You get "Blade".
You lose your Tusk.

 


 スプーキー < 彼に一石を投じようと思う
 リトルバード < 早過ぎやしないか?
 パワー < いや、使えるか使えないかを見極めるには最適だろう
 スプーキー < これくらいのことで潰れる様じゃ、ハナっから私達の仲間にはなれないよ
 リトルバード < だがなぁ…いくらプログラム『乙音』がサポートにまわってるからって、幾分酷というものじゃないのか? なぁ、アリス?
 アリス < そう、酷ね。でもスプーキーの言う通り,私達には尋常じゃない能力の持ち主が必要なの。だから…
 パワー < 決まり、だな
 スプーキー < もっとも、彼がコレを見てどう動くか,何もしなければ…そこでさよなら、だ




 ――― 我々が毎日のように活用しているこのワールド・ワイド・ウェブという
 システムを60年代に既に「予言」していた人物がいる。それがテッド・ネルソンだ。
 直線的に文章を読み進むのではなく、リンクしている書類の間をジャンプすることで、
 必要・関心に応じて、さまざまな方向に読み進むことのできる文書。参考文献の内容を
 自由に自分の文書の中に含むことのできる文書。そこでは文章、映像、音などを同時に
 扱うことができる。
 そういうものをテッド・ネルソンはハイパーテキストと呼んだ。
 そして、ハイパーテキストで構成され、果てしなく成長していく巨大なデータベース
 システムのことを彼はザナドゥと名づけ、それを実現するためのザナドゥ・プロジェクト
 を1960年に立ち上げている。
 実際には、テッド・ネルソンがワールド・ワイド・ウェブの構築に直接的に
 関わったわけではないが、ウェブはザナドゥのコンセプトのいくつかを省略した
 「普及版」のザナドゥだと言うことはできるだろう ―――


 タクシーが商店街の裏道前で止まる。
 彼は手にした文庫本を閉じ、身に纏ったアルマーニのスーツの懐にしまうと入れかえるように財布を取り出す。
 「つりはいらん」
 一枚の真新しい万札を運転手に,彼は夕立ちと下水の入り混じった水たまりの点在する通りに足を踏みおろした。
 太陽は夕焼けの彼方。
 彼はキツネの様に細い瞳をさらに細く。
 そして商店街のある一角に向けて歩を進めた。


