Diary
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一泊二日で恒例のお盆旅行に行って(連行されて)きました。 今回は蓼科〜松本〜美ヶ原辺りを。 一日目の蓼科では残念ながらの曇天。 霧が立ち込める中、湿原から車山山頂まで歩いたりとそこそこハードでした。 周囲が真っ白の中での岩場とかって、非現実的でこれはこれで趣がありましたわ。 二日目は松本城に行ってから美ヶ原へ。 こちらはすっきりした晴天でして、青空の下で眼下の雲の合間に見える上田市(?)の町並みとかは思った以上に絶景。 また美ヶ原には野外に彫刻を置いたものをメインとした美術館もあり、こちらも目の保養になりましたわ。 「理解するんじゃない、感じ取るんだ」とかそんな感じで。 青い空に照りつける太陽。 一面に広がる草原と、ちらほらと見える牛や馬。 頬を撫でる風は冷たく、しかし歩きで火照った身体にはちょうどいい気温で。 夏の高原はいいなぁ、過ごしやすいわーとしみじみ感じたのでした。 調子に乗っていたら日焼けして、手足が痛くてたまらんですけど。 14th Aug/2009 暑い。 今まで涼しいところにいたこともあるけれど、暑すぎる! In 埼玉。 昨日と一昨日の2日を使った旅行では、一日10km以上歩いていたこともあって結構足腰に疲労がきていました。 溜まっていたアニメを消化しつつ、暑い部屋でお昼寝。 しかし2時間あまりであまりの暑さに目を覚まし、近所のツタヤへ避暑に出かけましたわ。 夕方になるとそこそこ涼しい風の吹き出して、こうしてPCに向かっていても耐えられるまでになりました。 そして明日もまた同じように晴れるそうで。 明日はコミケ最終日。人ごみの中に飛び込みに行きますが、暑さで倒れないように気をつけよう、うん。 ごしゃっ! 何かをつぶしたような、そんな耳に残る音を立てて地面を転がったのは。 「むぅ、貴様」 口に入った土を吐き出しながら、すぐさま体制を立て直した犬神だった。 対する乙音さんはその場を動いていない。 代わりに犬神が先程まで立っていたところには、顔全体を白い仮面で覆った男が一人。 白いそれには目の部分に細く睨みつけるような穴が2つ空いているだけだ。 そこからはぞっとするような強い妖力が覗いているように見えた。 猟犬と交錯したのは乙音さんではなく、この男だったようだ。 「素手?」 仮面の男には特に武器はない。 しかしかなり鍛え上げられていると思われるその肉体一つで、犬神に再度対峙した。 犬神が仮面の男に向かって駆ける! 対する男は左腕を前に突き出し、右腕を殴りかかる前の体制で迎え撃つ。 「!」 男の直前、猟犬は右に飛んだ。 男はその神速についていけない。右に回りこんだ犬神の鋭い爪が、男の脇腹に食い込む。 と思われた瞬間だ。 「雷よ!」 女の鋭い声が響き、犬神を撃った。 「くっ!」 犬神はコートを所々焦がしつつ、男から距離を取る。 力ある声が放たれたのは、男のそばから。 それは、地面に映る夕闇に溶け込みそうな彼の影からだった。 仮面の男の影から、ずるりと人が湧き出てくる。 否。 もともと彼のそばに『彼女』は存在していた。気配を隠しきった彼女に、僕らが気付けなかっただけだ。 それは褐色の肌を持つ少女。 小さな額からは鬼族の持つ角が覗いて見える。 「腕を上げたようだな」 犬神が耳まで避けた口を笑みに吊り上げながら、仮面の男と鬼族の少女に言い放った。 それに対し、2人からは言葉は放たれない。 代わりに。 行動を以って返答と相成った。 亜門くん、再登場。 さぁて、スパートスパート♪ それはともあれ、旅行先で焼けた肌が熱くて痛い。 思った以上に焼けたなぁ。明日辺りには皮が向けそうだわ。 15th Aug/2009 お盆休み終了、そしてお仕事へ。 休み明けはやる気がそがれますねぇ。 とりあえずまるまる一週間、気合を入れて乗り越えるしかないっ! そんな訳ですが、初っ端の一日目から結構ハードな出だしでした。 まだまだ始まったばかりだぜぃ。 昨日は夏コミ3日目に参加してきました。 すっかりと晴れた夏空は最後の夏と言わんばかりに燦々と熱い日ざしを落としておりまして。 来場人数も年々増えていっているように思えました。 今回は西館→東館→企業ブースの順に周り、最後に東館に戻っていつものメンバーと合流という流れ。 西から東への移動がなんとも混みまくりです、距離にしたら短いのに人でぎっちりだ。 11時頃に会場入りしたんですが、終わりまで人が減った感じがしませんでした。 みんな充実した夏を満喫していたと言うことですかね。 最近は大手サークルさんの本はコミケ限定とか気にしなければ後日、とらの穴とかに並ぶので便利な世の中になりました。 今回戦利品は写真の通り。後日買えない/買いにくいものをメインに収集です。 うたわれるものコミケ限定CDで特典のスティックポスターを切らしてしまっていたのが残念でしたが、まずまずの戦果であります。 終了後はみんな揃って秋葉原のパセラ→ワタミの流れ。 「俺たちの夏が終わった」とか、そんな気分でございました。 ![]() それとそれとっ。 ノベルゲーム「もみじひとひら」をお買い上げいただいた方々、誠にありがとうございました。 楽しんでいただけると幸いです。 秋ごろにはBGM差し替えパッチを予定しておりますので、時々ここをチェックしてみてくださいまし。 17th Aug/2009 お盆が終わったこの時期、急に涼しくなったような気がする。 朝や夜は過ごしやすくて良い感じですなぁ。 朝なんて、もっと寝ていたくなるわ。 通勤電車内にてようやくDSゲーム「世界樹の迷宮U」をクリア。 