Passed Log
初回限定 −2013年2月27日 「足洗邸の住人達」最終巻である13巻が2日前に発売されていました。 池袋にて各書店を周るも、限定版がどこにもない。 そもそもコミックガムというかなりマイナーな雑誌連載作品なので通常版すら置いていない書店が多いです。 しかし侮っていました、この作品の人気に。 前の巻限定版ももそういえばギリギリ手に入った記憶があります。 落胆して帰路に着き、微かな希望を抱いてアマゾン師匠に在庫を訊いてみるも「受付終了」とのこと。 さすが初回限定版だぜ、と打ちのめされつつも色々検索。 するとヤフー博士が在庫を持っている模様。「マジ?」と思いつつも申し込み。 限定版といいつつ、通常版が届いたら怖いなぁ。とりあえず待ちの状態です。 バイクに乗っていると時々時間が分からなくなる。 そんな訳で、アマゾン先生にお願いしていた防水機能のあるバイクに取り付けできる時計が届きました。 ただの時計ではなく、温度計が付いております。というか温度計メインで時間も見れるもの。 30分毎の温度の履歴がメモリされるという不思議な機能がついております。 なんて温度フェチにはたまらない機能なんだ。私はそんなフェチではないがな。 土日には取り付けたいと思います。 「氷菓」の米澤穂信氏著「秋季限定くりきんとん事件」上下巻を読了。 実はシリーズ物で三作目でした。登場人物の背景が微妙に分からなかったけれど、作品自体は楽しめました。 「氷菓」並にまったりした学園生活と、そこに起こる謎。 解いても解かなくても良いようなそれらに最初の方では退屈感も覚えますが、連続放火事件の真相が明かされるにつれての爽快感が良いです。 折木さん以上に小市民を目指すも爪が隠せない主人公と、スムーズに暗躍して情報操作するヒロインがお互いかなり黒い。 1作目と2作目はこの2人が組んでいたようなので、それはそれで恐ろしい展開だったのではなかろうかと、別の想像が膨らんだ作品でした。 機会があれば1作目から読んでみようと思います。 眼鏡 −2013年2月24日 キツ姉と名乗った女性の後ろ姿を見送る。 周囲に見向きもせずにまっすぐと前だけを向いて歩いていくその姿から、大きな目的を前にした強い女性をイメージする。 なんとなく、また会いたくはないと思う。 そんな彼女の姿が人ごみに消えたのを確認して、振り返る。 ぽやっとした顔のコハルさんと、そんな彼女を見て溜息を吐いているサトミの姿があった。 コハルさんが思い出したようにサトミを見る。 「あら、お久しぶりね。前よりお元気そうで何より」 「そうですね、コハルさん。そういえばアレから十二年経ちましたしね。すっかり忘れていましたよ」 おや? 「2人とも知り合いだったのか?」 俺の問いにサトミは困った顔を俺に向ける。 「いいや、僕も12年振りだよ。ユウはあんまり覚えていないと思うけど、僕たちは彼女とは12年前に間違いなく会っている」 「なんとなく思い出してはきているんだけれど、サトミは良く覚えてるなぁ」 「……いや。そうだね、僕もすっかり忘れてはいたんだけどね」 そして小さく首を傾げるコハルさんを一瞥した後、 「ある意味安心したけれど、違う意味で不安な点もあるよ」 なんだか分かったような分からないようなことを僕に言い、彼は肩にかけたカバンをかけなおす。 「じゃ、ここで僕は帰るよ」 「なんだよ、ウチに寄っていかないのか?」 「うん。ユウの言っていたのが彼女だということが分かったからいいや。さっきのキツネの方だったらかなりヤバいと思ったけど」 そう言って彼は駅の反対側に向かって行く。そちらに彼の自宅があるのだ。 「また明日。数学の宿題、忘れちゃダメだよ」 「言われて思い出したよ。それじゃ」 手を振って去る彼を見つめる俺の左腕が、柔らかい感触に不意に捉われた。 「さ、帰ろ。ユウくん」 にっこり微笑んだコハルさんが俺の腕を抱いて、引っ張るようにして前に出た。 とその足を突然止める。 「その前に、今晩は何食べたい? お買い物していかないと。冷蔵庫がかなり寂しいことになってるわ」 「そうだなぁ、魚系が良いかな。ってコハルさん、チャーハン以外に料理できるの?」 驚く俺に、コハルさんは両頬を大きく膨らませた。 「誰がチャーハンしかできないって言ったのよ。今夜はちょっと本気出して作るから、覚悟しなさいよ」 そう言い放ち、コハルさんは俺の左腕を抱いたまま軽いスキップを踏んで進んでいく。 半ば引きずられるように歩を進めながら、俺はいつの間にか同居人になってしまった彼女の横顔を見る。 ただ楽しそうなその表情を見つめていると、自分が何を悩んでいたのか良く分からなくなってくる。 だから、俺もまた彼女の歩速に合わせていく。 まぁ、なるようになるんだろう。 いつの間にかそう思うようになり、やがて思考は今晩のおかずの品目といったありふれた内容に占められていった。 なお、この日の晩飯はコハルさんが言うだけあって、びっくりするほど美味しいカレイの煮付けを食べることになったのだった。 映画「Dog Police」を観ました。Dog Daysじゃないので萌えませんよ。 警察犬ではなく警備犬と出世を望む若い警官のお話。 最後まで若い警官の方は周りと協調性がないままに死にかけていました。 いや、シナリオ的にそうしないと盛り上がるのは分かるけれど、ますます増長しそうな主人公ではある。 邦画だけれど、しっかりメリハリはあって面白い作品だと思いました。 眼鏡を近所のお店で新調。 数ヶ月前に買った青色LED防止の眼鏡は何故かかけていると疲れる&肩が妙にこるので、2度ほど度数を落として普通のを作りました。 色々割引が効いて6000円を切るのが、相変わらず安いなぁ。土曜日作って日曜日に仕上がるし。 現在、それをかけてキーボードを叩いています。 特に違和感がないので、来週はずっとこれをかけていることになりそうです。 40 −2013年2月17日 「そんな訳で一緒に住むことになってね」 「……それはちょっと、大丈夫なのかい?」 翌日の放課後。 試験採点中の冬休みまでの準備期間。俺は昨日までの出来事を幼馴染みのサトミに話していた。 案の定、サトミは難しい顔をしている。 「大丈夫というか、まー、タヌキだし?」 「いや、そうじゃなくて。仮にも若い女の人な訳だしさ。一つ屋根の下ってのは」 「??」 俺の普通の人が聞けば信じない話はしかし、サトミには事実として通じる。 それは彼の特殊な能力のためだが。 「一度、僕も会ってみていいかな? 何よりもユウが昔お世話になった人っていうところも気になるし」 「そう?」 そんな訳で久々に帰り道はサトミと同行することになった。 学校から駅までの距離。冬の合間にたまたま訪れた柔らかな日差しの下を歩きつつ、俺達は隣の駅で降りる。 駅前の有名カフェのチェーン店の前まで来たときだ。 「あれ、ユウくーん」 声が聞こえ、その方向へ振り向く。オープンカフェのテーブルの1つにコハルさんがいた。 彼女の前には同じ年頃と思われる女性が向かい合って腰掛けている。 コハルさんと対称的な、鋭い目つきのの女性だ。淡い紫色のスーツを纏い、暖かそうな黒い皮のロングコートを席の隣にかけている。 「コハルさん、お客さんですか?」 俺はサトミを伴って席まで行き、隣の女性を見つめる。 「うん、私の友人で、お社が焼けちゃったのを話したら来てくれたのー」 のんびり告げるコハルさんの隣、友人という女性は俺をまっすぐな瞳で見つめてから小さくお辞儀。 「よろしく、私のことはキツ姉さんとでも呼んでくれればいい」 キツ…ネ? 「ユウ」 俺の制服の裾を後ろから小さく引っ張るのはサトミだ。 「気をつけて、あの人は」 「ユウスケくん、だったか。面白い友人を持っているものだね」 コハルさんの友人は俺の後ろのサトミを見る。 「もっとも君自身の方が面白いものを持っているようだ。類は友を呼ぶ、と言うしね」 彼女はそんなことを言って立ち上がった。 「それじゃ私はこれで行くよ、コハル」 「よろしくお願いね」 皮のコートを肩にかけ、彼女は立ち上がり俺の隣をすり抜ける。 通りがかりに、俺の耳にこう囁いた。 「コハルの弱点はわき腹だよ」 うん、どうでもいい情報だ。 こうしてキツ姉さんと名乗るコハルさんの友人は駅の方へ去って行ったのだった。 石田 衣良「40 翼ふたたび」を読了。 先日38を迎えた私としては、人生の半分である40を迎えた者たちを描いたこの作品は先日読んだ4TEENよりも心に響きました。 