Diary

注:ここより先は新しい日付のものが上になっております。ご注意ください。


月天SSの後編です―――


結局、シャオと離珠は元に戻ることが出来ないまま、なし崩し的に学校まで来てしまった訳で。
”離珠、お願いしますね”
”ま、まかせてでしっ!”
かなり心配かつ具体的にはどうするか指示のないお願いを投げつける上司と、根拠のない自信に満ちた部下の姿がここにあった。
そんな心の会話がやり取りされる朝の教室。
「なぁ、シャオ?」
「?」
カバンを机に置いたシャオ(中は離珠)に、太助は尋ねる。
「どこか調子が悪いのか?」
「よっ、シャオ。おはよ♪」
ぶんぶん
無言のまま、しかし思い切り首を横に振るシャオ。とてつもなく元気そうだ。
が。
「ぶはっ!」
長い髪が後ろから駆けてきた山野辺の顔面にジャストヒット!
「!?!?」
「あ、いや、だいじょぶだいじょぶ」
あたふたと慌てるシャオに、山野辺は苦笑い。
キーンコーンカーンコーン♪
朝のHRの始まりを示すチャイムが鳴り響き、
ガラリ
「おっはよー♪」
教室の扉の向こうから担任であるルーアンが登場。
その姿を見て太助もまた席につく。
そして肩に乗った離珠(中身はシャオ)に
「なぁ、離珠」
「?」
「なんか今日のシャオ、変じゃないか?」
ぶんぶん
こちらも元気良く首を横に振ったのだった。


離珠は心配そうに後ろの席に座るシャオを振り返る。
ぎこちなくシャーペンを手に、ノートと教科書を開くシャオの姿があった。
どことなく楽しそうに見えるのは彼女の気のせいだろうか??
”離珠、大丈夫ですか?”
”無問題でし!”
心話での問いかけに、彼女はウィンクも合わせて応答する。
『困ったなぁ、どうしたら元に戻れるんだろう……』
小さな彼女は小さなため息。
「ん? 離珠。何かあったのか?」
授業中だからだろう、太助が目だけを彼女に小声で問い掛けてくる。
彼の肩に乗った離珠は小さく首を振って彼に微笑みかけた。
太助は「そか」と小さく頷くと、授業に戻る。
離珠となったシャオは、改めて己の体を見返した。
小さな小さな星神の体だ。とても主である太助を守れる姿ではない。
『でもでもっ!』
彼女は――シャオは思い至る。
『この姿なら、いつでも一緒にいられますね、太助様♪』
小さな達成感を、彼女は小さな胸に得た。
守護月天は常に主を守るために傍にいなくてはいけない。
そう、思っていた。だから今までそうしてきた。
そうしていても、主を必ず守りきることは難しい。
けれど、この世界では主の傍にいることすらも難しかった。
当たり前と思っていたことなのに、難しいなんて。
彼女は上を見上げる。
そこには太助の顔がある。
常に触れる場所に彼がいる。
『なんでこんなことが、難しかったんだろう?』
今までの主と同じことをすれば良いだけなのに。
『どうして太助様だと、何かが違うんだろう??』
彼の顔を見上げながら小さな彼女は、その自問の答えに気付かない。


授業の合間の休み時間。
授業中。
そしてお昼休み。
男女別の体育の授業を経て、下校。
離珠は太助の肩で、頭上で、ポケットの中で、彼とともにいた。
そして気付く。
いつもの自分が行っていることと同じことを、太助もまたしていることに。
『太助様、私のことを見てる?』
例えば休み時間、たかしや乎一郎と話している合間に。
体育の授業中、隣のグラウンドから。
お昼休み、山野辺とともに出雲の売店へ買出しに行くときも。
そして今。
前を行くのはシャオを中心に山野辺とたかし、出雲。
そのすぐ後ろを太助にまとわりつくように花織とルーアン、そして乎一郎。
気にするような太助の視線を、シャオは気付かない。
妙に出雲と親しげだった。
『離珠っ、ああ、もぅ!』
太助の視線は、シャオが常に彼を見る視線と似ていた。
だから。
『こんなに傍にいるのに……』
太助は花織から昨晩の歌番組の感想を延々と聞かされつつ、適度な答えを返している。
前を行くシャオは、出雲のお菓子の話に楽しそうに耳を傾けている。
『…どうしてこんなにも遠く感じるんだろう?』
小さな彼女は、彼の肩の上で思う。
強く強く、思う。
『もしも私が私なら、もっと太助様の近くにいられるのに』
と。
”離珠が羨ましい……”
”シャオしゃま??”


っは!
右手にカバンの重さを感じた。
「あら??」
「どうかしましたか、シャオさん?」
出雲の声がすぐ左手から。
「戻ってる……」
シャオは足を止め、自身の両手を見つめる。
後ろを振り返る。
太助と目が合った。
彼の肩には、同様に首を傾げている離珠の姿。
「戻れたんだ」
「? どうしたの、シャオ?」
問う彼に、
「あの、太助様?」
シャオは彼に向かって駆けだし、
「ん? え!?」
空いた左手で彼の右手を掴んで人の和から抜け出した。
「晩御飯のお買い物、お手伝いお願いします」
「あ、こら、シャオリン!!」
ルーアンの怒鳴り声が背後から。
シャオに引っ張られるようにして駆け出した太助は、やがてその表情に笑みを浮かべ、
「あぁ、どんどん荷物持つよ」
「よろしくお願いします」
いつしか2人、手をつないで並んで走っていったのだった。