ジャガーノートが強すぎてしばらく放置しており、先日プレイしたら奇跡的に倒せたのでプレイ復活してました。 最後の敵には、たまたまレベル上げに励んでいたセカンドパーティでアタックしてしまいまして。 「あれ?」という間に倒せました。ジャガーノートの方が強いじゃないか?? エンディングはシンプルでかつ「終わったなぁ」を感じさせるものでした。 クリア後も当然の如く冒険は続き、クエストもぞろぞろ出てきているので、しばらくはプレイし続けそうです。 夏コミで購入したコミケ限定うたわれCDも電車内で聴きました。 ドラマ3本+声優陣のコメントの構成で、3本目のドラマにはToHeart2とティアーズからも参戦されていました。 まさか、さやか嬢の「あらあらうふふ」がセリフとして入っているとは思わなんだ。 というか、何でもありになってきたな、これ。オススメではありますが。 お仕事の方も結構安定してきて、少し余裕が出た感じです。 この余裕があるときに、普段手の届かないことや新しいことをやっておくべきなんだろうなぁ。 とか、そんな昨今でした。 まだ週中かぁ、頑張ろう。 18th Aug/2009 会社の社内販売で買ったビジネスシューズと、家へのおみやげのケーキを電車の網棚に置き忘れました。 改札出てから気付いたわ、DSに熱中しすぎたか(←バカ)。 駅員さん達の見事な連係プレーで終点にて無事確保され、ほっと一息と言ったところでした。 気をつけないといかんなぁ。 焦げ付いた犬神の毛からはくすぶった煙と鼻を突く匂いが漂ってくる。 そんな傷ついた猟犬に、仮面の男がまっすぐに突っ込んでいく。 無手で突撃する彼の背後が不意にまばゆく輝きだした。 それは彼の背に隠れるようにして走る、鬼の少女の力。 先ほど犬神を打った雷を、網のようにその背に張り巡らせる姿はまるで巨大な翼のよう。 迎え撃つ犬神は顔を上げ、しかしニタリと笑みを浮かべていた。 「傷が」 浩二郎の呟きが聞こえる。 猟犬の傷がみるみる癒えていた。焦げ付いた毛は抜け、新たな毛に生え変わる。 犬狼族特有の、驚異的な治癒能力だ。 「はっ!」 仮面の男が振り上げた右足を、恐ろしく鋭いスピードで犬神に振り落す。 強烈な踵落としはしかし、犬神か軽く右手で振り払うことで軌道がそらされた。 柔よく剛を制すを体現したかのような動き。 ごす、と鈍い音を立てて男の一撃は犬神の右脇、アスファルトの道路に10cmばかりめり込んだ。 畳み掛けるように背後の少女が雷の網を仮面の男もろとも犬神に向けて解き放つ! 包み込むようなその軌道を犬神は後ろに飛び退くことで、完全に術式の包囲から脱した。 バチッ! 雷の網は仮面の男のみを包み込み、スパークして消える。 雷を直撃したはずの仮面の男だが、しかしまるで何もなかったかのように犬神を睨み付けている。 信じられないことだが、どうやら術関連は仮面の彼は完全に無効化できるようだ。 妖魔の類ではないと思うのだが、鬼と組んで戦う彼は一体どんな出自の男なのだろうか? 「腕を上げたようね。しかし困ったわ」 そんな独り言を呟くのは乙音さん。 彼女の視線の先には、己が手で握った浩二郎が持ってきた魔剣がある。 「それをどうされますか、乙音さん?」 問うのは此花さんだ。 声をかけられ、乙音さんは彼女に問い返した。 「貴方、さっき言ったわよね。この剣はすでに世界樹のものではない、って」 「はい」 「それはどういうことかしら? ここに『ある』ことの理由になるのかしらね?」 「その答えの前に、乙音さんはその剣が何であるかをご存知ですか?」 乙音さんは此花さんをしばし見つめ、そして。 「遥かなる昔、この世界を植物が支配していた時代。植物の王であり中枢である世界樹の、当時の余剰なエネルギーが封印されたものと認識しているわ」 「それは半分当たっていて、そして半分間違っています」 此花さんはそう言って続ける。 「ならば何故、その力は寸断された別次元に追いやられていたのでしょう?」 別次元?? 後から浩二郎に聞いた話だが、あの魔剣は鬼達が住む鬼が島に封印され、島ごと今この時間帯とは別の時間帯に隔離されていたのだそうだ。 「そして何故、今この時代に世界樹がこの力を欲したのでしょう?」 乙音さんは答えない。 一方でそれを聴いていた僕と浩二郎は、話の中身がどうもよく分からない。 「答えは簡単です。その魔剣に込められた太古の力は、世界樹の『意志』に同調しない、今の植物達には欠落しかけた力だから」 「「欠落しかけた力?」」 僕と浩二郎は顔を見合わせる。 植物に欠落しかけた力とは、一体何なのだろうか? 「では世界樹はその『欠落しかけた力』を取り戻す為に魔剣を回収しようとしたと?」 乙音さんの問いに此花さんは小さく首を横に振る。 「あくまで己の弱体化した『力』の補填の為に、でしょう。その為にこの剣を『説得』しようとした」 「けれど説得は失敗した、と?」 浩二郎の言葉に、彼女は頷く。 「貴方が私を魔剣と引き合わせてくれたことには感謝します、浩二郎さん」 言って浩二郎に微笑む彼女。 すっと左手を挙げたかと思うと、次の瞬間には乙音さんの手にあったはずの魔剣は重力で引っ張られたかのように彼女の手を抜けて此花さんのそれに納まった。 「そして貴方の力で私とこの剣を、かつての魔剣の原型の元に連れて行ってくれたことを」 魔剣の原型? 言われて思い出す、巨大なシダの神木を。 天を貫くほどに大きく、圧倒的な存在感を有した巨木を。 「お礼にお教えしましょう、世界樹とは異なる理想を持った偉大なる我らが王の御名を」 「やめなさい、さくら!」 これまでになく、乙音さんが鋭い声で叫んだ。 発せられる警告は僕のような兎妖ならば恐怖で硬直してしまいなけないほどの、鋭い気配。 だが此花さんはいとも気にせずに、僕とそして浩二郎に向けて小さく微笑みこう言った。 