Diary
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一番怖いのは、とかく閑であることだと思う。 それを避けるため、色々自分なりに行動してみるがどこか空虚さは否めない。 そう悩んでいるうちに休みが終わると、これはこれでがっくりときてしまうものです。 そんな休日がこのところ続いてますわ。 んー、とりあえず稲荷話の続きでもいってみましょう。 盛り場のはずが、どうも盛り上がらない気がする。 最終的に取りまとめの時はちょくちょくといじるかもしれません。 ぐわっしゃ!!! それは破砕音。 木をへし折り、ガラスを突き破る、問答無用の破壊の音色だった。 あまりの音の大きさと普段聞かない音の種類。 その為、彼女はそれがまるで今しがたつけていたTVの向こうから流れてきた音かと思ったくらいだ。 だが音の出元は自らの部屋。 へし破られた玄関の戸と、内側から風圧で吹き破られた窓ガラスは幻ではない。 「え、えーっと」 コタツに足を入れたままの彼女はその惨状を見廻した後、原因となったのだろう闖入者の姿を目の当たりにする。 黒い羽毛に覆われた人型のモノだ。 両腕に当たる部分は烏のような真っ黒な羽に包まれ…いや。 頭に当たる部分は間違いなく烏そのものだ。鳥人とでも呼ぼうか、そう思いつつ呆然と見上げる彼女。 対する闖入者の尋常ではない赤い小さな瞳は、彼女を映していることに気付き……。 「!」 2人の間に壁ができ、視線は妨げられる。 「なにをぼーっとしてるの、逃げなさい!」 「あ、う、うん」 彼女に背を向けたまま、振りかえることなく姉が叱咤する。 声には彼女の姉には珍しく緊張が含まれており、それを感じた彼女は思わず息を呑んだ。 確かに、只者ではない。 彼女はともかく、九尾たる彼女の姉が事前に気配を感じるまでもなくここまでの接近を許したのだ。 あたふたと立ちあがる彼女は、姉の肩越しに敵と認定した目標を見る。 ”知らない人、だよね” だが。 なにかとても懐かしい感じがする。切り離された自らの一部に出会ったかのような。 黒い鳥人が翼である両腕を振り上げる。 「来るわ!」 姉の声。同時、九尾の力の一つである未来予測が実行される! 「くっ!」 「ぐ」 「!」 鳥人はまるで瞬間移動したかのように玄関の戸があった場所までたたらを踏み、稲荷の姉は驚きと困惑の表情を併せて左肩を押さえている。 そして姉に守られたのであろう、妹である彼女はわずかに左頬に擦過の跡をつけていた。 「え、なに、今の??」 頬に手をやりながら思わず呟く。 鳥人の動きが全く見えなかったからだ。全く、だ。 例えいかに早くとも、動きは時間と共に連続しているはずだが、まるでこの鳥人の動きは時間を切り取ったかのよう。 「お姉ちゃん?」 形容し難い恐ろしさを感じ、彼女は姉に声をかける。 「どういうこと」 答えはなく、姉は誰ともなく呟いていた。 「予測がぼやけてしか見えない」 「え?」 再度、鳥人が翼を広げる。 来る。 ゴッ! 打撃音が狭い部屋に響き渡った。 藤ゆたかさんよりバレンタインレナをいただきました、ありがと〜ん♪ ![]() ペガサス流星拳を彷彿とさせます、はぅーん(そして死 なお、ここで元ネタである「れなぱん」で遊ぶことが出来ます。 タイミングむずっ! 12th Feb/2007 バレンタインでしたね。 チョコのような甘い経験はしましたか? なお当方は経験値0です。いつでも歓迎です(死 寂しいのでバレンタインな小話でも。 「くしゅん!」 朝から何度目だろうか、そんな可愛らしいくしゃみを彼女はしている。 「うぅ、苦しい」 隣を歩きながら、そう心の底から呟いていた。 「今年から?」 「ん。2年前からかな。年々敏感になる上に酷くなるみたい」 半年前に付き合い始めた彼女は、そう言うとポケットテッシュを取りだし小さく鼻をかんだ。 「はっ……くしゅん」 止まらない。 今年は暖冬ということもあってか、花粉症が始まるのが早いらしい。 「もぅ、目は痒いし、鼻はつまるし、くしゃみは収まらないし……」 「ところで」 「ん?」 目に涙を貯めた彼女の表情は、いつもと違う。 そう、いつもは。 「眼鏡はどうしたの? コンタクト?」 「コンタクトなんてするわけないじゃない」 断言。 だからだろう。 「! っと!」 「きゃ!」 彼女の腕を思いきり引き寄せ、半ば抱きかかえる形になった。 「な、なになに?!」 「電柱」 目の前の電柱にぶつかりかける前に、思いきり引き寄せたのだ。 「あ、全然気付かなかったわ」 腕の中で、唖然と電柱を見つめて彼女。 「そんな視力でよく外歩けるね」 「だって仕方ないじゃない。くしゃみした拍子に落として踏んずけちゃったんだから」 ぐす、と小さく鼻をすすって呟く。 てことは、目もろくに見えず、鼻も利かず、ってことか。 人間の五感のうち2つも封じられているというのに。 「そんな状態で会おうって、よほど大切な用事なの?」 問いに、彼女は一瞬唖然とした表情を浮かべ、そして「もぅ」と困った笑みを浮かべた。 「??」 ごそごそと、肩にかけていた鞄の中を彼女は探ると、 「はい」 「あ」 手のひらサイズの、綺麗に包装された小箱を渡された。 真紅の紙でラッピングされたそれは、紛れもない。 「チョコレート、そうか、バレンタインか」 「普通、忘れる?」 怒ったような、呆れたような声。 「そうか、そうだね。ありがとう」 思わず笑みがこぼれて、そう告げる。 「そ、そんなに神妙にならなくても」 慌てて顔を背ける彼女。 「貰うことには慣れてなくてね。ありがとう、大切に食べるよ」 そんな彼女にからかうでもなく、直接そのままの本心を伝える。 「…うん」 言葉に、彼女は僅かに頷いてから笑顔でこちらを見上げてこう言った。 