読みなおすと……甘いなぁ。
シャオはもっともっとネガティブじゃなきゃダメですね。
読んでいて暗くなるくらいの、将来ニートっぽさをださないとっ!
贈らないでおいて良かったわ(^^;


今期から始まりましたアニメ。
『ブラックラグーン』を観ましたよー!
なんか観ていて「上品な感じで違うなー」と思いまして原作を思わず読み直しました。
あぁ、セリフがなんかキレイになってるっ!?
レヴィが常識人っぽく見えたのはこのせいかっ!
放送的にヤバかったのかなぁ。そうするとシスターなんか絶対出番ないじゃん(死

15th Apr/2006


某サイトのHIT記念に贈ろうと思って書きつつも忘れてしまい、すっかり時期を逸してしまった月天SS。
仕方ないので前後編に別けてここにでも載せておこうと思います。
人はそれを「穴埋め」といふ。


「離珠はいいなぁ」
「??」
夜、蒲団の上で。
七梨家の、そこは今はシャオの自室となっている部屋でのこと。
首を傾げる離珠に、寝巻き姿のシャオはこう続けた。
「いつも太助様と一緒にいられて」
伝心の力を持つ離珠は、主と守護月天との間の意思疎通の手段として常に主の傍にある。
”シャオしゃま??”
「今日も朝と、学校からの帰りと、夜のご挨拶しかできなかったの」
ぼそりと呟く寂しげなシャオに、離珠もまたまるで彼女の鏡のように寂しそうに呟いた。
”シャオしゃま……”
「私が離珠だったらなぁ…」
”シャオしゃまと代わってあげられたらいいのに…”
そんな想いを抱きながら、守護月天と伝心の星神の夜は更けていく。


軒先からスズメの遊ぶ声が聞こえてくる。
シャオの朝は七梨家で一番早い。
それは主に暖かい朝食を用意するためであり……。
”……っん”
自然と目を覚ますシャオの、その日一番の視界に飛び込んできたのはいつも見ている木目の天井だったのだが。
”…天井が遠い?”
そして彼女の脇には何か大きなものが横たわっている。
それは彼女の着慣れた寝巻きの……。
シャオは立ち上がり、それを見上げた。
”あらあら、離珠。いつの間にそんなに大きく育っちゃったの??”
シャオの傍らで眠ったいたのは離珠である。
それもシャオの何倍もの大きさのある、巨大離珠だ。
「…んっ?」
シャオの思念に応じて離珠もまた目を覚ました。
「シャオしゃま??」
”キリュウさんのいたずらかしらね?”
「シャオしゃま、どうして小さくなってるでしか?」
眠たげに目をこすりながら問う巨大離珠。
”あ、離珠。あなたしゃべれるようになったの??”
「へ?」
小さく首を傾げ、離珠は「あー」とか「うー」とか言いながら辺りを見回した。
つられるようにしてシャオもまた自室を見回す。
巨大な鏡台、巨大な机。巨大な蒲団にビックサイズな学校の制服が見える。
それらが導き出すのは―――
”全部が大きくなってますね、キリュウさんのいたずらもほどほどにしてもらわないと”
「全部が小さくなってるでしーー?!?!」
まるで正反対の意見がぶつかり合って、守護月天と伝心の星神はサイズの違う視線を合わせて、
「「え??」」
再び周りを見渡したのだった。


部屋の鏡台には制服姿のシャオと、肩に乗る離珠が映っている。
しかし顔を見合わせる2人には互いが入れ替わって映っている。
すなわち、制服姿の巨大な離珠の肩に、伝心の星神の姿をしたシャオの姿、としてだ。
外見はそのままだけれども、当人同士にだけ本来の姿が見えるようだ。
これでは太助や他の精霊に相談しようとしても、まるっきり信じてもらえないだろう。
もっとも主に余計な心配はかけたくないし、他の精霊に対しても同じだった。
「どうしてこんなことになったでしか?」
”……どうしてかなぁ”
ほとほと困った顔で2人。
”南極寿星に聞いてみましょうか”
「一昨日から持病のリウマチで寝込んでいるでしよ?」
”あらまぁ、大変”
むしろ今の2人の方が大変ではあるが。
「その前に支天輪から星神を呼び出せるかどうかが」
”やってみましょう”
離珠サイズのシャオは彼女の肩から飛び降り、鏡台の上に置かれた支天輪に手をかける。
大きい。
彼女と同じくらいのサイズだ。当然、
”お、重い…”
持ち上げようとしてもびくともしなかった。
「離珠がやってみるでし」
”お願いね、離珠”
伝心の星神は支天輪を手に、いつも主がやっているように構えて、
「来々、虎噴しゃん!」
星神召喚。
しかし何も起こらなかった。
”だめね”
「だめでしね」
ちりりりり……
目覚ましが、鳴る。
そろそろ皆が起き出す時間だ。
”仕方ありません、ひとまずいつも通りにいきましょう”

はいでし」
2人は部屋を出て、今はまだ無人のリビングルームへを向かっていった。


「おはよう、シャオ」
”おはようございます、太助様”
「おはようでし、太助しゃま」
「……でし? しゃま??」
眠そうな顔に??マークを浮かべて、太助。
慌てて自ら口を覆うシャオ(離珠)はごまかすように彼のついたテーブルの前に一枚の皿を置いた。
「今日はスクランブルエッグかぁ」
コクコク頷くのはシャオと離珠の2人。本当は目玉焼きだったのだが、慣れない離珠は上手く卵が割れなかったために形に問題のないスクランブルエッグとなったのだ。
他にテーブルの上には市販のグレープフルーツジュースと、トースターと食パンが置かれている。
どれも料理の腕を問わないものばかり。
朝はとりあえず誤魔化せそうだ。
やがてルーアン、キリュウも半分眠った顔で現れる。そのころには太助もシャオも家を出る用意ができており、
「じゃ、行ってきます」
”行ってきます”
「行ってくるでし」
「「でし??」」
ツッコミを無視しつつ、シャオ(離珠)は太助の腕を掴んで慌てて家を出たのだった。


