速吊るしたのだった。 ちりーん ちりりーん 耳に心地良いガラスを揺らす音が響く。 「あら、もう吊るしたの?」 そう言って現れたのは浴衣姿の乙音さん。汗を流してきたのだろう、石鹸のいい香りがする。 「あー、姉上のその格好、涼しそう」 「雪音のも出しておいたわよ」 「じゃ、着てくる」 入れ替わるように雪音さんのいた椅子に乙音さんが座る。 浴衣の裾が濡れないよう、少し持ち上げて白い足をタライに入れた。 ちりりん 鳴る風鈴。 「ふぅ、生き返った心地」 呟く彼女。 「ほんと、夏ですねぇ」 「そうねぇ」 遠く、雪音さんの「着付けがでーきーなーいー」という声を聞きながら。 僕達は風鈴の音に心をゆだねて、しばしの涼を楽しんだのだった。 明後日から土曜日まで韓国へ出張です。 今回は長旅です、おまけに向こうは暑いらしい。 スーツがぐっしょりになりそうだ(><) 13th July/2008 ![]() 韓国出張完了! 今回は長い旅でした、4泊はつらいわ。 毎度のことながら呑むのですが、ビールに焼酎入れた爆弾酒はしばらく勘弁。 食事も色々連れて行ってもらいましたよー、冷麺が日本のとはぜんぜん違って美味しかったわ。 麺の太さが糸ミミズくらいの細くて、球になってるんですがこれをはさみで3つくらいにざくざく切ってもらって食べるんです。 お好みでお酢とマスタードもあり。 スープもあっさりしてて、胃に優しかったですよ。 また牛のありとあらゆる内臓をぶつ切りにして、煮込んだスープもいただきました。 唐辛子の油を小さじ一杯くらいたらしてあって、ちょっと辛め。 料理の名前が覚えられませんでしたが、良い出汁でした。内臓苦手な人は無理かもですけど。 と、まぁそんなこんなで。 あ、お仕事自体は問題なく進めました。これからの展開に期待大です。 食べてばっかりじゃないですよ、よ?? なお写真は宿泊したホテル近く、ソウル南での飲み屋通り。 この国の人は、自宅でご飯食べずに外食の方が多いんじゃないだろうか?とふと思ってしまいました。 19th July/2008 ![]() 出張疲れが取れていないけれど、友人と高尾山に行ってきました。 夏休みに屋久島トレッキングをするので、その予行演習も兼ねてです。 ルートは上りに稲荷山ルート、下りに6号ルートを選択。 稲荷山ルートは普通の山道といった感じで、とても東京都にあると思えないような自然豊かなルートでした。 6号ルートは沢と平行しており、足場が悪すぎ。 上りで選択するとかなり厳しいんじゃないかな?って感じでした。 ちなみに写真は山頂の証。 山頂からの眺めは、曇り気味だったこともあってかあまりよくありませんでした。 あと人がすごい多い。外人さんも多い。 確かに時間もかけずに自然を身近に、お手軽に感じ取れる場所だから、足を運びやすいんでしょうね。 2.5時間あまりで上り下りを終え、JR高尾駅まで歩いた後に電車で八王子まで。 日も明るい内から生ビール行っちゃいました。 この一杯がうまいんだなぁ、これが! 20th July/2008 ![]() odin鯖にて4人目のキャラを作成。 セージを目指そうと思っております。現在のLvは30/25。 アカデミークエストと試験を繰り返しながらLvを上げております。 戦闘ぜんぜんしなくてもここまで上がるとはなぁ。 ステ振りですが、INTとDEXが30づつくらいに特化して振ったのだけれど、普通のセージはSTRとAGIも必要なのね。 STRはそこそこにしても、AGIにも振らないとなぁ。 とまぁ、そんなこんなで。 21th July/2008 お昼から夕方まで、自室にこもることはできません。 暑くて死ぬわ! なので、近所の本屋だとかスーパーだとか冷房の効いている所でふらふらしていたりします。 ……無駄な時間過ごしているなぁ。