何事も、何か行うのなら「いつかやろう」じゃなくて思い立ったがその日のうちに行動すべきなのだろうなぁ、としみじみ思いました。 作品はいくつかのエピソードの連作なのだけれど、最終的にそれらがまとまって最終話を迎える形を取っている。 「若い頃はがむしゃらに仕事をしたなぁ」という記憶が私にはないので、ちょっと寂しいものを感じたりもするが、良い作品でしたよ。 映画 −2013年2月11日 「それで、アヤちゃんが亡くなってからずっと一人で?」 そんなコハルさんの問いかけは食後に彼女が淹れてくれた番茶をすすっている時だった。 「ええ。なんだかんだと色々手続きとか大変で、あっという間に一周忌でしたよ」 そこで思い出す。 相続の中であの燃えてしまった古い社の記述があったことを。 もともと山の中にちょこんと建っていて、人から忘れ去られてしまった小さな建物だったが、あれについては何故か僕に相続させていたっけ。 手続きをしている間に山は切り開かれて住宅地となり、やがて小さな社は不審火で燃えてしまった。 面倒だったので国に返納された土地と一緒に処理してしまったんだった。 「あの社、ばあちゃんが俺に相続させたのはコハルさんの為だったのか」 相続させるものがほとんどなかった中の一つ。だからこそ、そこに何の意味があったのか考えるべきだったんだ。 「ごめん、コハルさん」 視線を隣に向けようとして、しかしそこには彼女の姿はない。 言葉と同時に、背中に伝わる柔らかく暖かな感触。 こつん、と俺の頭に彼女のあごが乗っかった。 「大丈夫ですよ、ユウくん」 「な、なにが?」 後ろから抱きしめられて俺の声は少し上ずる。 「アヤちゃんがいなくなって大変だったけど、もう大丈夫。私が一緒にいてあげますから」 「え?」 頭上から伝わる言葉は昔に。 「前に約束しましたよ。ユウくんが一人になってしまったら、必ず戻ってきてそばにいてあげますって」 ”ユウくんが一人になってしまったら、呼んでくださいね。必ず戻ってきてそばにいてあげるから” 沈む夕日に顔を赤く染めて、幼い俺に彼女はそう言った。 また近しい人が離れていくのを知ったから、記憶にあるその時の俺の視界が歪んでいたのは気のせいではない。 「一年遅れちゃったけど、ね。ただいま、ユウくん」 ”それじゃ、行ってきます。ユウくん” 遠い記憶の中の彼女は寂しく微笑みながらそう言って、俺を後ろのばあちゃんに託した。 「おかえり、コハルさん」 だから俺は、自然とそう答えていた。 連休最終日の本日は、録り溜めしていた映画の消化をば。 1本目は「MIV」、トム・クルーズのアレです。今回はラビット・フットなる兵器(?)を盗み出すとかなんとか。 アクションシーンも盛り上がり、それなりに面白いのですがあんまり中身はないです。 多分、数ヶ月したらすっかりさっぱり忘れてしまうような内容。 でもスッキリできるのが、ハリウッドの良い所か。 2本目は「ヴァン・ヘルシング」を。こちらはトランシルバニアのドラキュラ伯爵を倒すために向かうヘルシングのお話。 狼男やフランケンシュタインも出てきて、東欧の怪物でいっぱいといった感。 映像も素晴らしく、衣装も良い。どっきりびっくり武器も楽しかったです。 最初から最後まで飽きさせない作品でしたよー。 高田馬場散策 −2013年2月10日 いつもの通勤路。電車の車窓から見送る外の景色は通過する駅のそれ。 ふと見てはいるけど降りたことのないそれら駅に足を伸ばしてみることにしました。 今回は高田馬場に下りて目白へ至り、池袋へ回帰するコースに。 まず高田馬場。早稲田があるので若者が多いです。あと一歩繁華街を出ると閑静な下落合の住宅地が並んでいます。 池袋と新宿のちょうど中間地にあり、多分ここに住むと部屋代とか馬鹿にならんのだろうな。 おとめ山公園という、ちょっと小高い丘の公園があり、ここではホタルを育てています。 5〜9月に見れるそうで、都心でホタルとは思いも付かなかったわ。 そして目白駅のすぐ隣には学習院があります。もちろん中には入れないので、その脇をずっと歩いていくとやがて都電荒川線に。 ちょうど電車も通り、都心でまだこんなの走っていたんだと感慨深くなりました。 ![]() 写真の駅は鬼子母神前。そこから銀杏並木を通って鬼子母神の社に到達します。 ……2年前に友人と初詣に来た神社じゃね? ここで改めて脳内地図が更新されました。案外いつもの通勤路の近くに都電が走っていたんだなぁと。 そのまま歩を進め、ジュンク堂手前の新宿椿庵のたい焼きを食べ歩きました。 アンコをプレスしてあるたい焼きは、しっぽまでどうこう言うレベルじゃねぇ! ![]() そのままガード下を通って北口に回り、孤独のグルメに出てきた坦々麺の美味しいという中華「楊」の場所を確認。 いつか絶対に食べに来ようと誓いました。 そんな一日。結構歩いたなぁ。 天覧山 −2013年2月9日 バイクで飯能まで行き、天覧山へ登ってきました。 ちょうどアニメ「ヤマノススメ」でも出てきた山で、標高は197m程度の非常に低い山ではあります。 コースは西武観光のオススメに従い、観音寺→諏訪八幡神社→郷土館→能仁寺→天覧山→多峯主山→御岳八幡神社→吾妻境→八耳堂(軍陀利神社)→飯能河原の順で約3時間程度のハイキングとなりました。 さて天覧山の入り口は能仁寺の隣の公園からで、ちょっと分かりにくいかも? バイクや車だと、郷土館に駐車場とか置くと便利かもしれません(長く置けないけど)。 天覧山自体は正直そんなに道のりはありません。途中、岩壁や十六羅漢とか見所もあって、退屈はしないかと。 そして山頂からの眺めは見事でした。飯能市街を眼下に、遠くはスカイツリーも見えましたよ。 ロケーションとしてはアニメ「ヤマノススメ」の通りでした。うまく描いているなぁと思います。 ![]() ここでこの景色に満足するのはちょっと物足りない。ってことでその奥にある多峯主山まで足を伸ばしました。 こちらはそこそこ距離もあり、登山初心者向け。ちなみに天覧山は山登りとは言わない、園児連れて登るハイキングコースだ。 多峯主山はノリとしては高尾山の稲荷山コースに近いかも。それなりに「山登り」を楽しめます。 なのでちゃんとした運動靴じゃないとNG。サンダルやハイヒールはもっての外です。 久々に山を登ったこともあり、かなり息が上がりました。寒いはずなのに汗だくだし。 ようやく山頂に到達すると、天覧山よりもいい眺めを楽しめました。 晴れた日に半日程度の山登りを楽しむには、ちょうどいいコースかもしれません。 帰り道、飯能河原は公園になっており、なんとなく癒される風景でした。夏場はきっと人でいっぱいなんだろうなぁ。 誕生日休暇 −2013年2月8日 誕生日休暇が取れたので本日を休みとして四連休にしました。 平日ってことで銀行関連を全て回りました。 ……定期の金利が毎年落ちていて、もうここまでかっ!てほどですね。 来年もこれ以上に下がるんだろうな。まさに0金利だわ。 連日の仕事とお酒に疲れていたので、地元の所沢温泉に足を伸ばしてゆっくりしてました。 やっぱり温泉は良いねぇ。 アーサー王物語 −2013年2月7日 ロジャー・ランスリー・グリーン著 厨川夫妻訳「アーサー王物語」を読了。 なにげに断片的にしか知らず、全体の流れを良く知らなかったのでこの機会に読んでみました。 もともと古代英国におけるアーサー王の英雄伝説は日本書紀のように1冊の書物にまとまったいるものではなく、口伝や後世に書かれた詩や物語に記述されています。 今回のグリーン氏の作品は、その中からメジャーかつ読みやすいものを取り上げて編集したもの。 とはいえ、しっかりとペンゴラゴンの誕生からアーサー王の名乗り、各騎士たちの物語を経て聖杯の探求へと続き、ランスロットとの違いからくる破滅まで書かれておりました。 さて、アーサー王の物語といえば、円卓の騎士。 もともと個々の騎士達の英雄伝説をまとめて「アーサー王の物語」とする風潮は強いと思います。 そこで今回知った各騎士達の感想などを。 @アーサー王 騎士王、女性ではない。ていうか、顎鬚生やすのが当時の騎士の礼儀。作品を通して見てこの王の感想は正直良くない。 まず人のいうこと聞かない。マーリンに止められてるのにペリノア王に喧嘩売って負けるし、カヴェインが止めてるのにグローメルに喧嘩売ってやっぱり負けるし、ルーカンが止めるのにモルドレッドに止めさそうとして返り討ちにあうし。 負けてる数の方が多いのではないだろうか? あとエクスカリバーはあまり使いません。