”離珠、あんまりしゃべっちゃダメよ”
「分かったでし」
シャオは肩に乗った離珠(中身は逆)に小さな声で答える、が。
「あのさ、シャオ?」
「なんでしか?」
「でし?」
「あ、しまったでし…ぐむぅ」
肩の離珠が慌ててシャオの口をふさぎ、そして足場がなく落ちる。
「っと! なに、やってるんだよ、離珠??」
慌てて途中で受け止めた太助は、人差し指で軽く彼女の額を小突き、自らの肩に乗せた。
”あー、びっくりした”
太助の肩でほっと息をつく離珠なシャオ。
ふと視線を上げれば、いつもよりほんの僅かに高い視線だ。
その視線のまま、僅かに後ろを行くシャオな離珠に目を向ける。
「?」
小さく首を傾げる彼女自身。
”そっか。太助様からは私ってこう見えてるんだ”
それが良いのか悪いのか。
太助のことがいつもよりも少し分かったような気がして、嬉しい気持ちになる離珠なシャオだった。


後編に続きます。
最近のラグナロク―――

桜吹雪の中のプリさん


『末っ子は可愛い』現象が発動いたしまして、唯一のJOB50転職でございます。
現在のLvは67/30。完全支援系を目指しており、攻撃力は唯一HLくらいです。
このレベルにてようやくINTがカンストし、次はDEXに振るかVITに振るか検討中。
支援系ならばVITと言いたいところですが、マニピやキリエの発動がかなり遅いのである程度はDEXに振らないと使い勝手が悪いですね。
取得スキルはリザ切りをしてTU放棄。その分キリエにまわし、余ったJOBはサンクに振る予定。
装備品も調えまして、+5DDアクワン,+4エリュタイドビレタ,+4イミューンマフラー,+5ハードロングコート,+4リジットバックラー,+4エギラシューズ,イヤリング&ブローチとよくよく見ればリッチ。
某ヤンキーなプリ様からのいただきものが大きいです、感謝♪(貢がせたわけではないよっ?!)
あとミニグラスさえあれば、当初の目的である「うさみみ+おさげなメガネプリ」という究極の萌えスタイルが発動するのですが……(^^;
そんな感じです。


【更新】オリジナルSS『Are you NEKO?』をアップしました。
【更新】オリジナルSS『The Message』をアップしました。

11th Apr/2006


ネコミミ妹の最終話です。
長いことお付き合いいただき、ありがとうございました♪


右手には雑木林。
そして丁度、僅かに広くなった場所がある。
そこには小さな盛り土と、割り箸の墓標が一つ。
そう。
私が埋めた、ネコのお墓。
「そっか……恨むよね、やっぱり」
今やはっきりと思い出した放課後に見た夢を記憶に辿る。
死に際のネコの想い。
そしてネコの見た私は、死の予兆である黒いモヤに包まれていて……。
「あ」
ということは、私は近いうちに…?
ぐぉん!
唐突に聞こえる、すぐ背後でのエンジン音!?
驚いて振り向けば、ものすごい勢いで突っ込んでくる無灯火の乗用車。
白い、見覚えのある車だ。
「あ!」
これはネコを轢いた車。
そして轢かれたネコを追い討ちを掛けるように蹴飛ばした運転手の顔が、フロントガラス越しに見えて気付く。
”避けられないっ!”
”危ない!!”
2つの心の叫びがあがる。
途端、全身の毛が逆立つような感覚に襲われ、反射的に体が動いた!
ぐぉん!
車が通りすぎる。
たった今、私のいた場所を踏み越えて。
そして私は遥か頭上の、雑木林から伸びる木の枝の上にいた。
「え?」
頭にはネコミミ、そしてお尻からのしっぽはちょっと興奮して膨らんでいる。
薄暗い時間だというのに、周りは明るく見え、さらには狭い路地を蛇行しながら爆走していく乗用車の傷跡一つ一つすらはっきりと見えていた。
夜目が効いている??
”良かった、守れた”
「へ?」
心の中で呟かれる小さな言葉。
それは私ではない、ワタシの声――私に憑いたネコの声だ。
「どういうこと?」
呟く問いに、私は自らの腕を見た。
「黒いモヤが…」
消えている。
”これで、安心。眠れる”
消え入る心の声に、私は声を荒げて問う。
「どうして?!」
どうして?
貴方を殺した人間を、私を恨んでいたんじゃないの?!
”どうして?”
問いがそのまま返される。
”どうしてアナタを恨まなきゃイケナイの?”
不思議そうな、そんな小さな声。
「だって…」
”好きな人、守れた。死んだから守れた。だから”
小さな声はさらに小さく、遠くなる。
”だから、ワタシの死、無駄じゃ、ないよね?”
「無駄とかそんな…違うよ、そんなことじゃないんだよっ。貴方はっ」
自分でも何を言いたいのか分からなかった。
ただ、声が遠くなるごとに、体からネコの力が消えていくのが分かる。
”それじゃ…さようなら”
だから、私は。
「待って」
呟き、枝の上で立ち上がる。
「もぅ少し…もう少しだけ、私に力を貸して」
”?”
私は視線の先、路地裏を相変わらずありえない速度で走りつづける車を睨む。
「誰も、二度とこんな思いをしなくて済むように、ね」
その願いは、消えつつあったネコミミとしっぽが再び実体化したことで聞き届けられたことが分かった。
そして私は夜空を駆ける。
枝から屋根へと。
屋根から電線へと。
駆ける駆ける―――空には三日月ときらめく星々。
夜に紛れて疾駆する私に気付くものは天上のそれらくらいだ。
弧を描く路地裏通りを直線にショートカットして、私は爆走する乗用車の前に回り込むことが出来た。
電柱の上からやってくるその車めがけて。
ドン!
ボンネットの上に降り立った。
「?!」
フロントガラス越しで、赤ら顔の中年男が目を白黒させている。
信じられないものを見る目つきで私を指差し―――私は彼を一瞥してから大跳躍。
走る車から再び電柱の上に飛び乗った。
背後で過ぎ去る車は蛇行したまま、やがて。
ガシャン!!
鈍い音を立てて、T字路の壁にぶつかって止まったのだった。