この無駄っぷりが最高の贅沢だぜ(ぉ などなど、馬鹿なことを書きつつ。 久々に卯月くんのお話をいってみよー♪ 教室中が、いや学校中が沸き立っていた。 これから訪れる漠然とした希望、そして勉学から解放される自由に。 と、いうのが彼方の談。 明日から「夏休み」というものが始まるのだそうで。 「一ヶ月以上も学校がないっていうのは困ったことね」 「僕達が『ここ』に来ている意味がないしねー」 此花さんとそんな会話を交わしたものだ。 しかしそんな杞憂はすぐに払拭される。 僕らがこちらの世界にきているのは、学校で勉学を学ぶ為だけではないことに改めて気づかされたから。 僕らは人間の世界で学者になりたいわけじゃない。 この世界でどう生きていくのかを学ぶ為にここにきているのであり、常に周囲から学ぶことが目的なのだ。 学校が休みなのならば、同じように休みの学生達の真似をして人間を学ぶも良し。 学校以外のつながりを使って人間達と別の接触を持つも良し。 要は学ぶ方法などいくらでもあるということだ。 と、いうのが此花さんが相談したという世界樹さんの談。 言われてみればその通り。 そう言う訳で、早速明日から僕はアパートの大家さんのお手伝いを。 此花さんは駅前のファーストフード店でアルバイトを始めることになっている。 「卯月ー」 「はい」 担任の先生が一人一人に1学期の成績表を配っていく。 「どうだったかい、卯月くん?」 「んー、平均だねぇ」 前の席の井上くんが訊いて来る。 僕の成績は中の中。特に悪い科目も良い科目もない。 「井上くんは?」 「僕もぼちぼちかなぁ。理数系にもうちょっと力を入れないとって感じだね」 やがて先生は通知表を配り終え、休みの間の注意点をつらつらと述べた後、 「それじゃ、休みだからといって遊びすぎるなよ」 そう、〆言葉。 学級委員の井上くんの号令で教室中にクラスみんなの「さようなら」の声が響き。 夏休みが始まったのだった。 この後、クラスみんなでカラオケに行ったとかどーとか。 休みが始まる瞬間が一番希望に満ちてるんですよねぇ。 反対に長期休みが終わる3日前とか、欝になるわ(思い出しつつ)。 というかね、私も夏休みが欲しいですよー。 お盆休みが今年は短いなぁ。でもまぁ、あるだけ良いけど。 暑すぎるとYシャツの首元が汗で苦しいのでございます! ―――閑話休題。最近のラグナロクでも。 もっぱらOrdin鯖にてMagi子さん育成中です。 本日、龍ノ城にてJob45になったところでセージへ転職。 ![]() SW7とFW10を基礎に、セージではHDとフリーキャスト/オートスペルを中心にした「ちょっと強いWiz。ときどき殴るよ?」的になる予定。 ステ振りはINT>AGI>DEXでSTRに10ほど振ってみました。いろいろ中穂半端感がぬぐえません。 ともあれ、しばらく背中のわっかを引っ張りながら遊んでみようかと思います。 27th July/2008 ふらりと立ち寄ったソフマップにて、PS2のシーマン2がワゴンセールされてて思わず購入。 ![]() で、早速プレイ。 真面目なんだかふざけているのか良く分からない雰囲気がステキ。 でも音声認識が結構いい加減。「いいえ」といっているのに「はい」に聞こえたり。 私の滑舌が悪いのか?? おかげで、なぜか私は結婚していることになってます。おのれ、シーマンめ。 一日のプレイ時間がゲーム時間内での1日だけという設定も面白いかも。 なかなか先に進めなさそうですが。 30th July/2008 お得意先のビール祭りに参加後、川に灯篭が延々と浮いておりました。 ![]() 流灯まつりというらしいです。 夕暮れの中、わずかにアルコールの回っていい気分な所でぼーっと見とれてしまいました。 下流へと続く灯篭は川面にも映っていて、水面の下にも世界があるような、そんな感覚を覚えてしまったり。 