You put a Trap.
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Part.11 Discussion
シャーウッド : 結論から言おう、君の手にしている当社のデータ,まごうこと無き本物だ。 セージ : 危険なOSではないのですか? シャーウッド : 君が危惧することとは? セージ : 危惧もなにも、全てのユーザーを監視することにつながるのではないですか? シャーウッド : ハハハハハハハッ!! セージ : 何がおかしいのですか? シャーウッド : これはおかしい,何故なら我々が、例えば君を監視して何の利益を得るというのです? セージ : 利益とか、そういう問題ではないでしょう? シャーウッド : では仮想してみましょう、当社の次世代OSは世界規模で使用されることは明白です。 セージ : そうですね。フリーなOSであるところのLinuxはその自由さ故に制御しきれていませんから。 シャーウッド : その通りです。さてここで問題,世界中にあるOSを組み込んだ家電製品,その全てをモニターするだけのマシンパワーは一体どれだけのものになるのでしょう? セージ : さぁ? シャーウッド : 人間の脳並みのマシンが8億6540万台必要になります。そんなものを揃えるのは、不可能なことです。 セージ : それは貴方が算出した結果でしょう? シャーウッド : では貴方が計算して御覧なさい。これでも少なく見積もった方ですから。 セージ : コレに関しては信用する事にします。 シャーウッド : そうですか。何より当社は世界中の稼動中のOSをモニターする権利はありません。あくまで当社は『依頼されて』このOSを開発したに過ぎませんから。 セージ : けれども、プライバシーの侵害に繋がるのは明白でしょう? シャーウッド : その答えは当初に戻ります。 セージ : ? シャーウッド : 世界中のOSをモニターする『意味』も『力』も『権力』も当社には御座いません。 セージ : しかし侵害に繋がる可能性は酷く高いでしょう? シャーウッド : それは人権尊重家の意見に過ぎません。彼らは例え殺人鬼であってもその人権を主張します。 セージ : 質問の方向性を少し変えましょう。個人のプライバシーを侵害する可能性を持つという件に付いては、如何お考えなのですか? シャーウッド : 逆に問います。プライバシーの侵害とは一体なんなのですか? セージ : 酷い質問ですね。とてもこの問題に携わる企業とは思えない。 シャーウッド : そうでしょうか? プライバシーの侵害=自由の剥奪と考える人間が多いと思うのですが。 セージ : その通りではないですか? シャーウッド : 当社はその様に考えておりません。何より当社は、そして依頼人は決してプライバシーの侵害を致しません。 セージ : 断言しましたね? シャーウッド : ええ、します。プライバシーの侵害とは、あくまで個人情報を悪意的に開示し、当人に被害を及ぼすこと。 セージ : そうですね。 シャーウッド : その結果、当人の自由を汚すことも確かにあるかもしれません、しかし必ずしもイコールではない。 セージ : おっしゃることが良く分かりませんが? シャーウッド : 質問します。貴方は自由とはどのようなものとお考えなのですか? セージ : 範囲が広すぎる為、答えかねます。 シャーウッド : そうですか。 セージ : 御社はどのように? シャーウッド : 当社は自由と無法を履き違えてはおりません。 セージ : ? シャーウッド : やりたいことをやるのが自由なのでしょうか? その結果が他者を傷つけることがあっても、果たしてそれは自由なのでしょうか? セージ : ……続けてください。 シャーウッド : 例えば96年,あるカルト教団が致死性の毒ガスを通勤時間の地下鉄に散布した事件は覚えてらっしゃいますか? セージ : ええ。 シャーウッド : あれは彼らの行動は彼らの『自由』の結果、招いた惨劇です。貴方は彼らの自由を許せますか? セージ : 許せる訳、ないでしょう。 シャーウッド : 事前にこの計画が分かっていれば,そして止めることができれば。それは貴方の言うプライバシーの侵害と秤にかけた上でどちらに傾きますか? セージ : 酷な選択ですね。 シャーウッド : まだあります,中東で平和への改革を推し進めていた指導者が暗殺された事件も記憶に新しいでしょう。 セージ : 今はそのせいで泥沼化していますね。 シャーウッド : そうですね。これも事前に暗殺の計画を発覚し、止めることが出来れば……これから死に行く人々の命を救うことになりませんか? セージ : ……なるほど、一理あります。 シャーウッド : 当社と依頼人の行う監視とは、こう言ったレベルの物です。言葉は悪いですが言わせていただければ、プライバシーの侵害問題如き、どうでも良いことなのですよ。 セージ : 確かに言葉は悪いですね。 シャーウッド : それとも犯罪を常に犯しているからこそ、プライバシーの侵害問題を持ち出して監視の目から逃れ様と考える,そう取る事も出来ます。 セージ : それは酷い言葉です! シャーウッド : 事実です。日本でおいてさえ、ヤクザや渡来系マフィアが様々な手を用いて当社の開発の妨害を行っております。資金面から政治家を用いてさえ、ね。 セージ : ……… シャーウッド : 貴方は許せますか? 彼らの自由を,いえ、無法を! COM > 赤き巫女が入室しました 赤き巫女 : いやいやいや、大変素晴らしい演技だったよ、シャーウッドくん。 シャーウッド : 何です、貴方は? 赤き巫女 : セージくん,彼の論理は論理として受け取りなさい。