今日も袖を通したYシャツはパリッと仕上げ。
クマさんの刺繍の入ったエプロンをかけ、火にかけたフライパンでベーコンを炒める。
『警察は岸上町で相次いでいたひき逃げ未遂事件で昨夜、自損事故を起こした男を逮捕しました』
「あら、捕まったんだ」
チン!
背後でトースターの音が響く。
食パンが焼きあがった証拠だ。
『男は常習的に飲酒運転を行っていたとされ、余罪について追求する見込みです』
「へぇ」
パタパタパタ……
廊下の外、2階からちょっと早足で駆けてくるいつものスリッパの音。
『また男は、事故後に病院へ搬送された際に『ネコミミの女子高生が降ってきた』などと破綻した供述をしており……』
パタパタパタ、ごしゃしゃ!!
階段の途中で転がり落ちる音が聞こえた。
やがて少ししてから、
ガシャ!
リビングルームの扉が開く。
「おはよう、お姉ちゃん」
「おはよう、茜」
大きめのパジャマをまとった茜は、長い袖で目に浮かんだ涙をこしこしと拭きながら食卓へ。
「今日はどこぶつけたの?」
ベーコンを皿に取り分けながら、私は問うと、
「右足の小指」
答える茜は、椅子に座ってその辺りを撫でながらメソメソと答えた。
痛みに目が覚めた彼女の頭には、今日も小さなネコミミがちょこんと乗っかっていて。
「ああ、もぅ、可愛いっ!」
「にゃーーーー!?」
遠慮なく抱きしめてしまったとしても、それは姉の特権と言えよう。


最近のお仕事―――
なんか苦行の無限ループ中。
もともと終わりがないものだけれど、そういうものは心の中で終わりを見つけていかないと気持ちの切り替えができんものやねぇ。
ちょっとバタバタしてます。
そんな感じ。
ちょっと息抜きってことで『成分分析』してみた。
当サイト「えれくとら」の成分は次の通りでした。
 えれくとらの41%は株で出来ています。
 えれくとらの23%はミスリルで出来ています。
 えれくとらの22%は信念で出来ています。
 えれくとらの12%は白インクで出来ています。
 えれくとらの1%は知恵で出来ています。
 えれくとらの1%は毒電波で出来ています。
株って……どこの銘柄やねん??

10th Apr/2006


アニメの市場が儲かるとか、多分多少間違ったこと考えたのか分からないが…。
今期始まったアニメの新番組の本数は尋常じゃない気がする。
それを取り敢えず手の届くものだけはチェックしている自分に、ちょっと腹が立ちつつ終わる土日の休日でございます。
今回のチェックで結構本数絞れてよかったってことで。