あー、しかし暑い日が続くねぇ。 1st Aug/2008 8月ですね。巷はすっかり夏です。 はーやくこいこい、お盆休みー♪ 夏の恒例行事といえば、やはりお祭りでしょう! お祭りのお話でも卯月くんをつかってのんびりと――― 柚木 遥は頭を抱えていた。 確かに陸上部の活動で忙しかった。 忙しかったのだが、もうちょっとなんとかなったはずなのだ。 「あぁぁ、なんてこったー」 部屋で一人、頭を抱えてベットで転げまわる。 気が付けば夏休み、それも2日目が終わろうとしている。 今年は高校生活最初の夏だ。とてもとっても貴重な夏のはずなのに。 彼女の予定は部活動とお盆に祖父の実家に帰ることくらいしかない。 いっそのこと、部活動の部員の有志で海にでも行くか? 「それもありかも」 いやいや、大抵のメンバーがすでに予定が入っていたとか言っていたような気がした。 「メンバーが少なければ、それはそれで誘いやすくなると言えばなるか」 入学以来、彼女の心の片隅に居場所を作っている異性の顔を思い出して苦悩。 そもそも彼の予定が埋まってしまっているのなら、そんな計画を立てるだけ無駄。 「あー、なんで休み前に予定とか訊いておかなかったんだろう」 「遥ー、入るよ?」 ノックなしに扉が開かれる。 「うわ、冷房効かせ過ぎ!」 「なによ、彼方。何の用?」 同じ顔を持つ双子の兄を一瞥し、彼女はころりを再度ベットの上で一回転。 「うん、今日は北野大社でお祭りあるんだけど、遥はどうする?」 耳を澄ませば遠く、鼓笛の音が聞こえてくる。 毎年恒例の夏祭りだ。 「外、暑そうだしなぁ。今日は部活でこってり絞られたし、今年はパスー」 「そぅ? せっかく屋台のタダ券もらったんだけど使い切れないなぁ」 「タダ券?」 「うん」 言って彼方は1冊のチケットの束を彼女に見せる。 それは関係者限定配布プラチナチケット――各屋台でのタダ券だった。 「どうしたの、これ?」 「休み前に卯月くんにもらったんだ」 「?? なんで総一郎が??」 「神社関係のバイトしてるみたいだよ。んで、自分は使わないからあげるって言われて」 答えて彼方は首を傾げる。 今まで完全にだらけきっていたはずの妹が、ベットを飛び降りて彼に向かってくる。 「どうしたの、遥?」 「どうしたの、じゃないよ。お祭り行くんでしょ、早く行くよ!」 そう彼女は答えると、彼方の横をすり抜けて玄関へと向かう。 「ほら、彼方。早くしなさい!」 「あー、はいはい。なんだよ、急に」 サンダルをつっかけて先を駆ける遥を、彼方は引っ張られるようにその後に続いたのだった。 続きます。 お祭りですくった金魚は成長するとフナになります。 案外長生きするんですよねぇ。何もかもが懐かしい…… 2nd Aug/2008 この暑さ、異常じゃないかな、かな?? あと雨。自転車で帰宅中に思いきり降られて、なにもかもがぐっしょりでしたよ。 眼鏡にワイパーつけて欲しいとか初めて思ったよ! なんだか熱帯気候と化してきている様な気がする昨今、皆様いかがお過ごしか? 暑くて一番困るのが、寝てても暑くて寝た気がしないことでして。 困ったもんだわ。 さてさて暑い中ですが、劇中も夏な卯月くんのお話でも。 前回に続き、夏祭り編です――― 普段は訪れる者など数えるほどしかいない、寂れているといえば寂れている神社。 学校とは街を両断する線路を挟んで逆方向にあり、木々の豊かな小高な丘の上に鎮座している。 いつもは静かなはずの社屋は今、その参道の両側に連なった屋台を初めとして賑わっていた。 この賑わいは年始のそれと同等か、それ以上だ。 人ごみの中、双子の男女が社屋へ向かうやや登り気味の参道を上がっていく。 「でも総一郎はどこでこんなバイトを探してきたのかね?」 