「来年も、また次の年もあげるから、さっさと慣れなさいよね」 ![]() なお、家に帰って食べたら実は、チョコではなくカレールーであることに口に入れてから気付いたのは余談。 鼻が詰まっていたり、眼鏡がなくても、これはないだろう?? 藍さんよりバレンタインイラストいただいたので、小話を書いてみましたよー。 あまーーいっ(某お笑いタレント風に) チョコあげてたりするカップルなんざ、カレールーで辛くなっちまえ、べらんめぇ! はぁはぁ(息を調えつつ、我に返る)。 藍さん、素敵なイラストありがとうございました♪ 14th Feb/2007 久々に10時間睡眠とったよ………。 気分が軽いところで、稲荷話の続きなどを――― 横に吹き飛ぶのは鳥人。 そのまま家財道具であるテレビを爆砕、部屋の外へと押し出された! 「ああああ! テレビまでーーー!!」 頭を抱える稲荷の妹を横目に、姉は新たな来訪者に無言で頷く。 「厄介なことになった」 苦い顔でそう言うのは、先程まで鳥人が立っていた場所でコートを脱ぎ捨てる猟犬の名を持つ男。 「とりあえず、取り押さえる他はないか…」 稲荷の姉は疲れた顔でそれに応え、2人は鳥人が出ていった方向へと駆け出していく。 荒れた部屋に残されたのは、稲荷の妹とそして。 「怪我はないですか?」 「あ、う、うん?」 彼女は見慣れている筈の青年に曖昧に頷く。 しばし呆然と彼を見上げていた彼女だが、次第にその表情が青冷め、そして気付く。 「どうして貴女が! 彼は、彼はどうしたの?!」 目の前の隣人の姿形は変わりはしないが、中身が異なることに彼女は気付き、悲鳴を上げるようにして言った。 「先程の烏にやられました」 「やられたって……」 「魂を『食われ』ました」 「食われたって……あ、貴女がついていながらっ!」 彼に詰め寄る彼女。しかしそんな彼女に表情を変えることなく、彼は続ける。 「相手が悪かったです。時間の隙間に潜り込める八咫烏に不意を突かれては、さしもの私も」 彼女は3人が出て行ったアパートの外に視線を向け、そして駆け出そうと立ちあがる。 それを彼は肩を押さえて止めた。 「魂を取り戻さないと」 「一度呑み込まれたモノは簡単には戻せないでしょう」 「じゃ、じゃあ!」 彼女はすがるように彼に叫ぶ。 「神の力を使ってよ! 時間を戻せば」 「私に仕掛けた八咫烏の能力は時間の狭間に潜り込むこと。過去と現在と未来を『確定』した上で成される能力ですので、私の力を上書きできないんです」 「……良く分からないけど、どうにかしないと。方法はないの?!」 「あります」 「なら、早くそれを」 僅かにほっとして、彼女はゆっくりと立ちあがる。 「早くそれをやって、彼を元に」 「しかし、です」 女神の入った彼は無表情に告げた。 「これは貴女にしかできないことで…」 「なんでもするわよ」 「そして、成功したら貴女は彼を二度と会わなくなるでしょう」 「え?」 「さらに」 女神は彼女の首に下がる、彼女の指には大きめ金の指輪を指差す。 「貴女が探しているこの指輪の送り主とも、二度と会わなくなるでしょう。それでも」 「それでも、良いわ」 女神は彼の顔で、僅かに驚きの表情を示す。 「『会えなくなる』んじゃなくて、『会わなくなる』んでしょう? それが私の意志なんだったら構わない」 彼女は女神に一歩詰め寄る。 「今は彼の魂が完全に呑み込まれて『会えなくなる』前になんとかしないと!」 アパートの外からは争いの音が聞こえてくる。 その音も次第に緩慢なものに変わっていっているようだった。 「早く!」 急かす彼女。 女神は彼女の瞳を見つめると、右手の人差し指を彼女の額に添えた。 「貴女はかつて、貴女自身の存在力を以って彼に巣食った妖物を貴女自身の内に封じました」 「??」 「当時の貴女は、自身を消すことでその妖物も消去したと考えたようですが、実際のところはただの封印です」 「そう、なんだ。でも彼はそんな事を一言も」 「彼の当時の記憶も貴女の妖力で制限されていましたから。八咫烏は彼の魂を食らったことで、魂に残滓していた妖物に暴走させられているようです」 「……で、私はどうすれば?」 「私はその封を解き、貴女の妖力と封じられた妖物を解放します」 「うー、そうすると解放されたその妖怪が八咫烏に残った自身の力を回収しようとする時、彼の魂も?」 「おそらく、八咫烏から吐き出されるのではないかと」 「分かったわ、それに賭けましょう! 早く封印とやらを解放して」 彼女は女神にそうせっつく。が、 「解放後のタイムリミットは3分くらいと認識してください」 「へ、どうして?」 彼女が女神を見上げると、彼の顔でやや困った表情を浮かべていた。 「解呪の術を使うと、私の力はほとんど尽きることでしょう。こうして憑いて、彼の生命の維持をすることも出来なくなるでしょうから」 「……ひとつ、聞いて良い?」 「なんですか?」 「力が尽きたら貴女はどうなるの?」 「んー、消えるでしょうね」 「死んじゃうってこと?」 「生物に例えるなら、そんな感じですかね」 「……どうして」 「はい?」 「どうして、そこまで彼の為にするの?」 何とも言えない、困ったような羨むような、そんな視線で彼女は彼の中の女神を見つめた。 「彼は私を『信じて』くれた、たった一人の『人』ですから」 小さく笑って女神は応える。 「せめてご利益の1つくらい、なんとかしてあげたいじゃないですか」 「ん! 分かった」 彼女は元気良く頷いて女神を見つめ直す。 「3分ね。私も負けずに頑張る!」 「お願いしますね」 そして女神は祝詞をゆっくりとつむぎ始める。 「あ…」 同時、彼女に少しづつ、彼女の内に凍結されていたものが戻り始める。 