当時は馬上での戦いが多いので槍の方が多いです。名槍ロンの方が宝具じゃね? ぶっちゃけると最愛の部下に長い間妻をNTRされていた挙句に、甥に反逆されて滅亡というあまり名君じゃない印層が強かったです。 Aランスロット なぜか最強の騎士。多分イケメンだから。そしてイケメンだから何しても許される。 あと同僚に受けが良い。上司のアーサーがダメダメだったからなのか、デキル同僚の方になびく騎士が多かった。 心の中では忠誠を占めるが、体と本能は上司の妻を寝取る。こんな部下は欲しくない。 Bバリン 魔剣に魅入られた狂戦士。忠誠度はきわめて高いが空気読まない大馬鹿野郎。 三国志演義での魏延の立ち位置。アーサーに嫌われるけれど、良い仕事はする。 弟のバランとセットになると戦場で無双状態になる。召還されたら間違いなくバーサーカークラス。 とにかく強い。聖杯と一緒に祭られていたロンギヌスの槍を前に臆する事無く、その槍を手にして戦う。 聖遺物もびっくりの所業の果てに弟と戦って名も残らぬ死を遂げた。 Cトリスタン 歌って戦えるドラゴンスレイヤー。こいつも上司のフィアンセを寝取って故郷を追放される。何で騎士はNTR属性あるの? 対個人戦闘では最強の部類だが、女難の相が出ており結果的に女絡みで死んだといっても過言ではない。 常日頃から女性と別れた悲しみを身に纏っているので、同僚からしたらウザいことこの上ない。こんな同僚は欲しくない。 Dジェレイント レディファーストの騎士。もともとレディファーストってのは戦場とかで戦力にならない女子供を先に歩かせて、危険をあらかじめ踏ませることを言うらしいよ。 野盗相手なら何十人来ようが完勝する。Lv99の勇者相手に延々とスライムが襲いかかってくる感じ。 そのノリで騎士団相手に突っ込んだら返り討ちにあった。でも死んだフリして敵の親玉を倒すニクイヤツ。 Eケイ アーサーの義理の兄。心がちっちゃい人。多分ごく普通の人。聖剣は俺が抜いたとか嘘つくし。 大怪我おったジェレイントに喧嘩を吹っかけてさらりと負けたりする。ダメなところが愛らしい。 Fカヴェイン アーサーのいとこ。狂人と変態の揃う円卓の騎士たちの仲で唯一の常識人。それゆえか、とにかく運のない残念な人。 アーサーの短気のせいで緑の騎士の挑戦を受けることになったり、アーサーの短気のせいで呪いレベルにぶさいくなラグネル姫と結婚させられたり。……うん、全部アーサーが悪いな。 ちなみにどの試練も真摯に対応することでプラスに転じるところが真の騎士です。ラグネル姫の呪いの解呪は紳士たる彼だから出来たことだと思う。 最後は弟のガレスをランスロットに殺されて全面戦争。でも勝利の女神はイケメンに微笑んだ。 Gガラハド ランスロットの息子。なんかこの人もランスロットを越える最強の騎士とか。多分イケメン。 賢者ナーシアスによって導かれ、なんか聖杯見つけ出して認められたかと思ったら死んでた。 何言っているのか自分でも良く分からないが、聖杯がただのカースアイテムにしか見えん。 ちなみにバリンの用いていた魔剣を使用。でもバーサークしないのはやっぱりイケメンだから。 Hパーシヴァル 多分カヴェインとラグネルとの間の息子。確証はないが多分そうらしい。 カヴェイン並みに常識人であり、まともな騎士。 意中の相手と結婚し、地方領主となり、アーサー王の打ちたてたログレス王国が崩壊した後も彼の領土は安泰だった。 多分、円卓の騎士たちの中で一番の幸せ者。 Iベディヴィア アーサー王にエクスカリバーを湖に投げ込んで来いと3度も言われた人。多分、アーサーの小姓みたいな存在。 なんでこんなのが円卓の騎士におるん? あとアーサーも3度言うくらいなら自分で投げ込みに行きなさいよ……どうせその湖を通ってアヴァロン行くんだから。 Jモルドレッド アーサーの甥。ログレス王国を崩壊させた張本人。ランスロットのNTRを告げ口した人。 物語では極悪人で書かれていて、行動もその通りなのだが見方を変えるとちょっと違うかもしれない。 ランスロットの不義に気が付いたら主君に告げるのは常識。 そのランスロットと争いつつも煮え切らない主君に疑問を持つのも当然。 最終的に相談役たるカヴェインに突き動かされ、海を越えてランスロットを追った主君。 それを見送り国内維持に努めるも、方々から「最愛の部下に裏切られるようじゃ、アーサーはダメだ」と言う意見が強い。 それを踏まえて、国内をすっぽかしている主君を国の維持のために裏切る。 実際、彼に従ったログレス国内の諸侯は大半のようで、要はアーサーはNOを突きつけられたということの模様。 そう考えると、モルドレッドの行動は必ずしも悪とは言えないと思うのですよ。 そんなこんなで、とりあえず物語を知り、そこから色々考えていくのが面白い世界観ではありますね。 論点差し替え? −2013年2月4日 玄関の戸をひねる、と開いた。鍵はかかっていない。 中へ足を踏み込む。 住んで1年。さすがに慣れた2LDKには、割烹着姿の彼女がいた。 「おかえりなさーい」 「た、ただいま」 純な日本女性といった笑顔に思わず飲まれる。 「お昼ご飯、まだでしょう? チャーハン作ったよ」 「い、いただきます…ってちがーう!」 カバンをその場に落として俺は叫ぶ。 「なんでまだいるんですか? それにその割烹着は何??」 「実は帰る家がなくなっちゃってたんだよね。あと、割烹着は化けただけ」 パチン、と彼女が指を鳴らすと纏う白い割烹着は消え、色気も何もない上下灰色のジャージに変わる。 ちなみにそれは俺の寝巻き代わりのジャージだった。 「帰る家ってどこ?」 「山の中に小さな社があったでしょ? というか帰ってきたら山そのものがなくなってたけど」 フライパンの中のチャーハンを2つの皿に分けながらコハルさん。 彼女の言う山は、この半年で切り開かれて住宅地に生まれ変わっている。 「あぁ、ばあちゃんの遺言通りに持ってた土地は国に返上したんですよね。あと社は一ヶ月前に不審火で燃えたって聞いてますけど」 「……不審火?」 訝しそうに首をひねるコハルさん。 「ま、いいや」 いいのかよ。 「それはそうと、アヤちゃんってどうして亡くなったの?」 2つの皿を手にテーブルにつく彼女。仕方なしに俺も彼女の前に座る。 「ちょうど去年の今頃、郊外に大型のショッピングモールが開店記念を開きました。ばあちゃんは歳なのに原付で一人見に行きました」 「相変わらず元気だねぇ」 「開店セレモニーの時、後から分かった話なんですが大型ショッピングモール建設に反対していた地元の組合の過激なメンバーが爆弾を仕掛けたと脅迫していたそうです」 「え、もしかしてそれに巻き込まれて?」 「巻き込まれたというか。偶然爆弾を見つけたばあちゃんは、それを抱えて原付で人がごったがえす会場を暴走して、まだ人のいなかった屋上駐車場で爆発しました」 「………アヤちゃんらしいというか、壮絶な最期だったわね」 「運良く怪我人は他には出ませんでしたが、爆弾を仕掛けた犯人の思惑通りに建物が吹き飛んだんで開店が半年遅れましたけどね。あ、ちなみにばあちゃんはここでは怪我しただけでした」 「はい?」 「爆発の衝撃で持病のぎっくり腰を再発して病院に担ぎ込まれまして。その病院で突然、心臓発作で亡くなったんです」 「爆発関係ないわね」 「関係ないですね」 「……」 「……」 気がつけば、俺達はチャーハンを食べ終えていた。 薄い塩味にニンニクの効いた、なんだか漢らしい味だったのは食材が卵とニンジンだけしかなかったからなのかもしれない。 ユウスケくん、論点そらされてるし。 結局このままコハルさんが居つくのかどうか、乞うご期待。 寒暖 −2013年2月3日 期末試験が終わった。 計4日間の最終日だった本日は、3科目で終了だったので今の時間はお昼前だ。 教室の中は長かった緊張から完全解放されて、妙にテンションが高いクラスメイトやら、途端に寝出す奴やら様々だ。 共通しているのは、一様に安堵感に包まれているということだ。 「どうしたの、浮かない顔してるね?」 そう俺に問うてきたのは同級生のサトミだ。切れ長の瞳を持つ整った顔に180cmの長身の彼は他学年の女子にも人気がある。 「あー、そう見えるか」 「んー、正直良く分からない。なんだか混乱しているように見えるけど」 細い目をさらに細めてサトミは言う。 「なんだか女性に関係していることにも見えるよ」 「まぁ、そうだなぁ」 正体はタヌキだが。 「タヌキ?」 