「アパートの管理人さんの手伝いって言ってたよ」 遥の呟きとも取れる問いに、彼方は丁寧に答える。 「そういえば田舎から出てきて一人暮らしって言ってたっけ」 「うん。うらやましいなぁ。僕もしてみたいな」 「彼方が一人暮らしなんかしたら、一週間もしないうちに引きこもりじゃない?」 「そ、そんなことないよっ!」 「ちゃんと炊事洗濯できるの? どうせ人の目を気にせずに思い切りゲームできるからってのが目的になるんだろ」 「う、ぅー」 双子の兄があっさりと撃沈したところで、遥は屋台の一つに目的の人物を見つける。 屋台は金魚すくい。子供達で結構賑わっているようだ。 そんな屋台に顔を覗かせて、彼女は店を仕切る青年に笑顔を向ける。 「よっ、繁盛してるね」 「あ、遥。いらっしゃい」 返ってくるのは、いつもどおりの穏やかな笑顔。彼女の心の隅に居場所を作ってしまった表情だ。 卯月 総一郎。頼りない兄とどことなく似た雰囲気を持ちながらも、しっかりしているという印象がある彼女の同級生である。 さらに、 「遥さん、こんばんわ。彼方さんもご一緒なんですね」 総一郎の隣から聞こえてきた予想だにしなかった声に、彼女の思考が一瞬停止する。 「あー、此花さんのその浴衣、よく似合ってるねー」 「ありがとう、彼方さん」 兄の間の抜けた声に、遥が我に返る。 総一郎の隣には、金魚すくいに熱中する子供達に混じってこちらもまた同級生の此花 さくらの姿もあったのだ。 客としてきていたのだろう、金魚をすくうモナカを片手にした彼女は薄い水色の生地に、桜色の花びらの模様が入った浴衣を纏っている。 その姿は同姓から見ても綺麗と分類される彼女をさらに引き立たせていた。 一方の遥自身はTシャツ&短パンという、部屋着そのもの。 遥は今、自身が丸腰で敵地に侵入してしまったような感覚に襲われていた。 「卯月くん、僕も金魚すくいお願い」 「うん、どうぞ」 彼女の感情など知らずに、彼方はプラチナチケットから金魚すくいの部分を切り取って総一郎に。 彼はモナカを2つ取り、1つを彼方に。そしてもう1つを、 「遥? どうかした??」 「あ、な、なんでもない!」 モナカを受け取り、子供達に混じって金魚が泳ぐ水槽の前に腰を下ろした。 「げ、あっという間に破れたよ」 「私も。難しいわね」 「2人とも下の方を泳いでる出目金とか狙うからだよ」 あっさりと敗退した彼方とさくらに、総一郎は苦笑い。 モナカを再度2人に渡す。 「どう取ったらいいのかしら?」 「上の方を泳いでるの狙った方がいいよ」 困った顔のさくらのモナカを握る右手を取って、総一郎は水面あたりを泳いでいる小振りの金魚を素早くすくって彼女の左手に握られた小さな桶に。 「あ…取れた」 「へぇ、そうやるのか。よーし!」 呆気に取られた顔のさくらと、何かを掴んだかのような彼方。 そんな3人の様子を眺めながら、遥はモナカと持つ右手を動かしながら唖然とした顔をしていた。 「そうか、取り方を教えてもらうって手もあるのか。それを自然に出来るさくら、恐ろしい子!」 「何をぶつぶつ言ってるんだ、遥?」 「あ、いや、ええと」 総一郎に問われ、遥は左手の桶の中身を彼に突き出す。 「な、何匹まで持って帰れるんだ?」 彼女の手桶の中には、30匹ほどの金魚が折り重なるようにみっちりと入っていた。 「……5匹くらいまででお願いします」 答える総一郎の声は懇願に近かったそうな。 次回はお神輿編です、多分。 5th Aug/2008 今年も九十九里に行ってきました。 行きはPSPのナビで案内された、池袋を通過する東京横断ルート。 バカ、道がこみすぎだよ!(当たり前) 帰りは外環ルート。ところどころでつまってたけど、これが一番楽かも。 海の方は相変わらず波が高くて楽しかったです。 一年に一度は海に入っておかんと、季節感がないしねぇ。 