EL-HAZARD THE ILLUSIONAL WORLD !! 



 幾千もの時を越え 拓かれる太古の力 意志を抱きし力達
 光と影 相容れぬ存在 憎しみ合う心と心
 光と影が在りし所 人の息遣い有り それは世界
 今 幻影の扉 開かれし時 新たなる出会いが始まる
 神秘と混沌の世界エルハザード 今ここにその扉が開かれる…



幻影の世界 エルハザード

第弐夜 幻想の世界へ



 「あだだ…一体何があったべさ」 つい地が出たイシエルは頭を擦りながらその身を起こす。前後には先程と変わらぬ通路,しかし同行者2人は居ない。
 「さて、どうするか…」 通路の先に目を向ける。と、そこに人影が一つ。
 「誠? いや,そんな…こんなところに?!」 人影は彼女に近付いてきた。小さな影だ。
 「…」 そしてイシエルは彼に深々とその頭を垂れた…。



 歩くこと数刻、しかし通路はいつまで経っても一本道だった。
 「なんかおかしいと思いませんか,アフラさん?」
 「…ウチもそう思ってたところどす」
 「前を見ると通路は緩い左側のカーブを描いています」
 「後ろは右曲がりのカーブ…ということは」
 「…きっと何処かに部屋とかありますよ!」 拭いきれない不安を消し去るように、誠は言う。
 「…残念どすが、やっぱりうちら,閉じ込められてますぇ」 アフラは壁の一点を指差す。
 そこにはナイフの傷で『Afla』と刻んであった。
 すなわち2人は大きなリング状の通路を進んでいたことになる。
 「ふぅ、少し休みましょうか」 誠は言い、その場に腰を下ろした。
 「…誠はん、結構冷静おますな,閉じ込められたいうのに」 同じくその場に座り込み、アフラは言う。
 「まぁ、閉じ込められた…のかもしれへん。でも侵入者用の罠にしてはこの通路は変やし…そもそも罠なら小さな牢獄とか、池とかに落とされるもんや」
 その誠の言葉にアフラは微笑みを浮かべて頷いた。
 「さっきイシエルはんの言っとった意味がよう分かるわ」
 「え?」 誠は首を傾げる。
 「他の遺跡探検家泣かせってことどす。今、この状況で冷静な判断を下せるってことは一流の冒険者でも難しいことでおますわ」
 「おおきに、アフラさん。でもそれを言ったらアフラさんも一緒やで」
 「まぁ…そゆことはさておき,誠はん、お腹減りまへん?」 小さなサックを下ろし、中を探りながらアフラ。
 「そう言えば、そうやなぁ」 時間的にはすでに夜8時をまわっている。
 「不測の事態に備えて軽く弁当を作ってきた甲斐がおましたわ」 アフラは背負い袋から小さな包みを1つ出す。それを開くと野菜や肉の挟んであるパンが2つ入っていた。
 「腹が減っては戦ができぬ,どすぇ、誠はん」
 「サンドイッチですか,おおきに!」誠はそれを1つ手に取る。
 「? サンドイッチ,これはダイダラボッチという料理でおますが…」
 「そ、そうですか…神秘的な名前やね」 妖怪の名前かい!
 しばらく静かな時間が流れる。
 「誠はん、もし,もしも…元の世界に帰ることが不可能と分かったら…どうおますか?」 躊躇うように、しかしアフラは口にした。
 「不可能なんてことはあらへん,実際イフリータが行っとるんやから」
 「そうどすが…もしもどす」 真剣に問われ、誠は目を閉じる。しばらくの沈黙…。
 「…それでも、がんばりますわ!」 笑顔で誠はアフラに答えた。
 「そぅ…なら、うちも今まで以上に協力させてもらいますぇ!」 その誠の笑顔にアフラも答える。
 もっとも、彼女が聞きたかったのはそういう事ではなかったのだが…。
 ヴン!
 と、突如,通路全体に音が響いた。同時に何本もの光の線が通路の壁沿いを延びる。
 「な、何や!」 立ち上がる誠。
 ゴロゴロゴロゴロゴ〜!
 「何か大きなものが転がってくる音が…」 アフラもまた立ち上がり、後方を凝視する。
 後ろを見ながら次第に前進する2人。
 「「わぁぁぁぁぁ!」」
 通路いっぱいの鉄球が転がってきたのだ!2人は全力で走る。
 「は、走っても…身を隠す場所なんて…あらへん!」
 「あの鉄球,どんどん加速してますぇ!」
 「お、追いつかれるぅ!」鉄球から2人の距離まであと3,2,1m …
 “左!”アフラの頭に女性の声が響く!
 「誠はん!」 アフラは誠の襟を掴んで左へ,壁に向かって飛んだ!
 スゥ…
 「うっ!」
 「助かった様どすな」身を起こし、アフラ。
 「壁を…通り抜けた? アフラさん、良く分かりましたね」
 「え? いや、何故か体が動いて…声が聞こえたような…」 しかし最後の方は自分に問い掛けるようで誠には聞こえない。
 「それにしてもここは…」 誠はその部屋を見回す。それほど大きくはないがドーム状の部屋,壁一面に文字が刻まれている。
 「…どうやらこの遺跡についての記述らしいですよ,これで出口も分かるかも!」
 「そ、そうどすか」 夢中で読み始める誠にアフラもまた誠の見ている方の反対側から読み始める。