この問題に感情論は全くの不必要だ。 セージ : 論理、ですか。 赤き巫女 : 犯罪を未然に防ぐと言う点では、確かにシャーウッドくんの意見は正しい。だが、プライバシーの侵害問題に関してはいただけないな。 シャーウッド : ほぅ、一体どこに疑問をお持ちなのですかな? 赤き巫女 : シャーウッドくん,君のクライアントは例えその気が無いとしても、君の築いたOSの網を、全くの他者が使用し得るということを考えなくてはならない。 セージ : あ… 赤き巫女 : 言ってしまえばね、シャーウッドくん。 シャーウッド : …はい。 赤き巫女 : 我々ハッカーに破れぬものは存在しない,完璧なセキュリティなど存在しないのだよ。それが人の作り出したものである限り、人に破れぬわけがない! シャーウッド : 必ず破れる…と。 赤き巫女 : そして皐を使用する技術がクラッカーの手に渡れば……いや、その程度ならまだマシか。意味不明な大義名分を掲げた愚か者どもが利用したとしたら、はてさて、どうなるかな? セージ : なるほど、確かに。 赤き巫女 : 老婆心ながらもシャーウッドくんとは逆の立場で主張させていただいたよ。 セージ : 充分、参考になりました。 赤き巫女 : 今や君はキーパーソンなのだよ、無知故に正常なる判断力を持ち得る、愚者のカードを引いたイリーガルコネクションの7人目よ。 セージ : それはどういうことですか? 赤き巫女 : ともあれ、セージくん,君とシャーウッドくんとのログは、皐に疑問や肯定を持つ人間達に大きな影響を与え得ることは確かだ。君の答えはゆっくりと出したまえ。 COM > 赤き巫女が退室致しました。 シャーウッド : 突然の意見もあったが、セージくん,答えは出ましたか? セージ : 答えは明日、ここで出します。即答は難しいですからゆっくり考える事にしたいんですが、明日もお時間取れますか? シャーウッド : もちろんですよ、ではまたここで。 セージ : ありがとうございました。 シャーウッド : お疲れ様。 |
COM<イリーガルコネクションへようこそ COM<東雲大学第4サーバーより第5サーバーへ移転します COM<第5サーバーよりさくら銀行待機サーバーへ移転します COM<会議室『イリーガルコネクション』へ接続しました COM<現在の利用者は4名です。 COM<セージが入室しました リトルバード : ようこそ、イリーガルコネクションへ! セージ : 初めまして エンペラー : ようこそ アリス : こんばんは スプーキー : 来たね、ようこそ セージ : アリス? アリス : どうかした? セージ : 知ってる人と同じ名前で。 アリス : よくあるHNだからね。 セージ : そっか リトルバード : さっきのCHOCOAでのログは聞かせてもらったよ エンペラー : 君の意見は非常に興味深い セージ : 聞かせてもらったって?? アリス : 橘ネットワークの開発チーフ・シャーウッドの言動は私達ハッカーの注目の的だもの。 セージ : ハッカー?! スプーキー : 改めて自己紹介しよう。ようこそ、セージ,ハッカーの憩いの場『イリーガルコネクション』へ アリス : ここはスプーキーが見出したハッカー達の意見交換の場。 エンペラー : そしてセージ、君はスプーキーの見出した7人目だ。 セージ : 俺はハッカーじゃないけど? スプーキー : セージには『一般的なネットウォーカー』としての御意見番になって欲しくて前にメール出したんだ。まさか来てくれるとは思わなかったけど、ね。 セージ : それって…赤の巫女さんもこのイリーガルコネクションの一員ってこと? リトルバード : 違う。もっとも奴のHNが偽モノでなければ…伝説のハッカーなんだが エンペラー : ところでセージ。ここへ来たのは何か聞きたかったからではないのかな? セージ : はい。ログを読んでいただけたなら早いですね。皆さんは皐をどうお考えですか? アリス : 私は貴方の意見に従うわ。私の目は偏っているに違いないから リトルバード : 同意見だ エンペラー : 私は賛成だ。楽しそうだからな。 スプーキー : 私は反対だ,危険だ。 セージ : エンペラーさん,ハッカーらしい意見ですね。 エンペラー : そうだろう? そしてそう思っているのは決して私1人ではないと言うことでもある。 スプーキー : セージ,私達イリーガルコネクションはそこらのハッカーとは持っている実力が異なる。いざとなれば私達は『皐』の開発そのものを潰す事が出来るほどのね。 セージ : でもそれは無理ではないですか? 例え潰したとしても、別の会社が同じ物を作ると思いますよ。 アリス : 正しい意見ね セージ : 何より、家電OSのバージョンアップは望まれていますし、それを止めるというのは感心しません。 リトルバード : なるほど、さすがは7人目だ エンペラー : 公平な目を持っているな。 スプーキー : そこまで分かっていて、答えは出ていない訳かい? セージ : そう、ですね。何となく形がまとまってきましたよ、ありがとうございました。 アリス : そぅ、よかった。 リトルバード : 何か力になれることがあったら遠慮なく言ってくれ。私達は君を歓迎するよ。 COM<リトルバードから圧縮ファイルが1つ転送されてきました。 COM<『きっと君の役に立つだろう,使ってくれ』 セージ : 俺はハッカーじゃないけど、難しいことがあったらまた来ますね スプーキー : 暇な時にも来なさいね(^^) エンペラー : さらばだ COM<セージは退室いたしました。 |
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