記憶と、それに伴う妖力。 「私は、嬉しいんですよ」 「ん?」 女神の言葉に、彼女は単音で問うた。 「かつての時代、私は私を信じてくれた人達を守ることは出来ませんでした」 祝詞を紡ぎながら、女神は気持ちも紡ぐ。 「僅かな時間ながらも蘇ったこの時代、私はまた信じてくれる人を守れないと思いましたが…」 「うっ」 彼女の中で、鮮烈に記憶が蘇る。 過去と現在の記憶と知識が交錯し、混在する。 僅かに呆然としながら、女神の言葉が耳に届く。 「同じように守りたいと思う人に、意志を繋げることが出来る。これはとてもとても、幸せなことです」 彼女の中で、かつての自分と今の自分が重なる。 気持ちもブレることなく、ぴったりと。 「あとはよろしくお願いしますね」 そう、言葉を残して女神は消え、 「分かってるよ、うん、分かってる」 一人頷き、彼女は大切な指輪をくれた人と、救うべき彼とに『会わない』決心をつける。 最近のラグナロク――― 亀島にて、タラフロッグカードを2枚ゲット♪ 1枚を使うとして、1枚は売れます。やったー! そしてS1ガード(80k)とS4カタナが安く売っていたので、過剰精錬に挑戦! +8カタナ→+9カタナ 失敗 +8カタナ→+9カタナ 成功 +4ガード→+5ガード 失敗×2 何気に手持ちのエルニウムと貯金が吹き飛びました。 +9カタナを+10にするのは多分失敗すると思うのでここで停止。 やっぱり防具の過剰精錬は私には向いていないみたい。リアルラックなさすぎ……。 多分、今まで精錬にかけたお金で完成品買った方が安いわ(しかも精錬にことごとく失敗してるしなー)。 タラフロッグカードを使える日は来るのだろうか(^^; ![]() Ordin鯖の方に2人目のキャラを作ってみました。 ケミ志望の商人さん。なかなかLv上がらねぇ。 てか、お金が全然貯まらなーい(^^; 気長に育てます。 25th Feb/2007 前日の酒が残ったまま、花粉症抑制の薬を飲むと「全く効かない」ことが判明。 同時。 今の時期、これを飲んでいないと地獄を見ることも判明。 たーすーけーてーーーー! 鼻水をすすりながら、稲荷話の続きをば――― 高くはない上空に、烏の翼を持つ異形の人形が滞空している。 見上げるは2人。 未来予測の能力をもつ狐の妖物と、追跡の技能を有する犬神だ。 鳥人は2人に何度目かの攻撃に移ろうと、さらに上空へ。 にゃー にゃー にゃぉー 四方八方から猫の鳴き声が響く。 それに応えるかのように、鳥人は何かに遮られるようにそれ以上上へはいけなくなる。 猫の結界による能力抑制効果。 この闘いの舞台は故に、地上の2人に分があった。 あるはずだった。 しかし肩で息をするのは地上の2人の方だ。 見上げる格好となる2人の視界から、鳥人が消える! 「っ!」 「ぬ!」 2人の姿もまた高速の動きによって、まるで残像のようにブレて見える。 時間の狭間に落ち込んで繰り出してくる八咫烏の攻撃。 狐は『未来予測』で、犬神は攻撃の『追跡』の能力によって回避しているが、物理的速度を伴わない事象相手ではそれは確実ではなかった。 対して2人からの攻撃は、変則的に空間から出現する相手には対応しきれない。 運良く当たっても、まるで綿を殴りつけているような感触だ。 「困ったね、体力も妖力も赤ゲージよ」 妖狐は額に汗しながら呟く。 「八咫烏にしても、能力の多用はそろそろ限界にきているはずだ」 犬神はそれに応えるが、己の言葉に説得力を感じていない。 鳥人の雰囲気からしてまるで消耗を感じさせない。 おそらく鳥人の本体である八咫烏の、生命自体を切り崩して妖力に変換しているのだろう。 「そもそもなんで八咫烏があの子の魂なんか食らったのよ」 「止める間もなかったのだから仕方ないだろう。オレに文句を言うな」 「言うわよ。第一、あの子と妹については今後はノータッチって約束したじゃないのさ」 「『なるべく』って前提だっただろう」 「あー言えばこー言う!」 「あぁ、もう、また来たぞ!!」 黒い鳥人は上空から消えるのに合わせ、地上の2人の姿は高速にブレる。 数瞬後、鳥人の姿は上空に戻り、地上の2人はさらに激しく肩で息。 「う、受けられるのも、あと2回は限度かも」 「あの娘に期待するしかあるまい」 「もぅ! 妹にはこのまま何も知らずに幸せになってもらおうと思ってたのにー! あとでアンタ、マジでリンチね」 「…これが無事に終われたら、なんでも受けてやるさ。しかし」 猟犬は周囲に目を配る。 彼らを囲むように遠巻きに見え隠れする猫達。 彼らの結界はしかし、2人には能力の抑制などの制限が働いていない。味方と見られていると言って良いだろう。 「何故貴様は、猫の領域にあらかじめ入ることが出来た?」 「決まってるじゃない、そんなの」 妖弧は呆れ顔で続ける。 「あの娘の姉だもの、私。客人を追い返すようなことをすると思う? アンタだって、あの娘の知り合いなんだから、正々堂々と訪問してれば追い返されることもなかったでしょうね」 「………む」 「ほら、また来たわよ!」 上空から問答無用で襲い来る鳥人に、2人は打開策を持てぬままに何度目かの迎撃を開始するのだった。 近所のツタヤに寄ったら、Suaraさんのアルバム「夢路」を発見。 聴きながらキーボードを叩いています。 レンタルじゃなく買っても良かったなぁ、このアルバムなら。 1st Mar/2007 なんか落ちついていないなぁ、った感じの日々。 【更新】雪音の3月分をアップデート。 すっかり忘れてたわ、もう3月かぁ。 8th Mar/2007 ホワイトデーですが、これほどまでに縁がないと悲しいを通り越してこの世の無常さを(以下略)。 