 しばらくして流し読みを終えた2人は情報の交換を始めた。
 「まずはこの遺跡は何かやけど…これは僕の読んだ所にありましたわ」
 先エルハザード文明により作り出されたイフリータ。彼女を作る際にもその試作機たる前衛機があった。
 イフリータの主な戦闘能力である”相手の能力をコピーする”力の原点である鬼神『アブザハール』
 そしてイフリータの人格など、心を有した通常兵器,その名を『イフリーナ』
 ここは2体の試作機のうち、イフリーナが封印されている遺跡であり、そして封印したのはイフリータ開発主任,技官サーリアと言う人物であると。
 「僕が読んだので有益な情報はこれだけや。アフラさんは?」
 「イフリーナのある位置どすが、誠はんの後ろ,壁は相変わらず通り抜けられる様どす。そのイフリーナの安置されている場所を中心に、この遺跡は作られているようおますな」 アフラは誠の後ろを指差す。しかし相変わらず普通の壁にしか見えない。
 「そうですか…そう言えばさっきの鉄球といい光といい、この遺跡が動き出したんじゃ?!」
 「ほなら、早速行ってみましょ」 2人は駆け足で壁を通り抜ける。
 ヴン!
 踏み込んだ先は暗い、大きめな部屋だった。中心には下からの光に照らされた大きな円柱型のガラス(の様な?)ケースがある。しかしその中には何もない。
 「鬼神がおらへん?」 アフラは厳しい目で空っぽのガラスケースを見つめる。
 「イシエルさんですか?!」 誠は可能性の一つに声を上げる。
 「奇遇だね,こんな所で合うなんて」 しかし返ってきたのは異なる幼い子供のような異なる声色。2人はとっさに身構えた!
 ガラスケースの向こう側から姿を現したのは青い肌の10歳くらいの少年,そしてその隣に立つのは、黒く長い髪と妙に白い肌を持った無表情な少女だった。
 「お、おまえは!」 誠は少年に見覚えがあった。確かガレスの側に居た…
 「幻影族!」 アフラは叫び、構える。それに反応して、少年の隣に控える少女も手にした錫杖を構えた。
 「覚えていてくれたようだね、僕はナハト,ガレス様に命をささげる者…」 青い肌の美少年は屈託のない笑みをその顔に浮かべる。
 「ナハト…その隣の娘はイフリーナやな!」
 「そうさ、丁度今,目覚めた所だよ。さてと、イフリーナ,奴等を…殺せ」 何の躊躇もなく少年は2人を指差す。
 「は…い」 少女はナハトの言葉に従い、重力を無視して誠達に迫る!
 「あ、誠!」 後方からの新たな声にイフリーナの動作が僅かに躊躇する。
 「はっ!」 その隙を突いてアフラが蹴りをイフリーナに叩き込む,少女はその勢いに壁まで吹き飛ばされた!
 「なにやってるべさ? 誰、あれは?」 声の主,イシエルは慌てて誠に駆け寄ってきた。
 そんな彼女にアフラは振りかえることなくイフリーナを見据えたまま、叫ぶ。
 「誠はん,イシエルはんと一緒に後ろから3番目の通路をずっと真っ直ぐ進んでおくんなまし! さっきの壁文が正しければ出口の一つに通じるはず! ここはうちが食い止めるよって!」
 「そ、そんな,アフラさん一人じゃ!」
 「ウチ一人の方が何とかなるんどす! 早く!」 何事もなかった様に起き上がるイフリーナを睨み付けながら、アフラは振り返らずに言い放つ。
 「行くよ、誠!」 状況を判断したイシエルが誠に駆け寄り、その腕を掴んでアフラの指示した通路を駆け抜けて行った。
 「おっと、あんたの相手はウチや!」 追いかけようとするイフリーナを風の壁で押し戻す。
 「イフリーナの力はやはりそれほどでもない…か。力の衰えた大神官にすらこの程度では」 一歩も動くことなく、ナハトは2人の戦いを見つめる。
 イフリーナのゼンマイによる打撃をアフラはかわし、カウンターを与える。その状況が続いてはいるが、無表情なイフリーナからはダメージや疲労は感じられない。
 対するアフラは風の法術で筋力などをサポートしてはいるが、力の振るえない地域であるばかりか、風の来ない建物の中である為、疲労の色が濃くなっていく。
 「ここまでだね、イフリーナ,止めを刺すよ」 さらりと言うナハト。その言葉と同時にアフラを暗闇が包んだ!
 「しまった,これは、幻影族の!!」 次の瞬間、彼女は腹部に強烈な打撃を受け、倒れ込む。
 「とどめだ…」 感情のない少女の声,電撃の音とともにアフラは来るべき衝撃より先に、妙な浮遊感を感じる。
 「? 逃げた…のか,どういうことだ?」 後には床に電撃の力を持ったゼンマイを叩き付けたイフリーナと、アフラが消えたことに大して興味なさげなナハトの2人が残った。