 まるで社会から隠れる様にして建つ雑居ビルがあった。
 その中程の三階。5つばかりの男の影がある。
 「このオレは一生の買い物だと思うぜ、組長さんよ」
 ドスの効いた声を放つは年齢にして30前半だろうか?
 右頬に刀傷のある、がたいのしっかりした男はソファでくつろぐ和服姿の初老の男に胸を張って豪語する。
 対する初老の男もまた、切れ長の瞳に只ならぬ光を宿しつつニヤリ、微笑んだ。
 「居合道の熊殿がワシの所へ来てくれたとなれば、この県下の他の組の奴らはウチに楯突く事は出来まいて」
 組長と呼ばれた初老の男の言葉に、残るやはりがたいの良い,且つ人相はやたらと悪い3人の男達もまた嬉しそうに頷いた。
 秋城一家―――泣き止みそうな子が絶叫して逃げ去る、何でもござれな指定暴力団である。
 そしてこの人目に付きにくい、一見すると貧相な雑居ビルこそが彼らの本部だった。
 初老の男…すなわち和服を身に纏った明らかに他と風格そのものが違うこの男こそが、秋城貞道,秋城一家の5代目だ。
 「組長さんにたかるゴミは、オレの備前正宗で振り払ってやるからよ!」
 居合道の熊なる中年男は腰に指した白木作りな鞘の日本刀をぽん、叩く。
 同時に、
 ガシャリ
 一つしかない扉が唐突に開いた。
 男四人の視線が突き刺す様に向かう。
 そこには黒スーツの男が、一人。
 ピンと伸ばした背筋に、やや細めの体格。しかし放たれる雰囲気はこの場にいる荒くれ者とは異なるが同一の、一種の危険さを孕んでいた。
 「有森さん…」
 ソファに身を沈めていた初老の男,秋城貞道は息を飲んで立ちあがった。
 小さな呟きの中にはこの秋城が見せることなどあろう筈もない,ある感情が含まれている。
 そしてそれを感じ取ることが出来たのは、彼に仕えて長い2人の幹部のみ。
 「秋城,訊きたい事がある」
 通常の人間ならば立ち入ることすら躊躇しそうなこの空間。
 だが有森はまるで気にする風もなく、ずかずかと秋城に歩み寄る。
 それを注意深く見るのは用心棒となったばかりの居合道の熊,彼は秋城の態度を鑑みて有森に道を譲った。
 「は…何でしょう?」
 ぞんざいな言葉遣いの有森に対し、敬語を用いる秋城。
 気丈、かつ威厳を常に纏ってきた、初老を迎えたこの男の顔色は僅かに青い。
 「数週間前、あるメイドロイドの処分をやらせた件、覚えているか?」
 「はい」
 「どう処分した?」
 訊かれ、秋城は幹部の一人に目配せ。
 幹部の一人は戸惑いつつ、一つの答えを寄越した。
 「身内の処分屋に任せましたが?」
 有森は細い視線を真っ直ぐに、答えた幹部へと伸ばす。
 「処分方法は?」
 「そ…そこまでは…」口篭もる男。
 有森は視線を秋城に戻し…
 「伝えたはずだ,完全に破壊してから処分しろ、とな。分からないとはどういうことだ?」
 静かに問われ、秋城の頬が小さく引きつった。
 遥かに年下の男に対する怒りにでは、ない。
 有森の瞳に…そう、敢えて例えて言うならば銀色の光が宿ったからだ
 それは怒りではなく、恐怖にである。
 「す、すぐに確認を…」
 「必要ない,処分屋の名は?」
 背後の幹部へと視線を移すことなしに有森。
 「…竹野 健一です」
 「分かった、私が直接調べる」
 言葉に冷ややかなものを含め、有森は秋城を見つめる。
 「ヒッ!」
 思わず出た秋城の悲鳴は突如襲った打撃からか,それとも有森の放った殺気にだろうか?
 ともかく彼は、有森の目に止まらぬ裏拳を顔に受け、鼻血を流しながら背後のソファに倒れこむ様に腰掛けた。
 「次は許さん」
 言い捨て彼に背を向ける有森。
 「き、貴様!」
 いきり立ち、彼の前に立ち塞がったのは言うまでもなく用心棒の熊である。
 「このまま帰れると思ってんだろうな?」
 腰の備前正宗に右手をかけ…
 「止めろ、熊!」
 叫ぶ秋城,しかしそのような制止を元来この男は聞く者ではない。
 一瞬にしてその一撃は放たれる。
 突発な剣士の吐息,きらめく銀光。
 そして、
 有森もまた動く。
 横殴りの銀の光を身を沈めて頭上へ,立ちあがる動作で右腕を突き上げる。
 秋城と、2人の幹部は当然の結果に目を瞑った。
 残る比較的新しい一人は見た。
 まるで出来の悪いアクション映画のワンシーンを。
 抜き身の日本刀を手にした熊が、空中でフィギアスケートの選手の様に三回転半するのを。
 そのまま熊は弓なりに真後ろへ2m飛び、壁に立てかけてあった姿見の鏡を打ち割った。
 砕け散る鏡の破片の中、中年剣士は仰向けに倒れピクリとも動かない。
 「秋城,部下の教育が悪いぞ」
 振り返ることなく有森は出口へ,熊の倒れている玄関付近へと懐に右手を入れながら歩を進める。
 「次回からは…きっちり致します」
 掠れ声で秋城。
 有森はそれに小さく鼻で笑って、足下に転がる熊を見下ろした。
 懐からまるでライターを取り出すように消音機能を取り付けたデリンジャーを抜き放ち、
 パシュ、パシュ!
 熊の体が小さく瞬動。
 額と左胸に一発づつ、だ。
 「次回があれば、な」
 答え、彼はこの事務所を去る。
 後には唇が青くなった秋城と、思わずその場で膝を付く三人の幹部の姿があった。