ちょいバタバタしてて、腰を据えてモノ書きできていませんが、今週末くらいには色々まとめていきたいなと思います。 あ、それとなにげにこのサイト、昨日あたりで420000Hit行ってました。ありがとうございます♪ これからも精進しますー(^^) そうそう、藍さんのところに前回書いたバレンタインSSのイラストのお礼に、続きを贈ってみたりしてます。 メガネっ娘なかわいいイラストを描いていただいているので必見です。 てか、四の五を言わずに行ってこい! 14th Mar/2007 番組改変期が近いので(?)、このサイトの各コーナーも色々と終わっていくのでございます。 まずはキャラリナをば。 今回更新にて雪音の更新は終了いたします。 乙音と同様、一年のデータ関連は揃えておきましたので、これからもご愛用くださると嬉しいです。 さて、本日は気分を変えて「うたわれるもの」のSSをば――― 「カルラの姐さん、また昼間っから呑んでるんですかい?」 「おや、クロウの旦那。昼間っからお仕事かい?」 それは平和なトゥスクルの、とある昼下がり。 穏やかな笑いの絶えぬ城下町の、場末の酒場でのことだった。 「へぇ、見廻りでさぁ」 「精の出ることですわね。ちょっとここらで休憩はどう?」 流し目で問うカルラは、手にした酒瓶を掲げて誘う。 「何言ってるんですかい。仕事中ですよ」 「こうして民に紛れつつ、町を見るのも仕事のうちにならない?」 「………そいつぁ」 こうして。 呑んだくれがまた一人、町外れに生まれたのだった。 昼時が過ぎて、酔いが良い具合に回る頃。 「だから言ってやったんですよ、男ならそこで、ぐわっと行かないとって!」 「まぁ」 「そこで行けないのが聖上らしいですわね」 「同じ男として情けないぞ、兄者!」 いつのまにか、呑んだくれが4人に増えていた。 通りに面した4人席で思い思い酒と肴を嗜むのは、カルラとクロウ、そしてウルトリィとオボロだ。 「さて、そろそろ城に戻らないと大将にどやされちまう」 言って立ちあがるのはクロウ。 懐に手を伸ばして、そして動きが止まる。 「……カルラの姐さん、貸しておいてくれ。ちょいと手持ちが少なくてな」 言われたカルラもまた懐に手を伸ばして、 そして凍りつく。 「あー、ウルトリィ。少しばかり貸しておいてくれないかしら?」 視線を隣に。 トゥルルルルル カルラの言葉と同時、ウルトリィの胸元でそんな音が響いた。 ウルトリィは流れるような仕草で胸元に手をやると、手のひらに乗るくらいの小さな流線型の塊を取り出す。 それはカパッと2つに開く。その形状のまま、彼女は耳元にそれを近づけた。 「まぁ、聖上。あ、はい、お客様ですか。すぐに参りますわ」 「あの、何です、それ?」 首を傾げながら問うクロウ。 「お揃いのケータイですわ、それではお呼びがかかりましたので私はこれで」 言うや否や、ウルトリィは翼をはためかせて大空へと消えて行く。 唖然とそれを見送るカルラとクロウの横で、いきなりオボロが立ち上がった。 「! ユズハ?! いかん、それはイカンぞぉぉぉぉぉ!!!」 さすが最速ユニット。砂煙を上げて彼は城の方へと走り抜けて行った。 「一体何が……」 「電波を読めるシスコンかしら?」 2人は呆然と、小さくなったオボロの後ろ姿を見送った。 そして、ハッと何かに気付いたように2人は顔を見合わせると。 ドスッ! そんな重たい音が響いたのだった。 目を覚ますと、夕焼け空があった。 「いくら閑だからと言って、日の明るいうちから泥酔は感心しませんよ」 空の赤の眩しさに目を細めると同時、そう声をかけられる。 空の見えている視界に覗き込むような形で現れたのは、トウカだ。 「泥酔?」 「そうですよ、クロウ殿」 クロウはズキリと痛む鳩尾をそっと撫でながら身を起こした。 ここは場末の酒場。 支払いを巡る攻防で、カルラに不覚を取られて鳩尾に肘鉄を食らって昏倒していたのだ。 「まったく…」 彼の隣で溜息を吐くトウカは、店で出されたお茶と茶菓子を手にしている。 キラリ クロウの目が獲物を見つけた野獣のように光ったことに、彼女は気付かない。 「っと、こうしちゃいられねぇ、大将に怒られちまう! じゃ、あとはヨロシク!」 「へ?」 ズビシッ!と笑顔で親指を立てられ、トウカは困惑顔で去り行くクロウを見送った。 そんな彼女の肩に、店主の手がそっと置かれる。 「どうかしたか、主人?」 問うトウカに、店の主人が突き付けたのは請求書。 そこに書かれた金額を見てトウカは、 「ぶふっ!!」 思わずお茶を噴き出す。 「も、もしかして、それがしが……それがしが払うのか??」 コクリと頷く主人。 顔が蒼ざめるトウカ。 無駄と分かりつつも、懐から財布を取り出して机の上に広げる。 ちゃり〜〜ん♪ 寂しい音を立てて、銅貨が4,5枚。 「あぅあぅあぅあぅあぅ」 店の主人に睨まれる彼女は、まるでヘビに睨まれたカエルのように冷や汗を流すのだった――― 「ううぅぅぅ、聖上ぉぉぉ!!」 「分かった分かった、アイツらには厳しく言っておくから。な?」 「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」 結局、保護者(ハクオロ)が呼び出されて泣きじゃくるトウカを引き取ったとか、そんな話。 トウカ虐待話かよっ! そんなこんなでー。 【更新】雪音をラストアップデート 【更新】オリジナルSS『紅&白』『雨のち橋の下』を追加 17th Mar/2007 さくさくいってみよー、ってことで、稲荷話の続きを――― 大量の黒い羽が舞い散る! 「ぬぉぉぉぉぉ?!?!」 「っ!!」 鳥人の秒間辺りの攻撃回数がいきなり増えた。 途端、猟犬と妖弧の身体に増えた回数だけの傷が出現する。 「やばっ!」 妖弧は舌を打つ。鳥人は自らの体を犠牲に妖力を搾り出してきている。 