 「アフラさん、大丈夫やろうか?」 駆けながら通路の後ろを振り返る誠。しかしついてくる者はいない。
 「大丈夫でしょ、多分」 先を行くイシエルは答える。
 「そうやね、アフラさんが目算なしで先に行けなんて言わんし。でも、イシエルさんも無事で良かったわ」
 「あら、心配してくれたの?」 後ろを向き、尋ねるイシエル。
 「当たり前じゃないですか,仲間なんだから」
 「そう…仲間,ね」 そう呟いたと同時に、扉が2人の前に見えた。
 「開けますよ!」 誠は扉の中心にある珠に触れる。途端…
 両開きの扉はゆっくりと開いた。そしてその先に広がるのは深淵な闇。
 「え??」 気付くと誠を闇が包み込んでいた。気を抜くと上下すら分からなくなる感覚が彼を襲う。
 「気をつけてください,イシエルさん!幻影族や!」 誠は神の目の上でのガレスとの戦いを思い出した。
 あの時と同じ感覚だ。彼は後ろに居るはずのイシエルに警戒を呼びかける!
 バチッ!
 「グッ!」 誠は背後からの電撃のようなショックを受ける!
 「イ・イシエルさん…逃げて…」 そして彼は意識を失った。



 「…!!」 ファトラは言いようのない不安に目を覚ました。
 早目に寝床に就いた良いが、眠り始めてから1時間ほどしか経っていない。
 よほど悪い夢を見たのか、彼女の寝間着は汗でベッタリと濡れていた。
 「なんじゃ,この胸の奥の嫌な感じは…まるで屈辱の日々を強いられたあの時のような」 ファトラは起き上がり、テラスに出る。
 天頂には月が冷たく、大きく輝いているだけだった。



 脈動するように点滅する光が次第に失いつつあるイフリ−ナ封印の部屋。その暗闇の中で少年が少女の元へ歩む。
 少年はイフリーナの入っていたガラスケースに『彼』が入ったのを確認すると彼女に振り返る。
 「一度ガレス様の元に戻る。イフリ−ナ,2人を回収するぞ」
 「…はい」 少女イフリ−ナは小さく頷くと、少年の差し出す手を握る。
 そして2人は闇に溶けるように消えていった。



 浮遊感の後に感じたのは背中への痛みだった。
 「…くぅ〜」 アフラは目に涙を貯めて体を丸める。床に叩き付けられた衝撃はうまく体全体に伝わり怪我はないが、しばらく息ができない程だった。
 「…ここは?」 大きな息を吐いて、アフラは改めて自分の置かれた状況を見回す。
 半径5m程のド−ム状の部屋,中央には天井まで届かんばかりの何かの機械があった。小さな作動音のみがその機械から聞こえてくる。
 しかしそれ以外、出口はおろか、アフラが落ちてきた天井の穴すらない。
 「さて…」 身を起こす。と、そのアフラの目の前5cmの所に女性の顔があった。
 「……」 ともかく声にならないアフラ。
 ”よく来たな” 歳の頃なら二十代半ばであろうか、栗色の長い髪に端正な顔立ちの女性だ。しかし鎧のような服はエルハザ−ドでは見られない変わったものである。
 「にょわあぁぁぁ!」 アフラは尻餅を付いたまま後方へ壁まで一気に下がる。突然現れた女性はアフラの驚きなど意に会さず、まるで空を滑るように再びアフラに迫る。
 「な、何どすか! あんたは!」 アフラは近づいてくる女性を払い除けようと、右手を前に出す。
 あるはずの抵抗がなかった。
 アフラは突き出した自分の右手を見る。
 それは明らかに女性の胸を押していた。彼女に実体があるのならば,だ。 アフラの右手は女性の胸の中にあった。まるで雲を掴むかのように。
 「…何どすか?」 2度目の同じ質問。
 ”私は大技官サ−リア,ここの責任者だ”
 「いや、そないなことではなく…」
 ”ちなみに今の私は、残留思念と過去の私の記憶を元に作られた疑似人格プログラム,この姿はホログラフィ−にすぎない”
 「…は? 要するにあんさんはこの遺跡を作った先エルハザードの人間ということどすか?」 首を傾げながらアフラ,誠なら今の説明が完全に分かったかも知れない。
 「鉄球に追いかけれた時の『声』といい、イフリ−ナのとこからここへうちを移動させたのもあんさんの仕業どすな」 それにサ−リアはにやりと笑う。
 ”お前が必要なのだ,我が娘イフリ−ナがこの力なき世界に解放されてしまった今、私は彼女を封印もしくは破壊しなければならない。ましてや鬼神アブザハールまでも解放されておるようだ” 苦い顔でサーリアは呟く。
 「鬼神アブザハール? ナハトはその鬼神も復活させたんどすか?」
 ”さぁな。アブザハールはこことは別の場所にある,だから解放されたと言う情報が地脈を通じて一週間ほど前に入ったきりだ。もっともあれに関しては機能しかない故、大した力はないだろうが” 大してアブザハールに関しては興味なさそうに言う大技官。
 「全く,鬼神の封印もしくは破壊なら始めから封印なんてしなければええもんを…」 アフラは溜め息一つ。
 ”…イフリ−ナは彼との娘のようなものだからな” 小さくサーリアは呟く。
 「え?」
 ”いや、何でもない。ここへお前に来てもらったのは私の力となって貰うためだ。私は遺跡の監視のみでそれ以上も、以下の力もないからな”
 「あんさんの力…やって?」 後ずさるアフラ。
 ”この時代で風の力を操る技術が残っているとは思わなかった。お前には私の依り代となってもらう” サーリアの腕が延びる。
 「じょ、冗談やない!」 アフラはその場を飛びずさった。
 ’やはり真ん中にある変な機械を破壊すべきやな,あれ以外、このサ−リアの元は考えられへんし’ アフラは風の法術を発動させる。
 「あ、あれ?」 全く法術が発現しない,珍しく慌てるアフラ。
 ”ここに逃げ道はないし、お前の法術を封じることは私にとっては容易いことだ” 消えるサ−リア。
 次に現れた瞬間には茫然とするアフラの頭を掴んでいた。