9th Aug/2008 お盆休みの狭間。 今日は有休取りました、こういうときに使わんとねぇ。 日中は暑くてたまらんので、どうせ汗を流すならとスーパー銭湯でまったりしてきましたよ。 ふぅ、さっぱりさっぱり。 さてさて、卯月くんのお祭り話の続きでも行ってみましょうか! 「おい、卯月。ちょっといいか?」 そんな声とともに彼がハッピを着た兄さんに呼ばれたのはしばらくしてから。 「あ、今井さん」 「神輿の担ぎ手が足りなくてさ。手伝ってくれないか?」 今井さんと彼が呼んだ青年は遥にとって、どこかで見たことがあるようなないような……。 「今井先輩、こんにちわ」 「おぅ、柚木くんではないか。こんなところで奇遇だな」 「彼方、知り合い?」 「うん、学校の先輩だよ。電脳部の部長さん」 「あー」 彼女は思い出した。そしてそれはあまり思い出しても有意義ではないことと知る。 今井 裕二――高校にいる変わりモノであり、弟のあまり同意できない趣味に造詣が深い上級生で、今年は3年生のはずだ。 「こちらが君の妹さんか、確かにそっくりだなぁ。うん、かわいいかわいい」 「あ、あまりじろじろ見るな」 思わず卯月の後ろに隠れてしまう遥。 「で、卯月。二人と知り合いか?」 「はい、友達です」 「ふーん、そうか。なら、君らも神輿を担がない?」 「へ?」 急な申し出に遥は首を傾げるが、一方の彼方は、 「へぇ、お神輿なんか久しぶりだなぁ。卯月くん、やろうよ」 「でも、店が」 卯月の心配どおり、金魚すくいの店舗は思った以上に繁盛してしまっている。 「それなら私がしばらくお店の番しておくわ」 そんな申し出はさくらだ。 「浴衣だからお神輿はちょっと担げないし、ね」 微笑む彼女に今井はしばし呆然としてから、はっと我に返り卯月に問う。 「誰だ、この美人は?」 「クラスメートの此花さんです」 「おいおい、なんだこの人生における男女比の違いは。俺なんて女の子の知り合いは1人もいないんだぞ! 俺はどこでフラグを見落としたって言うんだ?! リセットボタンはないのか、セーブポイントに戻ってやり直しを!!」 そう叫ぶようにして語り始めんとする今井のこめかみに強烈なチョップが炸裂する。 「うるさいよ、バカ! アンタはもうここはイイから若桜さんを誘ってきな」 チョップの連撃で今井をこの場から押し出したのは、同じハッピ姿の女性。 「えっと、私は北上。話が聞こえてたけど、同じ高校の3年だから。よろしくね」 言うが早いや、彼女は卯月を先頭に遥と彼方の背を押しながら境内の方へ連れて行く。 「じゃ、面倒だけどお願いね、此花さん」 「はい」 こうして3人は此花とお客の子供達に見送られて半強制的に連行されていったのだった。 こう考えれば、Tシャツ短パンで正解だったんだよね。 半刻前の考えを撤回しつつ、彼女は声を張り上げながら神輿を担いで境内から長い石段を下っていく。 左肩には重量感、前には半日前まで見たかった背中。 「はい、ワッショイ、ワッショイ!」 「「ワッショイワッショイ」」 皆の担ぐ神輿の前で大うちわを振りかざしながら先導するのは北上だ。 「「ワッショイワッショイ」」 遥の背中からは同じくハッピを纏った彼方の元気な声が聞こえてくる。 「みんな、がんばってー!」 「ファイト!」 「わっしょい!」 沿道にいた此花が子供達に囲まれながら声援を送る。 そんな中、 「結局巻き込んじゃったね、ごめん」 後ろを見ながらそう小さく呟く卯月。 すぐ傍に聞こえるその声に、 「なに言ってんだ、気にするな。祭りだろー、ほら、声が小さい! わっしょい!!」 遥はごまかす様に大きく声を張り上げたのだった。 最後に神輿を担いだのって、いつだったかなぁ…… 11th Aug/2008 お盆休みは屋久島へ縄文時代から生きているという杉の木を観に行ってまいりました! 