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不連続設定

Part.07 Bottle Mail



≪Site of Camera≫
 「新しいメールが届いています」
 乙音は部屋の扉を開けた、学生服姿の彼に告げる。
 「あ、ただいま,乙音」
 部屋の主・市村 誠一である。
 彼は学生服の上着を脱ぎながら、彼女のいるモニターを覗きこんだ。
 「メールって、どこから?」
 「はい…どうやらボトル・メールのようですね」
 「ぼとるめーる?」
 宛先人不明で送信された、どこへたどり着くか分からないメールのことだ。
 実世界において風船に手紙をつけて飛ばすものや、その前身である瓶に手紙を入れた海に流すのと同じ効果を持つ。
 ほとんどの場合は勧誘や宣伝といった内容が多いメールである。
 「で、内容は?」
 「………メールとともに添付ファイルがあります」
 「ウィルスかな?」
 「いえ…チェックしましたが、どうやら暗号化された文章ファイルのようです」
 と、乙音の額に僅かに皺が寄る。
 ”これは…誠一さんを試すつもり?”
 「ふぅん,メールの内容は?」
 「あ、はい…ええと、『サイを振るか振らないかは、君次第だ』です。差出人は不明」
 誠一は首を傾げ、普段着に着替えながらモニターの前に座る。
 「この添付ファイルの暗号は…解ける?」
 困った顔で彼。画面の中の女性は小さく首を縦に振った。
 「じゃ、宜しく」
 「あの…」
 「ん?」
 「解いてしまって…よろしいのですか?」
 乙音はおずおずとそう、尋ねた。
 「どうして?」
 「何か良くないことが書いてあるかも…」
 「良いか悪いかなんて、読んでみて決めれば良いことさ」
 苦笑いで誠一。
 「でも…」
 「もしも良いことだったらそれに越したことはないし、悪いことだったらそれこそ対策打たないと、ね?」
 「…はい」
 ”大丈夫、誠一さんなら…”
 乙音はファイルにかけられた暗号を解きほぐして、通常のDOCファイルに変換してゆく。
 彼女は誠一を、いや,己を購入した者を電脳空間を渡る者(ネットウォーカー)に育て上げるために作られた人工知能プログラムだ。彼女と同型がこの世界にどれほどいるのかは、知らない。
 そして彼女を世に放ったプログラマーの意図もまた、彼女には知り得る所ではなかった。
 だからこそ、
 誠一は,乙音はその内容に眉をしかめたのだった。


橘ネットワーク社機密文書/社外秘

  来る2021年、我が社の国産オペレーティングシステム(以下OS)雅を廃止し、
  皐へと移行する。
  OS『雅』は現在、家電品を主体に日本シェア85%,国外32%を占める
  (PCはこれより除く)。
  雅は現行のヴァージョンとしては4.05,そして一部バグを修正した4.05改が
  最新であるが、このシステムコードは主にシーアイランドのハッカーを通じて、
  世界の凶悪なクラッカーらへ解析がなされてしまっていると考えて良い。
  実害としては有名なものには、某国にて携帯PCから家電品OSへと侵入,
  暴走させる暗殺者が出現しているものがある。
  この度、全てを流動的な暗号によって成り立つ新OS『皐』を開発するにあたって
  は国際的盗聴組織「エシュロン」,FBI盗聴機構「カーニボー」の支援を得ている。
  すなわち全ての家電品において、クラッカーらにシステムコードを把握させる
  ことなくブラックボックス化し、かつ新機能である特定権限の下での情報の
  双方向を実現させる。
  これによってプライバシーの露呈という問題が発生するが、これに関しては
  黙することとする。
  また、このプロジェクトには米国/英国/仏国/日本国政府,及び
  南ア情報管理機構の承認を受けており、早急になされるべきである。
  2021年9月より、橘重工を初めとした橘グループと傘下3450社にて
  OSを雅より皐に移行。
  おって諸外国家電メーカーへも皐の使用を公的に薦めて行くものとする。
  なお同時期に発売されるMS社における新OSにはこの機構は組み込まれていない。
  それは同社社長が25年の禁固刑へと制裁を受けていることからも理由
  は明らかであろう。