 ゴゥ!
 衝撃とともに遺跡全体が震撼する。先程まで整然としていた遺跡は崩れ、雪が雪崩込む。
 しばらくの崩壊の後、静かになった遺跡を遥か空中から見下ろして、4つの人影は夜空の中を消えて行った。
 「な、何事だ?」 山小屋から出てくる中年男。山小屋は先程の衝撃で大きく揺れはしたが、造りはしっかりしているらしく崩れることなどない。
 「どうしましたの?」 後ろから水色の髪の女性が出てくる。
 中年男はその声を背に、しばらく歩く。雪は止み、満天の星空がまるで落ちてきそうに輝いていた。
 「雪崩か…ん?」 周りが一望できる崖を見下ろす中年男,藤沢の目に何か人影の目に入る。それは下から中を浮いてどんどん上昇してきた。 「ん…おお!?」凄まじい勢いで上昇してきたそれは、藤沢の前で急停止する。
 「アフラ…くん?」
 「あら、アフラじゃないの」 背後からの女性の声,ミ−ズは突然現れた友人に声を掛けた。
 「…知り合いか? まぁいい」 アフラは2人を一瞥しただけで、上を見上げる。
 そして再び風を纏って飛び去って行った。
 「…何だったんだ」
 「…さぁ?」 2人はすでに見えなくなったアフラに首を傾げるのみだった。



 コンコン…ファトラは、とある部屋の扉をノックする。
 しばらく待つが返事はない。
 「入るぞ」 ドアノブに手を掛け、扉を押すと何の抵抗もなく開く。
 中は多少荒らされた跡があるが、割と片付けられた部屋だった。しかし部屋の主はなく、外から聞こえる小鳥の囀りが妙に大きく彼女の耳に届く。
 「まだ帰ってきておらんか…ん?」ファトラは強い力で大きくズレたと思われる本棚の後ろに、忘れられた様に置かれた5cm四方の平たい箱を見つける。
 彼女は何気なくそれを手に取る。きれいに梱包されたその箱には青いリボンが掛けられており、白い封筒に入った手紙が挟まれていた。
 ”何者かへの贈り物か? もしくは貰った物か…” 封筒に目をやると封はしていない。
 ”…” 約コンマ3秒の躊躇の後、ファトラは封筒の中の手紙を取り出す。四つ折りにされた便箋には覚えたてと思われる字が綴られている。
 「…誠の奴,こんな物を用意していたのか…あの時は貰うどころではなかったからな」 ファトラは、およそ半年前の記憶を思い出し、懐かしげに視線を宙に向けた。
 多少古ぼけた手紙にはこう綴られている。
 ’ファトラさん、誕生日おめでとうございます。
 これで一つ大人になった訳ですから、少しは王女らしくしてください,ってこれじゃ、ロンズさんみたいやな。
 それはともかく、これは王家の者が強い願いを込めた時のみ、成寿するという「想いのリング」っていうもんらしいですわ。
 この前、博士と一緒に遺跡を探索した時に出てきたもんで、信憑性は五分五分ってトコやと思います。
 ファトラさんは「わらわの美貌を、これ以上引き立ててどうする!」なんて言いそうで、あんまり飾りとか好きそうに見えんけど、これなら大して目立たんから、もし良かったら使うてみてください。
 ファトラさんの健康と幸せを祈って……水原 誠’