「そしてこの御名の下において、私達は私達の理想郷を作りましょう。そこは人の目など気にせずに私たち本来の姿で生きていける世界だから」 剣を手にした此花さんは両手にそれを捧げるようにして持ち、そして告げた。 魔剣の――かつて世界樹に従わなかったもう1つの植物の王の名を。 「剣の名は天魔。今の我らが失った、他者を食らってでも繁栄し続ける意志に満ちた影の王」 白黒双月、そろそろクライマックスかな? 例の双子が鍵を握る方向でー。 21th Aug/2009 お盆明け最初のお休みです。 昨日まで朝は涼しかったのに、今日は朝から暑いです。おまけに夕立ときてる。 散髪&献血&100円ショッピングに街に出て、その帰りに直撃しましたよ。 降った後はやたら蒸しているけれど、夜になったら涼しくなったので良し! 此花さんの言葉に応じ、魔剣から勢い良く細い何かが突き出した。 暮れなずむ赤く黒い空の下、僕から見て逆光の彼女は真っ黒で、その表情は知れない。 剣から伸びる幾筋もの細い何かは、彼女と魔剣を包み込むようにして、やがて絡まり合い太い円柱状を形作っていく。 薄い雲が晴れ、赤黒い空に朧月が顔を出して。 弱い日の光に、月明かりが手助けされた薄明かりの下で、その正体を僕は見る。 剣から伸びるのは無数のツタ。 それらが絡まり合い、天に伸びるようにして形作るのは一本の大樹だ。 「これこそ」 大樹の中、絡まりあうツタの間から見えるのは此花さんの顔だった。 彼女は満足げにこう僕たちに言葉を綴る。 「今の世において、世界樹に代わって我らを救い導く救世主」 そして。 魔剣から生まれた無数のツタは此花さんと自身を完全に飲み込んで、さらに成長を続けた。 「兄さん、これは」 「此花さん!」 「なにをぼーっとしているの。逃げるわよ、2人とも!」 浩二郎と僕は、乙音さんの左右それぞれ小脇に抱えられ、ものすごいスピードで猫寝荘を、此花さんと魔剣の形作る大樹の元を離れる。 揺れる視界の中で僕は見る。 猫寝荘をも飲み込みながら、ものすごいスピードで成長を続ける大樹の姿を。 時間にしたらものの数分で状況は一変した。 かつて猫寝荘があった場所には、巨大な幹を持つ桜の神木が青々とした葉を茂らせてこの町全体を見下ろすこととなる。 日が沈み、ぼんやりとした月明かりの下でのその光景は写真を切り貼りした如く非現実的だ。 それ故に人々が騒ぎ出すまでには時間がかかりそうとも言える。 「兄さん、この木って」 「ああ、これは間違いない」 「まるでどこかで見てきたことがあるみたいね、こんな物語の中のような光景を」 後ろで乙音さんの苦笑いを感じる。 そう、僕と浩二郎、そして此花さんは見ている。 これはシダと桜という種類こそは違うが3人で見た太古のシダの神木を髣髴とさせる、雲にも届きそうな高さを持つ巨木であった。 2ヶ月ぶりくらいにラグナロクにインしてみましたよ。 なんかルーンさんの初心者クエストを次のメンテまでにどれかのキャラで全てクリアすると、教本を後日もらえるそうで。 Ordinのモンクさんが一つだけ残していたので、さくっと片付けておきました(1.5時間ほどかかったが)。 久々にやると、操作忘れますなぁ。 騎士王と魔術師でそれぞれ30分ほどリハビリしてログアウト。 あとスロットが一つ増えていたので、Bijyouの方で二刀アサシン目指して新キャラ登録しました。 ![]() まだノービスです。明日にでも育てるかなぁ。 22th Aug/2009 恒例の西武園花火を眺めていると、遠く盆踊りの音色が聞こえてきました。 夏もそろそろ終わり、だねぇ。 夕暮れの下町。 夕飯時だからだろう、人通りがほとんどない住宅街の通りを2人の男女が並んで歩いていた。 いや。 男の方が半歩先に進んでいる。 男女の間には、ちょうど2人の膝の高さに丸い物体が浮いていた。 よくよく見ればネットで吊るされた人の頭サイズのそれを、2人がそれぞれ左右1本づつの紐で吊り下げているような体勢だった。 街灯の下を2人が通り、間の球状のものの正体が判明する。 大きなスイカだった。普通に切れば5人分はあろうか? そんな2人。僅かに先を行く男の方はTシャツと短パンといういでたち。 Tシャツには薄い青地に赤い文字で「夏 ONLY YOU」と意味不明なプリントがされている。 女の方は白い無地のワンピースだ。引っ張られるような感じで男の後を付いていっている。 周囲が明るければこの2人を見る人は一瞬視線を捉われるだろう。 服装の違いこそあれ、2人の顔は同じだからだ。性別の判別も服装に違いがなければ分からないと思われる。 やがて2人はやや大きな通りの十字路に出る。 久しぶりに登場した信号は赤信号。 並んで青になるのを待った。 「歩、どうしたの?」 男性の方が左隣の同じ顔をした女性に問う。 「ん、なにが? 巧」 「なんか行きたくないのかなぁって」 「そんなこと、ないよ」 答える直後、信号が青く変わる。 巧は足を踏み出し、しかし 「?」 左手にスイカを吊るした紐が動かず、後ろを振り返る。 「あのさ、巧」 横断歩道の前で恥ずかしそうな表情の歩は兄に小声で問う。 「この格好、変じゃないかな?」 「格好?」 特に変哲もない白いワンピースだが。 「別に。似合ってると思うけど」 「そ、そうかなぁ」 「ほら、信号が赤になっちゃう」 「うわっ」 スイカを間に、文字通り引っ張られるようにして歩は巧の後を追う。 横断歩道を渡り終わった、その時だ。 「わぷ!」 歩は急に立ち止まった巧の背中にぶつかる。 「もぅ、どうした…」 前を見た歩は言葉を失った。 目の前に映る景色に、呆然とする2人。 するりとぞれぞれ、2人の手の中からスイカを吊るした紐が抜けて。 ごしゃ! アスファルトの上に落ちて、割れた。 