「それもある」 「訳分からないな」 「俺自身も良く分からん」 俺は机の脇のカバンを持つ。 「ユウは昼はどうする?」 「ちょっと今日はこのまま帰るよ。家に戻らないといけない用事があるんだ」 「アヤコお婆様の一周忌…は昨日だったね。なにかあったの?」 さすが幼馴染かつ、ばあちゃんが気にかけただけの能力を備えているだけはある。 相談したいのは山々だが、あまり混乱を広めるのは良くはないだろう。 「そう。落ち着いたら話してよ」 「あぁ、じゃあな」 「また明日!」 俺はサトミに背を向け、教室を後にする。 家路への足取りは、主に不安を味付けの元にしているためにいつもよりずっと早くなっていた。 昨日は暖かかったのに、今日は寒いなぁ。 まだまだ冬も続きますね。 誕生日 −2013年2月2日 いつの間にか、です。 40まであと少しー(死にそうな目で)。 このままでいいのだろうか、とか思う今日この頃でした。 愛車のスズキはイナズマさんに、アマゾンで取り寄せたシガーDCを装着。 これでPSPナビが途中で電池切れ、ってのが防げるのです。 ……最近、遠出してないけどなー。 同じくアマゾンで仕入れた漫画「孤独のグルメ」(文庫版)を読みました。 ドラマと違って、なんだか世知辛さを感じまして。何でだろう?? 録画しておいた映画「感染列島」を観ましたよ。 なんていうか、例え感染症がここまで流行ろうとも、あんなに街は荒廃しないと思う。 普通に会社行っているような気がして怖いわ。 人口の10人に1人死んだことになる結果だったが、実際のところはどうなんだろう? カンニングの竹山が良い演技していたけれど、あんまり出番なかったのが残念。 同じく邦画「インシテミル」を観ました。 7日間、見知らぬ人間達と閉鎖環境で生活し、疑心暗鬼の末に殺し合いするような設定。 なんだか前に見たことがあるような雰囲気が…カイジか? いや、違う。 薄い記憶からキーワードを抜き出してググってみると、ああ、そうか、ライアーゲームだ。 でも監督は違うようだし。邦画は似てくるものなのだろうか? それともミステリは似てくるとか?? ちなみに原作者の米澤穂信氏は「氷菓」も書いた人だったりする。 ……ミステリ、か。 ![]() ラグナロクにてバレンタインイベントをやってきました。 ラストの敵キャラがある意味、悲しすぎる。 いつか報われるといいねぇ。 とりあえずストーリーイベントでは衣装装備をGET。 しかしエッグ収集300個での下装備はちょっと無理。50個が限界だわー。 かのこちゃんとVBA −2013年1月30日 本日は亜麻色のパレットはお休みです。 平日は腰据えて書けるだけの余裕がないなぁ。 精神も歳をとるとフットワークが鈍るものですな。 万城目 学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」を読了。 ホルモーのまきめさんの作品です。この作品はなんとも癒し系でした。 同じ空間内にあるけれど、人間と猫と犬の世界は異なっている。 しかし、もしも何かの拍子に言葉が通じたら? その時、なにがどうなるのか? 運の良い偶然だと思っていた出来事が、実はちゃんと理由があって起きている。 そんなお話です。途中で何を狙っている作品か分からなくなるところもありましたが、最終的には「なるほどー」となりまして読了感は良いです。 鹿男の登場はおまけみたいなものですね。 なんだか新しいことをやりたい気持ちもありまして、ExcelのVBAの学習を始めました。 もともと会社の通信教育で申し込んでいたもので、この機会にと。 かつてBorlandC++を個人的に独学しようとしたこともありましたが、あの時は割りとあっさり断念した記憶があります。 今回はテキストがかなりしっかりしており、なんとか最後までいけそうです。 完全に組めるに至らなくても、ある程度やり方だけはマスターしようと思うのです。 ビジュアルベーシックへの横展開もできるしね。 1月もあと1日を残すのみ。 そしてあと2日でまた1つ、歳をとる……。 寒冷 −2013年1月27日 期末試験最終日 その日の一時限目は地理だった。 昨夜詰め込んだ知識はとりあえず、現時点ではまだ有効らしい。 とりあえず回答の記入に集中する。俺は記憶モノはそんなに苦手ではない。 考える必要があまりないことが、今の俺には救いだったのかもしれない。 60分の試験時間の最初の30分で全ての回答に記入を終え、俺は待ちに待っていた思考時間に移る。 今朝起こったことを改めて冷静に振り返ることは、誰にも干渉されない試験時間は絶好のタイミングだ。 俺はこんがらがった今朝の事象を1つ1つ整理しながら思い出す。 問題の根源、目覚めの際に同じ布団で寝ていた亜麻色の髪の女性は、コハルと名乗った。 なんでも俺のばあちゃんの知り合いらしい。そして俺とも面識はある、という。 俺に自信がないのは、彼女と出会ったのは小学校に入る前のことだからだ。 確かに言われてみて、まるっきり記憶がないとは言えない。 時々見る、夢の中の女の人。あのぼんやりとしたイメージは十中八九、コハルさんのことだと思う。 何故なら過去に確かに感じた香りが、彼女とそっくりだからだ。 と、ここまでは分かった。振り返ってみて、自分でも理解できた。 問題はここからだ。 彼女はどうやって部屋に入ってきたのか? 答えは、彼女はタヌキだったのだ。 いや、人をだます時に使う比喩ではない、昨日拾ったタヌキだ。 今朝、全く信じなかった俺の目の前で、彼女は実際に化けてみせた。 「ふむ」 やはり思考が停止してしまうのはこの部分だ。 なんでタヌキが人に化けるんだ? いや、昔からタヌキは化けるとかそんなおとぎ話はあるけれど、実在するのか?? 訳が分からない。 今朝はこの部分で頭の中が真っ白になり、しかし習慣とは恐ろしいもので時間ぎりぎりだけれどもしっかり学校には登校した次第である。 ちょっと問題を斜めから見てみよう。 仮にコハルさんがタヌキだったとしよう。その場合、何が問題か? その1、一人暮らしの若い男の布団に潜りこんで来ること。 確かに問題だ、どうもあの人は俺のことを会った時の小学生前と同じ目線で見ている気がする。 その2、そもそも同じ部屋にいること。 それは昨日、俺がタヌキを拾ったためだ。早々に家へお帰り願おう。 その3、何でタヌキの姿でばあちゃんの墓の前で倒れていたのか? それも空腹で。 ……なんだか嫌な予感しかしない。 そこまで考えて、ふと気づいた。 今朝は混乱したまま家を出てしまったが、コハルさんをそのまま置いてきてしまった。 それもあの人、なんか半裸だったし。 目覚めの映像と、その時の感触を思い出したところでチャイムが鳴り、試験終了の合図を担当教師が告げる。 俺は我に返って答案用紙を前へとまわし、日直の号令に合わせて礼をした。 昨今は寒くて朝起きるがつらいです。 布団から出たくねぇ! 毎朝、強靭な精神力をして布団を跳ね除けなくてはなりません。 土日は惰眠をむさぼれましたが、明日からまた一週間を考えると。 暖かくなる日が早く来ることを祈るばかりです。 蝋梅 −2013年1月26日 ![]() 寒空の下、散歩。 近所のお寺で早くも蝋梅が咲いていました。 良い香りに思わず一枚。 久々にラグナロクをプレイ。 先日の経験値10分の1化で、なんだかモブが若干強くなった気がする。 あと獲得経験値もちょっと増えているような?? ちょくちょくと狩って、それなりにレベルとか上げていました。 ローグとセージがどうも狩りにくい。というか、弱いのだが何とかならんものかなぁ。 石田衣良「4TEEN」を読了。 まさに青春!というべき作品。IWGPにように短編の連作なので、読みやすいですね。 4人の仲良し中学生達の青春群像なのだが、こんな時期がなかったなぁとか思う。 効果的な読者年齢があるとすると、中学生が読むと良い作品だと思いましたよ。 トキカケ −2013年1月22日 時々見る夢がある。 幼い俺が、女の人に抱きしめられている夢だ。 欲求不満とかじゃないと思う。その夢を見たときはなんとも言えない懐かしさを感じて目を覚ますからだ。 その日の朝の目覚めは驚くほどに良い。 おそらく幼い頃の記憶だと思うのだけれど、そんな女の人に知り合いはいない。 親の顔を知らない俺だが、本能で親ではないと知っていた。 だけれども幼い俺を無条件に愛して守ってくれた。そんな女の人の記憶だ。 この日も久しぶりにその夢を見た。 