【更新】遅ればせながら雪音の4月分更新。
【更新】日記ネタの小話で長編以外をちょっとまとめなおしましたよ。

9th Apr/2006


お花見、しましたか?
さて今回はネコミミ妹のお話の続きを。
追い込みですよ、起承転結の転です、レットゥゲザー♪


夢を見ている。
私がワタシではない、過去の夢を。
ワタシはいつもの巡回コースを歩いている。
そろそろ「彼女」の来る時間だ。
今日は何を持ってきてくれるだろうか?
パンかな?
おにぎりかな?
から揚げかな?
自然、足取りも軽くなる。
右手に雑木林。
左手に「彼女」達人間の住む住宅地。
ちょうどここは、自然と人間達の作り出す文明の境目。
そしてそれはワタシ達にとっても同じこと。
けれど。
ワタシ達には特別な能力がある。
人間ではないワタシ達にある能力―――それは。
人間達の家の1つが、黒いモヤに包まれているのが見える。
そこには確か……そう、時々ワタシを撫でてくれる爺さんが住んでいるはずだ。
そうか、そろそろ『死ぬ』んだな。
旅立つ前に、一度挨拶しておこうと心に決める。
ワタシ達の能力。それは『死の気配を感じ取ることが出来る』こと。
それがワタシ達、ネコ族の能力の1つである。
やがて見えてくるのは雑木林の中に設けられた、ちょっとした広場。
ぐぅ
お腹が鳴った。
ワタシは思わず駆け足。
と。
どん!
重たい、そんな音が耳いっぱいに響く。
なになになに?!?!
同時に視線が高くなる。
いくら高くジャンプしても、こんなには高く飛べないだろう、そんな高さ。
やがて視界には地面が一杯に映った。
体は――動かない。
どん
再び音。
横たわる視界。
動かない体。
目に映るのはアスファルトの地面と、白い物体――自動車だ。
はねられたのか??
やがて自動車から人が降りてくる。
ふらふらした足取りの、男。
くさい。
酒くさい男。
そいつの顔は見えない。ただ足しか見えない。
ワタシの前で足が止まる。
「にゃぁ」
ワタシの声が思わず漏れる。
黒い革靴の足が……大きく振りかぶられてワタシのお腹にめり込んだ。
「ぎゃ」
浮遊感。
そして背中から地面に落ちる衝撃。
視界には群青色の空と、暗い色の木々の葉。
「ちっ、へこんじまったじゃねぇか。クソ猫が。飛び出してくんじゃねぇよ」
そんな人間の言葉とともに、唾が吐きかけられる。
バタン
扉が締まる音が聞こえ、やがて車が遠ざかっていくのが分かった。
今になってじわじわと痛みが広がってくる。
あぁ
視界もかすむ。
血がどんどん流れ出していくのが分かる。
体がどんどん冷たくなっていくのが分かる。
そして。
ワタシ自身が黒いモヤに包まれていくのが分かる。
あぁ
そうか。
ワタシは死ぬのか。
悔しいなぁ。
悔しいなぁ。
なんでこんなにも…こんなにも理不尽に殺されなきゃいけないんだろう。
なんでだろう。
人間なんて、大嫌い。
クソっ、クソっ!
心の底から恨む。
遠のく意識の中で恨み続けた。
そんな時、不意に体が抱き上げられた。
暖かな感触と、美味しそうな匂い。
これは……。
かすんだ目を見開いた。
あぁ。
ワタシの視界一杯に映るのは、人間だ。
何か叫んでいるようだけれど、何も聞こえない。
ただ分かるのは、この人間を黒いモヤが包んでいることだけ。
死んでしまえば良い、大嫌いな人間なんて。
ワタシを殺す人間なんて。
けれど。
けれど、ワタシを撫でてくれたのも、ご飯をくれたのも、今こうしてワタシの為に泣いてくれるのも……。
人間だった。
「にゃぁ」
ワタシは鳴いた、泣いた、ナイタ。
ただただ、ワタシが望むことを望みながら―――


―――ゃん、茜ちゃん」
「ん……はっ」
揺り動かされて目を覚ます。
ここは図書館。目の前には文芸部の北上先輩の姿。
「あ、寝てました?」
「ええ、ぐっすりと」
北上先輩は微笑むと、窓の外を指差した。
赤い空だ。
すっかり夕方になってしまっている。
「あんまりにも気持ち良さそうな寝顔だったから誰も起こすのためらってたけど」
先輩は笑って言った。
「でも感想発表会はきっかり来週あるからね」
「あ、はい、ごめんなさい」
「じゃ、私は帰るわね。また明日」
「はい、お疲れ様でした」
気がつけば図書館にはほとんど人がいなくなっている。
私は読んでいた本を棚に戻し、帰り支度。
その前にちょっと職員室を覗いてみることにする。
明かりのついた職員室にはお姉ちゃんを囲んで何人もの先生達がそれぞれお説教を同時進行で行っていた。
お姉ちゃんはといえば……あ、耳栓してるし。
「ごめんね、お姉ちゃん」
呟き、そっと扉を閉めた。
まだまだかかりそうなので、先に帰って晩御飯の準備をしておいてあげよっと。


帰り道。
お葬式の列に会った。どうやらお年寄りが亡くなったらしい。
知らない人だけれど、なんだか気にかかる。
なんだったかな??
「あ」
気づく。
右手に雑木林。
左手に住宅地。
そして……さっき、図書館で見た夢。
それはネコの夢。私がよくこんな帰り道でご飯をあげていたネコの夢。
「あ、あぁ…」
そうか。
あのネコは、私の胸の中で死んだ。
そうか。
車に轢かれて、死んだみたいだった。
そうか。
あの夢はあのネコの死ぬ直前の想い。
私は自らの頭に手を伸ばす。
そこには今はない、ネコミミのある場所。
「そうか、そうだよね」
夢を思い出す。
ネコの想い。自分を殺した人間への恨み。
「人間を恨んで、当然だよね」
そうだったんだ。
「ごめんね……」
呟いても、その相手はもういない。
ようやく分かった。
私はあのネコの、人間を恨んだあのネコに『呪い』をかけられたんだってことを。


次回、最終回!
死の予兆に包まれ、ネコの呪いにかかった妹さんの運命や、如何に?!