舞う羽は彼の体の崩壊の予兆だ。 崩壊が先か、2人が倒れるのが先か。それは予想するまでもなく、 「ぐっ!」 猟犬の右手から伸びる長い刃物と見まごうばかりの爪が5指とも砕け散る。 彼の爪の防御を突破して、鳥人の杭のような嘴が心の臓に向かって突き刺さり、 ごす! 鈍器で肉を打つ音が響いて、鳥人が横に吹き飛んだ。 嘴にヒビを入れつつ、鳥人は己を振り抜いたハンマーを握り締める者を見る。 「おまたせ、2年ぶりね」 その声の持ち主は、8つの白いふさふさとした尾を持つ女だ。 少女のような体型には似合わない、柄の長さが2mほどもあるハンマーを片手で肩に担いでいる。 彼女の空いたもう片手には、灰褐色をした何かもやもやしたものがまとわりついていた。 それは自ら意志があるが如くうごめいているが、それが「何」であるかがどう目を凝らしても視認できない不思議な物体だった。 鳥人の視線は、他が全く目に入らないかのごとく一心不乱にそれに注がれている。 女はニヤリと微笑むと、手に握ったそれを、 夜空に放り投げた! 鳥人が動く、夜空に向かって。 「!?」 がくんと、その黒い身体が動きを止める。 「捕まえたっと♪ さぁ、どうする?」 宙に浮ぶ鳥人の足を捉えたのは、妖弧の右手だ。万力のように鳥人の右足首に指が食い込んでいる。 「私を連れたまま、時間の狭間に入れるかしら?」 妖弧の言葉が終わらないうちに、鳥人からも同じような不可視のもやのようなものが吐き出され、夜空に舞う同類を目指して飛び出した! 途端、鳥人の姿が小さな一匹の烏となり、地面に落ちる。 夜空では2つの『もや』が邂逅を交わし、やがて1つとなった。 弾き出される様にして、白い光が零れ落ちる。 「任せろ」 「よろしく」 合わせるようにして夜空を舞う2つの影。 猟犬が白い光を掴み、受け取る。 ハンマーを持った八尾の女がハンマーを水平に廻し、 「今度こそ、消し飛べ!」 もやに向かって叩き付けた! 不可視のもやはその一撃を回避できず、その真ん中にハンマーを食らって夜空に霧散。 まるで花火のように粉々になってそれぞれ明滅を繰り返したかと思うと、闇の中に溶けるようにして消えて行った。 「やったか」 夜空を見上げる猟犬に、ハンマーを振りぬいた女は慌てて駆け寄り、彼の手にある光の珠を奪うように受け取る。 それは心臓の鼓動のリズムで明滅を繰り返し、次第に消えかかっていた。 「間に合って!」 彼女はアパートの自室に向かって駆ける。その後ろを猟犬と妖弧もまた追いかけた。 静けさを取り戻した狭い戦場から、猫の結界もまた解かれる。 途端に新鮮な夜風が吹き抜け、闘いの熱気は天空高く散らされて行った。 風で、地面の小石が1つ転がる。 しかしこの時、場の支配者である猫達ですら残滓に気付いてはいなかった。 転がった小石が、風上に向かって動いていたことなど――― 次辺りが最終回かな? 18th Mar/2007 3月も後僅か。 今年度の〆に向けて、稲荷話最終回です。 彼女は部屋へ駆け込んだ。 手のひらに馴染んだ暖かさを持つ存在を感じながら。 部屋の中。 目の前には彼女の一番大切な人の身体がある。 手の中には、一番大切な人の魂。 「っと」 動きが、止まる。 「え、と」 きょろきょろと左右を見まわす彼女。 視界には特段、変わったものは入らない。 そうやっている間にも、手の中の光は弱くなっていく。 「ど、どうしたら」 手の中の光と、横たわる彼の身体を交互に見やりながら彼女は焦る。 「あー、心の臓あたりに叩き込みゃー、いいよ」 「そ、そうなの??」 「あぃ。外しちゃいけんがね」 言葉の通り、彼女は光の弱くなった彼の魂を彼の身体に。 左胸の辺りに叩き付けた! びくん! 一瞬、彼の身体が跳ねるようにして動く。 「………」 それだけだった。 「え、あ、う……」 おろおろとしながら彼の横にしゃがみ込む彼女の肩を、『それ』は優しく叩いた。 「だいじょぶだいじょーぶ。3日くらい目を覚まさんかもしれなーけども」 「ほ、ホント? 本当に彼は元に戻るの?」 「戻るよー、アンタと同じく、記憶も全てーな」 その言葉に彼女は僅かに硬直するが、一瞬遅れて安堵の溜息。 そして、はっと気付いたように、彼女は目の前の『それ』をまじまじと見つめて一言呟いた。 「貴女、誰?」 妖弧と猟犬は、半ば破壊されたその部屋の玄関で立ち止まっていた。 いや、違う。 中に踏み込めないでいた。 「一体、何がどうなっている…」 猟犬が唖然とそう呟く。 2人の視線の先には、倒れる青年とそんな彼にすがりつくようにしゃがみこむ八尾の少女。 そしてそんな男女をまじまじと見つめる、腰まで伸びる銀髪を優雅に流す中年にさしかかった女だ。 銀髪の女は、ぽりぽりを頭を掻いたかと思うと少女と同じくその場にしゃがみ込んで彼女の肩に手を置いて何かを話している。 目の前の光景はないも不自然のない、ありふれたものだが。 2人の人でないモノには、銀髪の女の存在が信じられないものだった。 目の前にすると、自然と尻尾が丸まってしまう。 本能から来る身の震えが止まらない。 それはすなわち、神格を前にした時の緊張だ。 「なんで、どうしてこんなことが」 妖弧もまた唖然とこう呟いたのだった。 「どうして宇迦之御魂大神が降臨されている??」 「わっち? 宇迦っちゅう名の狐やわ」 聴いた事のない方言なまりで、女性は彼女にそう答えた。 「宇迦??」 「珍しく古い知り合いに会って、教えてもらってぇーな。気になるさかい、ちょい降りてきたわ」 「はぁ」 「で?」 「は?」 「この人間、アンタのなに?」 問う銀髪の女は、ニヤニヤとした笑みを浮かべながらそう尋ねた。 彼女は銀髪の女を見る。 宇迦と名乗るこの女からは、どこか身内のような親しさを感じるからだろうか。 