抱きしめられて、晴れた日のお日様の匂いの記憶が蘇った。 とても落ち着く香りだ。 夢の中、彼女の顔を見上げる。小さく微笑みの形を作る口元に、長い髪が見えた。 彼女は日の光を背負い、逆光でしっかりと見えない。しかし。 俺の頬にかかった長い髪の色は、亜麻色。 あぁ、そうだった。 遥か遠い記憶が蘇る。幼い頃に俺は確かに彼女に会っていた。 とても短い間だけれど『何か』から俺を真剣に守ってくれた彼女。 亜麻色の髪は、俺の中に残った夢のような残像に確かな輪郭を与えていく。 「ユウくん」 夢の中、彼女が呟く。初めて聞く、夢の中での声。 それは耳に触れて溶けてしまうような涼やかな音色で。 広げられた両腕に幼い俺は抱きしめられる。 強く。 強く。 強く? 服越しでも分かるふくよかな胸に顔全体をふさがれ、息ができない。 「んぐ、むぐ?」 苦しい、なんだ、これは?? そしてますます強く抱きしめられ、全く息ができなくなり。 「ぶはっ!」 何かを撥ね退け、俺は荒い息を吐いて跳ね起きる。 大きく息を吸い込みつつ、上体を起こして周囲を見回す。 2LDKのアパートは現実の世界の俺の部屋だ。夢の中じゃない。 「しかし、なんで息ができなかったんだ? 無呼吸症候群か??」 たまたま観た健康を扱うTV番組で出た症状を思い出し、一つ大きく深呼吸。 大きく息を吸って、吐いて……。 「ふぇ?!」 息を吐きながら声が出る。 俺の視線は撥ね退けた掛け布団。そこに広がった亜麻色の海。 夢の中で見た、あの髪の色だ。そして目の前のそれは長い髪が布団の上に広がったものだった。 広がった亜麻色がさらりと動き、それらは一点に集束していく。 「うー、寒いー」 ぼんやりとした、しかし間違いなくこれも夢の中で聞いた声。 もぞもぞと動く掛け布団。やがてそれを纏いながら、俺の目の前で身を起こした人影一つ。 長い髪の間から覗く黒い瞳と目が合った。そこには驚く俺が映っている。 日焼けのない白い肌に、ちょっと垂れ目がちな瞳と、整った鼻。小さな口。 歳の頃は二十歳前後だろうか、俺より年上なのは間違いない。 目を見張る、と言うほどでもないけれど、間違いなく美人の部類には入ると思う女性が、そこにはいた。 彼女は夢の中と同じように小さく微笑み、こう言った。 「おはよう、ユウくん」 「お、おはようございます」 答える俺も、相当寝ぼけていたのだと思う。 もっとも彼女が掛け布団の下は何も着ていなかったことと、それに俺が気付いた次の瞬間には夢の中と同じく抱きつかれたときにはすっかり眠気も吹き飛んでしまったが。 筒井康隆「時をかける少女」を読了。 改めて原作を読んでみましたが、今の感覚だとすごい微妙な作品であるなぁと。 これを書かれた当時はこういた作品はこういう書き方だったんでしょうね。 独特な書かれ方は眉村 卓氏の「時空の旅人」に似ています。 内容的にはテレポ+タイムリープしちゃう女の子のお話。最後にはみんな消えて元通りなので、夢とか希望がないように感じました。 また会える、とか思っていたのは忘れた自分なんだし。それを継いでアニメ化したのが昨今のトキカケみたいです。 原作オンリーで考えると、ちょっと寂しい物語ではあります。 他、読みきり2本がついておりました。多次元宇宙の話と消した過去の記憶の物語。トラウマの原因探しは結構面白いと思いました。 ハクキンカイロに用いるGippoのオイル355ml缶未開封がリサイクルショップで499円で売られていた。 思わず1缶購入。今年の冬はこれで燃料には困らないな(むしろ余る)。 さてさて −2013年1月20日 ぼんやりとした頭のまま、何か美味しいものを食べた記憶がある。 その後に誰かに抱かれて運ばれて。 暖かい腕の中は、アヤちゃん以上に懐かしくて大好きな匂いがした。 しばらく気持ちよく眠っていたら、目の前に暖かいミルクが用意されていて。 本能のままにいただいた後、なんだか安心してそのまままた眠ってしまった。 「ん?」 ねむけ眼で私は目を覚ます。 毛布が敷かれたダンボールの中に私は眠っていた。なんか「みかん」とか書かれている。 寝転んだまま、両手両足を思い切り伸ばした。 寒さと霊気不足でかじかんでいた四肢は、今はしっかりと動く。 「さて」 ぽんと跳ねて、みかん箱の中から脱出した。 外は小さな台所。そこから玄関と、洋間と和室の2室とトイレとお風呂らしき扉につながっている。 2LDKのアパートのようだった。 「さむい」 台所から覗く小さな窓から外を見れば、ちらほらと雪が舞い落ちていた。 私は鼻を利かせる。 洋間の方から、なんだか懐かしい匂いがした。自然、足はそちらへと向かう。 6畳ほどのそこには、1組の机と椅子。本棚とタンス、壁には学生服がかかっていた。 そして部屋の中央には布団が敷かれ、誰かが眠りについている。 私はその誰かの顔の方へと回りこむ。 薄暗い部屋の中、ぼんやりと見えるのは若い男の子。 見知らぬ顔だけれど、知っている匂いがする。 そう、この子は間違いない。アヤちゃんが私に……… ”なにかあったときは、まかせるよ” そう言った彼女の表情は、かつて私を打ち負かした時のような猛々しさなど皆無で。 ここまで変われるものなのかと思えるほど、穏やかで。 そこまで変われる人間という種に、私は改めて興味を抱いたものだったっけ。 そして。 私を見上げる小さな男の子。 力を入れたら壊れそうな小さくて暖かいその子の手を、私はおっかなびっくり握っていて。 「うん、わかった」 アヤちゃんに答えた私に、その子はにっこりと微笑んだ。 その時、私はどんな顔をしていたんだっけ? 「…さむい」 どこからか入ってきた風に私は現実に引き戻される。 目の前にはもこもことした暖かそうなふとん。 私は何も考えず、もぞもぞとその中に潜りこんだのだった。 そんなこんなで再開です。 展開がちょっと遅めだなぁ、もうちょい気合と時間をかけて書いていきたい所存。 さてさて、新年が始まってあれよあれよといううちにいつの間にやら20日が過ぎてしまいました。 お仕事はそれなりに波やイベントやらがあって忙しいけれど、私生活が無風状態。 もっぱら平日に受けた精神攻撃の回復に休日は寝ているか、ぼーっとしているかでございます。 とりあえず何か新しいことでもやってみなくては。でもなかなか気力が生まれないのでございます。 と愚痴ってはみるものの、食べていくためにも明日からのお仕事を頑張らないといけませんなぁ。 帰還 −2013年1月19日 韓国出張終了。 定期出張ながら、相変わらずスケジュールを詰込み気味なので移動が大変。 あと内容的には、実働が自分自身で行えることが少ないのが歯がゆいところ。 いい加減、新鮮味がなくなってきたなぁと。 ちなみにあちらは気温が氷点下で-10℃とかそんなでした。しばらく日本にいても暖かく思えそうです。 飛行機の中で映画「るろうに剣心」を観ました。 なんか剣心も薫もセリフが棒読みだなぁ、と。 あと逆刃刀で頭殴られたら、刃があるなし関係なく致死に近いと思う。鈍器だしな。 でもビジュアル的には外人にはウケると思いましたよ。 冬コミの時にTypeMoonのブースで購入した「FATE/Apocrypha」1巻を読了。 7人x2組の計14人のサーヴァント同士が戦うチーム戦という、なんかとんでも設定。 読み終えた感想としては「もったいない」でした。 せっかくの高級食材を、煮て焼いてスパイスたっぷり振りかけて、なんだか無駄に味付けした感じです。 味わうべき食材そのものの味が、見事なくらいに相乗的に消えています、ある意味天才だわ。 そもそも1巻の段階で赤のライダー以外の真名が読者に推理させる間もなく全員公表されるってのはどうかと。 残った一人についても多分アキレウスじゃないの? 王の命令聞かないとか、不死身くさいとか。 何事にも付随する弱点や制限を一転させて有利にさせるのがFATEの世界観の醍醐味だと思うのだけれど、それが全く感じられない。 特にアサシンでありキャスターの能力もー、とかは「僕の考えた最強のサーヴァント」みたいで読み手のテンションが下がります。 またヴラド3世をリーダーとして出すなら、赤の方はスレイマン大帝出したほうが見栄え良いんじゃなかろうか。 赤の方のマスター達の扱いももったいないです。シロウと獅子劫以外はアサシンのスキルで登場なしに退場なんて、書くのが面倒くさいかシナリオ誘導能力が低いかどちらかじゃなかろうか? 英雄が多すぎて一人一人がただの戦力としての扱いになってしまっている感が、1巻は強いと思いました。 