2nd Apr/2006


ネコミミ姉妹の話の途中ですが、どうしても書きたくなったものがありましてさくっと書かせていただきました。
軽くお付き合いください―――


軽快な駆動音が部屋に響く。
「……SHIT!」
俺はこいつが順調であればあるほど、不快な気分に襲われる。
まだまだ現役でこいつは動くことが出来る。
こいつの名は戦艦『長門』。
かつては我が国のコロラド、メリーランド、ウェスト・ヴァージニアと肩を並べ、世界の海に『ネイバルホリデー』を15年間に渡ってもたらしたビッグ7の1隻である。
憎く、恐ろしくも、そのフォルムが美しい大日本帝国軍の超々ド級戦艦。
かつては俺達と、このアメリカ合衆国海軍と対等にやりあうことの出来たヤツ。
だがそれは時代に取り残された、古びて錆びた力だ。
今回の戦争では戦闘機乗りが主役だった。
遥か上空から、追いつけないスピードで爆弾を、銃弾を、魚雷を放ってくる。
かつての威容を誇っていた戦艦達は、敵にしても味方にしても戦闘機に次々に沈められていった。
そんなクソッタレな戦争で、戦艦乗りな俺のような古い考えを持った連中は次々と倒れていったんだ。
主砲におけるロングレンジの有効性について熱く語り合ったジョージにボブ。
艦の速力こそが命と一歩も譲らなかったスティーブ。
厳格だが、涙もろかった艦長。
かつては世界の海に君臨していた俺達は、そのメンツにかけて戦い抜いた。
時代遅れなのは分かっちゃいる。だが俺達は泣く子も黙る海軍だ。
敵である日本軍は死を厭わぬ常識外の覚悟でやってくる。
悲惨な戦いが続いたさ。
気づけば、死に物狂いなあの戦争は終わりを告げ、俺はいつしか一人になっていた。
戦いには勝った。
けれど何も残らない。いや。
何もかも失い、心にぽっかり穴があいた感じが今でも続いている。
俺自身は歳は取ったが、まだ走れるし、目も老いちゃいない。
だが、今の時代についてはいけない。
この戦艦に乗っているやつらを見てしみじみ思う。
戦争を隣街のチームとの練習試合程度にか思っちゃいない、ルーキーどもだ。
B29からテキトーに爆弾落として、勝った気でいられる新兵さ。
だが、今はそんな戦い方が正しいのだと思う。
だからこの中では俺なんかは浮いちまっている、厭われるくらいだ。
そう。
俺も、そしてこの長門も、死ぬ機会を逸したんだ。
「SHIT!」
再度呟く。
軽快な長門の駆動音。
かつては…いや今でも俺にとって畏怖と敬意の対象であるこの船は処刑場へと連行されている。
マーシャル諸島のビキニ環礁。
そこで行われるのはクロスロード作戦。
広島と長崎に叩きこんだ原子爆弾という新型爆弾の標的に用いるための長門最後の航海である。


「SHIT!」
なにやらメリケンが叫んでいる。
やつらがこの船に乗り、あまつさえ運行するなど屈辱の極みだった。
私はこの偉大なる船『長門』の整備を続けてきた。
大日本帝国海軍の顔とも言うべきこの長門。
此度の太平洋戦争開戦時には連合艦隊旗艦として活躍し、運良く地獄のようなあの戦争を切り抜けた我が国唯一の戦艦。
しかし国民が一丸となって当たった戦争には敗れ、東京を始め度重なる空襲で街は灰燼と化した。
とどめはメリケンの新型爆弾だ。
広島、長崎を続けざまに焼き尽くし、我々は破れた。
そして今。
我々の剣となってくれた長門もまた、蹂躙されようとしている。
長門が向かうのはマーシャル諸島のビキニ環礁。
そこで広島と長崎を焼き尽くした爆弾の実験の標的として長門が使用されるというのだ。
「くそっ」
呟く。
廃墟と化した街を見て、私は自らの力のなさを何度悔いたことだろう。
長門という力がありながら、私達は守るべきものを守れなかった。
荒れ果てた地を前にして、どうしたら良いか分からずに途方にくれていた私は、長門の航海にあたって臨時の整備員として徴収された。
そこで聞いた、長門の処分。
かつて世界の海に平和をもたらしていた、帝国海軍の誇りであるこの長門が。
同じように焼き尽くされんとしている。
「くそっ」
せめて、死に水はとってやりたい。
その思いで、私はこの航海に参加した。


1946年7月1日。
マーシャル諸島のビキニ環礁。
戦艦ネバダを中心に、長門は400mのところに置かれた。
第一実験は原子爆弾の空中爆発。
そこから遥かに離れた場所で、人々はその瞬間を待つ。
カッと光る強烈な光。
遅れて来る爆音と強風。
視界の先にはキノコ雲。
「「おおおお」」
一同はその新型爆弾の威力にどよめく。
だが雲が晴れ、海上に浮かぶ船影を目に、再び彼らは驚くことになる。


「無傷だと?!」
俺は慌てて双眼鏡で爆弾の余波が薄れつつある海上を見る。
そこにはまるで何もなかったかのように泰然とその姿を残す長門の姿。
「ば、ばかなっ! あの爆発に……我が国の最新鋭の技術を施した新型爆弾が全く効かないだと」
驚いた。
そして俺は気づく。
己が笑っていることに。
なぜ笑っているのか分からない。
分からないが……胸にぽっかりと開いた穴から何かが出てきそうな、そんな奇妙な感触がした。


「沈まない?!」
私は驚愕に目を見開いた。
長門以外の船は沈むか、ほぼ大破である海上で、悠然と長門は佇んでいる。
メリケンの新型爆弾は、瞬間爆発点でセ氏百万度という超高熱となる。
また膨張した空気は衝撃波を生み、爆心地を中心として音速を上回る時速千三百キロもの勢いで進むのだ。
それを、それを耐えた。
それも爆心地方向の装甲表面が溶解したのみで、運行には問題のない無傷の状態で。
「長門……」
メリケンの爆弾開発のスタッフ達の声を聞きながら、私はじっと静かに浮かぶ長門を見つめつづけた。


7月24日。
第二実験である原子爆弾の水中爆発。
長門は爆心地から900〜1000mの位置に設置された。
合図とともに爆弾が起爆。
巨大な水柱が長門以下、標的艦を呑みこんでいく。
長門と同じ位置にあった戦艦アーカンソー、ネヴァタは一瞬で轟沈。
その他の船もほぼ大破レベルの傷を負い、海に呑みこまれていった。
しかし長門は、僅かに約5度の傾斜を生じただけの損害を受けただけで、依然その姿を海上にさらしていたのだった。