「……そうですね」 彼女は規則正しい呼吸を続ける彼の頬に触れながら、宇迦を訝しむことなく目を閉じて答える。 「とても大切な、いえ」 言い直す彼女は目を開ける。瞳にははっきりとした決意の色があった。 「大好きな人です」 ぷつん 自らの胸元に伸ばした彼女の右手からそんな音がする。 右手は穏やかに上下する彼の胸元に伸び、小さな金の指輪がそこには残った。 「だから、ここでさよならです」 彼から目をそらし、彼女は立ち上がり背を向けた。 一歩を踏み出そうとした、その足首を掴まれてしかし彼女は止まる。 「…え?」 彼女の足首を掴むのは、3日は目が覚めないと言われたはずの彼。 「やっと、見つけた」 かすれる声で、彼は呟く。 「もう、僕の前から勝手に消えないで、くれないか?」 「っ?!」 彼女の彼を見つめる視界が歪む。 「だって、だって私と一緒にいちゃ、貴方は普通の人として生活できなくなる! 見えないモノが見えたり、巻き込まれたり…」 叫ぶような彼女の言葉は、彼が強く足首を掴む事で中断される。 「そんなことで、泣くなよ…」 一言、彼はそう言って僅かに微笑むと再び目を閉じて意識を失った。 彼女もまた、倒れるようにしてその場に座り込む。 「そんなこと、じゃないでしょ」 畳の上に涙の大きなシミが一つ、生まれる。 「私だって一緒にいたいよ。大好きなんだから、いっしょにいたいよぅ」 涙が幾筋も彼女の頬を伝わり、落ちた。 畳にいくつかのシミが出来た頃、唐突にこんな言葉が投げかけられる。 「いれば、良いんじゃないかな?」 それは銀髪の女から。不思議そうな顔で彼女を見つめている。 「彼は『そんなこと』って言ってはるんやしのぅ」 「そんなこと、じゃないって言ってるでしょう」 「じゃ、アンタの妖気、わっちが貰おうか?」 「はぃ?」 「ちょっと待ったぁぁぁ!!」 2人の間に飛び込むのは、玄関で中を覗いていただけだった妖孤だ。 「それって、妹をただの狐に戻すってことではないのですか、宇迦之御魂大神様!?」 「宇迦之御魂大神……って、うそ…」 姉の言葉に、彼女は改めて目の前の銀髪の女を見た。 端整な鼻立ちに白い肌。黙っていればどこぞの貴婦人で通りそうだ。 それ以前に、今まで気がつかなかったのがおかしいくらいの神気をその身に纏っている。 宇迦之御魂大神とは稲荷神の筆頭。 全ての稲荷達を束ねる、稲荷の神だ。国造り時代の太古の神であり、その存在は昨今ではすでにないとされていたが。 そんな宇迦之御魂大神は彼女の姉の言葉に苦笑いを浮かべながら手を振った。 「そんな極端に妖気を吸いやせんわ。加減くらいできずに、なにが神かね。だかね」 宇迦之御魂大神は彼女に向き直り、真剣な顔で問うた。 「わっちが妖気を吸うたら、アンタはずっと下位の妖狐。今みたいに八尾にも、当然九尾なんてこの先無理やよ。そして何より」 宇迦之御魂大神は再度気を失った彼と、そして彼女を交互に見ながらこう加える。 「刻む命の長さも、人と同じになるわ、それでも…」 彼女は宇迦之御魂大神の言葉を最後まで言わせることなく、答えた。 「望むところです。よろしくお願いします」 割れたコップが元に戻る。 破壊された玄関の扉も、むしろ破壊されるよりもずっと前の新品の段階になって修復されていた。 「ん、こんなものさね」 宇迦之御魂大神は元通り以上に戻った部屋に、満足げに鼻を鳴らす。 そしてホットカーペットの上で並んで眠る1組の男女を見下ろしながら、小さく微笑んで言った。 「今も昔も、変わらんものね」 「昔?」 問うのは妖弧。 「そう。わっちらは惚れやすくて困るわ」 溜息1つ。 「前はいつだったか……そう、清明とかいう陰陽師に惚れこんだ娘がいたわ。幸せに暮らしたんやろかね?」 「きっと、幸せだったんじゃないでしょうか」 妖弧は微弱にしか妖気を感じなくなった妹を見つめながら呟いた。 宇迦之御魂大神は妖弧をなんとはなしに見つめ、口を開きかけたが小さく首を横に振って止める。 「久々に良いモノ、見せてもらったわ。じゃ、お節介なお婆はここで失礼するかぁね」 うーん、と背伸びをして宇迦之御魂大神。 「ありがとうございました。妹に代わって、お礼申し上げます」 深々と頭を下げる妖孤に、宇迦之御魂大神は首を横に振る。 「何言ってるかぁね。子の幸せは親の望み、アンタも自分の幸せ、見つけなぁよ」 微笑みを残し、宇迦之御魂大神は小さくその場で跳躍。 するりと、まるで空間の隙間に潜り込むようにしてその姿を消した。 「じゃ、私達も消えるとしますか」 妖孤は笑って後ろを振りかえる。 縮こまるようにして座っていた猟犬は頷きつつようやくその身を伸ばして、目を廻したままの烏を担ぎ上げた。 「まぁ、結果的には太古の神も消え去り、任務は完了だな」 「さっさと帰らないと、アンタのご主人が迷い犬のビラをあちこち貼ってるかもね」 「……余計なお世話だ」 バタン。 玄関の戸が閉まり、2匹と一羽もまたこうして猫寝荘を後にしたのだった。 カラカラ カラカラカラ 小石が、意志を持って転がる。 ”やはり” 小石から微弱な意志が漏れ出している。 ”やはりケイ素体は炭素体よりも扱いやすい、が” カラカラカラ、かちゃん 小石は猫寝荘の、ちょうど階段のあたりで壁にぶつかり止まる。 ”が、しかし結晶化されていない分、勝手が悪い、む?” こつん 小石に何かが押し当てられた。 小石に憑く『何か』はそれが何であるかを知り、歓喜する! すぐに本体である意志を小石の中に含まれるケイ素から、押し当てられている『それ』に移行。 同時に周囲に散らばった己の断片に召集をかけ、『それ』に自らを完全に再生させた。 ”素晴らしい。さっそく復活し、まずはあの狐の娘を我が犠体としてくれよう” 意志が、邪な笑みで震えた。