街灯の下、赤い実と黒い種がひときわ目立つ。 スイカを落としたことにも気付かない2人が見つめる先。 裏道をここから何本か入った住宅街の奥、そこにあるはずの彼らが目指す猫寝荘。 ちょうどそこと思われる場所に、巨大な樹が薄闇の空を貫いていた。 それも、ぐんぐんぐんぐんと2人の見ている間にも大きく大きくなっていく。 2人はその時、まだ気付いていない。 足元に落ちたスイカ。 割れたそれに覗く黒い種が、次々と芽を出し始めたことに。 ほぼ1年ぶりの登場の双子です。 ない、名前変わってます。前は分かりづらい名前だったのですよー。 改めてヨロシク。 ![]() ラグナロクの新キャラではウルフをごりごり狩ってます。 息抜きに露店でコモドセットがお安く売ってたので着てみました。 気分だけは浜辺でのんびり気分なのです。 さて、明日からのお仕事も頑張りますかねぇ。 23th Aug/2009 大樹を挟んで猟犬と仮面の男、鬼の娘は各々一軒家の屋根の上で対峙する。 「一体なんだ、これは?」 仮面の男の呟きに、鬼の娘は首を横に振る。 「貴様の仕業か!」 仮面の男は通り向こうの猟犬に叫んだ。 それに対して犬神は、大樹を一瞥して眉をひそめる。 それだけだ。 再び猟犬は両手の鋭く伸びた爪を構える。 耳まで裂けた口を笑みの形に歪めて。 「まぁ、いい。前回の借りはここで返させて貰うぜ!」 仮面の男の叫びを合図に、2人は空中で交錯する。 直後、鬼の娘から放たれた雷鳴をBGMに、再び戦闘は開始された。 気がつけば日はほとんど沈み、代わりに天上には明るい月が冷たい光を地上に降り注いでいた。 満月まであと二日といったところだろうか。 そんな明るい月の下で未だに成長を続けている桜の大樹は、異様にしか映らなかった。 「一体何がどうなっているんだろう?」 「うーん、マズイわね」 浩二郎と乙音さんの呟きが重なる。 「マズイって、この状況はたしかにどうしたもんだか」 僕は乙音さんの言葉を拾って返す。 しかし彼女はその首を横に振る、 「違うのよ。目の前の状況が確かに元凶だけれども、もっと大きな問題が出始めてしまったの」 「?? もっと大きな問題?」 「そう、地球の裏側で、ね」 この時の乙音さんの言葉は、僕と浩二郎には分かることができなかった。 週の中は一番疲れが溜まりますね。 こんなときはビールでも呑んで寝るのが一番だわー。 26th Aug/2009 暑い日が続くと、ビールが美味しいので酒量が増えます。 困ったもんだなぁ(笑いながら) 燦々と太陽が照りつけるここは猫寝荘から遥か離れた――地球の反対側といって良い場所。 汗をかいても乾かない。じめじめした空気は感じる暑さをさらに助長させる。 地球の反対側のブラジルはアマゾンの熱帯雨林。 ちょうど昼どきのここでは、異様な光景が繰り広げられていた。 数多くの重機が熱帯雨林の森を切り開いていく、その最前線。 『なんてことだ』 呆然と立ち竦む男達の一人、ひときわ体格の良いヘルメットをかぶった巨漢はそう呟いた。 汚れたTシャツは汗に滲み、そこから伸びた逞しい腕に蚊が数匹止まるが気にした素振りはない。 同様に彼の同僚もまた、目の前の光景にあんぐりと口を広げていた。 光景――それは彼らが想像し得ないものだった。 彼らがこれまで侵略してきた対象。 物言わぬが、確実にこの地の主であった森の木々、植物達。 今、彼らが侵略者達にとうとう反逆ののろしを上げたのだ。 切り開かれた筈の土地は再び緑に覆われ、人間の力の結晶ともいうべき重機は、あるものは大きく育った樹に持ち上げられ、あるものはひっくりかえされ、そしてあるものは上から覆われて、そのどれもが動けるような状態ではなくなっていた。 そして。 ずずん! 下から持ち上げられていた重機の一台が、地響きを立てて地上10mの位置から落ちた。 それを契機に、作業者たちの束縛が解ける。 『おいおいおい、いつだよ、いつの間にこんなことに』 『昼飯食ってた時間だけだぞ、目を離したのは!』 『一体どうなってやがる、くそっ』 口々に叫ぶ彼らはしかし、前に出ようとする者はいない。 その逆に、誰もが後ろへ後ろへと歩を進めている。 じりじりとした緊張は次第に高まっていき、やがて。 『おい、なんかおかしくないか?』 『何がだよ』 1組の作業者が言葉を交わす。 『ちょっと目を閉じて、そうだな、2,3秒目を閉じてみてくれ』 『?』 言われた中年を過ぎた男は目を閉じ、そしてきっかり3秒後に目を開いた。 途端、彼の顔が青くなる。 『おかしいよな、な?』 問うのは同じく中年を過ぎた男。灼熱のこの地で土木作業を日々こなす彼らはみな、怖いものなどなさそうな体格をしていた。 そんな彼らは、目の前で起きていることに気付いた途端に自身が急に小さくなるのを感じ取った。 壮大な、とてもとても大きなモノを目を前にしたときに改めて感じる自身の大きさ。 それに気付いてしまったように。 『育って、やがる』 青ざめた男はそう呟く。 目を閉じる三秒前と後とで、目の前に広がる狂気の森が間違いなく彼らに近づいているのだ。 『に、逃げろ!!』 くるりと後ろを向いて一目散に駆け出した。それに続き、彼に問うた男も同様に走り出す。 それをきっかけにして、作業者達は競うようにその場から逃げ出した。 静かになった『元』伐採エリアは、ほどなくして森の海へと沈んだのだった。 アハ映像が未だに苦手な私です。 どこが変化してるかさっぱりわかんねぇ!! 29th Aug/2009 衆院の選挙に行ってきましたよ。 なんか結構人が並んでいたので、投票率は高いみたい? 調べてみると小選挙区で69.28%、比例選は69.27%ってことで、過去最高のようですな。 で。 