 「ん…?」 目を覚ます。まず目に入ったのは木の天井だった。
 寝ぼけ眼で身を起こす。自分の寝ているベッドと机,タンスが一つと空っぽの本棚の置かれた小さな木造の部屋だ。
 1つしかない窓からは、蛍光灯のような明りが差し込んでくる。
 そして彼は目の前に、やはり寝ぼけ眼でこちらを伺っている人物に硬直する。向こうも同様に硬直している。
 「げ、幻影族…」 彼は呟く,そして同様に目の前の幻影族も同じ態度を取っている。
 「…なんや、鏡やないか,びっくりした」 溜め息一つ。姿見の鏡がベッドの向かいの壁に掛けてあったのだ。
 「?…! って、どういうことやぁぁぁぁ!!」 彼,水原 誠は一人、ムンクの叫びをやっていた…。



 「どうしたの!」 叫び声に驚いたのだろう,扉を思いきり開けて女性が飛びこんでくる。
 「あ…」 青い顔(もともと青い肌なのだが…)で、誠は侵入者に視線を移した。幻影族特有の青い肌に、白く長い髪を後ろで結った20代前半の女性である。しかしその顔には見覚えがあった。
 「…イシエルさん?」
 「? 私はアイシェル,その人は貴方の御家族か何か?」 女性は優しげな表情で誠の隣,ベッドの端に腰かけた。妙に安心感を覚える雰囲気を持っている。
 「え?…いえ」 言葉に詰まった誠の額に、アイシェルはその手を当てる。冷たい感触が誠にはっきりとした安心感を与えた。
 「貴方、町外れに倒れていたの。その時にはちょっと熱があったみたいだけど、もう大丈夫みたいね」 手を下ろし、アイシェルは言う。
 「ところで貴方、お名前は?」
 「え…マ,マコットといいます」 水原 誠という名は彼女達、幻影族の長を倒した(ことになっている)者だ。冷静さを取り戻しつつある誠は慌てて偽名を持ち出した。
 「マコット? …ふぅん,少し変わった名前ね」 アイシェルは小さく笑うと立ち上がり、窓を開ける。
 町のざわめきと慣れない風が誠に届く。
 「マコット,貴方のおうちは?」
 「家…?」 答えようがない,そもそもここが何処なのかも想像したくなかった。とにもかくにも、この状況を打破するには…
 「…何も思い出せへん」 わざとらしく頭を抱え、誠は呻くように言った。陣内のクサい演技よりはうまい。
 「無理して思い出そうとしなくて良いわよ,ゆっくりと思い出していけば。それまでは私が面倒見てあげるから」
 「え…ありがとう」 誠は顔を上げる。そこには年上の女性らしい、微笑みがあった。



 巨大な洞窟に栄える幻影族の唯一の街であり首都であるイリュージョンシティ。人口はおよそ3万,天井に隙間なく生えた光ゴケは12時間周期で点滅する為、地上と同じ生活が営める。
 そんな街の外れにある四階建ての集合住宅の一室に、アイシェルは一人住んでいる。
 2人は今、街の中心部に近いマーケットで買い物をしていた。
 「色々あるなぁ…」
 「そりゃ、市場だからね」 品揃えはロシュタリアとほとんど変わらない。というより、ロシュタリアよりも物質的には豊かかもしれない。
 ”幻影族っていうても僕達と同じ人間なんやから、当たり前まえか” 闇に生きる者,幻影族。そう呼んでいるのは幻影族自身ではない。
 いつしか幻影族という一つの枠でしか彼らを捉えられなくなっていた自分に、誠は苦笑する。
 歩いていてふと不思議に思うことがある。人々の目が必ずと言って良いほど2人で一度止まるような気がするのだ,何故かを考える前に,
 「待ちやがれ!」 そんな言葉が誠の耳に飛びこんできた。ふと視線をそちらに移す。
 7,8歳位であろうか,暴れる少年の襟首を中年の男が捕まえている。
 「この盗人が!」 少年の手には財布と思しきものが握られていた。しかしそれ以外の所に誠は驚いていた。
 ”地上の人や…” 少年の肌は青くはない,しかし髪は灰色だった。
 「汚らわしい、上の連中の血を引いたガキめ,2度とこんな事できないようにしてやる」 男は子供の腕をひねり上げる。少年は憎悪と苦痛の目で中年男を睨つけていた。
 しかし通りの真ん中の出来事にも関わらず、人々の反応は無関心もしくはそれを煽るような声まで上がっている。
 「やめや!」 誠は駆け出す。しかしそれよりも早く、アイシェルの飛び蹴りが男のこめかみにクリーンヒットしていた。
 アイシェルの行動に、呆然とする誠。
 「逃げるよ!」 少年の手を掴み、アイシェルは路地裏に向かって駆け出す。誠もまた、その後を追った…