以上 




 「…」
 「…」
 2人(?)は顔を見合わせる。
 これに付随して新OS『皐』なるもののソースコードの一部と思われるものがくっついている。
 「本当…かな?」
 「どうでしょうね?」
 「もしも本当だったら…結構大変なことなんじゃないのか?」
 橘グループ。
 それは日本を代表する豊田・三菱・松下と並ぶ大企業だ。
 扱う商品はそれこそ歯ブラシから棺桶までと多岐に渡る。無論その影響力は日本国外にも渡り、言うなれば派閥のようなものを形成している。
 そして橘ネットワーク社というのは橘グループの傘下の一つ。
 中堅企業ながらも、橘グループで用いる情報機器のソフトウェアを一手に担う情報関連の会社だ。
 その橘ネットワーク社でこれから行おうとしているプロジェクト。
 新OSに関しては、疎い誠一もチラリと新聞やニュースで耳にしていたが、ここに書かれているようなプライバシーの露呈というのは初耳であった。
 情報の双方向とは、すなわち第三者からその機器を使っている間に監視される恐れがある,そういうことだ。
 「本当なら、大変でしょうね」
 ”本当なのかしら?”
 乙音は己を組み上げた2人の女性を思い出し、内心呟く。
 生みの親の指令はあくまで、彼女の持ち主である誠一を立派なネットウォーカーにすることであって彼を危険に晒すことではない。
 だが、もしもその中途で危険が発生するものであり、かつそれが必須だったとしたら、乙音は指令にそむく自信はあった。
 「そうだよな、やっぱり大変だよ…な? 誰かに相談できれば良いんだけどな」
 「…相談なら、いつでも出来ますよ」
 乙音はクスリ笑って、彼の友であるはずの人物達のそれぞれの回線をノッキングしたのだった。



 彼は久々の高い空を見上げた。
 日は沈み、ビルが佇む遥か西の空が仄かにオレンジ色がかっているに過ぎない。
 「しっかし…」
 彼はポキ,首を鳴らし背後を見上げた。
 刑務所、である。
 唐突に彼は「保釈金が払われた」と告げられ外に出されたのであった。
 「竹野 健一、か?」
 くぐもった声は真横から。
 彼が振り向くと黒いスーツの男が無表情に佇んでいる。
 「何だ、テメェは?」
 「私がお前を出してやった」
 答えに、竹野は彼を下から上まで眺めまわす。
 歳は30代前半だろう、キツネのような細い目に鋭い光が宿っている。
 竹野は自分自身の持ついかめしさと、それに付随する相手を圧倒する雰囲気には自信があった。
 しかし目の前のこの男,それに物怖じするどころか竹野自身が男の放つ鋭い雰囲気に押されがちだ。
 「…で、何の用があって出しやがった?」
 あくまで礼は言わない。
 「どこに捨てた?」
 「は?」
 「秋城に依頼された人形だ。どう処分した? 砕いたか,焼いたか,埋めたてたか?」
 竹野は考える。
 そう、秋城一家の使いの人間がメイドロイドを一体、処分するように持ってきていた。
 確かアレは…
 ニヤリ、いかつい面に笑みを浮かべる竹野。
 「ただで教える訳には…」
 そこまで言った時、彼の額に冷たいものが押し付けられた。
 目の前のスーツの男の右手が伸びている。
 竹野は頭を動かすことなしに、目だけで額を見つめる。
 彼の手に収まっているのは…小型の銃。
 「馬鹿な…」
 前身に汗が噴出し、呟く竹野。
 「ここは…刑務所の前だぞ…」声が乾いている。
 ギリ
 引き金を引くスーツの男。
 「最後だ。どう処分した?」
 「埋めた」
 「どこに?」
 「北野天神社の裏山だ…」
 「ふむ」
 スーツの男は頷き、デリンジャーの銃床で男の首筋を叩く。
 途端、竹野はくたりとその場にくずおれた。
 彼は何事もなかったように倒れた竹野をそのままに、刑務所の前を後にした。