結果的に民主が圧倒的に大勝した訳ですが、大丈夫なのか、これ?? 「自民に反省させたいから民主」とかいう意見も多いみたいだけれど、それはダメだろー。 反省させる間に、もっとマズい奴らに任せて取り返しのつかないことになると思うのだが。 過去の村山とか忘れたのかな? そもそも民主は政権持続させるつもりなさそうだし。 ヤルことヤっての、ヤリ逃げ感がプンプン漂っていないか? ともあれ、無理だろうけれど「日本人の為の政治」という当たり前のことをやってもらいたいものです。 でもまぁ、「大陸の為の政治」になるんだろうなぁ。 30th Aug/2009 8月も今日で最後。 朝から近づいていた台風も逸れてしまったようで、これを書いている今は静かな夜です。 いや。 外からは秋の虫たちの合唱が始まり出しています。 窓から入り込む風も夜の冷気を帯びていて、秋が着々と近づいているようですねぇ。 乙音さんは言う。 現在昼間の地域をピークに、植物が活発化していると。 場所によっては人を襲うくらいに成長が促進されており、アマゾンの熱帯雨林やベトナムのマングローブ地帯などは次々に地表を緑色に塗り替えているのだと。 「そんなバカなことが」 「バカなことではないわ」 僕の呟きに大樹から此花さんの声で答えが返る。 「今、天魔の力を地脈を通して世界中の仲間達に伝えているの」 「まるでコンピューターウィルスみたいね」 乙音さんが苦い顔でそう告げた。 それには彼女は答えない。あくまで僕に対してこう持ちかけてくる。 「さぁ、取り戻しましょう、私達の世界を」 「私達の、世界?」 「そう、その為に私達は勉強してきたのでしょう」 そうだ。 僕と此花さんは種族を代表してまだ短い時間ではあるが勉強している。 『人間社会の中でどう生き残っていくべきか』を。 「これが、君の答えか」 僕は呟く。 分からないでもない、学べば学ぶほどにそこに僕達の場所は見出せなくなっていくのだから。 「私達の世界ってどういう世界だい?」 僕の問いに、桜の大樹から??といった雰囲気が伝わってくる。 「決まっているでしょう、私達がこれまで過ごしてきた世界」 バサリ、と。 ひときわ大きく枝が伸びたようだった。 「人に脅かされることなく、緑豊かな世界よ」 「その世界を作るために君は」 僕は大樹の中、魔剣を胸に抱えて己の意思を力とともに世界へ広げているであろう彼女に叫んだ。 「今あるものを壊していくつもりなのか」 「壊す? 何を??」 「こんなことは君が嫌った人間達のやり方と、一緒じゃないのか?」 「何をバカなことを。一緒じゃないわ、壊してもいない。私は元に戻すだけ」 元に戻す。 それはどこの時代まで戻すというのか? 太古の時代に見た風景のことを言っているのか?? 僕は気付く。 彼女達のような植物と、僕らのような動物とでは時間の感覚が違うのではないかということを。 だから。 「力ずくじゃないか」 「でも、ずっと黙っていたら私達は、本当に居場所をなくしてしまうのよ」 「ちがう、それは違うよ」 僕は巨大な大樹に向かって叫ぶ。 それは僕自身もこれまでは曖昧で、答えが出なかったこと。 叫び、言葉にすることでこの時、明確に僕の心に方向性が生まれた。 「僕達は居場所を探す為に人に混じってきたんじゃない。作るために勉強をしてきたんだろ!」 ザワリ。 さらに枝が大きくなったようだ。 僕の声は桜の青い葉の中に吸い込まれて消えていく。 「此花さん?」 ザワリ ザワリ 桜の大樹は大きく大きく育っていく。 天に昇る月に届かんとするかのように高く高く伸び行く。 その成長がピタリと止まった。 瞬間。 「「?!?!?!?」」 この場にいた全てのモノの動きが、唐突に大樹から放たれた力の奔流によって硬直する。 信じられないほどの巨大で、野蛮な力の塊が樹の中に生まれてそして。 スポンジに水が浸み込むかのように、ゆっくりと、徐々に地面に吸収されていく。 「くぅっ……」 「此花さん?!」 うめき声が大樹の中から一瞬聞こえたが、巨大な妖力の前にかすんで消えた。 「兄さん、まずいよ!」 僕の隣で浩二郎が叫ぶ。 「この妖力が地脈を通じて世界中の植物に伝わったとしたら」 「想像したくないことが起きそうだね」 「何とかして止めなくちゃ、ね」 僕と浩二郎の肩に左右それぞれの手を置いて、乙音さんが言う。 「止めるって、でもどうやって??」 浩二郎の問いに、彼女は小さく笑って空を見た。 明日から9月。 えれくとら10年目まであと11日なのです。 早かったようで、やっぱり10年はあったなぁと思いもしたり。 31th Aug/2009 相変わらず毎日がそこそこ忙しく、土日は寝て過ごす昨今なのです。 さすがにそればかりだとアレなので、本日は久々に秋葉原にでも出て、色々見てこようかと。 晴れやかな青空の下で、じっくりと見てきた結果、次のものをGET。 *ハブ(¥980):現在使用しているのがファーム書き変え失敗して動作が変なエアステーションでして、これを機に買い換えてみました。 マグネットでPCの側板に張り付くので、場所が結構空いたわ〜。動きも特に問題なしでした。 *あやしいファミコン(¥499):あきばおーにて購入。すごい小さいです。 ちゃんと動きまして、久々にスーパーマリオとエレベーターアクションで遊びました。 しかしながら、興奮して上ボタンを強く押したら、コントローラーの上ボタンが動作しなくなりました。 開けてみたら中のプラスチックが折れてましたわ。接着剤で付くかな? 2P用のコントローラーは大切に使おう。 *MONSTER TV(¥7980):先日、はじょー氏にオススメされたモノ。今回秋葉原散策の一番の目的。 FAITHにて購入したのですが、ネット通販の価格では7280だったのに、店頭では価格違うのね……でもTWOTOPよりは安かったけど。 