3泊4日の旅行でございます。しっかし埼玉−屋久島の旅程はやはり遠いものですね。 移動にほぼ一日がかりなのです。 そんなわけで、簡単に旅行記などをば。 一日目。 13時の羽田発鹿児島行きの飛行機に乗るべく、羽田空港へ11時着。 今回は大学時代の友人達と計三人の旅行。昼ご飯を空港のフードコートで済ませつつ、今後の旅程の打ち合わせ。 それでも待ち時間は結構あったので、売店を覗いてみると。 ![]() なんぞ、これ? 無限ぷちぷちに「萌え」が融合ですと?? 思わず購入。種類は「幼なじみ」。他にもメイド・妹・ツンデレがあり、声を当てているのは釘宮 理恵嬢。 http://www.asovision.com/putimoe/ ……ツンデレが一番売れていたのにはこんな理由があったのかと、旅行に出る前から衝撃を受けたのでありました(嘘)。 でも空港の売店にこんなの置くとは大丈夫か、色々と?? そんなこんなで羽田発鹿児島空港着。 1時間ほど待って、今度は屋久島行きの飛行機へ乗り次です。 さてさて鹿児島空港には最近、足湯ができたそうです。 ちゃんと地下から汲み上げているそうで……外は暑かったですが指宿のサイダーを飲みつつ、時間までゆっくりしてきましたよ。 こちらの飛行機も定刻通りにフライト。 眼下に桜島を見下ろしながら、30分ほどで屋久島に到着です。 上空から見た屋久島は一面の緑と、澄み切った海が印象的。 今後、この水色と緑色は島の奥深くに行くに従って濃密になっていきます。 それはさておき、予約してあったレンタカーで民宿へ移動。 http://www15.plala.or.jp/hitoshi/index.htm 民宿いしくぼさんへ迷いつつも到着。すでに時間は19時、移動だけで終わった一日でした。 初日に出された宿の晩御飯は、屋久島に来たら一度は食べたかったトビウオのフライ・鯖のお刺身が出て大満足。 翌日は朝の4時には宿を出て、縄文杉を見に行くために21時には就寝でした。満腹だと良く眠れるわ。 二日目。 今回の旅行の本命、縄文杉見学の為のトレッキング開始です。 往復でかかって12時間の山道の為、朝早くに出る必要があります。 前日に宿で作っていただいた朝ごはん代わりのおにぎりと、途中お弁当屋さんでこちらも前日に予約しておいたお昼ご飯用のお弁当を受け取って、レンタカーにて荒川口登山口へ向かいます。 しかしながらお盆は繁盛期の為、駐車場の少ない荒川登山口までは来るまで行けません。 数キロ手前にある屋久杉自然館の大駐車場に車を置いて、そこからシャトルバスに乗ることになります。 宿は宮之浦地区にあり、屋久杉自然館までは20分ほど走ることになりまして。 まだ真夜中の県道を走っていて、ふと窓から夜空を見上げてみたらびっくり。 恥ずかしながら、天の川を肉眼で初めて見ました。 都市部では決して見られない、夜空に輝く無数の星々。その中心部を流れるミルキーウェイの別名を持つ天の川。 思わず車を降りて、みんなで魅入ってしまいましたよ。 ちょっとした感動を覚えながら到着した屋久杉自然館。他に人などいてもまばらかと思ったら甘かった。 結構な人数がバス待ちしてました。100人くらいいそう。 シャトルバスの始発は4時45分。残念ながら定員オーバーでこれには乗れず、次のバスに乗り込んでさぁ出発です。 最終目的地である縄文杉まで、その旅程の半分はトロッコ線路を占めています。このトロッコ線路はかつて建築材として用いていた屋久杉の切り出しに用いていたみたいですね。 屋久杉の特徴としては、もともと岩場ばかりで土壌の乏しい屋久島に生息していく中で油分が通常の5倍含むようになったらしいです。 おかげで腐りづらく、当時は結構重宝したようです。またその性質から伐採の際に落とした屋久杉の端材なんかは腐らずに苔だらけであちこちに見られます。 