 「ふぅ,ここまでくれば追ってこんやろ」 公園で3人は足を止めた。追跡者の気配はない。
 「ええ、そうね。ところで貴方,大丈夫?」 アイシェルは少年に視線を移す。少年は痛そうに捻られた右腕を摩っていたが、怪我には至っていないようだ。
 「…助かったよ,ありがとな」 アイシェルに微笑む少年。
 「もう、へましちゃ駄目よ」
 「ちょ、ちょっとアイシェルさん,何言ってるんですか!」 誠はアイシェルの言葉に待ったをかける。しかしそれに少年が食ってかかった。
 「あんたに何が分かるんだよ!」 叫び、彼は走り去って行く。
 「あ…行ってしもうた」遠ざかる少年の背をただ見つめるしかない誠。
 「マコット,あの子は上の人とのハーフなのよ」 寂しげにアイシェルは呟くように言った。
 「ええ,それが?」
 「当然、あの子は上に住めない…ここでも,あの子のような者は受け入れられにくいのよ」 彼女は苦しそうに続ける。
 「せやかて、スリをして、ええことには!」
 「なら、どうやって生きて行くのよ!!」 アイシェルは怒鳴るように答えた。その迫力に誠は声が詰まる。
 しばらく,ほんのしばらく二人の間に静寂が流れる。それを破ったのはやはりアイシェルだった。
 「…ごめんなさい,怒鳴ったりして。でもマコット,貴方には分かって欲しい、本当にこの世の中が無くなってしまえば良いと、そう思っている者が少なくないって事に」 寂しそうな表情の中に浮かべた笑顔を、誠はまだ真っ直ぐと受け入れることはできなかった。



 熱に空気が揺らめく砂漠にそれはあった。
 カ−リアの遺跡改め、新生バクロム帝国(予定地)。
 そこでは着々とディ−バの指揮下、バグロムめいた建物が立ち始めている。
 「デギマジタ」
 「うむ,ではお前達はこちらに取りかかるのだ」
 「ジョーガイ」 一人だけ人型の人物,ディ−バは手にした設計図を検討しながら、現場を優雅な足取りでまわる。
 ゴァァ!
 「? 何事じゃ!」 爆発音と振動が彼女に響く。
 そして次に来るのがホコリ,外からの熱を伴なった熱風。
 天井の一角が外からの衝撃と思われるものに口を広げていた。そこからは常夏の光が差し込んでいる。
 「ナンゾナ!」
 「エライゴチャ!」
 バグロム達が次々と穴の下,そこに立つ侵入者に殺到する!
 ゴォ!
 旋風一閃,10匹ばかりのバグロムが円心状に吹き飛ばされる。
 その中心からゆっくりとディ−バに近づく侵入者。
 「お、お主は…風の大神官…!」 身構える彼女に、しかしまるで目を向けずに侵入者,アフラ=マ−ンはその脇を通り過ぎる。
 「!!」 振り返るディ−バ,アフラはディ−バの後方にある直径2mばかりであろうか、階層のあるこの遺跡の天井から地下まで支えていると思われる太い柱に右手で軽く触れている。
 「ΘΞ∃…」 小声で呪を紡ぐアフラ。すると柱に人一人が通れる位の黒い穴が広がった。
 おもむろに中に足を踏み入れるアフラ。
 「…何じゃ,一体…」 ゆっくりと黒い穴に近づくディ−バ。
 しかしあと2mというところで、再びアフラが現れた。
 「うぉ!?」 ズササッと後ずさるディ−バ。現れたアフラは、右肩から何かを担ぐような形で2m近くの金属製の棒を持っていた。
 棒の先端、下に向けられたそれには直径2cmばかりの穴が開いている。
 「…」 アフラはおもむろにその下を向けていた先端を前方75度、上向きに構える。
 ドシュ!
 一条の光が放たれた。それは昼間に落下する流星が、まるで反対に昇って行くように遺跡を突き抜け、砂漠の空彼方に消えて行く。
 次の瞬間には遺跡の天井が、他の階層を突き抜けて大穴を開けていた。しかし彼女が潜入したときのように瓦礫の落下はなく、穴の部分だけ『消え失せた』という感じだ。
 「…うむ、悠久の刻を経ても正常作動するか,敵ながら、なかなかの技術力だな。粒子変換砲,ようやくまともな武器を見つけることができたな」 誰ともなく呟き、アフラは新しく開いた出口へとその身を飛来させた。
 「何じゃったのだ…あやつは?」 ディ−バは只々、茫然と呟く。そしてふと思い出したように柱の方へ振り返ると、そこには黒い穴などはすでに姿形残していない。
 「…さて、皆の者,手を休めるでない! 一日も早く要塞を完成させるのだ!!」 どうやら見なかったことにするらしかった…。