とりあえずある程度の紹介とバックボーンが語られた訳で、2巻以降に期待したいとは思います。 Zeroのときに感じたワクワク感がApocryphaはないんだよなぁ。やはり虚淵氏はすごいのだろうな。 初雪 −2013年1月14日 北西から乾いた冷たい風が吹いてくる。 俺は立てたコートの襟の下に思わず鼻から下をうずめる。 学校からの帰り道。右手には菊の花、左手には通学かばんと和菓子所である伊勢屋で買ったぼたもち3つ。 小雪がぱらつきそうな重たい空を見上げ、歩を早めた。 向かう先は、ばあちゃんの墓だ。 今日は一周忌。本来なら人脈の広かったばあちゃんの法要なので盛大にやるべきなのだろうが、面倒なことはするなという本人の希望と、残された俺にはそこまでの力はない。 なので放課後に一人、献花とお供えをするくらいのものだ。 「ん?」 立ち並ぶ墓石の中、目的の場所になにか茶色いものが落ちている。もこもことした、中型犬よりも小さなサイズのものだ。 「タヌキ??」 ばあちゃんの墓の前。それはコテンと横になっていた。 犬ではない、それは最近は見る事が少なくなったタヌキだった。 しゃがんでよく見てみる。逃げ出さないが、死んでいるわけでもない。 小さくお腹が動いているので寝ているのか気を失っているのか。 思わず手を伸ばして触ってみると、思ったよりも毛はさらさらしていた。野良犬や野良猫のような、ごわごわとした手触りではない。 「なんだ、飼い…タヌキとか??」 ぐー 音がした。 「タヌキの腹の音?」 ぐぐー また音がする。俺は左手のぼたもちを見て、しかしそれは墓前に置いておくことにした。 代わりにカバンからビーフジャーキーを数本取り出して、タヌキの鼻面をつついた。 タヌキはわずかに目を開けて、ちらりと俺を見て、そして目の前のビーフジャーキーを見て、 ぱくり 一口で食べきった。 そして口をもぐもぐ動かしながらふらふらと4本の足で立ち上がり、俺を見上げる。 その目は「もっとくれ」だ。 「やっぱりどこかのペットかなにかか?」 警戒色がないタヌキを見ながら、俺はカバンの中へ手をやる。 ビーフジャーキーの残りは残念ながら数本。本来なら帰り道で待っているアイツにやるものだが、今日は仕方ないだろう。 俺はそれらをまとめてタヌキに渡してやる。 タヌキはむさぼるように食べつくすと、再度俺を見上げて小さく頭を下げた、ように見えた。 ぱたり まさにそんな音をして再びその場に倒れるタヌキ。 「うーん」 俺はそんなタヌキを前に僅かに悩むが、仕方がない。 早々に献花を終え、ぼたもちを供えてタヌキを抱える。 「あれ?」 抱えたタヌキは思ったよりも軽くて、そしてお日様の匂いがする。 よく晴れた日に布団を干したときの、あの香りだ。香りは遠い日々の記憶を一瞬引き出した。 ばあちゃんではない、幼い日の俺を抱えてくれた人。 ほんの一瞬蘇った記憶はシャボン玉のように、あっという間に弾けて消える。 ばあちゃん以外の近しい人の存在は、たちまちに記憶の霧の中に消えた。 「誰だっけ、あれは?」 声に出すことで不意に思い出した過去の記憶が夢うつつではないことを自己認識する。 だができるのはそこまでだ。それ以上のことは思い出せない。 「ま、いいか」 改めて腕の中で眠るタヌキを見つめてから、ばあちゃんの墓の前で軽く一礼。 帰路に着く俺をばあちゃんが墓の下から笑って見ているような気がしたのは、さすがに気のせいだと思う。 俺のばあちゃんは正確に言うと母方の曽祖母にあたる。 曾孫の俺は3歳の時にばあちゃんに引き取られた。別に両親が死んだわけではない。 両親は揃って育児放棄をして行方不明。もともと両親ともに責任感がなく軽い性格だったそうで、多分今でもどこかでよろしく生きているのだと思う。 そんな俺はばあちゃんの1つ手で育てられてきた。一人でも何でも出来るように、と生きていくのに必要なことは一通り学んだと思う。 また、ばあちゃんはこの一帯の土地持ちでもあり、実力者の家系だったようだ。 そんな曾祖母は去年の今――12月の始まりに97歳で亡くなった。大往生だ。 ばあちゃんは手入れの大変な広大な屋敷と多くの株券や貯金などの資産、付近の山をも数個所有もしていたようだった。 聡明でいて厳しかった曾祖母は莫大な遺産について子孫がもめないよう、しっかりと手配をしていた。 土地や資産のほとんどを国に返納し、俺にだけは大学を出るまでの生活費を残しておいてくれていたのだ。 そんな訳で。 俺は現在、広すぎる屋敷を出払って近くのアパートに一人暮らしをしている。 「相当腹が減っていたのか」 温めたミルクを腹いっぱいに飲んで再び寝込んだタヌキを座布団を敷いたみかん箱の中に入れて、俺は机に向かう。 明日は期末試験の最終日。苦手な地理の科目を重点的におさらいしておこうと思う。 ふと窓に目をやると、細かな雪がちらつき始めていた。 「今夜は寒くなりそうだな」 石油ストーブのメモリを少し上げて、俺は明日への戦いに備えるために教科書を開いた。 三連休最終日かつ、成人の日の本日は関東初雪です。 というか、スゲー積もってます。明日から土曜日まで定例の韓国出張なのですが、飛行機飛ぶか? それ以前に駅まで行くのが大変そうです。憂鬱だなぁ。 そんな訳で次回更新は土曜日以降となります。 外に出たくもない本日は映画「カイジ2」を観まして。 1でのおっさんの娘さんとか出てきて、原作とはかなり違っていました。3択の選択とかも新たに出てきましたし。 映画の方はキャラクターごとの心境の変化をメインにもってきているので、ギミックとかそのへんは結構曖昧。 好き嫌いが分かれるところかも、ですね。 私的には地下のチンチロ勝負がかなり適当だったのがなんとも。沼よりあっちの方が好きなんだけどなぁ。 ステーキで懐柔したり、骨のサイコロとか。 とりあえず観ながら、原作の方を思い出しておりましたわ。 さて、そろそろ出尽くした頃の今期アニメ。 いつも通り、気になったものを第一話のみ見てピックアップ。 ・たまこまーけっと:なんとも不思議な魅力が。京アニマジックか? ・まおゆう:( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい! ・兵部京介:チルドレンの外伝。これ単体でかっこいいと思う。 ・はがない2期:相変わらずの安定感 ・ちはやふる2期:こちらも安心して見れますな。 以上、5作品に的を絞ります。 修羅場とか問題児とかGJとかカグラとかもありましたが、微妙なのでパス。 一方で3分アニメで戦勇!とかヤマノススメ、石田とあさくらとかなかなかクセのあるのが出ていますね。 つい忘れがちな枠なので、気が付いたら見ていきたいと思いました。 あと深夜ドラマ枠で「まほろ駅前番外地」も良いですね。ギョウテン、仕事しろー。 ポン DE −2013年1月13日 それは神無月から始まる恒例の祭りを終え、年末で忙しくなる年の瀬を間近に迎えた時期だった。 出雲大社にて11月下旬に始まる神迎祭から始まり、神在祭を経て縁結大祭へ至る一連の大祭。 関東八卦の一人として、有象無象の神々をまとめる所謂幹事という名の雑役係の任も、12年目である今年でようやくお終い。 最後の打ち上げを終え、久々に解放された気分で馴染みの狐と、その弟子とかいう兎の3人で飲み明かすこと3日。 不意に足元がおぼつかなくなった私は狐と兎に別れを告げ、久々に自らの守護する土地であり、家である社に戻ってきた。 縮地の法。多大に神力を消費するが一瞬で空間を渡る術。 遠く出雲の地から関東は所沢へと飛び、目の前に広がるはずの懐かしい野山。 変わるはずがないと思っていた景色が目に飛び込んでくるはずだった。 「あれ?」 呟く声が、全くの別人に聞こえた。 乾燥した冬の風が私の長い髪を撫でてゆく。鼻をつく匂いはしかし、かつての故郷の空気と異なった。 「あれ?」 再度、声に出す。 私の社は人里近くの里山の中。ひっそりと建つ、小さいが古い神社だ。 その姿はしかし、ない。 それどころか里山もない。山自体が消えている。 あるのは平らになった土地と、たくさんの人の家。 そう。 いつの間にか社どころか山も消え、拓かれたそこには人間達の家が立ち並んでいたのだ。 しかし、短期間にここまで地形が変わるはずが。 そこまで思って考える。 関東八卦に任命され、東西に走り回った12年。 その間に一度として「ここ」に戻っただろうか? 答えは否だった。 干支の一周する12年は、今の時代には長すぎる時間だったのだ。