さてさて若干歩きにくいですが、山道に比べると断然マシだったトロッコ線路。 問題はその後です。 まずはウィルソン株までの道筋がほとんど獣道。迷うことはないと思うのですが、かなり険しい道のりでした。 ![]() ここにたどり着くまでにシャツが汗まみれです。 この日に限らず、ずっと天気は晴れでした。おかげで長袖やら雨具やら使わずにすんだのがラッキー。 快晴であっても森のそこかしこで湧き水や沢がある為か、湿度が非常に高く汗が全く乾きません。 要所要所で飲用可能な湧き水をペットボトルに汲みながら、水分補給を怠らずに登山をしないと倒れます。 正直、足場が非常に悪いので登山中は下ばかり見ざるを得ませんでした。 あと景色を満喫できるほどの体力がねぇ! 重い体に鞭を打ちつつ、なんとか縄文杉まで到着です。 ![]() 「着いた」 ただその一言に尽きます。 でんと構えた縄文杉は、しっかり大地に根を張って己を強く主張するわけでもなく「ただそこに在る」といった感じで。 縄文時代から生き続けているこの大木は、きっとこの先も人間の区分する時代など関係なしに生き続けていくのでしょう。 そこに雄大さやら威厳やら圧倒的な存在感やら、よく見てきた人が言うような人生観を変えるそんな大層なものは感じ得ずにむしろ、 「どう生きるのもお前の勝手さ」 そんなメッセージを縄文杉から受け取った気がしたのでした。 そしてお昼ご飯のお弁当を食べて、いざ下山。 帰りは若干余裕が出てきて、シカやらサルやらを見つつ歩を進めることが出来ました。 シカが結構いて、それもほとんど人間を怖がりません。でも一定以上近づいてくることもないですが。 途中、疲労で膝が痛くなりサポーターを巻いたりしてごまかしつつ、14時前に荒川登山口に戻ることが出来ました。 往復で7時間40分。思ったより早く移動できたようです。 今回の登山で助かったのは、トレッキングシューズを事前に購入しておいたこと。 悪路や滑りやすい足場でも、歩行が非常に楽でした。特に湿地が多い屋久島みたいな場所ではGOATEXが基本。 体力に自信があれば縄文杉登山はスニーカーでも問題ないですが、体力に自信がない人ほど装備に金かけたほうがいいです。 その分、楽に進むことが出来ます。費用的に厳しければ屋久島の場合、装備品のレンタルもあったりするのでそれを利用するのもいいかも。 今回はこのシューズがなかったら踏破は厳しかったかも知れぬ(^^; こうして下山のシャトルバス始発に乗り込んだ後は、屋久島の観光スポットを回ってきました。 まず大川の滝。 ![]() 結構滝つぼ付近まで近づける。マイナスイオン気持ちいいわー。 その後には平内海中温泉へ。ここは干潮のときだけ入れる、海の中にある温泉です。 あいにくお盆期間中の干潮はお昼と夜だけで、行ったときは海の中に沈んでました。 ハゼがたくさんいてびっくりでしたけど。 ![]() 〆に千尋の滝。 左の絶壁が一枚岩。屋久島は岩だらけというのを改めて感じさせられました。 ![]() よく体力がもったなーと思わざるを得ない一日でございました。 この日の無理は翌日に続く訳ですが。 3日目。 この日も宿の朝食はおにぎりにしてもらって、まず向かったのは白谷雲水峡。 ここは映画「もののけ姫」の舞台にもなった原景があるとのことで、また弥生杉や渓流など見所満載です。 さっそく出発、しかし。 「右ひざが痛い」 進めば進むほど曲がらなくなってきます。 また追い討ちをかけるかのごとく、我らがパーティは「余すところなく見る」が基本の為、登山コースも最も過酷なところを選択するのです。 ![]() 三本足杉や三本槍杉等を通過し、今思うとよく進めたなと思うような山道を踏破して「もののけ姫の森」へ到着。 ![]() 苔の緑。まさにモスグリーンの名の通りの色合い。