 所変わってロシュタリア城の中庭片隅にて…
 「おかしいわ,絶対!!」 かん高い声が1つ。
 「…そうだな,確かに3日もかかるなんて妙だ」 2人,菜々美とシェーラはそうブツブツ言いながら、ホバ−に荷物を投げ入れている。
 誠とアフラが北へと旅立ってから三日が過ぎようとしていた。その日の内に帰るというメモを残しておきながら、何の音沙汰なしに三日が過ぎたことに、さすがのシェ−ラも菜々美の提案に同調する。
 提案,すなわち誠の後を追うということ…。
 「しかしよぉ」 シェ−ラが最後の荷物をホバ−の上に投げ入れ、その車体に肘を付いて尋ねる。
 「菜々美,お前いつの間にこんなもの運転できるようになったんだ?」 言って、王室御用足しの乗り物をコンコンと叩く。
 「え〜?! シェーラ,あんた運転できないのぉ!!」
 「なんだ,お前できねぇのかよ!!」
 「私におまかせくださぁい!」
 「「わぁぁ!!」」 突然2人の間に湧いて出てきたようにアレーレが現れた。
 「ど、どっから出てくんのよ,あんたは!」
 「細かいことは気になさらないで。ホバーの運転なら私が致しますわ」
 「おまえが来るってことは、ファトラの奴もくるんだろ,んなのは願い下げだ!」 シェーラのその言葉に、アレーレは人差し指を立てて、チッチッと横に振る。
 「シェ−ラお姉様,今回は私だけですわ」
 「って、あんたはファトラさんの侍女でしょ! 離れてても良いの?」 菜々美が驚いたように尋ねる。
 「ファトラ様の御命令ですから。お二人のお力になれって」
 「…珍しいこともあるもんね」
 「…なんか企んでんじゃねぇか?」 2人はブツブツとそれぞれ憶測を立てるが、結局のところ、アレ−レに運転を任すより他、道はなかったのだった。



 城門を通過し、市街地をも通過していく3人の乗ったホバーを、その白い肘を付きながらテラスから眺める美少女が一人。
 その彼女の左腕には銀色のブレスレットが、暖かな昼の日差しを受けて静かに輝いていた。



 ホバーは市街地を抜け、アレーレ操縦の下、ひたすら北へ北へと進んでいた。
 「でも、アフラさん…どうして急にまこっちゃんを連れて行ったりしたんだろう? 遺跡の探索にしても、いつもならストレルバウ博士とかに相談してから出かけるのに」
 「ああ、無茶なことはしない奴だと思っていたんだけどな」
 「単に誠様と二人だけの時間が欲しかっただけだったりして…」 ボソリとアレーレ。
 そして沈黙…
 「じょ、冗談ですよぉ,おふたりともぉ!!」 耐え切れなくなってアレーレ。
 「…そう言えば、あの二人,仲良いよな、結構」
 「まこっちゃんの良く分かんない話,アフラさんくらいよね。ちゃんと付き合うの」
 「ああ、ストレルバウのおっさんも時々、分からないと水を濁すからな」
 「それにアフラさん,そう言った話って聞いた事ないわ」
 「ああ、アタイも一度も聞いた事がねぇ…ヤバイな」 ボソボソと会話が続いている。
 「あ、あのぉ…」 たじろぐアレーレ。そんな彼女に二人の鬼神と化した視線が移った。
 「ひっぃ!」
 「急ぐわよ,アレ−レ! まこっちゃんの貞操の危機よ!」
 「フルスロットルだ,アレーレ!」
 「は、はいぃぃ!」 ”誠様,今頃何やってるんですかぁぁ” アレ−レは心の中で叫んでいた。