「耐えやがった……」
俺は知らずに呟いた。
「ハ、ハハハ……」
笑いがこみ上げてくる。
胸にぽっかり開いていた穴から、すべてを失った虚脱感を払拭する何かが湧いて出てくる。
そう、ヤツは耐えた。
時代遅れのポンコツなヤツが。
かつては世界の海をまたにかけて覇権を競った、強敵のヤツが。
ヤツが耐えたのなら。
対等にやりあってきた俺『達』だって耐えられるはずさ。
「そうか」
そうかそうか。
俺は、俺達まだ、ダメじゃない。
「決心がついたよ、貴様の矜持を見てな」
俺は長門に背を向け、心の中で告げた。
ありがとうよ
そして
一緒に行こうか。
俺はまだやれる。だがもぅいいだろう。
俺達の力は、次は別の場所で使うべきなんだ。
第一線なんかじゃなく、全然別の場所で……。
さぁ、老兵は引退の時間だ。


「あ……あぁ」
私はわずかに傾いただけの長門に感嘆の息しか出なかった。
広島・長崎を焼き尽くしたあの爆弾。
2度もその身に浴びて、なおもその威容を誇る長門。
「あぁ…そうか、そうですね」
長門は耐えた、2度も。
『彼女』に耐えられて、彼女とともに永年あった私が耐えられなくてどうする?
そうだ。
私は耐えることもなく心を自ら折ってしまったんだ。
「ありがとう」
私は一言、そう呟き、彼女に背を向ける。
彼女はその身をもって教えてくれた。
心さえ折れなければ、何度だって立ち上がれることを。
私達は凄惨な戦いの果てに、大事なものを守れずに失ってしまったけれど。
私はまだ生きている。
生きているなら、失ったものは作り直せるんだ。
長門と過ごした時間の中で得たこの技術で、私は必ずや作り直してみせると彼女に誓う。


こうして長門は4日後の夜半に、誰に看取られる事もなく一人静かに海の中へと没していったという。
そして60年後の現在―――


青い海に青い空。
ここマーシャル諸島のビキニ環礁は現在、絶好のダイビングスポットとなっている。
小型船には観光客であろう、ウェットスーツを着込んだダイバー達が和気あいあいと騒いでいた。
そのうち白い肌を持つ男性と、黄色い肌を持つ女性。
「今日はバディとしてよろしく」
「よろしくお願いします」
互いに英語でそう言葉を交わす。
ダイビングは必ず2人1組となって潜り、その関係はバディと呼ばれている。
「うちの爺さんがぜひ見て来いってね、うるさいんだよ」
「うちもなんですよ。なんでも人生のすべてだったとかって」
やがて2人は他のダイバー達と同じく、地元の牽引係の指示に従って次々に海へと飛び込んでいく。
ダイバー達が青い海に飲み込まれて目指すのはその底。
青の先に、やがて巨大な鉄塊が見えてくる。
それはこの地に沈んだかつての戦争での主役達。
そして彼らが目の前にしたのは、かつて世界の海をまたに掛けていたビック7の一隻、戦艦長門である。
やがて先ほどの2人は藻の生えた艦橋付近にさしかかる。
「……」
「……?」
女性のダイバーが男性の肩を突つく。
彼女が指差すのは艦橋の一部。
そこには何か文字が書かれているようだったが、藻に隠されていた。
男性ダイバーが軽くそこをこすると、藻がはがれて文字が顕にされた。
古びた傷跡である文字は、こう彫り込まれていた。
「Old Navy Never Die!」
すなわち、古の海兵は死なず!である。


―――キャラクターについては創作、長門の原子爆弾実験と彫りこみ文字は実話です。
恥ずかしながらこの史実は最近知りました。
つか、当時は大和は極秘扱いだったので国民には長門のほうが知名度高かったそうです。
この2度にわたる爆発をしのげたのは当時の日本の造船の能力がえらく高かったと片付けるべきか。
この辺は知れば知るほど「いや沈まないでしょう。精神論で言わせてもらうと」って感じになってしまうのが怖いところです。
何はともあれ。
当時のすべての戦艦乗り達に、敬礼っ!

30th Mar/2006


近所のしだれ桜通りで、きれいに桜が咲いておりました。

しだれ桜


ソメイヨシノの方は来週あたりかな?
暖かくなるこの時期。
ただそれだけで嬉しいものです。
さて、今回もネコミミ娘の続きを。
次回から急展開予定―――


三時限目は古文。
担当のおじいちゃんな先生の朗読が……これがまた。
「ようようなるままにひぐらし」
抑揚のない低い声が響き渡る。
さらに二時限目の運動の後。
これで眠くならない方がおかしいと思う。
加えて私の席は窓際。暖かな日差しとやわらかな窓からの風が私を優しく包む。
抵抗することもなく、私はうつらうつらと―――
ああ。
なんていうか、丸くなりたい気分。
と。
不意に私は影に入る。顔を上げるまもなく、
「寝るなーー!」
すぱーん!
唐突にハリセンで頭を叩かれた。
「?!?!」
思わず出てしまうネコミミとしっぽ。
その声に、クラスのみんなの視線が一斉にこちらを向いた。
「「?!?!」」
しかしみんなの視線は窓の外。
おそらく屋上からだろう、ロープ一本でその体を縛ったシスタータイガーさんが窓の外にハリセン片手にゆらゆら揺れている。
「学生の本領は学業だぞ、茜」
「あ、は、はい」
「よし、ではまた会おう、はーっはっはっはー」
そのままシスタータイガーはロープをつたってまるでスタントマンのように鮮やかに下へと降りていく。
「授業が終わったら職員室に来るようにの」
おじいちゃん先生が目を細めながら呟くようにして言う。
でもその目はかなり怒っていることに、私は気づきたくないけれど気づいてしまった。