『それ』とは5GBのUSBメモリーだ。無論、そんなものが猫寝荘に当たり前のように転がっているとは考えられない。 ”散逸したデータの欠損率は38%。ふん、まだまだいける、問題はない!” こんな不自然に気を止める事もなく、意志は次の行動へと移ろうとしていた。 小石にメモリーを押し当てていた『彼女』は、メモリーの中で対象が完全に復活すると同時に処理を施す。 ”?! なんだ、一体何が起きている?! やめろ、やめてくれ!! 逃げ場は…動けない?!” 意志は己の大部分が『凍り付いている』ことを自覚する。 自覚した時にはすでに手遅れだった。 ”凍る、やめろ、またか、また閉じ込められ……” USBメモリーに宿る意識は、言葉が終わる前に完全に停止した。 「圧縮終了っと♪」 彼女は気楽にそう呟くと、USBメモリーを胸のポケットへ。 「最後くらいはちゃんと活躍しなくちゃね」 「姉上、こんな夜中にどうしたんです?」 「んー、ちょっと星空が見たくなってね。寒いわー、今夜は」 「そりゃ、外套も着ずに外に出ればね」 かんかんかんと、階段を上っていく彼女は何事もなかったように部屋に戻ったのだった。 僕の住むアパートの部屋には、今では珍しい神棚がある。 朝。 いつもの通りに身支度をして、会社へ向かう準備を始める。 ネクタイを締め、鞄を確認し、そして。 神棚に今日一日が良い日である様にと、小さく一礼。 同時。 ぴんぽーん インターホンの音と共にがちゃりと玄関が開く。 「おはよう!」 隣人であり、僕の一番大切な人である彼女がやってくる。 「おはよう」 いつもの彼女の笑顔に、僕もまたいつもの笑顔で応える。 いつも通りの日常。いつもと変わらぬ、幸せな時間。 だが、最近思う。 「どうも、さ」 がちゃりと玄関のカギを閉め、僕は彼女と猫寝荘を後にする。 いつもの駅までの道のりだ。 「どうも?」 「うん、どうも最近」 僕は振り返る。背後には猫寝荘。 2Fの通路には大きくあくびをしながら背伸びする、お姉さんの姿。 小さく会釈して、僕は視線を元に戻した。 「あ、いや。何でもないよ」 「ん? 変なの」 そう言って彼女はコロコロと笑う。 つられて僕も思わず口許を緩めたのだった。 「あー、危ないところでした」 「感が良いのかしらね?」 パジャマ姿の彼女は、駅へと向かう一組の男女を見送っていた。 その背後には、隠れるようにしておっとりとした女性が一人。 「というかさ、そろそろ姿見せても良いんじゃないかしら?」 パジャマの女性が彼女に言う。 「うーん、そうなんですけど」 「ですけど?」 「どうも別れ際がアレだったのでこんなにすんなり戻ってきたんじゃ、感動も何もないような気がして」 心底困った顔で彼女――古い時代の女神は溜息を吐く。 「じゃ、何か感動的な再会を計画しましょうかね?」 機神の通り名を持つパジャマの女は思案顔で告げる。 「ぜひぜひ、ご協力お願いします」 「こんな楽しそうなこと、見過ごす手はないですし」 笑う機神はふと思い出したように女神に問うた。 「でも確かに貴女、消えたんじゃなかったんでしたか?」 「まぁ、消えましたけどね。でも私は神ですから」 すでに見えなくなった2人の男女が見えるかの様に、女神は機神の横に並んで朝日を浴びながら目を細める。 「信じられていれば、いつでも帰ってきますわ」 長々とお付き合いいただきありがとうございました。 これにて稲荷2は終了いたします。なんてーか、1に比べて色々甘かったかも。 なお今回テーマは「不滅なものは存在し得るのか?」でした。 滅・不滅については尺度を何処にするかで結果は変わってくるとは思います。 人間の考える事ですから、その考えていた人が亡くなった時点で消えてしまうものは不滅ではないのかも。 でも亡くなった当人からすれば、己が消えた後の世界なんぞ知ったもんじゃないので、存命の間なくならないものならば当人にとっては不滅なんじゃないかなー、と。 まぁ、そんなこんなで。 最近のラグナロク――― キャラスロ拡張に伴い、アルケミ作成してみました。 ![]() エンブリオ作成に2度ほど失敗しつつ、召還できたのは亜種のリーフさん。 異世界人ではありませんでした(どこのルイズか?)。 ぼちぼち育てて遊んでおります、はい。 なお、昨今の過剰精錬ですが、 +6ツーハンドアックス → +7ツーハンドアックス 失敗 +7カッター → +8カッター ×3失敗 +8カッター → +9カッター 失敗 結局何も残らずにクホホ……。 いたたたた(><) 24th Mar/2007 4月から新番組が色々始まりますね。 しっかし「ハヤテのごとく」と「ドージンワーク」は電波で流すのは如何なものかと…… ん。 特にこれといって書くことがない昨今です。 最近のラグナロク――― ![]() 長女のLvは97/50に。オーラも見えてきたか?! でも相変わらずちょくちょく死んだりするので、3歩進んで1歩下がる状態っぽいです。 一方、ordin鯖の方では、 ![]() ローグに続き、BS作成終了。 OCとDCを5に抑えて代わりにメマーを10にしました。完全戦闘系の予定です。 しっかしBSギルドがゲフェンからアインブロックに移動していたので面倒なことこの上ない。 アインについた途端、スモッグ警報でケムリのモンスターに囲まれたかと思うと、一撃300〜400のダメージを食らって死亡。 町全体がテレポート禁止地区なので、逃げることも叶わず。 転職にも一苦労でしたよー。 ともあれ、bijouおよびordinともにネットゲームはここで一旦休憩。 GWくらいに再開できれば良いかなぁ。 31th Mar/2007 さて、4月。 新年度の始まりですね。 