そして当然、それは人間自身にとっても長い時間。 私は懐かしい匂いを探す。私の知る、そして私を知る人間の匂いを。 まだかすかに感じることが出来たその匂いに、僅かな安堵を得る。 良かった、まだ生きている、と。そして彼女がいる限り、たとえ社がなくなったとしてもここは私の帰る場所なのだと確信することが出来るのだと。 ゆっくりだった私の足は次第に速くなり、やがて駆け足に。 住宅地を縫うように進み、公園を抜け、貯水池を渡り、高台へたどり着き。 その足が、止まる。 「あ」 匂いの元。 私の大切な人の匂い。そのある場所は。 墓地の中、いくつか立ち並ぶ墓石の1つからだった。 「アヤちゃん……」 故人となったその人の名を呟く。 冷たい墓石からは当然、返事などない。代わりに家路を急ぐカラス達の鳴き声が耳に届く。 私は墓石の前で座り込む。 先だっての縮地の術の消耗もあるのだろう、帰る場所を失っている私は一気に力が漏れ出す感覚に襲われる。 薄くなる意識の中、私は人から元の姿に戻る感覚を受けながら、その場に崩折れた。 ミスドで50P貯まったので「ポンデライオン ハンドタオル」をいただいてきました。 らいおんの顔が書かれたフカフカ気味なハンカチサイズのタオル。 なんかもふっとしているので結構満足なのです。 伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」を読了。 地球を〜の続編であり、週刊誌か何かに掲載した短編集を練り直して一本に仕上げたもの。 人質救出のために違法カジノを襲撃するお話ですが、相変わらず話している間に事体が進んでいる。 そして驚きの結末。伏線回収がこれでもか!というくらいでした。 逆に無理やり伏線にしている感もある気がするので、この点はいかにあからさまにやらないのがいいのかどうか、ってことで。 一貫して前作同様に楽しい作品ですね。 ユグドラ −2013年1月9日 さて、そろそろ首を傾げる方もいらっしゃるだろう。 変化だとか査定だとか、普通の生活を送る分にはあまり見慣れない単語を俺は所々発していたと思う。 これらについて、これからの俺達の物語を語っていく上で説明しておかねばなるまい。 結論から言うと、現在一緒に暮らしている隣のコハルさん。 彼女は人間ではない。 だからといって、科学技術の粋を結集して作られたアンドロイドであるだとか、深遠なる外宇宙から飛来して地球生命の観察にやってきた宇宙人であるとか、そんなどこにでもありそうな映画や小説ネタではない。 彼女はいわゆる神様である。 いや……俺も自分で何を言っているのか時々分からなくなるのだが、彼女は自身のことを神であると俺に説明した。 とは言っても、磔にされて復活した最大宗教の祖とか、苦行Loveなインド人のような有名人ではない。 ここ日本は太古より八百万の国である。それこそ道端の小石やその裏に貼りついているだんご虫にも神が宿ることがある。 彼女は言うなれば、そんな存在なのだ。 まずこれから語るのは、俺と彼女との出会いの物語。 去年の11月半ば過ぎ。ようやく茹だる様な暑すぎる夏が通り過ぎ、朝晩は肌寒さを感じ始めた秋の暮れの頃。 俺にとっては唯一の家族である曾祖母を亡くし、天涯孤独の身となっておよそ半年が経過した、ようやく一人暮らしに慣れ始めた時期だ。 俺達2人の出会いは偶然と不幸と空腹、そして何よりも亡き曾祖母が残した因縁じみた絆によって発生したものだと思われる。 これが幸か不幸かどちらであるか?と問われると、果てしなく回答に困るところだ。 その問いは今に至るにあたっては、朝に太陽が昇って夜は沈むことのように「いる」ことが当然であるからだ。 俺達の出会いを語るにあたり、まずは彼女の視点から進めていこう。 それは人間である俺達には首を傾げるような内容であるかもしれないが、きっと神である彼女達にとってはごくごく普通の出来事なのだろう、そう思うことにしている。 PSP「ユグドラユニオン」を連休末に買いまして、これがなかなか面白い。 ちょっと攻勢の機微がまだ分からないところがありますが、ちょくちょく進めております。 色々な方法でシミュレーションゲームは作成できるんだなぁと感心です。 ルールを独特なものにすることで、マンネリは打破できるのだなぁ。 そんなところで。 ホルモー読了 −2013年1月8日 空はすっきりと晴れた青一色。アパートを出て歩くは10分ちょっと。 近所にあるのは北野天神という、結構古いお社だ。 木々に囲まれたそこは、普段は人の姿はほとんどない静かな場所なのだが、元旦の本日はまるで逆。 100mもない参道には3列の参拝客の列が社の入り口から伸び、その左右には出店が立ち並ぶ。 どこからこんなに人が集まったのか不思議に思うのと同時に、手近で済まそうとする面倒くさがり屋が多いことに苦笑い。 まぁ、俺もその面倒くさがりの一人なのだろうけれど。 俺とコハルさんが到着した朝9時ごろは、入り口の鳥居が行列の末端だった。 「なんだか年末のビックサイトの大手サークルみたいねぇ」 「何を言ってるのか良く分からないんだけど?」 「あ、んと。なんでもなーい」 そう答えるコハルさんと行列をゆっくりと進みながら左右に並んだ出店を見る。 お正月くらいしか見ない七味唐辛子屋だとか、今年の干支である蛇の置物を出すお店なんてのもある。 ふと、俺の鼻腔にソースの焦げたなんとも食欲のそそる匂いが漂ってきた。 視線を隣に向けると、たこ焼きを1パック手にしたコハルさん。 「はい、ユウくん。あーん」 唐突に爪楊枝に刺したたこ焼きを1つ、口元に突き出される。思わず1口。 「ほつい…」(熱い) かりかりの表面に、あつあつの中身が口の中でジュワっとこぼれてくる。 熱さの中心には弾力のあるタコの感触。それらが濃厚なソース味で締めくくられていた。 うん、旨い。熱くて吐く息は、いつもより白かった。 コハルさんも同じく白い息を吐きながら熱そうにたこ焼きをつついている。つつきながら、何故か口調をおっさんのようにして、 「ほー、いいじゃないかいいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので。こういうの好きだなシンプルで。ソースの味って男のコだよね」 孤独のグルメの名言も吐いていた。そろそろ注意した方が良いのかも知れない。 そんなこんなで、列は前へとゆるゆると進み、やがてお賽銭箱の前。 「出番が来たよ、コハルさん…って買いすぎだろー」 気が付けば隣の彼女はたこ焼きの他に、広島焼きを右手に。 左手には綿菓子とケバプの入った袋を提げている。いつの間に買ったんだ?? 「ユウくん、ヤバイ」 「どうしたの? 買いすぎて拍手打てないとか?」 「それもあるけど、買いすぎてお賽銭がないの」 俺はそれを聞き流し、手持ちの5円玉を投げ入れてお参りをする。 最後にちょっとだけコハルさんの分も良い年になるようにお祈りしておいたが、年始早々査定にマイナスがついたとか言ってやけ食いする彼女を見る羽目になるのは予定調和なのかもしれない。 万城目 学「鴨川ホルモー」を読了。 改めて読みましたが、映画とラストあたり違うね。原作の方が分かりやすいし、はっきりしていると思いました。 ただ映画の方は動きがあった記憶があります。原作のまま映画化すると、役者さんの動きとかは少ない気はします。 前に読んだ「ホルモー八景」との各関連性も分かって、読んでいてすっきりしましたわ。 最後まで読んで、ホルモーの意味がようやく分かりましたよ。 しかし万城目氏の作品は独特の風合いを持っていて、かつ読み手を飽きさせない。変に背伸びしているわけでもなく、常にエンターテナーであるような安定感のある作品が多いです。 他の作品も読んでみたいと思います。 新年開始 −2013年1月6日 昨夜用意しておいた出汁の入った鍋に餅を数個放り込み、火をかける。 「なんで俺の布団に入ってるんですか、ちゃんと自分の布団で寝てくださいよ」 ガスコンロの火に両手をくべながら、俺は居場所を布団からコタツへ移ったコハルさんに文句を言う。 「いやー、昨夜は大晦日だからって深酒しちゃって。お布団敷くの面倒だったのよぅ」 語尾が小さくなっていく反論を聞きながら視線を向けると、頭を抱えてコタツに突っ伏しているコハルさんが見える。 「二日酔い?」 「ぅん、みたい」 言葉少なげだ。 やがて鍋から良い匂いがしてくる。昨夜から仕込んでおいたお雑煮である。 俺は鍋からお餅を2つづつ椀にとりわけ、透明度の高いスープを注ぎ、鰹節をそれぞれに軽く散らす。 