場合によっては送料を考えても通販の方が安いことを知りました。 あと店頭で買うと、くどいくらいに買う前に確認されましたわ。それだけ買った後に文句言う人が多いんだろうなぁ。 MONSTER TVは私の持つPCでの事前動作チェックではノートPCのみ可動の模様。 デスクトップはアナログモニターだから映らないらしいです。結構色々制約があるんだねぇ。 明日にでもゆっくりとノートPCで実際に取り付けて稼動するかどうか確かめますかね。 最近は毎週木曜日にテレビ東京で放送している「ルビコンの奇跡」が結構面白くて見てしまいます。 表に出にくい秘話って感じがいいわぁ。 あと8月末までの白黒双月をまとめました。 読み返すとアラがあったりおかしいところあるなぁ。気付いたところはひっそり直してます。 5th Sep/2009 昨日購入したMonsterTVはしっかり起動しました。 でもノートPC君のマシンパワーが足りないせいか、紙芝居みたい。 録画モードなら大丈夫なのかな?? 藍色の空にキラリ、一際大きな星が光った。 それは夜空から落ちて流れ星となる―――いや、違う! 輝くは長い銀色の髪。落ち行く夕日の僅かな光を受けての反射だ。 天から落ちてくるのは一人の女性。 そしてその肩につかまるのは、幼い男の子。 「あ、あれは」 驚きに言葉を漏らすのは浩二郎。 天の2人はまっすぐとこちらに向かって落下し、 ごしゃ! 落下エネルギーを伴った右足からの蹴りにより、さくらの大樹の一枝を根元から断ち切った。 「やめんかーー!!」 彼女は高い声で叫び、そのままの勢いで地面に蹴りの勢いは炸裂する。 「「?!?!」」 吹き上がるのは気化したアスファルト。 彼女は交錯する猟犬と仮面の男、鬼の娘のど真ん中に落ちて直径3mほどのクレーターを作成した。 戦闘を強制終了させられ、硬直する3人。 「目の前で取り返しがつかないことが起きてるのに、何をやってるかね、この馬鹿どもは」 天から落ちてきた銀髪の女はそう悪態をつき、離れた位置に居るこちらをキッと睨む。 いや、違う。僕ではない。 隣の乙音さんを、だ。 「乙音、アンタがいながらこれは一体どういうことだい?」 「そう言われても、ねぇ」 困った顔で答える乙音さん。でも本心ではあんまり困っていない顔だ、これ。 「そもそもこの状況はアンタら機族にも不都合だろう?」 叫ぶ彼女は、傍の仮面の男や猟犬に構うことなく続ける。 「イグドラシルは地の植物たちを制するネットワークを介して地脈を制する。対してアンタらは人間たちの作り出したネットワークを介して世界を見る」 仮面の男が銀髪の彼女に掴みかかる! しかしまるでその動きが予め分かっていたかのように、軽く足払いをして男を猟犬へと投げ飛ばした。 猟犬の方もこれは予測していなかったらしく、2人はぶつかり合いながら倒れる。 「人間達が勢威を減衰させたら、お前達の勢力圏も減るだろう?」 「んー、そうですけど。でも今の状況を引き起こしたのはさくらちゃんよ。彼女を推している貴女こそが予め手を打っておくべきではなくて?」 乙音さんの言葉に銀髪の女の眉がひそむ。 「む。まさか私もこんな状況を望む子とは思わなかったからね」 「だけど私が止めても、いずれこの状況にはなったのではないかしら?」 言って乙音さんは銀髪の女の後ろ、桜の巨木を見つめる。 「物言わぬ植物ではなく、自ら行動を起こす存在への変化を」 銀髪の彼女も背後の巨木を見上げた。蹴り落とした枝はとっくに回復してしまっている。 そして相変わらずとてつもない妖力を溜め込んでいた。 「し、師匠!」 叫びは僕の隣、浩二郎からだ。 「ごめんなさい、僕がしっかり魔剣を渡せなかったから」 浩二郎の声に、なんと師匠だという彼女は彼に視線を移して苦笑いを浮かべた。 「いいのよ。私はてっきり今のこの状況がイグドラシルの目的かと思っていたのだから」 「うっかりさんね」 笑う乙音さんに、 「誰がうっかりさんか!」 叫び返す銀髪の彼女。 よくよく浩二郎の師匠である彼女を見れば、長い銀色の尾に、耳にも獣の耳が見てとれる。 妖狐だ。 それもかなり霊威の高い、稲荷神と呼ばれてもおかしくないほどに強い力の持ち主と感じ取れる。 そして何より。 その肩にぶら下がるようにして背負われている少年。 傍らの桜の巨木の妖気と同等なほどの高い力が立ち昇っていた。 そのせいで稲荷の彼女の力が小さく見えてしまう錯覚に陥ってしまうくらいだ。 あの少年は何者なのだろう? 「さくら!」 叫ぶ浩二郎の師匠。 しかし此花さんを飲み込んだ桜の巨木はゆっくりと地脈に歪んだ妖気を流し続けているだけだ。 「ダメよ、聞こえないわ」 乙音さんの言葉に、 「なら力ずくで、目を覚まさせる!」 叫んで、大きく右腕を振りかぶった。 「そこの鬼!」 「は、はぃ!」 傍で立ち竦んでいた鬼の少女はビクリとその身を震わせる。 「私にありったけの雷を寄越しなさい」 「え」 「やらないと、喰う」 「……はい」 ぐぉん 耳の中がもやっとする音が空気中に響く。 鬼の少女の頭上には、直径5mはあろうかという青白い電気の塊が浮いていた。 「いいん、だな」 「さっさとしな」 「っ!」 電気の塊が銀髪の女性を打つ! 同時に彼女の髪が逆立ち、妖気は破裂寸前にまで高まった。 「イグドラシル!」 『まったく、力ずくというのは私の流儀に反するのだよ』 肩に掴る少年が愚痴った。 しかし口は動いていない。まるで思念が直接脳に届くような、そんな声。 帯電した彼女の拳に、少年の手が添えられる。 「たぁぁぁぁぁ!!!!」 彼女は桜の大樹の幹に、ありったけの力を込めた正拳突きを叩き込んだ。 途端、ゴリというかメキというか、そんな音を立てて大樹に蒼白い炎が流れ込む! ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 「「?!?!?」」 地鳴りのような、しかしこれは明らかに桜の大樹が放つ『悲鳴』。 身悶えるようにして、なんと巨木が身をよじる! 蒼い炎に包まれた太い枝が、狐の彼女に向かって横殴りに叩き込まれた。 しかし彼女は、それを大きく後ろへ跳躍することで避ける。 ぶんぶんと、当たりでもしたら天に輝く月にまで飛ばされてしまいそうな枝の打撃が空を切る。 同様に巨木から距離をとったのは、先程まで交戦していた3人だ。 彼らにも向かって、狐の彼女は命令口調で告げた。 「根は焼いた。あとは妖力の漏れ出す元を叩くだけ。各人成すべきことは分かってるね!」 言葉に浩二郎が僕に手を差し出した。 「兄さん、力を貸して」 「…それは此花さんを救うことにつながるかな?」 「そうする為にも、僕らは見てるままじゃいけない」 そして僕は。 「そうだね」 浩二郎の手を取ったのだった。 そろそろ終わりも見えてきたかな。 6th Sep/2009 月曜日はやっぱり疲れが回るのが早いなぁ。 震える桜の神樹に向かって2つの人影が近づいていた。 「巧ぃ、一体何なんだよ、これは」 「分からないよ、歩。でも卯月くんの家の方だし、急がないと」 「あのさ、気のせいかもしれないけど、あのバカでかい木みたいの、動いてないかな?」 「き、気のせいだよ」 少年は少女の手を取り、足を進める。 先程まで、猫寝荘があったところに向かって。 「ふぐっ!」 少女の顔が、少年の背中にぶつかった。 「ちょっと、巧。急に止まるな…よ?」 2人は目の前で展開される光景に唖然とする。 それは明らかに『人ではない』モノ達による饗宴だった。 「兄さん、月を呼ぶよ」 自信満々に言う浩二郎だが、 「ちょ、僕にそんな力はないぞ」 「大丈夫。僕が主体に呼ぶから、兄さんはサポートして欲しいんだ」 「分かった」 僕らは藍色の夜空を見上げる。 少し欠けた月が浮かぶそこに、僕らは思いを馳せる。 天上に浮かぶ月は、僕らの聖地。 神と成った兎だけが行き着くことの出来る、僕らの理想郷。 今、この地上から。 僕らは月を呼ぶ。 「「月は流転する」」 声が重なる。 繋ぐ手は二の腕から兎のそれとなり、僕は白、浩二郎は黒い毛に包まれる。 ともに頭に揺れるのは兎の長い耳。 遠く遠く、天上の月の音まで聞こえてきそうだ。 「「今ここに、その全ての光で照らせ!!」」 兎神となった浩二郎の妖力と、僕の僅かなそれとで月に住む僕らの眷属は願いに答える。 月が。 満月と化した。 眩しいほどの月光を受けて、妖達の力は倍増する。 犬神は月に向かって吼えた。内から湧き出る力に喜びを示すように。 稲荷は静かに月を見上げ、全身に冷たい光を満遍なく浴びる。その様は天からの魔力を吸い込んでいる様。 鬼は仮面の男の手を取り、その額に生える一角を満月に向ける。消耗した妖力をまるで月の光から変換するように。 一方で、月の光を浴びる桜の神樹はなおいっそうもがき苦しむ。まるでその身に浴びる光が有毒であるかのように。 そして。 『かつてこの地は我ら植物が支配していた』 桜の神樹の前、地上10mのところにイグドラシルと呼ばれる少年が浮いている。 彼はもがく同族を諭すように、こう続けた。 『今の人間と同じく、この世の全ては我らのものと思ったものだ』 苦笑いを浮かべる少年はしかし、その外見とは裏腹に酷く年寄りめいた表情をする。 『そして限界がきた。ただただ己の欲するままに生きてきた結果、進化の限界にぶつかってしまったのだよ』 そんな少年を、桜の枝が打った。 しかしその打撃はまるで霞でも打つかのようにすり抜けてしまう。 まるで少年の姿は映像でもあるかのようにも映る。 『お前はかつて我らが切り離した欲求の一つ。我らの力が弱まった今、その力を少しだけ借りようと思っていたが、今のお前はやりすぎだ』 苦笑いが消え、少年の表情は冷たいものに変わる。 『それではお前が嫌う人間と同じだ、そしてかつて我らが起こした過ちを再び踏む、愚か者だ』 「では」 くぐもった声が、聞こえてくる。 それは此花さんのようであって、別のものが混じっているかのような声。 「ではどうすれば良いというのだ。黙ってみているとでも言わんばかりではないか」 『ああ、そうだとも。天魔よ』 イグドラシルははっきりとこう言った。 『我ら年寄りはただ黙って見ていればいいのだ。そして人間達の中でどうすべきなのかを考える為にお前がいるのだ、さくらよ』 暴れていた桜の神樹はその身を鎮め、そして。 「生憎、ワシはお前ほど達観はしておらぬわ、イグドラシル!!」 真っ黒な妖気を帯びた枝の一撃がイグドラシルを打つ! 『んなっ!』 先程までと違い、それは少年の身を強く捉えて地面に叩き落した。 地面に向いていた禍々しい妖気の流れは、根を焼かれた今や完全に桜の神樹の内側へと向いている。 みるみる大樹が黒く染まり、強力な力を帯びていく。先の尖った無数の枝がツタのように絡み合い、まるでバリケードのように桜の樹を何重にも囲み始める。 「充電、完了」 浩二郎の師匠がニヤリと笑った。それを合図にして、妖達は動き出す。 「ウォォォ!」 犬神が繰り出される無数の桜の杭をその身に受けつつも、その両手に光る鋭い爪で枝を払い、血道を開く。 まるでミサイルのような彼はやがて桜の樹の幹にたどり着き、 「魔剣の呪力を無効化、する」 「応っ!」 その背後にぴったりと付いていた仮面の男と鬼の娘が、その両手に印を結びながら桜の樹の幹に両手で触れる。 ずくん 痛みが全身に走るような、そんな振動が起きた。 黒い妖気が生まれた時の逆回しのように、幹の中心に戻っていくように感じる。 そして。 