濃密な緑です。 また周囲を包むのは沢を流れる清らかな水と蒸気。 じっとしていると自然に呑み込まれそうな、そんな雰囲気すら受けました。 映画の一シーンに似たような光景が確かにありました、ぜも実際に見るのと絵とでは質感が当然違うものですねぇ。 そして森の奥、辻峠まで向かいさらに上ることしばし。 不意に開ける視界。目の前に広がるのは屋久の山々。緑の木々。 足元には巨岩だどっしりと構えるそこは、太鼓岩。 山の頂上にあるその岩の上からは、周囲の山々を見下ろすことが出来ます。 油断すると突風が吹いて飛ばされそうになるけどなー。 ![]() そして足を引きずりつつ下山。 入り口の沢で蒸れた足を川の冷水に漬す。すげー気持ちいい! つけすぎてかじかんできたところでレンタカーで移動です。 お昼ご飯には有名なラーメン店へ。 竹墨を練りこんだ黒いラーメンとトビウオの餃子をいただきました。なかなかの珍味。 ラーメンのスープはあっさりしていて、食べやすかったわ。また機会があれば食したいものです。 さて、午後からはヤクスギランドへ。 ここは平坦で歩きやすいと事前に会社の同僚から聞いておりまして、痛む足もなんてことはないと思っていたんですが。 なにせ、余すところなく見る我々です。 一番歩くコースを選んでしまいました。150分コースとやらを。 バリバリの山道を延々と歩き続け、杉だかなんだか分からなくなりつつも踏破。 なんだか目的がだんだん変わってきているような気もしますが。 写真は目の前に近づいてきたシカ。こいつ、全く逃げぬ……。 ![]() へとへとになりがなら3日目終了。 宿の晩御飯にシカの生肉登場。なんでも猟友会のツテで本日獲れたてらしい。 ……旨い、甘くてぜんぜん獣くさくない。 量販店で買い込んだ焼酎「屋久の島」をロックでいただきつつ、ごちそうさまでした! 4日目、最終日。 この日は初めて朝食を宿で摂る。3日間、ありがとうございました! 岐路は鹿児島まで船、鹿児島からは飛行機です。 午前中まるまる使えるので、レンタカーで行ける範囲で行ってきましたよ。 渓谷やら、灯台へ。 ![]() 灯台は屋久島灯台。270度水平線が広がる様は圧巻でした。 ![]() 次に足を伸ばしたのは屋久島うみがめ館。 その名の通り海亀の観察と保護を行っている所です。 いなか浜沿いにあり、その浜には今でも毎日海亀が来るそうでした。 親亀は見れませんでしたが、保護されている小亀達を見れて満足。 小さなプールに手足を動かしながらちょこちょこ動く様がかわいらしいです。 ![]() またガシュマル館も訪問。屋久島がガシュマルの北限だそうで。 そういや、関東では見ないしねぇ。 最後、船までの時間におみやげを買って乗船。おみやげはパッションフルーツと焼酎「三岳」「愛子」のゼリーです。 焼酎は結局この2つは有名すぎて品切れ。ちなみにこの2つの銘柄が有名になったのは味ではなく、天皇家で愛子様がお生まれになったのをきっかけにだそうです。 何が原因になるか分からんものですね。 こうして屋久島を高速船にて後にしました。 2時間後、鹿児島ふ頭に到着。 市内へ出て我流風(ガルフ)のとんこつラーメンを食べてから空港へ。 帰省ラッシュで羽田空港混雑のために30分遅れがあったくらいで、特に問題なく帰路につくことができました。 最後に池袋の串かつ屋で打ち上げ。おつかれさまでした! そんなこんなで今回の旅行。 川も海も大気までも、澄んだ水色の島というのが今回私が抱いた屋久島のイメージです。 日々の生活で薄汚れた心が少し澄んだような、そんな気がしたりしなかったり。 いつもどおりの休みなく駆け抜けた旅でしたが、またなにかの機会にこの島へ訪れることがあれば嬉しいな。 良い旅でした。 16th Aug/2008 → 過去ログ |