「おまちどうさま」 俺はコハルさんの正面に座り、自分と彼女の前にお雑煮の入った椀を置いた。 「いい匂い」 「お腹に何か入れれば治るよ」 パジャマの上からどてらを羽織った彼女は重たそうに頭を上げて箸を取る。 ばあちゃんから習ったこの雑煮は、かつおと昆布ダシの飾り気のないタイプだ。 地方によっては白味噌や、まるで筑前煮が入ったような賑やかなもの、さらには小豆を入れたりするものもあるようだが、ウチのものは具は餅だけのシンプルなもの。 アクセントで柚子の皮と鰹節を振りかけてあるくらいだ。 「「いただきます」」 お互い手を合わせてお餅をすする。 「あっ」 「ん?」 小さく声を挙げたコハルさんに俺は箸を止める。 「アヤちゃんと同じ味だ」 「ばあちゃんの?」 「うん。お正月に、酔い覚まし代わりに時々いただいたわ」 進歩ないな、この人。口には出さないけど。でも、 「そっか、ばあちゃんと同じ味か」 呟く。それは今の俺にとって嬉しいものだ。そう思う。 「コハルさんはこの後、どうする? 初詣行く?」 「うん、ちゃんとご挨拶しておかないとね」 答えるコハルさんは雑煮を食べて二日酔いから少し復活したみたいだ。 「じゃ、その格好じゃダメだよ。ちゃんと着替えないと」 寝癖の酷い亜麻色の髪と、まだ眠そうな顔。どてらにパジャマ姿を指摘しておく。 「はいはい、着替えますよーだ」 そう言ってコハルさんは2つ目のお餅に手をつけた。 「ばあちゃんの形見で振袖があったと思うけど、それ出す?」 問うとコハルさんは難しい顔に。 「アヤちゃんの着物って、胸が苦しくて腰がぶかぶかなのよねぇ」 「それ、ばあちゃんが聞いてたら間違いなくくびり殺されて、お昼のたぬき汁になるよ」 「……ゴメン、言い過ぎました。アヤちゃん、許してー」 小さく震えながらのコハルさん。 俺の知っているばあちゃんと、彼女の知っている俺の曾祖母は同じであって異なる。 だが基本的なところはあまり変わらないことをこうして知ると、亡くなる以前よりも身近に感じる気がするのは何故だろうか? 「まぁ、とりあえず」 コハルさんはそう前振りを言うと、右手の人差し指をぱちんと鳴らした。 途端、瞬時に彼女の姿が濃い霧に覆われたかと思うと一瞬でそれが晴れる。 そこには寝起きのだらしないどてら姿のコハルさんはなく、艶やかな振袖をまとい、亜麻色の髪を綺麗に結い上げた姿があった。 「こんな感じでいいかしら?」 淑女然としてコハルさん。 「俺から見るとちゃんと感じるけど、コハルさんの『変化』を見破る人がいたらどう見えるの?」 「寝起きのどてら姿だけど?」 「……初詣に行くんだけど、大丈夫なのかな?」 俺の問いにコハルさんは小さく首を傾げる。今の彼女の思考を読んでみよう。 初詣?→神前に立つ→自分より神格の高い神様の前→元旦からだらしない姿を見られる→査定に響く→引き続き無職 「ぁぁぁぁぁ〜〜」 頭を抱えるコハルさん。思考速度は凡人である俺と大差はないようだ。 「あ、でも」 はっとした顔を上げる彼女。 「ユウくんと、こうしてただれた生活を送るのも良いかも?」 「一人で送ってください。というか部屋から叩き出すぞ」 「嘘です、嘘ですよー、ユウくーん!」 コタツから出てジャンパーを羽織る俺の後ろで、コハルさんはバタバタと改めて身支度を始める。 結局、軽く髪を梳いてから着替え、コートを羽織った上で振袖姿に『変化』することで落ち着いたようだった。 年末年始の9連休が終了しました。 あぁ、終わってしまったよ。でもあんまり長くてもやることねー。 これって定年過ぎたら暇をもてあそんで痴呆症になる典型的な例じゃないのか? ヤバい、ヤバすぎるっ! なんか趣味を新しく持たなくてはっ。 とかあがいている間にお休みが終わってしまったわけで、↑の読み物復活もこんな背景があるわけです。 それはそうとして。 明日からお仕事。気が滅入る内容ばかりではありますが、身体的にも精神的にも回復している今、頑張ってみようと思います。 『亜麻色のパレット』連載開始 −2013年1月5日 柔らかな春の日差しの中に俺はいる。 天には高い青空と白い雲。みずみずしい芝生の広がる草原で寝転んでいた。 ひなたと若草の香りを胸いっぱいに吸い込み、暖かな空気が俺を包む。 懐かしい香りの中での、とてもとても穏やかな時間。 いつまでも続く安息の時。 そう思われていた世界が、不意に揺れた。 なんだ? 身を起こす俺の目の前には、波打って膨らんだ芝の地面。 声を上げる間もなく、俺はのたうつ芝の地面に真っ向から潰されてしまう! ………柔らかい。 押し付けられる芝の地面は何故か柔らかくて暖かく、濃厚なひなたの香りがする。 だが押し付けられる柔らかな地面はやがて俺の鼻と口をふさぎ…… 「ぶはっ!」 両手で柔らかなものを押し戻して俺は目を覚ます。 場所は夢の中の暖かな草原と似て異なる、暖かな寝床の中。 目の前には白に小さな花柄がプリントされたパジャマの薄い生地。その向こうには、ふくよかな2つの双丘。 2つの丘は今、俺の両手でそれぞれ潰された状態だ。柔らかくも押し返してくる弾力の感触が両手のひらから伝わってくる。 思わず手を離す、と。 「んー、ユウくーん」 頭の少し上で、やや酒臭い吐息と共にそんな寝言が聞こえたのも束の間、迫り来る双丘。再び塞がれる俺の呼吸器官。 夢の中で香った、濃いひなたの香りが再現された。 「起きてよ、コハルさん!」 彼女の肩辺りと思われるところを思いきり押し返しながら、なんとか束縛を脱出して布団から飛び出した。 彼女はしばらく布団の中で何かを探すようにゆっくりもぞもぞとした後、上体を寝ぼけ眼をこすりながら起こす。 「おはよぅ、ユウくん」 効果音にすると、にぱぁーとした感じで垂れ目がちな双眸を細める彼女。口元にはだらしなくもよだれの跡が見て取れる。 腰まである亜麻色の長い髪が無造作に散って、はだけたパジャマから覗く白い肌を覆い隠していた。 「おはよう、コハルさん」 俺は溜息と一緒にそう答え、続ける。 「そして、あけましておめでとうございます」 告げられたコハルさんは、まだぼんやりしている頭をやや横に傾けながら、数瞬ぼっーっとした後に「おぉ」と思い出したかのようにこう答えた。 「あけましておめでとう、ユウくん。今年もよろしくね」 小春日和のような柔らかな彼女の笑顔は、俺にもいつしか伝染する。 1月1日元旦。 俺は今年、この人と共に歩んでいく。 − 『亜麻色のパレット』を開始します − はーい、復活しました。 今回は高校二年生のユウスケくんと年上お姉さんのコハルさんの物語。 これまでどおり、ぼちぼちと気がついたときに更新していきますのでヨロシクお願いします。 中身は基本的にまったりと。読んで読まれてほっとするような作風に仕上がればと思っております。 さてさて、何気にお休みもあと1日を残すのみ。 今回はお休みが9連休だったんですが、案外やることねーな、ってことで。 再放送されていた「孤独のグルメ」を録って観たり、ガキの使いスペシャルを分割して観たり。 あと愛車であるバイクのイナズマさんに乗って、ちょこちょこ走ってました。 買っておいた防寒グッズの性能の高さに驚いたりしてます。 お休みもあとわずか。ゆっくりまったり過ごして、週明けのお仕事への英気を養おうと思います。 謹賀新年 −2013年1月1日 あけましておめでとうございます。 今年も一年、よろしくお願いいたします。 新年最初の本日は、地元の神社に初詣です。 天神様→稲荷→不動尊→観音様と、なんだこの節操のないチョイスは。 まぁ、毎年行っているのですが、改めて見るとどこか一箇所に絞ったほうがいいのか?? とりあえず徒歩なので、運動には間違いなくなりましたよ、えぇ。 年末年始の取り溜めた番組をぼちぼち見始めています。 映画「まほろ駅前多田便利軒」を観たんですが、ロケ地が西武線沿線っぽい。 行天役の松田龍平さんが良い味出してます。すげー適当っぽいけど…いや、やっぱり適当風に。 30代のおっさん達の物語なのですが歳を経ている分、厚みと重みがあって良い感じです。 ドラマ化するらしいので、機会があれば見てみようかと思います。 ちなみに我がサイトのアクセス数は現段階で合計「462944」でした。 移転とかまともな更新をしていないので、やっぱりアクセスはものすごく少ないみたいです。 とは言いつつも、しばらくはログのみ更新の現状のままの予定でー。 それでは今年も張り切っていきますかね!! |