4時限目は調理実習だ。
隣のクラスの女子達との合同授業になる。
ちなみに男子達は近くの工場への勤労実習だ。
「さーて、やるぞぉ」
元気良く腕まくりして雪音ちゃん。
実はクラスで一番料理が上手かったりする。
「同じ班だね。頑張ろうね、茜ちゃん」
「うん」
そう言うのは相馬さん。三人一組で今日は『天ぷら』を作ることになっている。
私の班は相馬さんと雪音ちゃんだ。
……まぁ、正直、私は何もしないで見ていたほうが美味しいものが出来ると思う。
でも何もしないわけにもいかないので、とりあえず油を温めておこうかな、と。
お鍋にサラダ油を注いで…と。
どれくらい入れるんだろう?
いっぱいいっぱいに入れておけば良いかな、多い分には問題ないだろうし。
次にコンロに引火。強火でGO!
やがてお鍋の中、油がぐつぐつと煮立ち始めて。
ちょっとこぼれた。
そしてそのまま、
「へ?」
油に引火!
瞬く間に天井にまでとどく火柱の出来あがり。
「きゃーー!」
ぽぽん、とネコミミとしっぽが生える。
隠している余裕なんて、ない。
「ええ、茜ちゃん?!」
「な、なになになにーーー?!?!」
パニックに陥る相馬さんと茜ちゃん。
それは同心円状に教室内に波及して、誰も私の変化なんて気づきやしない。
それどころじゃないしね。
って、どうしようどうしよう?!?!
そ、そうだ。
困った時にはあの人を呼ぼう!
「助けて、シスタータイガー!!」
「とぅ!」
天井裏から突然降り立つシスタータイガー。
その全身はクモの巣まみれだ。
「だ、大丈夫?」
「無問題!」
親指を立てて彼女は答えると、テーブルにあったマヨネーズを火柱の立つ油の中に投げ込んだ。
ぼしゅぅぅぅぅぅ
そんな音がして、一気に消火した。
「消えた……」
ほっと一息、それに伴いネコミミとしっぽが消える。
「お手柄ね、唐沢さん」
家庭科の担当教師が同じく安堵のため息をつきながらシスタータイガーにそう声をかけた。
「マヨネーズには高い消火能力があるの。みんな覚えておきなさい」
「「はーい」」
教師の言葉に答えるみんな。
どうやら落ち着きを取り戻し始めたみたい。
「でも」
家庭科の先生はシスタータイガーを眺めて首を傾げる。
「3年生のあなたがなぜここに? それよりも、そのマスクは一体??」
「それでは、さらば!」
身を翻して教室を逃げるようにして駆け去っていく。
その後ろ姿に、
「こら! あとで職員室に来るようにっ!」
定番となり始めた教師のセリフが、背中に投げかけられたのだった。


あわやの火事未遂から、相馬さんと雪音ちゃんの活躍(?)で、どうにか料理の課題も終了。
それなりに満腹になったところで5時限目の世界史の授業へ。
今日はこれが終われば、あとは部活に寄って帰宅。
一日の終わりだ。
ちなみに私は文芸部に所属している。
定期的に読んだ本の感想発表会があり、来週にそれがあるのだ。
っと。
本日最後の授業は私の得意科目。
お姉ちゃんの…いや、シスタータイガーの出る幕はないはずだ。
「こら、そこで何をやっている!」
廊下からそんな声が聞こえてくる。
「なんだ、そのマスクは……こらっ、逃げるな、待て!!」
二つの駆け足が廊下に鳴り響き、そして小さくなっていく。
聞こえたのだろう、クラスのみんなが何故か私を見ていた。
私は……窓の外に広がる青空に視線を投げることで現実逃避するしかなかった訳で……。
そんなこんなで、本日の授業は私の変調をバラすことなくどうにか終了させることが出来たのだった。


最近のラグナロク―――
次女のウィザードさんの近況でも。

ゲフェンにて


Lvは72/43。INT極振り(94)のDEX次点振り型です。
マジシャン時代にTSを未習得だったため、MSとLoVは自然と習得しないスキル振りとなっています。
主な使用魔法はご多分に漏れず、QMにFW。撃ち漏らしにSSやFBを使用します。
またFWで複数敵を足止めして、確実なHDで葬ることも多いです。
G狩りではJT及びSGを10にしているため、それを基調に戦闘へ。
MSとLoVを取っていないため、スキルPは余っており、これはFNやSRにつぎ込んでおります。
現在の不足点としてはDEXが40くらいしかないため、呪文詠唱が遅いこと。INTにつぎ込みすぎたか……。
そこで武器は+7トリプルデクストローススタッフでDEXを補っています。
なお防具は、+4とんがり帽子・片目メガネ・+4ハードシルバーローブ・+4メモライズブック・+4グリーンブーツ・+4クイックフード・ヒールクリップ・クレバークリップ。
HP強化を狙っていますが、基本的にこの職は「敵を近寄らせない」ことが必須なのでHP強化しようがやっぱり死にます。
最近はFW縦置きが苦なく出来てきているので、結構無理な狩りもごりごり行っています。
でもやっぱり死ぬときは死にますけど(^^;
そんなこんなで目指すは「フロストノヴァ特化ウィザード!」(ぉ

26th Mar/2006


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