思い起こせば、社会人になって丁度10年目。 10年前。 故郷からかなり遠く離れた赴任先で、暇を持て余して始めたホームページ作り。 このページの前身(ReverseWindow)からとは言え、10年です。 10歳のお子様が20歳ですよ。お酒OKなお歳になっちゃたんですね。 長かったようで短かったようでもある10年目。 ホームページを通して、色々な人と出会うことが出来ました。 ありがとう! そして。 腰を据えてやりたいことがあるので、これを機にしばらく更新をお休みします。 次にここに書く時は、やり終えたことを誇れるコンテンツの一つとしてUPできた時です。 目標は、夏ごろにはなんとかっ。 だからそれまで。 おさらば、です! 1st Apr/2007 はい、生きてますよ? お久しぶりでございます、みなさま。如何お過ごしでしょう? すっかり夏の足音も聞こえ初めてきました。 現在、ちょくちょく暇をみては書きたかったコンテンツをちょびちょび書いております。 しかし忙しさとノリの減少も手伝い、歩みは遅く、ようやく2歩くらい進めた感じ。 まぁ、早めに終わらせて復活できるように頑張ります。 そんなこんなで、ちょこっと近況報告でした♪ 13th May/2007 Blogについてはmixiへ移行しました。 ご興味のある方は足を運んでみてくださいませ。 http://mixi.jp/show_friend.pl?id=216631 以降は、ここでは創作系の更新のみとなります。 更新内容についてはトップページにて告知という形を取らせていただきます。 今後もよろしくお願いいたします。 22th Jun/2007 昨今は気力が落ちているのもあり、またこれと言って熱中することもない為、更新が疎かです。 マズイと思い、月一本は短編をアップしておりますが。 久々にこの欄を使って3ヶ月分の作品の思ったことなどを簡単に――― 人魚娘 7月更新分。あまりに外が暑かったから書いた。 認識外で物語が進められていくというモノを書きたかったが、うまく行けたと思う。 個人的には作風が好みに仕上がったのだが、苦手と思われる方も多いだろうなぁ、な作品かと。 蒼の彼方 8月更新分。ちょっと摘め込んで書きすぎた感があり、反省。 書き出しながら、思った以上に面白くないことが判明。勢いで書き上げた。 なんだかあやふやな内容になってしまい、書いた本人以外よく、分からないんじゃないか、こりゃ。 自身の悪い書き方の典型として認識。 Gun-Ho! 9月更新分。コンセプト自体は去年末ごろからあり、結構暖めていたネタでした。 当初は現行武器を色々紹介しつつ、血が苦手な凄腕の女の子が〜〜なんて感じで想像していたのですが。 んー、いざ書いてみると蒼の彼方とは違う意味で筆が進まない。「面白いかも」と「面白いと思う」はやはり違うことを実感。 本来ならば長編として仕立てるべき内容だとは思うのですが、長編にしたところで面白いのかと問うと疑問。 かなり苦しみながら書いた作品。後悔はしていないが、満足もしていない。 そもそもキャラがそれぞれアクが弱いのが欠点でもあるんだろうなぁ。 そんなこんなで、取りあえず感覚は忘れないように書き続けてはいます、はい。 8th Sep/2007 めっきり更新が落ちております。 ちょっと7月末から色々あって、なんとなく筆が進まない感じです。 でもきっと、その「色々あった」ことが基になって、何かを書くと思います。 今はまだ、そんな感じで。 ![]() 最近のラグナロク、まだ続けてますよ。 1dayで気が向いたらの時ですが、やっとこさLv98になりました。 あとLv1つで転生なんですが、98の道はすさまじく長いです。 97の時は1時間で2.4%上がってたのが、98だと1.3%くらいです。なに、この男坂?? 転生できる頃には、3次職導入されてそうですね。 まぁ、まったりとー! 7th Oct/2007 お仕事であちこち出張が続いております。 ちょっと体がもたない、かなりキツイ。 そのキツサをまぎらわすために、PSPを購入。モンスターハンター2をネットオークションで落として楽しんでいます。 コレ難しいねぇ、あとモンスターに背後から襲われる恐怖感がなんとも言えない。 移動中にちょこちょこ楽しんでいますわ。 あとPS2の方で『大神』もネットオークションで落としました。 名作じゃね? 絵巻物のような独特の雰囲気が素敵です。あとわんこ可愛い(^^) 久々にSS書きました。腕が落ちているようで、所要時間1.5時間。 1年前なら1時間かからなかったはずなのに……退化しているな、反省。 28th Oct/2007 4月ごろから続けていた「Fablic」の全面改訂が1/4くらい進みました。 正直、一から書きなおした方が早いって! 第一章あたりの当時は多分、十年以上前の文体なので、読み直していると無性にムカツキます。 ただ場面場面は脳裏にしっかり浮ぶので、当時の文章の上から追記及び修正って形で延々と書いていました。 当時、言葉少なすぎ&表現拙すぎ! 己の暗黒面をまざまざと見つめながらの作業は、ドMなら喜びそうです。 私はMではないのでひたすら地獄でしたが。 そんなこんなで、一番の難関であった第一章の全面改訂が完了。 元の文章と比較すると、かなり違います。 内容も実は違います、当時はしょりすぎてましたし、キャラの心境が全く伝わらない展開でしたわ。 この作品については、しっかりと最後まで書き上げたいものなので、大事に進めて行こうと思っております。 題名を仮題であった『Fabric』から『Mebius Ring』へと変更/決定、まずは第一章をお送りいたします。 さて、第二章も頑張りますかねぇ! 12th Nov/2007 |