 「マコット,お次はこれね」 アイシェルは小さな機械を工作道具を手にした誠に手渡す。
 「おおきに,これは直りましたによって」 入れ替えるように誠はやはり小さな機械を彼女に手渡す。アイシェルが機械にあるツマミをひねると、電球らしいガラスの中が淡い光を放つ。
 「さすがね,この2日で凄腕の修理工って評判になってるわよ」 彼女の言葉に誠は照れ笑いを浮かべる。
 町外れに立ち並ぶ、市場と称する出店群。その出店の一つに二人はいた。出店の立て札には幻影族の言葉で「修理承ります」と書かれている。
 …馴染んでいた。
 光を放つ物,誠達の世界で言う『電気スタンド』であろう。そして今度彼が受け取ったのは『ヘッドホンステレオ』である。
 誠が記憶を失った幻影族『マコット』を演じること、本日で三日目。
 アイシェルの世話になりっぱなしも悪いと思ったために、ごみ捨て場に捨ててあった先エルハザ−ド文明の遺産を修理したことに全ては始まった
 しかしこの3日でこの幻影族の国についての知識を大部分得ることができた。
 この洞窟は実は先エルハザード文明の遺産,一辺30km余りという巨大な立方体の防空壕がその正体だった。
 しかも空間を捻じ曲げて作っているので、あらゆる地下に存在する事が可能らしい。もっともいつものように移動する事は少なく一ヶ月に一回程の移動のようだ。
 肝心な出入口だが、全部で12箇所,しかしどれも外部からの敵の侵入を防ぐためにガードは固い。
 特出すべき点は先文明においても、この地は都市的な役目を担っていたようであるという所である。
 その恩恵であろう、先文明の道具が幻影族の各家庭で使われている。誠の先程直したスタンドなどはその典型である。この点からも、ロシュタリアの人間よりも遥かに生活レベルは上であった。
 所々には先文明の建物と思われる建造物が、現在まで使われている。
 しかし誠に分かったのは、これくらいのことである。何故自分が幻影族の姿でここにいるのかということや、アフラとイシエルの消息など、重要なことは知る由もない。
 「マコット,私は晩御飯の材料買い出しに行くから、頃合見て適当にあがってね」
 「はい」 目の前の機械と格闘しながら、誠はアイシェルに答える。
 「お、マコットのあんちゃん,精が出るね」
 「おおきに」 隣の出店の主人が誠に声を掛ける。
 「ところで、あんたら,どこから来たんだい? 見ない顔だが」 口にしたパイプにマッチで火をつけながら、ちょび髭を生やした主人は尋ねた。
 「? あれ、アイシェルさんを知らないんですか?」 自分はまだしも、こうして隣に出店を持っているアイシェルをも知らないということには誠にとって不思議なことだった。
 「知らねぇも何も…三日前まではここは八百屋だったんだぜ,パパチャのおっさんのな。おっさんは何でも中央市場の方へいっちまったらしいが」 煙を吐いて、主人は語る。
 「へぇ…」 ”アイシェルさんはこの出店をどう使う気やったんや? まさか僕の為に借りたとは思えへんし…”
 「マコットのあんちゃんよぉ、お前さん,アイシェルさんって、女房に『さん』付けて呼んでどうすんだよ」 やれやれと言った風に、主人は言う。
 「女房って? …何言うてまんのや,違いますよ」 アフラの時と言い、毎度間違われる誠もある意味凄いが…。
 「そうか? どこをどう見ても新婚さんにしか見えないがなぁ…ま、取り合えず、あんな別嬪さんを離すんじゃねぇぞ」 笑いながら引き上げて行く主人。
 それに誠は一つ、深い溜め息を就くと再び目の前の機械に手を付け始めた。



 イフリーナによって半崩壊させられたイフリーナの遺跡。
 ココリコ山の中腹にその黒い穴を半分,雪に埋めて見せている。
 その遺跡の中に2つの動く影があった。
 影達はやがて遺跡の中心部にたどり着く。
 そこには円筒状のガラスケースの中で凍りついたように動かない男性の姿が一つ。
 ガラスケースの傍らには杖のようなものまで安置されていた。
 「おおっ! あれを見ろ,カツオ! やはり私の目に狂いはなかったぞ!」
 「ウイ!」
 「…しかしこの鬼神は見るからに強そうではないか!」 駆け寄る制服を着た男,陣内は杖たるゼンマイを手に取り、中の鬼神を見る。
 褐色の肌に180cm程の身長,黒い髪にターバンを巻いた、どことなく『カレーが好きそうな』な20代前半くらいの男性型だった。
 「では復活させるぞ!」 バグロム,カツオの見守る中、陣内はゼンマイを鬼神の腰の後ろにある穴にセット。
 「ヒャハ、ヒャハ、ヒャッハッハ〜」 お得意の高笑いを上げながら、巻いていく。
 ヴヴヴヴヴ…
 低い音を立てながら、鬼神の目がゆっくりと開かれていく…
 それはすでに予測された出会いとは知らずに。


To Be Contiuned !! 




なかがきT
 イフリーナ,サーリアの登場です。
 サーリア登場はアフラの方言が耐え切れなくなったからではありません,多分。
 あくまで今回はイシエルとイフリーナにスポットを当てますが、サーリアやアブザハール等のサブキャラも見て頂きたいです。
 カーリア並みに不幸だったり、束縛から放たれなかったりしています。こういうのは苦手なのですが、いないと困るキャラだったりするから面倒ですね。
 何はともあれ、第二夜 『幻想の世界へ』をお贈りしました。
 次回は急展開?! お楽しみに!




次回予告

 は〜い,皆のアイドル、菜・々・美・で〜す!
 ったく,まこっちゃんたら何処行っちゃったのかしら?
 ちゃんとごはん食べてる? アフラさんに襲われちゃったりしてない?
 あ、ちょっと、その人誰よ! まこっちゃんも何でれでれしてんの!!
 あ〜,ファトラさんまで! 似合わない事やってるんじゃないわよ!!
 ちょっとシェーラ,ガツンと言ってやって。
 次回、幻影の世界エルハザード 第参夜 『変幻の世界へ』
 ちょっと、お兄ちゃん,何よ、その危なそうな人は!?


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