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 会議室AtoZを新設しました。
 ごゆっくりお楽しみください。
  
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 セージ(市村) < ごめん,急に連絡しちゃって
 アリス(若桜) < 構わないよ。暇だったし。
 セージ < ところで…アリスかい?
 アリス(若桜) < ええ、そうよ。変なこと聞くわね
 セージ(市村) < 文字じゃ分かんないからね。もしも若桜さんだったら変な質問だろ?
 アリス(若桜) < そ、ね
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 セージ(市村) < あ、来た来た
 通天閣(梅崎) < どしたん?
 セージ(市村) < あと2人が来たら話すよ
 通天閣(梅崎) < 楽しいことやろか…
 セージ(市村) < ところでアリス?
 アリス(若桜) < なに?
 セージ(市村) < いつ原付免許取ったの?
 アリス(若桜) < 無免よ
 セージ(市村) < …え?
 通天閣(梅崎) < ほな、こみパの時のスクーターは?
 アリス(若桜) < 駅前からちょっと失敬してきたの
 通天閣(梅崎) < 剛の者やなぁ
 セージ(市村) < こらーー! 犯罪者かぁ!?
 アリス(若桜) < ちゃんと返したもん
 セージ(市村) < もぅ、やっちゃダメだぞ!
 アリス(若桜) < ケチー!
 セージ(市村) < ケチと違う! それは犯罪なの! 見つかったら警察行きなの,今度やったら縁切るぞ。絶対もぅやるな!
 アリス(若桜) < …うん
 通天閣(梅崎) < そや、僕も聞きたいことあったんや
 アリス(若桜) < なに?
 通天閣(梅崎) < 若桜さん、メガネ取ったり取らんかったりしとるやろ?
 アリス(若桜) < ? うん
 通天閣(梅崎) < 外しとる時、前見えてるん?
 セージ(市村) < そいや、あのメガネは度が凄そうだよなぁ
 アリス(若桜) < ん? だってコンタクト入れてるもの
 通天閣(梅崎) < いか〜ん! そんな邪道なモノ、使ってはならん!!
 アリス(若桜) < ええ? な,何で…
 セージ(市村) < 邪道…って何が??
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 通天閣(梅崎) < 貴様らに教育してやろう、真のメガネっ娘道というものを!!
 ブルーバード(北見) < じゃね
 ミック(三木) < おやすみなさい
 セージ(市村) < ああ! ちょい待ち!
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 通天閣(梅崎) < 根性のない奴らめ
 アリス(若桜) < 私も根性はないから、さよなら。また明日ね〜
 セージ(市村) < あああ! 待てぇぇ!
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 通天閣(梅崎) < ほな、セイちゃん,今夜はとことんメガネっ娘について語り合おうじゃないか!
 COM < セージ(市村)はログアウトしました



 「…結局うやむやのうちに相談なんぞ出来なかったなぁ」
 「色んな意味ですごいお友達ですわね」
 乙音が頬をひきつらせて笑っている。
 誠一はふと考え、そして乙音に振り向く。
 「取り敢えず、俺達の出来る範囲でこれが本物かどうか,それだけでも調べてみようか」
 「………そうですか,それではお手伝いさせていただきますわ」
 乙音の微笑みは、どこか暗い。
 夜はまだ、始まったばかりである。


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