「私の一撃は地脈を分断する!」 さらに後ろについていた稲荷の彼女は、両手を樹の前で切った。 バスンと、明らかに何かを断ち切る音が聞こえる。 それは間違いなく桜の神樹が焦げた根を伸ばしていた地脈を切った音。 「そろそろ目を覚ませ」 ぼそりと犬神は言い、神木の幹の根元辺りを片手で引き千切った。 半ばまで露わにされた幹の中から、彼女がその姿を現す。 此花 さくら。 その胸に黒身の木刀を抱えた彼女は、半ば木の中に埋もれたままで、その両目を開いたのだった。 あと2回くらいの予定です。もうしばらくお付き合いくださいね。 7th Sep/2009 祝・えれくとら10周年! おめでとう ありがとう イェーイ♪ と言うわけで、10年です。 長かったと言うか、短かったと言うか。 なんとも感慨深いものですなぁ。 10年という月日の中で、このえれくとらという場で色々なことをやらせていただきました。 エルハザード、ジオブリーダース、ヘルシングといった作品に対する二次創作やクイズ、人気投票。 守護月天等のアニメやマンガの二次作品。 ペルソナウェアやキャラリナキャラクターの作成といったマスコットキャラの創作。 VirginKissに、もみじひとひらというサウンドノベル。 そしてオリジナルな小説まで。 いやぁ、遊んだ遊んだ! ホント、お付き合いいただきありがとうございます。 10年目の本日は原点に返り、エルハxジオブリxヘルシング+αのショートストーリーを書いてみました。 お目汚しにならなければ幸いです。 → エルハxジオブリxヘルシング+αのショートストーリー でもホームぺージを始めたのは前身であるReverseWindowからなので、実は10年はとっくに過ぎていたという罠…… 11th Sep/2009 明日から一週間は出張週間の予定。 なんとか乗りきろう、うん! 「貴方達は」 此花さんはかすかに震える声で、こう言った。 「貴方達は、かつての生活を取り戻したいとは思わないのですか? 居場所を作りたいとは思わないのですか??」 小さいが、しっかりとした声だった。 それに応えるのは浩二郎の師匠である稲荷のお姉さん。 「かつての生活ってのは、どんなだい?」 「それは」 「一族郎党、何も変わることなく平穏無事に生きていく、そんな生き方かな?」 稲荷の彼女は此花さんの言葉を遮って続ける。 「それとも全てが停滞した中で、安穏と暮らす日々?」 彼女はそこまで言って鼻で笑う。 言葉を引き継ぐのは猟犬だった。 「そんなだから、滅ぼされるのだ。そしてそのような考えだから、我らは同調しない。時代は常に前へと進んでいる」 確かに後ろへ引き返すことは、ない。 「お前の言わんとしていることは分からないでもないが」 そう継いだのは仮面の陰陽術師。 「我々人間側としては、明らかな『敵』だからな。全力で止めさせてもらう」 言いながら仮面を取る。 下から現れたのは、精悍な顔つきの青年だった。その傍らで鬼の娘が静かに此花さんを見つめている。 見つめられる此花さんは一堂をぐるりと見回した後、僕に視点を置いた。 「総一郎さん。このままでは植物の眷属達は滅び、温暖化が進行してこの街も海に沈むわ」 そう告げる彼女の瞳には迷いがある。 「それでも人間達とともに歩んでいくと言うの? そこで生きていけるの? 私達の居場所はあるの??」 僕は隣の浩二郎を見て、彼が小さく頷くのを確認すると、彼女にこう告げる。 「僕は」 彼女の不安に揺れる瞳を見つめながら、はっきりと言う。 「僕はこの世界の中で、それを考える為にここにいる」 なによりも。 「此花さんはそんなに愚かだと思っているの? 彼らが」 人間達が。 「あ」 口を開く彼女。その視線は僕の後ろ? 同時、彼女が胸に抱く黒身の木刀が再び黒い妖気を噴出した! 木刀から湧き出るのは、明らかな悪意。この世全てに存在するモノに対しての、侵略の意思だ。 圧倒的な妖力に僕のみならず、犬神や稲荷のお姉さんも一瞬躊躇する。 再び、今度は強制的に此花さんが天魔に取り込まれようとしている、その時だ。 僕の脇を何かが走り抜けた。一つは一瞬で、もう一つはやや遅れて。 それは2つの人影だった。 小さなそのうちの一つは木の中の此花さんからおもむろに木刀を掴むと、もう一つの人影に投げ寄越す。 空中で巧くキャッチしたそいつは、そのままそれを僕の後ろへ向けて投げた。 受け取るのは乙音さん。 彼女は湧き出る妖気などものともせず、その黒い木刀を大きく振りかぶって。 ヒュゴッ! 投げた。 天へ向かって。 投げられた瞬間に耳を打つ衝撃波は、投げられた木刀が音速の壁を越えた合図。 ぐるぐる回転しながら上へ上へと飛んでいく木刀は、やがて天に輝く満月の中へと消えていった。 「んー、ちゃんと大気圏は脱出したみたいね。何年後かに月で森とか見れたりして」 ボソリと言った乙音さんの冗談のような言葉は、しかし本気を含んでいるように聞こえた。 木刀がなくなったことでみるみる小さくなっていく桜の大樹。 そこに覗く穴に向かって2人がそれぞれ手を差し出していた。 右手を差し出すのは歩。 そして左手を差し出す巧。 「なんだよ、そんなにオレ達人間のことを信用できないのかよ、ん?」 ちょっと怒ったように言う歩のその手を、此花さんは。 「そうね、私は貴方達を信じてみるわ、歩」 答えて右手で掴む。 「居場所がなくなるのなら作れば良いだけだよ、此花さん。その為なら僕も手伝うよ」 「ん、ありがとう、巧くん」 彼女は優しい笑みを浮かべ、彼の手を左手で取ったのだった。 13th Sep/2009 4泊5日の韓国出張から帰国いたしました。 疲れた。 それしか言えねぇ…。 明日から福島に1泊2日の旅行に行ってきます。 ノノ 19th Sep/2009 → 過去ログ |